eyesの「LJL 2023 Summer Split」プレビュー 「MSI 2023」振り返りから夏の注目ポイントまで徹底解説! (1/2)
いよいよ2023年6月10日(土)より、2カ月に及ぶ『リーグ・オブ・レジェンド』の日本リーグ「LJL 2023 Summer Split」が始まる。このリーグを勝ち抜いたチームは、賞金1000万円とともに、世界大会「Worlds 2023」への挑戦権を獲得する、『LoL』の1年間のシーズンの中でも最も盛り上がる期間だ。
そんな「Summer Split」を盛り上げるため、「LJL」キャスターに聞くインタビュー第3弾は、「LJL 2023 Spring Split」でもレビューをお願いしてきたeyes氏。
「MSI 2023」の振り返りから「LJL 2023 Summer Split」の予想まで、自身の言葉で思う存分語っていただいた。
「MSI」で見た中国勢の強さ、パッチの変更から読み解く「Summer Split」の変化とは?
まずは、春の集大成である「MSI 2023」を振り返ってみましょう。中国LPLのJD Gaming(JDG)が王者になりました。
国際戦としては、昨年の「Worlds 2022」でのLCKの印象が強くて「LCK最強!」みたいなイメージを持たれている方がやはり多いとは思うんです。ですが、実はここ最近だとほとんどの大会でLPL代表が優勝しているという事実もあるわけです。
主な国際大会の優勝チーム
JDGがめちゃくちゃ強いことは、LPLのSpring Splitを見てももうわかりきっていたことですし、正直なところ、LPLからはシードに2チーム行ってほしいという気持ちもあります。今大会で言えば、Bilibili Gaming(BLG)がロワーブラケットからグランドファイナルまで上ってきているくらいですから。LPLの中間よりも上のチームは、どのチームが優勝してもおかしくないくらいの実力を持っています。
あとは、LCS(北米)が今大会は思っていた以上に良かったですね。かなり手応えはあっただろうと思っています。今のLCSがもうちょっと本腰を入れたら、LEC(欧州)よりも上に行けそうだとは思っていました。とはいえ、夏はどうなるかまだわからないですが。
一方で、LECは今大会では少し奮いませんでした。トーナメントを振り返ってみても、ベスト8できれいに分かれてしまった。運命とも言えますが、LEC vs LCSを見たかったという気持ちは個人的にはありました。
トーナメント方式の変更の是非については、人それぞれだと思います。試合時間が長いという感想を持つ人もいるでしょう。Bo5で1日に何試合もやる時もあります。試合数に関してはいろいろなとらえ方があると思うんです。試合数が多い方が優勝したりする可能性もあったりするのが、この『LoL』というゲームなので。
というのも、大会中にメタが進化していくために、その試行回数が多いチームの方が優勝したりすることもあったりもします。だから、案外アッパー側が有利と思わない人もいると思うんです。
ただ、1回負けてもチャンスができたことで、今までは準決勝が実質的な決勝だったという大会もたくさんあったと思いますが、そういう部分が少なくなったというのがいい点かなと僕は思っています。
JDGについては、knight選手がやっと国際大会で優勝しましたね。国際戦に弱いと言われていましたが、本来の力を発揮できた年だったんじゃないかなと思います。
キャスターとしてさまざまな大会を見てきた私からすると、ずっと好成績、好プレーを続けていて、自他ともに認めるすごい選手がタイトルを取れないとか、本来の力を発揮できないでいるとフォーカスしてしまいます。チームに恵まれるなど、個人の努力だけではなかなか難しい部分もある中で、やっぱり強い人が報われるのが美しい形だとは思います。
前述のとおり、ここ最近の国際大会はLPLがかなり活躍しています。LPLとLCKがトップにいて、その中でもLPLが頭ひとつ抜きん出ているとは思います。
じゃあ、どこが強いのかといえば、本当にほとんど差はない。今までLCKが強かったのはハンドスキルで、そこにやられていたのがLPLだったんですね。そこが追いついてきて、イーブン以上で戦えるようになっているというのが現状です。各レーナーが戦えるようになった上で、LCKに勝つために徹底的なビジョンコントロールだったり、どういう時にゲームを動かすかを突き詰めています。
今回のMSIでの一番の差は「メタの読み違い」です。
LCKはノーチラスを積極的にピックしていましたが、LPLはアニーがメタになると判断していました。そしてジャングルはLCKはキンドレットを取り、LPLは取らない。その差もすごく大きい。そのアニーに対して何を出すかも、ジェイスっていうチャンピオンもずっと隠して用意していて、LPL同士の決勝で出してきたり。なので、LPLが最後は上回っていましたね。
そのメタの読み合いというのは、国内リーグのメタの違いをお互いにぶつけ合った感じでした。その上で、LPLの方が勝ったというだけのことで、もしノーチラスが勝ってLCKが優勝していれば、「LCKが正しかった」となるだけの話です。
LCKとして厳しかったところは、ダメージトレードしてはいけない時にダメージトレードをしてしまって、ボットが潰されてしまったこと。T1は自分たちのジャングルがトップにいるのにそういうことをやって、敵のジャングルの位置がわからないのにボットにダイブされて終了、というケースがすごく多かったので、そこは修正しないといけないポイントなのかなと思います。
LCKの選手個人の技量が、今までであればボットレーンの2v2でダメージトレードしてダイブされないようにする、レーンを有利にするのが多分当たり前でした。でも、個人技量でLPLが追いついてきた。LCKとしては「あれ、おかしいぞ? 勝てるはずなのに」という感じになってきています。
5人でひとつの目的を究極的に詰めて動いているのが、LPLの戦い方です。あたかもひとりの人間がリアルタイムストラテジーを遊ぶようなことを、意思の異なる5人が集まってやっている。ボット、ミッド、トップそれぞれが、いまこういうことをしなきゃいけない、次にやることとそれぞれの役割がすごく明確化されています。コーチが後ろでリアルタイムで指示をしているのではないか、というくらい統率が取れています。
LCKはそこがLPLと見比べると劣っている気がします。そういう戦い方自体も、『LoL』というゲームの競技性が進化している証しとも言えますね。
ひとつわかりやすい例で言うと、昔はマップを広く使ってワードを置いて、相手がいないから戦うという感じでした。でも最近は、ワードをあえて置かない動きも見られます。
そもそもひとりが一度に置けるステルスワードの上限は2つで、サポートだけが3つ持てます。あとはコントロールワードしかありません。
その限られたワードを使って選手たちは何をしているかと言うと、相手のワードを壊した後にワードを置いたり、上限以上のワードを置き直して自分で自分の置いたワードを消す。そうすると、たとえば敵はボットサイドに行っていないから、ボットにはワードが置かれてないといったことや、自分たちは何分前にジャングルをクリアしたから、そこにはワードが置かれていない、といったことを前提として理解して動いているんです。
今までなら、敵のワードを見つけたら消しに行っていました。でもあえて消さない。逆に、そのワードの場所をわかっているので、映らないルートでどうやって動くかを考えているわけです。
ボットがミッドからトップに行くルートの途中にワードがあるから、そこを通らないように壁を越えながらトップサイドにアクセスして、いきなり現れるようなことをやってのけるんですよね、LPLは。次元が違ってきています。
置かれているワードの数とかも全部チェックしていて、いまここにワードを置いた様子を、ブッシュなどに隠れて見たりもしています。その数を報告して、どこにワードがないかを共有しているんです。
では、LCKが今回それに対して何をしたかというと、T1がJDGにやったのがとにかく5対5で集団戦をして勝ったら勝ちという戦法でした。LCKでもその領域なのかとちょっと思いました。
「MSI 2023」の日本代表であるDFMについては、僕はああいう結果になるだろうなと少しだけ予想していました。
いろいろなところでも言ってきましたが、国際戦に出る上では弱点があると戦えないということは、過去の例を見ても明らか。負けているところから崩されるのは仕方がありません。
ただ、そこにヘルプに行きすぎてしまった。トップが崩されたらゲームにならないからと、トップをカバーする意識があった思うんですが、「LJL 2023 Spring Split」ではtol2選手になんとかしろという感じで、トップはほぼ放っておかれていました。なので、「MSI」では他のレーンに全フォーカスできなかったんです。
tol2選手は確かにまだ「LJL」に参戦して間もないですが、それは仕方ないこと。オフラインの大会の経験もなく、あんな大きなステージでやるのも初です。だからこそ、割り切って「LJL」でやっていたミッド〜ボットで勝つというプランを強気に遂行すればよかったのでは? と思うのがまず1点です。なぜかといえば、「MSI」の最初の方は厳しかったですが、“後がなくなった時”のtol2選手のグラガスの動きはとても良かったんですよね。
「LJL」のチームは海外に行って国際戦前にスクリムすると、国内リージョンでやっていたことが全くできなくなるという現象を、過去いろいろな国際戦で何度も見てきたんです。2022年のベスト16のようにいい成績を収めていた時は、国内リージョンでやっていたことの延長線を、そのまま国際戦でできている時なんです。
若い選手が自分を見失って揺さぶられてしまうのは仕方がない。であれば、自分たちの全力を出し切ってそれでもダメだった、という方がいいですよね。それを「MSI」でしっかり見せてほしかったという気持ちはあります。DFMのミッドーボットがどれくらい通用するのかを見たかった。
そうなってしまった一番の足枷は、「LJL 2023 Spring Split」がオフラインでやれていなかったことだろうと、僕は思っています。初めてプレイインステージを突破した時も、「LJL」は毎週オフラインで戦えていました。ホワイトノイズが出ているイヤホンなんて、オフラインじゃないと体験できないですから(※大きなオフライン会場では、会場の音声に邪魔されないように、意図的にホワイトノイズが流れるヘッドホンをすることがある)。
そういう意味では、今回の「MSI」はDFMも本領発揮できなかったのは事実ですが、そんなに落胆するほどではなかったと思います。まだ「LJL」の本気は出していなかったわけで、ポテンシャルはある。次の国際戦には期待したいですね。
そんな「Summer Split」を盛り上げるため、「LJL」キャスターに聞くインタビュー第3弾は、「LJL 2023 Spring Split」でもレビューをお願いしてきたeyes氏。
「MSI 2023」の振り返りから「LJL 2023 Summer Split」の予想まで、自身の言葉で思う存分語っていただいた。
「MSI」で見た中国勢の強さ、パッチの変更から読み解く「Summer Split」の変化とは?
eyesが見た「MSI 2023」
まずは、春の集大成である「MSI 2023」を振り返ってみましょう。中国LPLのJD Gaming(JDG)が王者になりました。
国際戦としては、昨年の「Worlds 2022」でのLCKの印象が強くて「LCK最強!」みたいなイメージを持たれている方がやはり多いとは思うんです。ですが、実はここ最近だとほとんどの大会でLPL代表が優勝しているという事実もあるわけです。
主な国際大会の優勝チーム
- MSI 2023 JD Gaming(中国)
- Worlds 2022 DRX(韓国)
- MSI 2022 Royal Never Give Up(中国)
- Worlds 2021 EDward Gaming(中国)
- MSI 2021 Royal Never Give Up(中国)
- Worlds 2020 DAMWON Gaming(韓国。現Dplus)
- MSI 2020 中止
- World 2019 FunPlus Pheonix(中国)
- MSI 2019 G2 Esports(ドイツ)
- Worlds 2018 Invictus Gaming(中国)
- MSI 2018 Royal Never Give Up(中国)
JDGがめちゃくちゃ強いことは、LPLのSpring Splitを見てももうわかりきっていたことですし、正直なところ、LPLからはシードに2チーム行ってほしいという気持ちもあります。今大会で言えば、Bilibili Gaming(BLG)がロワーブラケットからグランドファイナルまで上ってきているくらいですから。LPLの中間よりも上のチームは、どのチームが優勝してもおかしくないくらいの実力を持っています。
あとは、LCS(北米)が今大会は思っていた以上に良かったですね。かなり手応えはあっただろうと思っています。今のLCSがもうちょっと本腰を入れたら、LEC(欧州)よりも上に行けそうだとは思っていました。とはいえ、夏はどうなるかまだわからないですが。
一方で、LECは今大会では少し奮いませんでした。トーナメントを振り返ってみても、ベスト8できれいに分かれてしまった。運命とも言えますが、LEC vs LCSを見たかったという気持ちは個人的にはありました。
「ブラケットステージ」方式で勝てるチャンスが増える?
トーナメント方式の変更の是非については、人それぞれだと思います。試合時間が長いという感想を持つ人もいるでしょう。Bo5で1日に何試合もやる時もあります。試合数に関してはいろいろなとらえ方があると思うんです。試合数が多い方が優勝したりする可能性もあったりするのが、この『LoL』というゲームなので。
というのも、大会中にメタが進化していくために、その試行回数が多いチームの方が優勝したりすることもあったりもします。だから、案外アッパー側が有利と思わない人もいると思うんです。
ただ、1回負けてもチャンスができたことで、今までは準決勝が実質的な決勝だったという大会もたくさんあったと思いますが、そういう部分が少なくなったというのがいい点かなと僕は思っています。
knightが悲願の初タイトル獲得
JDGについては、knight選手がやっと国際大会で優勝しましたね。国際戦に弱いと言われていましたが、本来の力を発揮できた年だったんじゃないかなと思います。
キャスターとしてさまざまな大会を見てきた私からすると、ずっと好成績、好プレーを続けていて、自他ともに認めるすごい選手がタイトルを取れないとか、本来の力を発揮できないでいるとフォーカスしてしまいます。チームに恵まれるなど、個人の努力だけではなかなか難しい部分もある中で、やっぱり強い人が報われるのが美しい形だとは思います。
LPLの強さ、LCKに足りないもの
前述のとおり、ここ最近の国際大会はLPLがかなり活躍しています。LPLとLCKがトップにいて、その中でもLPLが頭ひとつ抜きん出ているとは思います。
じゃあ、どこが強いのかといえば、本当にほとんど差はない。今までLCKが強かったのはハンドスキルで、そこにやられていたのがLPLだったんですね。そこが追いついてきて、イーブン以上で戦えるようになっているというのが現状です。各レーナーが戦えるようになった上で、LCKに勝つために徹底的なビジョンコントロールだったり、どういう時にゲームを動かすかを突き詰めています。
今回のMSIでの一番の差は「メタの読み違い」です。
LCKはノーチラスを積極的にピックしていましたが、LPLはアニーがメタになると判断していました。そしてジャングルはLCKはキンドレットを取り、LPLは取らない。その差もすごく大きい。そのアニーに対して何を出すかも、ジェイスっていうチャンピオンもずっと隠して用意していて、LPL同士の決勝で出してきたり。なので、LPLが最後は上回っていましたね。
そのメタの読み合いというのは、国内リーグのメタの違いをお互いにぶつけ合った感じでした。その上で、LPLの方が勝ったというだけのことで、もしノーチラスが勝ってLCKが優勝していれば、「LCKが正しかった」となるだけの話です。
LCKとして厳しかったところは、ダメージトレードしてはいけない時にダメージトレードをしてしまって、ボットが潰されてしまったこと。T1は自分たちのジャングルがトップにいるのにそういうことをやって、敵のジャングルの位置がわからないのにボットにダイブされて終了、というケースがすごく多かったので、そこは修正しないといけないポイントなのかなと思います。
LCKの選手個人の技量が、今までであればボットレーンの2v2でダメージトレードしてダイブされないようにする、レーンを有利にするのが多分当たり前でした。でも、個人技量でLPLが追いついてきた。LCKとしては「あれ、おかしいぞ? 勝てるはずなのに」という感じになってきています。
5人でひとつの目的を究極的に詰めて動いているのが、LPLの戦い方です。あたかもひとりの人間がリアルタイムストラテジーを遊ぶようなことを、意思の異なる5人が集まってやっている。ボット、ミッド、トップそれぞれが、いまこういうことをしなきゃいけない、次にやることとそれぞれの役割がすごく明確化されています。コーチが後ろでリアルタイムで指示をしているのではないか、というくらい統率が取れています。
LCKはそこがLPLと見比べると劣っている気がします。そういう戦い方自体も、『LoL』というゲームの競技性が進化している証しとも言えますね。
ワードの使い方の進化
ひとつわかりやすい例で言うと、昔はマップを広く使ってワードを置いて、相手がいないから戦うという感じでした。でも最近は、ワードをあえて置かない動きも見られます。
そもそもひとりが一度に置けるステルスワードの上限は2つで、サポートだけが3つ持てます。あとはコントロールワードしかありません。
その限られたワードを使って選手たちは何をしているかと言うと、相手のワードを壊した後にワードを置いたり、上限以上のワードを置き直して自分で自分の置いたワードを消す。そうすると、たとえば敵はボットサイドに行っていないから、ボットにはワードが置かれてないといったことや、自分たちは何分前にジャングルをクリアしたから、そこにはワードが置かれていない、といったことを前提として理解して動いているんです。
今までなら、敵のワードを見つけたら消しに行っていました。でもあえて消さない。逆に、そのワードの場所をわかっているので、映らないルートでどうやって動くかを考えているわけです。
ボットがミッドからトップに行くルートの途中にワードがあるから、そこを通らないように壁を越えながらトップサイドにアクセスして、いきなり現れるようなことをやってのけるんですよね、LPLは。次元が違ってきています。
置かれているワードの数とかも全部チェックしていて、いまここにワードを置いた様子を、ブッシュなどに隠れて見たりもしています。その数を報告して、どこにワードがないかを共有しているんです。
では、LCKが今回それに対して何をしたかというと、T1がJDGにやったのがとにかく5対5で集団戦をして勝ったら勝ちという戦法でした。LCKでもその領域なのかとちょっと思いました。
「LJL」での戦い方を押し付けられなかったDFM
「MSI 2023」の日本代表であるDFMについては、僕はああいう結果になるだろうなと少しだけ予想していました。
いろいろなところでも言ってきましたが、国際戦に出る上では弱点があると戦えないということは、過去の例を見ても明らか。負けているところから崩されるのは仕方がありません。
ただ、そこにヘルプに行きすぎてしまった。トップが崩されたらゲームにならないからと、トップをカバーする意識があった思うんですが、「LJL 2023 Spring Split」ではtol2選手になんとかしろという感じで、トップはほぼ放っておかれていました。なので、「MSI」では他のレーンに全フォーカスできなかったんです。
tol2選手は確かにまだ「LJL」に参戦して間もないですが、それは仕方ないこと。オフラインの大会の経験もなく、あんな大きなステージでやるのも初です。だからこそ、割り切って「LJL」でやっていたミッド〜ボットで勝つというプランを強気に遂行すればよかったのでは? と思うのがまず1点です。なぜかといえば、「MSI」の最初の方は厳しかったですが、“後がなくなった時”のtol2選手のグラガスの動きはとても良かったんですよね。
「LJL」のチームは海外に行って国際戦前にスクリムすると、国内リージョンでやっていたことが全くできなくなるという現象を、過去いろいろな国際戦で何度も見てきたんです。2022年のベスト16のようにいい成績を収めていた時は、国内リージョンでやっていたことの延長線を、そのまま国際戦でできている時なんです。
若い選手が自分を見失って揺さぶられてしまうのは仕方がない。であれば、自分たちの全力を出し切ってそれでもダメだった、という方がいいですよね。それを「MSI」でしっかり見せてほしかったという気持ちはあります。DFMのミッドーボットがどれくらい通用するのかを見たかった。
そうなってしまった一番の足枷は、「LJL 2023 Spring Split」がオフラインでやれていなかったことだろうと、僕は思っています。初めてプレイインステージを突破した時も、「LJL」は毎週オフラインで戦えていました。ホワイトノイズが出ているイヤホンなんて、オフラインじゃないと体験できないですから(※大きなオフライン会場では、会場の音声に邪魔されないように、意図的にホワイトノイズが流れるヘッドホンをすることがある)。
そういう意味では、今回の「MSI」はDFMも本領発揮できなかったのは事実ですが、そんなに落胆するほどではなかったと思います。まだ「LJL」の本気は出していなかったわけで、ポテンシャルはある。次の国際戦には期待したいですね。
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