eyesの「LJL 2023 Summer Split」プレビュー 「MSI 2023」振り返りから夏の注目ポイントまで徹底解説! (2/2)

2023.6.10 宮下英之

「LJL 2023 Summer Split」の見どころ


さて、6月10日(土)から「LJL 2023 Summer Split」で僕が一番注目しているのは、ミニオンの移動速度が変更されることにより、ミッドがそこまで勝たなくてもよくなって、3レベル、4レベルでダイブされるようなケースが減ったことです。

主なミッドシーズンアップデートの内容(パッチ13.10より抜粋)https://www.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-13-10-notes/


  • ミッドレーン、サイドレーンのミニオンが同時に出会うようにミニオンの移動速度をアップ
  • ホームガードの開始時間が20分から14分に短縮
  • ブラストコーンの出現時間が5分〜5分30秒から9分〜9分30秒に遅延
  • タワープレートが奪われてから20秒間、タワーの防御力がアップ
  • サモナースペル「真テレポート」に変換する時間が14分から10分に短縮。試合序盤のクールダウン時間を遅延
  • 「オラクルレンズ」の効果時間を10秒から6秒に短縮。同時にチャージを2つにし、リチャージまでの時間を延長
  • 「ファーサイト オルタレーション」が壁の反対側の視界も見られるように変更。敵チャンピオンを発見するとその後自壊する

今までの「LJL」はミッドレーンが強いチームが勝っていたのは、そういうメタだったから。これまでは距離が短いミッドレーンが最初にミニオンがぶつかり合って、その10〜15秒後くらいにボットレーンのミニオンが当たっていました。つまり、10秒くらいでミッドのミニオンを全部消せれば、その間にボットレーンに行ける。ボットにミニオンがぶつかってファームしようという時に、もうアーリがブッシュに隠れていられたんです。

そのため、ミッドレーナーはミニオンクリアが早いチャンピオンで、しかも最初のウェーブで勝たなければいけなかった。それが「Summer Split」では、ミッドがウェーブクリアを頑張っている時に、もうボットレーンも一緒にクリアしているので、動いても影響力が出せなくなる。

ということは、ミッドレーンの1vs1でこの選手が勝ってくれるから、他のメンバーでこういうことをやろう、という戦い方だったチームは軒並み通用しなくなります。すでに開幕しているLPLでも起きているんですよね。

逆に、勝てなくても負けない、耐えられるミッドレーナーたちが活躍できるチャンスが出てきます。例えばFENNELのRecap選手とかは、押し勝つ選手ではないけど負けない。DasheR選手もメイジをピックしてプッシュ勝ちしていくようなスタイル。なので、ミッドレーンの戦況が大きく変わります。

そして、ミッドが変わった影響で、ジャングルでキャリーできるチームが強くなると思います。例えば、CGAのようにミッドが負け気味で厳しかったチームも、多少ならなんとかなるでしょう。ジャングルのCassin選手はキャリー系タイプですし、そういうチームが光り輝くんじゃないかと思います。

そしてその上で、全レーンのレーニングがアベレージで強いチームが勝つと思います。トップ・ミッド・ボットの14分までのレーナーのスタッツアベレージが高いチームが強い。レーニングフェーズを乗り越えて初めてファイトとかになってくるので、FENNEL、DFM、SHGあたり。

こういった変化により、上位陣が変動する可能性はあります。特にSGは2名も選手を変えるので未知数です。もともとミッドのJett選手が勝って、動いて、ゲームを動かすチームでしたから、そこが抑制されてしまうので。ただ、LokeN選手も14分過ぎにはミッドレーンにロームしていればミッドの主導権は取れそう。そこには期待したいですね。

実際、LPLは新しいパッチで開幕していますが、まだそれほどウェーブクリアが遅いチャンピオンは出てきていません。ですが、今後は例えばカサディンが強化されたりすれば変わってくるかなと思います。

「LJL」におけるトーナメントの変化の影響は?


「Summer Split」のリーグ全体の戦い方も、Bo3で1巡して、そのあと全チームでのトーナメントになりますが、この方式は「LJL」史上初めての試みで僕にもまだ影響力はわかりません。ですが、個人的には全チームで2巡した方がよかった。というのも、1回目の反省をちゃんとぶつけて2回目の対戦でおさらいができたからです。

LJL 2023 Summer Split」の対戦表。各チームと1回ずつしか当たらない

ただ、ファン目線で言うと、「LJL」は競技シーンなので1巡した時点で順位が明確に出てしまいますよね。その時に切磋琢磨していたら面白いんですけど、上位と下位が明確になると観戦しなくなってしまうチームもいるかもしれない。

プレイオフに関しては「MSI」と同様ですし、多分「Worlds 2023」も「ブラケットステージ」のようになるんじゃないかという予想もできます。そういう意味では、選手側が慣れておくことはいいことですし、見る側からしても見やすいかなと思います。

ここ数年で「LJL」はBo1からBo3に、総当たり1回から2回にと変わってきました。リーグとして成長するために対戦数を増やした方がいいとかいろいろな意見もありましたが、結局は試合の数を増やせば強くなるかといえば、そういうわけでもないと思うんですよね。結局、適度な試合数と適度な練習、そして適度な休憩が必要だと思うんです。

そのあたりは、運営とチームが話し合った上で、どれくらい試合がしたいかとか、どれくらいのペースでやりたいとか、常に相談していけばいいと思います。お互いに最適解を常に探し求めているわけですから。

それと、今後オフライン開催になる場合は、今回の方式の方がやりやすいし見やすいでしょう。1日に全チームがあたられると、どの時間から観にくるかとか待つ場合もありますから。

チームロスターの変化について


チームロスターについてはまだ全チームは出ていませんが、いくつか注目しているチームを挙げてみたいと思います。

一番気になっているのはSHGです。SHGはすごくいい選手がそろっていて、あとちょっとここをこうしたらいいのに、みたいなところがすごく多いチームなんです。


例えば、春だとVsta選手がADCサポートに固執しすぎてプレーオフで負けちゃったとか。Marble選手も初のKRサポートということで、練習はしたと思いますが、エンチャンターサポートとの合わせとかはまだまだでした。夏はVsta選手との連携も仕上げてくるだろうという意味で、とても楽しみにしています。

DasheR選手はキャリーしなきゃいけなくてプレイスタイルを変えたんですけど。元々はメイジ系のレーンが強いタイプのプレイヤーで、トリスターナみたいにレーンで勝ってキャリーしてみたいなタイプではない。なので、ちゃんとMarble選手がキャリーできるような形を取るのか。もしくは、ジャングルがキャリーメタなので、Blank選手がリーシンやウーコンなどの得意チャンピオンに切り替えるのか。Kinatu選手がもうちょっと個人技を上げて、カ・サンテ、グエン、レネクトンなどで1vs1で負けないようになれば、このチームは優勝候補だと思います。

もう1チーム、BCも気になっています。ミッドとトップのレーンがめちゃめちゃ強いという、Rayfarkyが強いという。ただ、このEL(イエル。Chloe(クロイ)より改名)がまだ見えない部分があるので、夏にどれだけキャリー系のジャングルをやってくるのか。途中から入ったので、春は偏見が回らない中でやっていたと思うんです。それが春を戦い終えて、夏に向けて何かできること っていうのを見つけてくるんじゃないかなっていうのがひとつ。

それと、ボットレーンのレーニングが弱いという、弱点が明確です。そこさえクリアしてしまえば、決して弱いチームではないんです。Yuhi選手とRaina選手、この日本人コンビも当然対策してくるでしょう。

Yohi選手にしろRayFarky選手にしろ、俺が、俺が、というタイプ。Dice選手はおちゃらけ系で、EL選手は外から見るとわからない。そんな中に、ちょっとリーダー気質のRaina選手が入ったことによって、ゲーム外の部分でもまとまりが出てきたように見えます。

Raina選手はV3時代にLJLで優勝した実績、国際戦に行った実績もある。最後まで諦めなければ底力はあるので、個人技で逆転できるようなファイトもある。1回有利を取られたら絶対逆転できないチームと思われてたのが変わってきている。

そのまま行くと、夏はもっと勝利回数を増やせるような気がします。そのためにはボットレーンが、Raina選手が負けないこと。そこさえ克服したら、結構勝ち星を重ねられるんじゃないかと思います。

いち早くロスターを発表したSGも気になりますね。eguto選手とNesty選手は「LJL Academy」で少し見ましたけど、どれくらい「LJL」でやれるのか。僕としては新人が出てくれる方がいいので、いいプレーをしてほしいです。


DFMはいま、休みを返上して相当練習しているという噂も聞きました。それも王者の練習ですから、間違いなく強くなるはず。DFMは負けた方が強くなるチームなので、「MSI」であれだけ負けて帰ってきたら、多分相当強くなってくるでしょう。

穴だと思われていたtol2選手をフォローしなくてもいいとなれば、他はもう自分たちのやるべきことをやればいいという信頼ができれば、違う形にもなるかもしれません。

あとはFENNEL。hachamecha選手が右肩上がりで調子がよくて、そういう選手にはこちらも期待がこもってしまいます。個人的に彼のインタビューが僕は好きなので、もっと前に出てきてほしいんですけどね。


まとめ 幕張のオフライン決勝はぜひ現地で!


夏が面白くなるかどうかは選手たち次第ですが、僕の中で一番大きいのはやはり決勝がオフライン開催になることですね。

幕張メッセは過去に1度やったことがありますが、本当に素晴らしい会場で、めちゃくちゃ盛り上がりました。当時の記憶が、あの発表ですでに蘇っています。360度から観られるあのステージは本当に印象に残っていて、もしオフラインでやるんだったらどこでやりたい? と3年くらい前にも聞かれた時に、「絶対あの幕張で!」と言っていたんですよ。

4年ぶりのオフラインですし、会場に足を運んで、みんなで声が枯れるくらい一緒に叫びたいなっていう気持ちです。だって2階にお客さんがいて、1階で僕らが実況解説したのですが、地面がずっと揺れていましたからね。

「Summer Split」を観戦していただいた上で、幕張でファンの皆さんと一緒に2023年シーズンをゴールしたいですね。ぜひ一緒に盛り上がりましょう!


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