【連載】ストーム久保の「俺と『オーバーウォッチ2』でリグループしろ!」

史上最弱の新ヒーロー「ライフウィーバー」の弱さの謎を知るべくランクマッチで戦ってみたらレートが10段階落ちました【ストーム久保の俺と『オーバーウォッチ 2』でリグループしろ! 第4回】

2023.5.31 ストーム久保
eSports World読者のみなさん、どうも! 広島TEAM iXA所属のストーム久保です。

私は『オーバーウォッチ 2』(以下、『OW2』)の「サポート」では、「アナ」と「ブリギッテ」を普段は使っています。

特に「ブリギッテ」はシーズン4のアップデートで強化が入ったことで、最近は調子よくランクマッチで勝てていました。

「グランドマスター」ランクまであと1歩のところまで行きました。到達したい!

しかし、勝つことよりも楽しさを重要視してしまうのが私のさがなのでしょうか。

シーズン4から新しいサポートヒーロー「ライフウィーバー」が追加されたのですが、このヒーロー……面白すぎんだろ!

「ライフウィーバー」は、これまでのサポートヒーローとは違う方向性で味方の立ち回りを支えることができる性能をしているため、未知の使用感が癖になります。


そんな「ライフウィーバー」の魅力に取りつかれて、最近の私は「OTP」(One Trick Ponyの略で、1ヒーローしか使わないことのスラング)でランクマッチへ挑戦中。「OTP」は本当は良くない行為だと頭で理解していながらも、やめられない中毒性があるヒーローです。

しかし、残念なことに世間では「ライフウィーバー」は『オーバーウォッチ』シリーズ史上最も弱いヒーローと評価されています。その理由は、他のサポートヒーローに比べると基本性能が見劣りしているからです。

「ライフウィーバー」のどこが弱いのか


まずは「ライフウィーバー」の基本的な武器・アビリティから説明していきましょう。

味方を回復させるメイン武器「ヒーリング・ブロッサム」は、ロックオンした味方を回復させるのでAIM(エイム)は必要ありません。

しかし、ボタン長押しでチャージをしないと回復量が増えないことと、最大チャージした状態を保持しておくと移動速度が25%低下するという謎仕様があります。

毎回チャージする手間とロックオンを的確に切り替える難易度のわりには、「アナ」や「バティスト」の回復に比べると少し足りない印象です。


攻撃に加わるとしても、サブ武器「ソーン・ボレー」が貧弱な性能をしているのでダメージを出すのが難しいです。

「ソーン・ボレー」は弾速が遅い代わりに、拡散率が低く距離減衰がない1発5ダメージの弾を60発撃てます。近距離で撃つことができれば、ダメージを出すことができるかもしれません。

しかし、「ライフウィーバー」はアビリティを最大限に生かすために味方の後方に位置取りするヒーローなので、基本的に遠距離からばら撒く使い方になります。

立ち回りと武器の性能が噛み合っていないため、ダメージを出すのが難しくなっています。

「ゼニヤッタ」や「キリコ」、「モイラ」に「ブリギッテ」と比べるとダメージ量の差は圧倒的です。

そして何より「ライフウィーバー」は「キャリーする力が低い」ことが致命的です。

「キャリー」とは自分の活躍で味方チームを勝利に導くことを意味するFPS用語で、たとえば「アナ」ならアビリティで相手を回復不能状態にさせたり、「ナノ・ブースト」で味方を強化して勝利へ導くのはキャリーだと言えるでしょう。

各ヒーローにはアルティメットという超必殺技があり、発動させれば試合が動く性能を持っています。

しかし「ライフウィーバー」のアルティメット「命の樹」はとても奥ゆかしい性能をしているので、発動しても試合が大きく動くことは少ないです。

樹の周囲にいる味方を回復させる効果はありますが、全然回復が間に合わない

回復・攻撃・アルティメット、どれも他のサポートヒーローと比べると足りないことから「ライフウィーバー」は弱いと評価されています。そのため、現在のランクマッチでは選ぶだけでトロール扱いされる恐れがあるので使う際は気をつけてください。

私のように味方に「ライフウィーバーやめろ!」と言われても使い続けていると、大勢に回避リストに入れられてマッチング時間が長くなるおそれがあります。

ランクマッチは自分以外の4人のレートも変動しますから、味方に「ライフウィーバー」がいたら全力で止めるのは正しい行動でしょう

使っていても弱さを実感する「ライフウィーバー」ですが、アビリティはどれも優秀で面白い性能をしています。

そこで、「ライフウィーバー」のアビリティを紹介しつつ、キャリーポイントをいくつかまとめてみます。

「ペタル・プラットフォーム」を制す者は世界を制す


「ライフウィーバー」で最も重要なアビリティは、上に乗ると上昇するエレベーターのような花を設置する「ペタル・プラットフォーム」(以下、「ペタル」)です。

「ペタル」は敵味方関係なく設置後に上に乗れば自動で上昇するので、使い方次第でさまざまな戦略をとることが可能になります。

まずはチームのために使用する場合。

味方の機動力が乏しいヒーローを普段なら登れない高所に届けたり、ヒットスキャン系ヒーローを乗せて疑似的に強いポジションを作り出すことができます。

味方に裏どりをさせることも可能

ただし、チームのために使うにしても、味方が「ペタル」の特性と設置した意図を汲み取る必要があるのがネックになっています。

一応ピンを刺すことで「ペタル・プラットフォームを設置した」と表示させることはできますが、それでも気がつかない方が多いのが現状。

なので、「ペタル」の効果を100%引き出すにはパーティーを組むか、ソロプレイだとしてもボイスチャットを使った方がよさそうです。

たまにコミュニケーションを取っていなくても、意図を汲み取って活用してくれる味方と当たるとテンションが上がっちゃいますね。

意図を汲んで高所に行ってくれる味方、好き

扱いが難しい「ペタル」ですが、「ライフウィーバー」でキャリーするには必要不可欠なアビリティです。

たとえば、味方の「キャスディ」がアルティメットを発動させたら急いで「ペタル」に乗せてあげましょう。

そうすれば射線が通りやすい高所から狙えるようになるので、相手チームを壊滅させる可能性が高い連携になって、チームに大きく貢献できます。

「ソルジャー76」とも相性がいいので、味方にいたら積極的に狙いましょう

それと「ペタル」は自分のために使うのも有効です。

集団戦が始まる前にあらかじめ「ペタル」に乗っておけば、撃たれにくい高所から回復を届けたり、安全に攻撃に参加できます。

またダイブ系ヒーローに絡まれた際、足元に設置して上昇すれば避難場所になるので自衛手段にも使え、「ペタル」を使いこなせれば立ち回りは強いヒーローだと思います。

もし上昇した後も追ってこれる「ウィンストン」や「D.Va」に絡まれた場合は、追ってきたのを確認した上で、移動アビリティの「若返りの風」を使用しましょう。

体力回復もついている移動アビリティ

「ライフウィーバー」は、サポートヒーローにしてはやられ判定が大きく設定されているせいで撃たれると面白いほど被弾しやすい弱点がありますが、「ペタル」と「若返りの風」のおかげで意外に生存率は高めです。

生かすも殺すも「ライフグリップ」次第


そして、「ライフウィーバー」にはもう一つ重要なアビリティがあります。

それは、ロックオンした味方を発動した場所に引っ張ることができる「ライフグリップ」です。

引っ張られている最中の味方は無敵状態になるので、「シグマ」や「ザリア」のアルティメットからも救出することができます。ピンチになった味方がいたら急いで引っ張りましょう。

ナノブースト付きの「ゲンジ」に絡まれた味方も救えます

非常に強力なように思える「ライフグリップ」ですが、少し足りない部分があるのでそこも紹介していきます。

(1)前線が一気に下がる

体力が残りわずかになった「タンク」を引っ張った際、落ちるよりかはマシとはいえ、頑張って押し上げてくれた前線が下がるのは『OW2』のゲーム性としてはもったいないです。

(2)味方を引っ張った後に結局、落ちてしまうことがある


無敵状態にして引っ張ることができますが、「ライフグリップ」自体には体力を回復させる効果も状態異常を治す効果もありません。

なので、引っ張っている最中に回復させないと無敵状態が解除された後に被弾して落ちることも多々あります。

また、「アッシュ」の「ダイナマイト」で燃焼ダメージをくらっている最中に引っ張っても回復が間に合わなかったり、「アナ」の回復阻害をくらっていたら引っ張っても助かるかは怪しいです。

ロックオン方式なので、味方が固まっていると救いたい人とは別の人を引っ張ってしまうこともよくあります

絶望的な状況から味方を救う「ライフウィーバー」にしかない強みなので、次のバランス調整では是非とも「ライフグリップ」に状態異常を治す効果も付けてもらいたいと切に願っています……。

このようにディフェンシブなアビリティの「ライフグリップ」ですが、攻めで使うことでキャリーも可能になります。

たとえば、「ペタル」と「若返りの風」で相手チームの裏に入っていき、味方が前に出てきたタイミングで「タンク」か「ダメージ」を引っ張る。すると、相手は前後から挟まれる形になって、虚を突かれた相手は崩れる……なんてこともなくはないです。

これは世界的に有名なプレイヤー、Dafran氏が動画でやっていたプレイで、通ればキャリー、通らなければトロール一直線という使い方ですが、「ライフウィーバー」でキャリーするには狙うべきプレイかもしれません。



以上が「ライフウィーバー」で私が試してみた工夫になります。

「Lifeweaver will be back.」(多分還ってくる、はず。)


「ライフウィーバー」は他のサポートヒーローの追随を許さないほど面白いアビリティを持っているので、どうにかして勝てるように工夫を凝らしているのですが、正直かなり苦戦しています。

やればやるほどあと1歩足りないと痛感するばかりですが、ご安心ください。次回のシーズンでは強化が決まっていますので、きっと環境を変える男になって返ってくるはずです。

強化が来るまではクイックマッチで遊びながら、是非とも「ライフウィーバー」の魅力に気づいてほしい、ストーム久保がお送りしました。


オーバーウォッチ 2 公式:https://overwatch.blizzard.com/ja-jp/
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