【現地レポート+インタビュー】歴史的瞬間をファンが見守る!Worlds パブリックビューイング——ケイン・コスギインタビューも必見!

2023.12.1 岡安学
11月19日(日)に、韓国の高尺スカイドームにて、『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、LoL)の世界大会「Worlds」の決勝戦が開催されました。それに伴い、日本をはじめとする各地域でパブリックビューイングを行いました。

日本では高田馬場にあるASH WINDER Esports ARENA(AWA)での開催です。パブリックビューイングといっても、配信を観るだけではなく、トークショウや優勝予想なども行うイベントとしての側面もあります。司会はLJLでお馴染みのタケトさん。ケイン・コスギさんやJaegerさん、Recruitさんなど、『League of Legends』に縁のある人が出演しました。さらにeyesさんとRevolさんによる日本語実況解説で試合を楽しむことができました。

▲会場となったのはASH WINDER Esports ARENA

▲タケトさんら『LoL』ではお馴染みの面々が登場しています

▲仕事の都合で最後までいられないとケイン・コスギさん。会場もケインさん本人も残念そうでした

▲来場者特典として配布していたクリアファイルとステッカー、プレイヤーカードなどグッズ。応援用のバルーンも入っていました

決勝戦はT1初優勝がかかった注目のカード!


決勝戦は高尺スカイドームでのオープニングセレモニーから始まります。さすがに現地ほどの臨場感は得られませんが、AWAの大型スクリーンと大音響により、家の環境で視聴するものとは比べものにならない迫力で楽しめました。

また、Worldsの決勝戦のオープニングイベントは、ARによる映像効果で、現地の映像にCGを取り込んだ配信を行っています。ある意味、現地では体験できない映像を楽しめるので、その点ではパブリックビューイング会場で観戦することが正解といえるでしょう。

▲オープニングセレモニーも会場の大型スクリーンに映し出されました

▲会場の観客席に登場したモルデカイザーは、おそらく会場では見えていない配信のみの演出

▲T1とWBGの登場でパブリックビューイング会場もボルテージが上がります

今回のWorldsの決勝戦に進出したのは韓国のT1と中国のWeiboGaming(WBG)。T1は『LoL』の競技シーンのレジェンドであるFakerが所属する人気チームの上、韓国開催のWorldsでまだ韓国チームが優勝したことがないという状況下にあり、韓国全土の期待を一身に背負っています。それだけに例年にない注目度の高さを示しているといえます。結果は3:0でT1が圧勝し、4度目の世界王者に輝きました。詳しい試合内容は下記の記事を参照してください。

参考記事:
【Worlds 2023 決勝速報】韓国T1が2016年以来7年ぶりの優勝! 最多優勝記録を更新

▲昨今の競技シーンではブルーサイドの勝率が高いとされる中、すべてレッドサイドで勝利を収めたT1。ストレートで優勝を決めました

大会の最大同時視聴者人数はeスポーツの配信としてはもっとも高い640万人を記録。日本国内だけでも15万5000人の同時視聴者人数を記録し、今回の大会の注目度の高さがうかがえる結果となりました。

さて、我々が取材したAWAでのパブリックビューイングですが、こちらも会場に負けず劣らずの大盛り上がりでした。今回のパブリックビューイングですが、一般観戦チケットは2,000円と妥当な価格ですが、『LoL』グッズ付きのティーモハット付きは5,960円、ポロハット付きは6,950円とかなりの金額になります。

それでも会場に訪れていた1/3程度の来場者はどちらかのハットを被っており、今回のパブリックビューイングにかける意気込みの高さがうかがえます。グッズ付きのチケットは数量限定だったので、もしかしたらどちらも完売していたのかも知れません。

▲ティーモハットかポロハットを被っている人が予想以上に多くいました

▲来場者特典で貰えたスティックバルーンを駆使して応援。かなり盛り上がっていました

▲ドリンクスタンドで働いていた店員さんもティーモハットで場を盛り上げていました

▲Faker選手の切り抜きまで持ったガチなT1ファンと思いきや、Faker選手の切り抜きの下には「SoftBank HAWKS Gaming」のロゴが! 良くみれはブルゾンの袖の白い2本のラインはってことですね。まあ、ブロッコリーを持参するレベルのFakerファンであることも間違いないでしょう

ファーストブラッドやドラゴンを倒した時、勝敗が決した時など大きな歓声を上げ、スティックバルーンを叩きまくっていました。狭い会場に大人数が入っていたこともありますが、LJL 2023 Summer Split Finalsの会場よりも盛り上がっていたのではないかと思うほどでした。

来場していた来場者に試合の合間に話を聞いてきました。お話を聞いたreaconさんとrairiさんは、結構ガチめの格好をしていたふたり組でしたが、なんとWorldsは準決勝を現地で観に行っていたとか。

▲気合いの入ったアイテムを持参して応援していたreaconさんとrairiさん

T1のファンだったのですが、とれたチケットはWBG対Bilibili Gaming戦だったため、準決勝でもT1の勇姿を観ることができず。そこでパブリックビューイングを知った彼らは、是非ものでやってきたわけです。

「みんなで(LoLやT1が)好きな人が集まって、一緒に観られる場があるというのは、盛り上がっていいですね。今後も定期的にやって欲しいです。実はLJLの試合は観たことなくて、この前のLJL 2023 Summer Split Finalsも観に行ってなかったんです。今度はLJLも観に行きたいですね」とreaconさん。

Riot Games ONEで大きな反響をいただけたのがうれしい——ケイン・コスギ氏インタビュー


最後にゲストに訪れていたケイン・コスギさんにお話を聞きました。eSports World開設初のインタビューから4年の年月を経て再びのインタビューです。

参考インタビュー:
「ゲーム配信で本当の自分を出せるのがうれしい」【ケイン・コスギ氏 インタビュー】
「ゲームの仕事は僕にとって天職」【ケイン・コスギ氏 インタビュー】

Riot Games ONEなど、さまざまなeスポーツイベントに訪れるケイン・コスギさんですが、もっともプレイしているタイトルといえばやはり『LoL』にほかなりません。今回のパブリックビューイングについて、Worlds 2023についてのいろいろ聞いてきました。

——eSports Worldの記念すべき第1回のインタビューから4年が経ちました。俳優・タレント活動だけではなく、ゲーム配信者としての活動も増えたのではないかと思います。この4年間、いかがお過ごしでしたか?

ケイン・コスギ氏(以下ケイン):仕事以外の時間はほぼすべて『LoL』のプレイやゲーム配信に費やしてきました。以前は年に1000試合することもありましたが、最近は仕事が忙しく、ゲーム時間を取るのが難しくなってきています。それでも、感覚を忘れてしまわないように毎日1試合はプレイするよう心がけています。

ランクはちょっと前までプラチナだったんですけど、連敗してゴールドに落ちてしまいました。今シーズン中にもう一度プラチナに上がりたいですね。


——今回、WorldsのFinalのパブリックビューイングを日本で開催したことについてはいかがでしょうか。

ケイン:客席とステージが近いこともあり、お客さんたちの熱気を肌で感じることができました。

Worldsは、2017年の中国・北京、2018年韓国で開催された時は現地に観戦に行きました。僕もすべての大会には行けないですし、多くの人が現地に行くことは難しいと思います。なので、今回のようなパブリックビューイングがあることは凄くいいことですね。大会はやっぱり大勢で観る方が楽しいですから。こういったイベントは今後もどんどんやっていって欲しいですね。

——決勝の結果はこれからですけど、Worlds 2023を振り返って、今回の大会の感想はいかがでしょうか。

ケイン:そうですね。T1がFinalで戦う姿が見られたのはうれしいですし、予選からトーナメントまで面白い試合はたくさんありました。「まさかあのチームが!」というような強いチームが結構最初の方で負けてしまうような、いろいろなドラマがありました。本当に楽しい試合が多かった大会でしたね。

——今回のパブリックビューイングに参加して『LoL』の競技シーンを始めて観る日ともいると思いますが、より楽しく観戦するポイントはありますか。

ケイン:Worlds Finalでまず観てほしいのは、オープニングセレモニーですね。演出が凄いですし、T1が出てくるところは興奮すると思います。Worlds Finalのオープニングは特別ですね。

試合でのポイントはやはりスーパープレイ、推しのチームが勝った時、不利な状況からの逆転は盛り上がります。他にはドラゴンやバロン戦は面白いですね。ただ、観ていてちょっとわかりにくい部分もあると思います。特にあまりプレイをしたことがない人は尚更です。

5対5の戦いなので、画面は頻繁に切り替わりますし、どれを観ればいいかもわからないかと思います。なので、最初はまわりの雰囲気を感じてもらって、みんなが「わっ!」と盛り上がった瞬間に凄いことが起きたって感じとれればいいと思います。スポーツ観戦もそうですけど、応援するだけでも楽しいですよね(笑)。

——今回のパブリックビューイングもRiot Games ONEの一環とのことですが、12月2日(土)〜3日(日)に開催されるRiot Games ONEにも昨年に引き続き出場されるとお聞きしました。

ケイン:そうですね、中山さんとパーフェクトパワーズで出ます。


——なかやまきんに君のことは中山さんとお呼びしているんですね(笑)。

ケイン:そうですね。昔からずっとそうです(笑)。今回はゲームをプレイする企画はないのですが、今回も出場させていただけました。

——昨年は筋力を付けるとゲームも上達するという話でしたが、実際にゲームのうまさと筋力は関係するのでしょうか。

ケイン:どれだけ影響するかはわからないですけど、決してマイナスになることはないと思います。運動すると集中力もアップしますし、姿勢も良くなると思います。

同じフォーム、姿勢でプレイできるとプレイも安定してきます。海外のeスポーツ選手は身体を鍛えている人が多くて、ゲーミングハウスにはトレーナーがついているところもありますね。eスポーツ選手も身体が資本なので、プラスになることはされている印象です。栄養士を付けている選手もいるようですし。

——日本でも、身体を鍛えているeスポーツ選手出てき始めていますよね。元『LoL』のプロゲーマーのゆとりもやし選手や『VALORANT』のFlax選手、『鉄拳7』のG選手、そして『ストリートファイター6』のときど選手がそうですね。

ケイン:ああ、そうですね。ときど選手はYouTubeでベンチプレスのアドバイスをしたことがあります。アスリートと一緒ですよね。凄く真面目にトレーニングされていて、初めて会ったときはびっくりしました。

——ケインさんがeスポーツ選手にトレーナーとして選手にトレーニング指導をする日が来るかもしれませんね

ケイン:そういう時代が来たらありがたいです。ぜひ、ゲーミングハウスにお呼びください。

——Riot Games ONEの話に戻りますが、今回はゲームをプレイしないということなのですが、どんなことをやる予定なのでしょうか。

ケイン:Riot Games ONEはストリーマーさんのプレイが観られたり、プロの対戦が観られたりするので楽しいイベントになると思います。僕と中山さんはゲームをしないのですが、もしかしたらパーフェクトパワーズのギャグが出るかも知れません。期待していてください。

——そういえばパーフェクトパワーズはM-1で3回戦進出とのこと。こちらも決勝に進出することを期待しております。

ケイン:パーフェクトパワーズは昨年のRiot Games ONEでの出演がきっかけなので、縁があるイベントです。僕はお笑いの人ではないですが、頑張ります!

——ありがとうございました。

———

好きなチームの優勝の瞬間を、同じ思いを持つ人たちと一緒に分かちあうというのは、やはり最高であることを再認識しました。現状だと日本でのMSIやWorldsの開催は難しそうなので、こういったパブリックビューイングの存在がファンにとってありがたいことだと思います。

次回大会のパブリックビューイングの開催はもちろん、可能であれば東京以外の都市以外でも同時開催してほしいところです。

撮影:いのかわゆう岡安学
編集:いのかわゆう


【岡安学 プロフィール】
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)

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