【連載】watanekoの『LoL』考察
T1優勝の秘密&2023年の「Worldsメタ」を振り返る【watanekoの『LoL』考察 連載第2回】
皆様こんにちは、2023年から「LJL」の解説を担当しているwatanekoです。
この連載では「Worlds 2023」を中心に『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)の競技シーンや話題になったメタに焦点を当て、その考察や分析の中でチームの強さの秘訣を明らかにしていきます。
さて、ご存じのとおり、「Worlds 2023」の優勝は韓国のT1となりました。世界大会優勝記録としては初&最多の4回目となり、盛り上がりを見せましたね。
今回はT1の活躍から優勝までの道筋、そして「Worlds 2023」のメタも含めてまとめていこうと思います。
「Worlds 2023」のプレイインステージ、いわゆる予選において、ミッドのメタチャンピオンと言われたアジールvs オリアナの勝率は、結果的にご覧のとおりとなりました。このマッチアップにおける勝率は、圧倒的にオリアナ側が握っていることがわかります。
このマッチアップは、元々アジールの「シュリーマシャッフル」と呼ばれるテクニックのプレッシャーにより、Lv6以降のガンクセットアップ能力の高さからアジールに有利とされていました。しかし、「Worlds 2023」のパッチで、序盤からオリアナがダメージを出しやすくなったことで、ウェーブプッシュの主導権を取りやすくなり、オリアナ側が有利を握りやすくなっていました。
そんな中、T1のミッドレーナーのFaker選手は「Worlds 2023」のスイスステージを通してアジールを使って、オリアナ戦で5戦中4勝しています。しかも、いずれもレーン主導権を取りに行くビルドで、です。
たとえば、アジールを得意としているKT RolsterのBdd選手は、オリアナ戦に苦戦していました。そして、決勝でT1と対決したWeiboGaming(WBG)のxiaohu選手も、アジール vs オリアナの対決を何度も行っています。
注目すべきはBdd選手、xiaohu選手がアジールで選択したルーンは「征服者」が多く、逆に「ヘイルブレード」という序盤から主導権を取りに行くルーンを選択した場合は、すべて敗北しているという点です。
このことから、それだけ序盤においてオリアナが強力であり、無理に主導権を取りに行って負けてしまったり、後々のスケール面で負けてしまっている様子がわかります。
●KT Rolster Bdd選手とWBG xiaohu選手の戦績
しかし、Faker選手は違うのです。
●T1 Faker選手の戦績
Faker選手は「ヘイルブレード」の選択と、アイテム面では「ルーデンテンペスト」の選択によって、レーンの主導権を握っていました。
xiaohu選手は「ヘイルブレード」に対して「ライアンドリーの苦悶」を選択していたこともあり、序盤からオリアナに対して有利が握れなかったことを考えると、Faker選手のこのマッチアップにおける理解度の高さがうかがえますね。
結果的にFaker選手は、アジールを使ったオリアナ戦において5戦中4勝という勝率を収めています。
ベスト8へ進出したT1。しかし、同じLCK(韓国)リージョンであるKT Rolsterと、LCK1位のGEN.Gが、LPL(中国)リージョンのJD Gaming(JDG)とBilibili Gaming(BLG)に敗北。準決勝まで残ったチームは韓国のT1と中国リージョンの3チーム。実質的に中国vs韓国の構図となり、T1は中国リージョンとの2連戦を控える状態となりました。
そんな中、T1にはJDG、BLGに勝る2つのポイントがありました。
エイトロックスに対する対策が、ヨネのピックです。
エイトロックスは「Q」スキル(ダーキンブレード)の性質上、インファイトを常時得意とはしていません。たしかにヨネはエイトロックスに対するカウンターとして機能するピックですが、フィジカルがとても必要なチャンピオンなので、プロプレイヤーの中で練習している選手は多くはありません。
それをZeus選手は長い時間をかけて練習し、実戦に用いることにより、途中無茶なプレイも多くありましたが(笑)、今大会での彼独自の武器として異彩を放っていました。
また、エイトロックスをピックした時のランブル相手のビルドも独特でした。多くの場合は「マーキュリーブーツ」+「ヘクスドリンカー」からコアビルドへ行くことが多い中で、Zeus選手は直接「ドラクサー ダスクブレード」を購入して攻めの姿勢を見せました。実際、ハイリスク・ハイリターンな考え方ですが、彼のプレイがそれを可能にしています。
●Zeus選手のランブル戦でのビルド
●Bin選手のランブル戦でのビルド
T1のボットデュオはとても多彩です。基本的なメタから外れたピックでも、彼らにとってはメタとなり得るパワーを持っていると考えていたようです。そしてそれが現実となりました。
インタビューでの回答
「Worlds 2023」のボットレーンにおけるメタの中心は、当初カイ=サから始まり、試合数を重ねるたびにザヤ、カリスタへと変化していきました。もちろん、アフェリオスやゼリのようなレイトゲームを考慮したピックはあったものの、T1はそれら以外のピックでレーンから勝ちに行きます。
そして準決勝のJDG戦、決勝のWBG戦で見せたのが、ヴァルス、ドレイヴン、そしてジンのピックです。この時ヴァルスは「脅威ビルド」でないと運用が難しいとされており、今シーズンを通してみても「脅威ビルド」が一般的でした。
しかし、T1は「ASビルド」を前提としてピックしており、「ゴースト」を持つことによって単体の性能を引き上げる考え方を持ち込みました。結果的にゼリとアフェリオスに対してレーン主導権を獲得しながら、中盤以降のダメージで勝ちました(ちなみに、現在は「ASビルド」も十分強力です)。
また、ドレイヴンに関しては「R」のバフが入っているものの、プレイヤーのフィジカルと練習量が求められる難しいピックです。そのため、多くのプレイヤーが選ぶピックではありませんでしたが、Gumayusi選手には可能でした。
ドレイヴンも、レーン主導権を握ってスノーボールするピックのため、第2のカリスタとしてT1の武器となりました。
最後にジンのピックは……もう説明ができないレベルです。最初に見た時の衝撃はすごかったです。私は「ジン……サポート?」と、なんとか状況を飲み込もうとしました。
ジンは、特性上タンク相手にダメージを出すのが得意ではなく、ダメージ不足に陥りやすいチャンピオンです。ただしこちらもヴァルス同様、「ゴースト」を持つことによって単体での機動力を追加。本来であれば「ゲイルフォース」を積むことで減少HPに対する4発目のAAダメージを最大化させようとしますが、「インフィニティエッジ」の採用によって、常時のダメージを引き出したのです。
スイスステージから明らかになったこれらのピックは、T1にとってバンピックにおける十分な有利を作り、余裕ある戦術へと昇華していました。
インタビューでの回答にあったGumayusi選手の発言「すべてのピックが可能な状態だった」ということからも、もしかしたら今大会のT1にはこれ以上の秘策が、まだあったのかもしれません……。
本記事のもうひとつのテーマは、「Worlds 2023」のメタの変遷とその分析です。ひとつずつ見ていきましょう。
「Worlds 2022」で最も注目されたメタ、マークスマンサポート。最初はハイマーディンガーサポートに対するカウンターとしてピックされ始めましたが、徐々に独立を果たし、純粋なボット主導権を握るピックとして有名になりました。
これを受けて、シーズン2023ではさまざまなナーフが施され、「アンブラルグレイブ」やチャンピオン自体へのナーフ、メタの変化などで数を減らしていったはず……。
なのですが、「Worlds 2023」では各リージョンで見られなかったはずのマークスマンサポートが、再び見られるようになっていきました。特にアッシュに関しては、やはり「E」の視界取りが強力ということもあり、多くピックされています。
これは、ひとつには「アンブラルグレイブ」がまだ強力であることを示唆します。また、個人的には「ヘイルブレード」が強力であることもひとつの要因なのではないかと考えています。新シーズンにおいて、これからの変更内容にも注目していきたいところです。
冒頭でFaker選手のアジールvsオリアナについてお話ししたものの、オリアナの快進撃はものすごかったです。今回の「Worlds」向けのバフによってオリアナは大変強力であり、バンピックでもバン数が1位、ミッドでのピック数も1位となっていました。全体的な勝率でも58.82%と、まさに“勝利の女神”だったのです。
ビルド面でも、個人的には「W」上げを予想していたのですが、Faker選手、knight選手、Yagao選手など多くのミッドレーナーが、対面にかかわらず「W」をLv3まで優先して上げている様子を確認できました。
「W」上げの利点は、パッチ13.17のバフで、基礎ダメージの上昇があったことです。ウェーブクリアから相手に対するハラスまで、強力になっていました。これもピック率の上昇要因です。
「W」上げについては以前解説もしているので、よければご確認ください。
これは「Worlds 2023」に限った話ではないのですが、今回もステージが上がるにつれて「Worldsメタ」への理解度とプレイヤーレベルの上昇に基づき、同じパッチ(環境)で試合が行われました。
にもかかわらず、メタが変化するという事象が起こったので、「Worlds 2023」のメタの特徴についてふれていきたいと思います。まずは、ステージごとに各レーンがどう変化していったのかをまとめてみました。
ご覧のとおり、チャンピオンの出現自体の違いや、元々メタとして上がっているチャンピオンの使用頻度の変化が現れていました。同じパッチなのに、チームの力量によって変わるのが非常に面白いです。
特にトップのランブル、ADCのカリスタはわかりやすく評価が分かれていたため、来シーズンも注目したいチャンピオンになっています。
今回は「T1の優勝」と「Worlds2023メタまとめ」について振り返り解説をしていきました。
実は、T1メンバーがフラッシュを「Fキー」に、WBGメンバーがフラッシュを「Dキー」に入れていた、なんていう小ネタもあったり、記念となる4度目の優勝を果たしたT1ということもあったりと、かなり盛り上がったシリーズとなりましたね。
来シーズンも「LoL esports」に注目して楽しんでいきたいと思います。
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この連載では「Worlds 2023」を中心に『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)の競技シーンや話題になったメタに焦点を当て、その考察や分析の中でチームの強さの秘訣を明らかにしていきます。
さて、ご存じのとおり、「Worlds 2023」の優勝は韓国のT1となりました。世界大会優勝記録としては初&最多の4回目となり、盛り上がりを見せましたね。
今回はT1の活躍から優勝までの道筋、そして「Worlds 2023」のメタも含めてまとめていこうと思います。
T1優勝までの軌跡①……Faker(アジール)対オリアナの回答
「Worlds 2023」のプレイインステージ、いわゆる予選において、ミッドのメタチャンピオンと言われたアジールvs オリアナの勝率は、結果的にご覧のとおりとなりました。このマッチアップにおける勝率は、圧倒的にオリアナ側が握っていることがわかります。
このマッチアップは、元々アジールの「シュリーマシャッフル」と呼ばれるテクニックのプレッシャーにより、Lv6以降のガンクセットアップ能力の高さからアジールに有利とされていました。しかし、「Worlds 2023」のパッチで、序盤からオリアナがダメージを出しやすくなったことで、ウェーブプッシュの主導権を取りやすくなり、オリアナ側が有利を握りやすくなっていました。
そんな中、T1のミッドレーナーのFaker選手は「Worlds 2023」のスイスステージを通してアジールを使って、オリアナ戦で5戦中4勝しています。しかも、いずれもレーン主導権を取りに行くビルドで、です。
たとえば、アジールを得意としているKT RolsterのBdd選手は、オリアナ戦に苦戦していました。そして、決勝でT1と対決したWeiboGaming(WBG)のxiaohu選手も、アジール vs オリアナの対決を何度も行っています。
注目すべきはBdd選手、xiaohu選手がアジールで選択したルーンは「征服者」が多く、逆に「ヘイルブレード」という序盤から主導権を取りに行くルーンを選択した場合は、すべて敗北しているという点です。
このことから、それだけ序盤においてオリアナが強力であり、無理に主導権を取りに行って負けてしまったり、後々のスケール面で負けてしまっている様子がわかります。
●KT Rolster Bdd選手とWBG xiaohu選手の戦績
しかし、Faker選手は違うのです。
●T1 Faker選手の戦績
Faker選手は「ヘイルブレード」の選択と、アイテム面では「ルーデンテンペスト」の選択によって、レーンの主導権を握っていました。
xiaohu選手は「ヘイルブレード」に対して「ライアンドリーの苦悶」を選択していたこともあり、序盤からオリアナに対して有利が握れなかったことを考えると、Faker選手のこのマッチアップにおける理解度の高さがうかがえますね。
結果的にFaker選手は、アジールを使ったオリアナ戦において5戦中4勝という勝率を収めています。
T1優勝までの軌跡②……唯一の韓国チームとしての戦い
ベスト8へ進出したT1。しかし、同じLCK(韓国)リージョンであるKT Rolsterと、LCK1位のGEN.Gが、LPL(中国)リージョンのJD Gaming(JDG)とBilibili Gaming(BLG)に敗北。準決勝まで残ったチームは韓国のT1と中国リージョンの3チーム。実質的に中国vs韓国の構図となり、T1は中国リージョンとの2連戦を控える状態となりました。
そんな中、T1にはJDG、BLGに勝る2つのポイントがありました。
- エイトロックスに対するZeus選手のヨネピックとランブルへの対策
- ボットのピックプールの広さ
1.エイトロックスに対するZeus選手のヨネピックとランブルへの対策
「Worlds」の試合が進むにつれて、トップレーンにおけるピックの中心はエイトロックスとなりました。しかし、Zeus選手はそのエイトロックスに対抗するピック、逆にエイトロックスをピックした時の対策も、2022年から持ち合わせていました。エイトロックスに対する対策が、ヨネのピックです。
エイトロックスは「Q」スキル(ダーキンブレード)の性質上、インファイトを常時得意とはしていません。たしかにヨネはエイトロックスに対するカウンターとして機能するピックですが、フィジカルがとても必要なチャンピオンなので、プロプレイヤーの中で練習している選手は多くはありません。
それをZeus選手は長い時間をかけて練習し、実戦に用いることにより、途中無茶なプレイも多くありましたが(笑)、今大会での彼独自の武器として異彩を放っていました。
また、エイトロックスをピックした時のランブル相手のビルドも独特でした。多くの場合は「マーキュリーブーツ」+「ヘクスドリンカー」からコアビルドへ行くことが多い中で、Zeus選手は直接「ドラクサー ダスクブレード」を購入して攻めの姿勢を見せました。実際、ハイリスク・ハイリターンな考え方ですが、彼のプレイがそれを可能にしています。
●Zeus選手のランブル戦でのビルド
●Bin選手のランブル戦でのビルド
2. ボットのピックプールの広さ
T1のボットデュオはとても多彩です。基本的なメタから外れたピックでも、彼らにとってはメタとなり得るパワーを持っていると考えていたようです。そしてそれが現実となりました。
インタビューでの回答
Q:では今日のBot DuoのB/P、どんな点に重点を置いていた?
— スイニャン (스이냥) (@shuiniao) November 19, 2023
Gumayusi:ファイナルまで来て、Botの全てのピックが可能な状態だった。相手がこの構成ならうちはこっちの構成にしよう、僕らはこの構成を先ピックして相手がどんな構成できても耐えよう、という形で準備した。
「Worlds 2023」のボットレーンにおけるメタの中心は、当初カイ=サから始まり、試合数を重ねるたびにザヤ、カリスタへと変化していきました。もちろん、アフェリオスやゼリのようなレイトゲームを考慮したピックはあったものの、T1はそれら以外のピックでレーンから勝ちに行きます。
そして準決勝のJDG戦、決勝のWBG戦で見せたのが、ヴァルス、ドレイヴン、そしてジンのピックです。この時ヴァルスは「脅威ビルド」でないと運用が難しいとされており、今シーズンを通してみても「脅威ビルド」が一般的でした。
しかし、T1は「ASビルド」を前提としてピックしており、「ゴースト」を持つことによって単体の性能を引き上げる考え方を持ち込みました。結果的にゼリとアフェリオスに対してレーン主導権を獲得しながら、中盤以降のダメージで勝ちました(ちなみに、現在は「ASビルド」も十分強力です)。
また、ドレイヴンに関しては「R」のバフが入っているものの、プレイヤーのフィジカルと練習量が求められる難しいピックです。そのため、多くのプレイヤーが選ぶピックではありませんでしたが、Gumayusi選手には可能でした。
ドレイヴンも、レーン主導権を握ってスノーボールするピックのため、第2のカリスタとしてT1の武器となりました。
最後にジンのピックは……もう説明ができないレベルです。最初に見た時の衝撃はすごかったです。私は「ジン……サポート?」と、なんとか状況を飲み込もうとしました。
ジンは、特性上タンク相手にダメージを出すのが得意ではなく、ダメージ不足に陥りやすいチャンピオンです。ただしこちらもヴァルス同様、「ゴースト」を持つことによって単体での機動力を追加。本来であれば「ゲイルフォース」を積むことで減少HPに対する4発目のAAダメージを最大化させようとしますが、「インフィニティエッジ」の採用によって、常時のダメージを引き出したのです。
スイスステージから明らかになったこれらのピックは、T1にとってバンピックにおける十分な有利を作り、余裕ある戦術へと昇華していました。
インタビューでの回答にあったGumayusi選手の発言「すべてのピックが可能な状態だった」ということからも、もしかしたら今大会のT1にはこれ以上の秘策が、まだあったのかもしれません……。
「Worlds 2023」メタまとめ
本記事のもうひとつのテーマは、「Worlds 2023」のメタの変遷とその分析です。ひとつずつ見ていきましょう。
①マークスマンサポートの復活
「Worlds 2022」で最も注目されたメタ、マークスマンサポート。最初はハイマーディンガーサポートに対するカウンターとしてピックされ始めましたが、徐々に独立を果たし、純粋なボット主導権を握るピックとして有名になりました。
これを受けて、シーズン2023ではさまざまなナーフが施され、「アンブラルグレイブ」やチャンピオン自体へのナーフ、メタの変化などで数を減らしていったはず……。
なのですが、「Worlds 2023」では各リージョンで見られなかったはずのマークスマンサポートが、再び見られるようになっていきました。特にアッシュに関しては、やはり「E」の視界取りが強力ということもあり、多くピックされています。
これは、ひとつには「アンブラルグレイブ」がまだ強力であることを示唆します。また、個人的には「ヘイルブレード」が強力であることもひとつの要因なのではないかと考えています。新シーズンにおいて、これからの変更内容にも注目していきたいところです。
②大活躍のオリアナ
冒頭でFaker選手のアジールvsオリアナについてお話ししたものの、オリアナの快進撃はものすごかったです。今回の「Worlds」向けのバフによってオリアナは大変強力であり、バンピックでもバン数が1位、ミッドでのピック数も1位となっていました。全体的な勝率でも58.82%と、まさに“勝利の女神”だったのです。
ビルド面でも、個人的には「W」上げを予想していたのですが、Faker選手、knight選手、Yagao選手など多くのミッドレーナーが、対面にかかわらず「W」をLv3まで優先して上げている様子を確認できました。
「W」上げの利点は、パッチ13.17のバフで、基礎ダメージの上昇があったことです。ウェーブクリアから相手に対するハラスまで、強力になっていました。これもピック率の上昇要因です。
「W」上げについては以前解説もしているので、よければご確認ください。
#LoL情報メモ
— wataneko (@LoLwataneko) October 30, 2023
今回はWCSで大活躍のオリアナ
「W上げのダメージと強さ」について
①"ダメージ"ではW上げの方が圧倒的に高い
②"攻撃範囲"がWはQより"50"長いので当てやすい
③"Wの効果"敵へのスロウと味方へのMS上昇が強い
↓詳細動画https://t.co/f9lCV2faGL pic.twitter.com/C1TD9NDMsY
③上位ステージに上がるほどに変化する「Worldsメタ」
これは「Worlds 2023」に限った話ではないのですが、今回もステージが上がるにつれて「Worldsメタ」への理解度とプレイヤーレベルの上昇に基づき、同じパッチ(環境)で試合が行われました。
にもかかわらず、メタが変化するという事象が起こったので、「Worlds 2023」のメタの特徴についてふれていきたいと思います。まずは、ステージごとに各レーンがどう変化していったのかをまとめてみました。
ご覧のとおり、チャンピオンの出現自体の違いや、元々メタとして上がっているチャンピオンの使用頻度の変化が現れていました。同じパッチなのに、チームの力量によって変わるのが非常に面白いです。
特にトップのランブル、ADCのカリスタはわかりやすく評価が分かれていたため、来シーズンも注目したいチャンピオンになっています。
まとめ
今回は「T1の優勝」と「Worlds2023メタまとめ」について振り返り解説をしていきました。
実は、T1メンバーがフラッシュを「Fキー」に、WBGメンバーがフラッシュを「Dキー」に入れていた、なんていう小ネタもあったり、記念となる4度目の優勝を果たしたT1ということもあったりと、かなり盛り上がったシリーズとなりましたね。
来シーズンも「LoL esports」に注目して楽しんでいきたいと思います。
wataneko(X)
https://twitter.com/LoLwataneko
wataneko(Twitch)
https://www.twitch.tv/lolwataneko
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