【Moco選手×ryota-コーチ インタビュー】社会人からプロeスポーツ選手へ——自分の夢を切り開いたZETA DIVISIONへの思いとは
『VALORANT』女性部門公式大会「VALORANT Game Changers 2023 Split 2 Main Stage」が9月30日(土)から開催中。
予選を勝ち抜いた7チームに、Split 1で優勝を収めたZETA DIVISION GC(ZETA GC)を含めた全8チームが、世界大会への切符を手にすべく熾烈な戦いを繰り広げている。
ZETA GCはSplit 1から無敗で勝ち続けている注目のチームだ。今回はそんなトップチームで戦うMoco(もこ)選手に、彼女らを陰ながら支えているryota-コーチに独占インタビュー。
彼女らが勝ち続けられる秘訣についておうかがいした。
——はじめまして。本日はよろしくお願いします。まずはプロeスポーツ選手になった経緯をお聞かせください。
Moco選手(以下、Moco):ZETA DIVISION GC部門のMocoです。本日はよろしくお願いします。
私はもともと社会人だったので、ゲームは息抜きのひとつという考えがあり、プロeスポーツ選手になりたいっていう気持ちはありませんでした。
そんな中『VALORANT』の女性公式大会開催が決定し、ZETAがVALORANT女性部門の選手を募集していたのを見たのがプロ選手になろうと思ったきっかけでした。
——ZETAの募集がひとつのきっかけだったんですね。
Moco:そうですね。ただ、私が応募したところで受かるはずないと思ってましたし、社会人がプロゲーマーになるというのはとても大きな一歩だとも感じていました。
その一歩がなかなか踏み込めずにいたのですが、まわりの友だちが「応募するだけでもしてみなよ」とか、「強いのにもったいないよ」って声をかけてくれたこともあり、そこからプロを目指すことを意識しました。
もしZETAの応募に受かったら仕事を辞めてプロ一筋でやっていく覚悟でしたね。
——ちなみにZETA以外のチームにも応募はしていたんですか?
Moco:ほかのチームからもオファーはいただいていました。
ただプロ選手になるならば「絶対に勝てるチームに入りたい」という気持ちが強く、数あるチームの中から勝てるチームだと感じたのがZETAだったのでZETAに入ることを決めました。
——『VALORANT』をやる前は『Apex Legends』をプレイされていたとのことですが、もともとFPSは好きだったんですか?
Moco:そうですね。中学生の頃からプレイしていましたよ。初めてプレイしたFPSは『ペーパーマン』です。
そこから『AVA』や『オーバーウォッチ』、『PUBG』といったいろんなFPSをプレイしていましたね。
——『VALORANT』を知ったきっかけはなんだったのでしょうか。
Moco:私が好きなTSMという海外チームに所属していたAlbralelie(アルブラレリー)選手が『Apex Legends』をやりつつ『VALORANT』もしていたんです。
その時に「えっ、このゲームなんだろう。面白そう」ってはじめて『VALORANT』を見て、そこからプレイするようになりました。
——ZETA GCに加入してから心境に変化はありましたか?
Moco:まあ緊張しましたね(笑)。
顔を出してプレイすることもなかったですし、どういう目で見られるんだろうとか、強いところ出せるかなあとか——最初は不安の方が多かったですね。
——でもX(旧Twitter)の反響はよかったようにも見えました。
Moco:そうですね。「受かると思ってたよ」とか「がんばってね」という応援のメッセージをたくさんいただきました。ZETA GC加入後は配信を見に来てくれるファンも増えてうれしかったです。
——親にもアカウントが見つかってしまったようで(笑)。
Moco:仕事を辞める時に「仕事を辞めてプロゲーマーになる道に進みたいんだけど……」って母に相談したんですよ。
ちょうどZETA VALORANT部門が世界3位になって、テレビや雑誌など多くのメディアが取り上げていたこともあって、結構すんなり受け入れてもらえました。
私的には反対されるかなと思っていたのですが、「すごいじゃないっ!」って感じで、前向きに応援してもらえました。
——ryota-コーチといえばSCARZの印象が大きくて、選手を続けていたのかと思ったら、突然コーチになるという発表があってびっくりしたのを覚えています。コーチになった経緯をお聞かせください。
ryota-コーチ(以下、ryota-):SCARZに1年弱ほど在籍したあとは、Good 8 Squadに移籍して選手活動を続けていました。コーチになるまでの間、実はそんなに試合に勝てていなくて、自分自身悩んでいる日々を過ごしていました。
元々コーチをやってみたいという思いがあって、ちょうどZETA GC部門がコーチを募集していたのを見て「今だ!」って思いましたね。
——ちなみにコーチをやってみたいと思っていたのはなぜでしょうか。
ryota-:選手として活動していた時、コーチから何かしてもらったということがほとんどなくて——。ただまわりの勝っているチームを見るとコーチがしっかりしているのを見てきました。
そういう環境の違いを見て「コーチをやってみたいなあ」と思うようになりましたね。
——なるほど。実際にコーチになるにあたり、どういうチーム作りを意識しましたか。
ryota-:決めなきゃいけないことを決めるということを心がけています。
例えば、何かをやる時に2択が発生した場合、コーチ目線でいい方を判断して選手に伝えるようにしています。とにかく選手がプレイ中に迷わないようにというのを意識しています。
——試合中に限らず、普段コーチというのはどのような活動をしているのでしょうか。
ryota-:作戦を考えたり、スクリムで起こった修正できるポイントを見つけて選手に伝えたりしています。
作戦に関しては、ほかのチームのものを参考にすることもありますが、やっぱりそれだけだと面白くないので、最近では結構自分で考えてますね。
——今ZETA GCの試合結果を見ると、ryota-コーチが加入してから無敗なんですよ! 成績だけ見ても、なにかryota-コーチの秘策があるのかなあってずっと思っていました。もし、自分自身のコーチを評価するとしたら、どのような点が挙げられますか。
ryota-:恥ずかしいなぁ……(笑)。
やはり選手を経験しているコーチというのは大きなアドバンテージだと思っています。選手が何を求めているとか、どういうことを考えてプレイしているというのがわかるので、選手に寄り添う力が長けていると思います。
——それは大きいですね。Moco選手はどのように感じていますか?
Moco: ryota-さんがコーチに入ってから、めちゃくちゃきれいに試合が運べるようになりました。作戦ひとつとっても、アビリティーをここに入れたら、敵がこういうふうに動くから、自分たちはこうしようという、作戦の1〜10までがしっかり用意できるようになりましたね。
元々私たちのチームは撃ち合いが強いので、作戦がきれいになったことで、チーム全体がより強化されたように感じます。
——例えば1〜10の中でイレギュラーなことが起こった場合はどうしているでしょうか。
Moco:そういう場面では試合中のVCで話し合って行動しています。それがうまくいかなかった場合、反省会で次はこうしてきたらこうしようという感じでひとつずつ答え合わせをしていますね。
——なるほど。より作戦の完成度が高くなっていくんですね。
人数不利はむしろ得意!
——Moco選手といえば一貫してコントローラー(スモーク役)に徹しているというイメージですが、それはチーム全体で話し合って決めたのでしょうか。実は違うエージェントを使いたいとかあった?
Moco:元々私はキルジョイといったセンチネルを担当していました。ただryota-コーチに「Mocoはコントローラーが向いてるよ!」っていわれて使うようになりました。
ただ自分の中では得意だとは思っていなくて、どうやったらうまくスモークが使えるんだろうって日々研究してますよ。
——担当が変わったことで気をつけていることはありますか?
Moco:スモーク役は最後まで生き残ることに意味があると思っているので、なるべくキルされないのはもちろん、ちゃんとキルできるところは取るっていうことに意識しています。
あと敵の行動によって変えるべきことが多いので、その場その場で自分ができることを考えながらプレイしています。
——初戦のSCARZ戦で見せた1on3クラッチ。あれこそまさに最後まで生き残ってキルできるところは取るといった感じのプレイだと思いました。
Moco:ありがとうございます!
あの時は、私がこのラウンドを取ればマッチポイントを先取できるということもあったのでめちゃめちゃ緊張していました。ただ私自身ああいう場面を得意としているので、勝てると思ってました(笑)。
——えええっ。すごい! ああいう場面が得意な理由ってあるんですか?
Moco:結構人数不利な撃ち合いが好きというか——ひとりで動くことが得意なんです。そう考えると最後に生き残るコントローラーって性に合ってるのかな(笑)。
——確かに! ryota-コーチはなぜMoco選手がコーチに向いていると思ったんですか?
ryota-:エイムの仕方や立ち回り、それに発言の仕方ですかね。
——発言の仕方?
ryota-:どこに焦点を置いて話しているかという部分ですね。例えばラークする時って、メインの部隊に状況をうまく伝えなければいけないんですけど、そういった時のコールがとても伝わりやすいんです。
あとは俯瞰視点がいいですね。ほかの選手に比べてマップを上から見た状況判断が優れていると思います。
——せっかくなので、ほかの選手の魅力も教えてもらってもいいですか?
ryota-:suzuは道を切り開いてくれるプレイヤーかな。ほかの選手を引っ張りながらリズムを作ってくれます。
KOHALはめっちゃムードメーカーでコールもいいですね。試合中の場面場面でコールするんですけど内容が的確で、中盤の全体的な動きをしっかりと修正してくれるプレイヤーです。あとは自分主導でフラッシュを入れて、デュエリストに勝負をさせるという立ち回りも魅力ですね。
acoはIGLをやっているんですけど、とにかく声が通るのでIGL向きですね。あとはかわいらしくてほんわかしてるんで、KOHALさんとは別のムードメーカーでもあります(笑)。プレイ面でも、相手の嫌なタイミングで勝負できるプレイヤーなので、相手からしたら嫌なんだろうなあとは思います。
romiaは最初の頃から比べて一番伸びたプレイヤーかな。配信のコメントでも言われていたのですが、ラークのタイミングや俯瞰でエリアを見た時のエリア感みたいなのがすごい良くなってきているなあと感じています。
Mocoはさっきもお伝えしたとおり、ちゃんと抑えてほしいところを抑えてくれるといったプレイヤーでバランスがいいですね。
——すでにSplit 2がスタートしていますが、Split 1からSplit 2に向けて取り組んでいたことはありますか?
Moco:全体的にSplit 1は緊張していて思った動きができていない部分が多かったので、緊張がある中でもいつも通りのプレイができるように、普段から大会に出場しているような気持ちでスクリムをやるようにしていました。
——Split 1で優勝していたこともあって、多くのチームがZETA GCを警戒していると思います。コーチ目線どのような取り組みをしていましたか?
ryota-:Split 1で落としたマップがアセントだったのですが、情報を取ったあとに決めた行動ではなくて、相手の決め撃ちのセットが毎回刺さって負けてたんです。
こういう負け方すると安定して勝つことができないと感じたので、チーム全体の柔軟性を高めました。情報を取ったあとの行動の幅を増やすというか——。
——なるほど。そんな中Split 2で新マップのサンセットを初お披露目しましたね。あれには何か意図があったのでしょうか。
ryota-:普段APAC地域のチームとスクリムすることが多いんですが、そこではうまくいっていたということもあって自信もありました。
ただひとつ問題だったのがAPAC地域のチームはどのチームも1コントローラー構成だったんです。今回対戦相手だったSCARZは2コントローラーということもあって思った以上に苦戦してしまいました。
ただ、2コントローラー構成と戦ってみて修正すべき点が見つかったので個人的にはいい試合になったと感じています。
よく勝ちきってくれたましたよ。ありがたいです。
Moco選手:サンセットはスクリムでも調子が良かったので自信はありました。やっぱり初戦で緊張したことと、2コントローラーということで作戦が通らなかったこともあったので流れを乱されてしまうシーンが多かったと感じています。
ただOT(オーバータイム)の頃はみんな緊張も解けていたので特に意識はしなかったかなあ。OT慣れてるんで!(笑)
——気になるチームや選手はいますか?
Moco:自分がコントローラーを使っているので、同じコントローラー使いの選手は気になりますね。
ryota-:個人的にはFENNEL HOTELAVAは気になっています。あとから加入したYamZzi(やむち)さんやmiNt(さん)は、オープン予選のスタッツがぶっちぎりで1位2位だったので。「すっげー破壊力あるんだろうなあ」って。
ただ、やっぱり自分たちが用意してきているものが一番強いと思っています。
——おおっ、頼もしいですね。それでは最後にファンに向けてひとことと、今後の意気込みをお願いします。
Moco:Split 2はまだ1マップも取られずに勝ち続けているので、このまま1位目指してがんばりたいです。いつも応援してくださるファンのみなさんのおかげで自分のモチベーションが保てているので、引き続き応援よろしくお願いします!
ryota-:普段の練習通りにやれば、どこにも負けない自信があるので、どうやったら普段通りにプレイできるかを考えながら選手をサポートできればと思っています。
——そういえば驚きの新オフィスが公開されましたが、実際にオフィスに入った感想はいかがですか。
Moco:めちゃめちゃ広くて環境もいいですね。家とは違ったやりやすさがあるのはうれしいです。反省会もみんなで顔を合わせてできるスペースもありますしね。
ちなみに入ってすぐの場所がイベントスペースになっているんですけど、「えっ、広っ!」みたいな(笑)。
たまにryota-さんとsuzuがそこでサッカーしてます(笑)。
——ええっ、サッカーできるんですか?
ryota-:はい。ちょうどいい運動になるんですよ(笑)。
ミーティングができるチルスペースがあるんですけど、本当におしゃれで「この会社で働きたいオフィス」って感じがしていいですよ。モチベーションが上がりますね。
ぜひ遊びに来てください。
——ぜひお邪魔させてください!
Moco:お待ちしています!
——ありがとうございました。
いまだ負け知らずの新星ZETA GCの強さの秘訣は元選手だからこそなし得るryota-コーチの采配と、柔軟性のあるチームメンバーの強さ、そして息を呑むほどの魅力あふれる新オフィスのゲーミンスペースのたまものではないだろうか。
ZETA GCは10月7日(土)にDetonatioN FocusMeとの対戦が決まっている。この試合に勝利すればいちはやく決勝戦へと進出できるため、俄然優勝が濃厚になるだろう。
© 2023 Riot Games, Inc. Used With Permission
■関連SNS
ryota-コーチ:
https://twitter.com/ryotavlt
Moco選手:
https://twitter.com/MoCoxb
VALORANT // JAPAN:
https://twitter.com/VALORANTjp
VALORANT Champions Tour JAPAN:
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予選を勝ち抜いた7チームに、Split 1で優勝を収めたZETA DIVISION GC(ZETA GC)を含めた全8チームが、世界大会への切符を手にすべく熾烈な戦いを繰り広げている。
ZETA GCはSplit 1から無敗で勝ち続けている注目のチームだ。今回はそんなトップチームで戦うMoco(もこ)選手に、彼女らを陰ながら支えているryota-コーチに独占インタビュー。
彼女らが勝ち続けられる秘訣についておうかがいした。
社会人からプロeスポーツ選手へ
——はじめまして。本日はよろしくお願いします。まずはプロeスポーツ選手になった経緯をお聞かせください。
Moco選手(以下、Moco):ZETA DIVISION GC部門のMocoです。本日はよろしくお願いします。
私はもともと社会人だったので、ゲームは息抜きのひとつという考えがあり、プロeスポーツ選手になりたいっていう気持ちはありませんでした。
そんな中『VALORANT』の女性公式大会開催が決定し、ZETAがVALORANT女性部門の選手を募集していたのを見たのがプロ選手になろうと思ったきっかけでした。
——ZETAの募集がひとつのきっかけだったんですね。
Moco:そうですね。ただ、私が応募したところで受かるはずないと思ってましたし、社会人がプロゲーマーになるというのはとても大きな一歩だとも感じていました。
その一歩がなかなか踏み込めずにいたのですが、まわりの友だちが「応募するだけでもしてみなよ」とか、「強いのにもったいないよ」って声をかけてくれたこともあり、そこからプロを目指すことを意識しました。
もしZETAの応募に受かったら仕事を辞めてプロ一筋でやっていく覚悟でしたね。
——ちなみにZETA以外のチームにも応募はしていたんですか?
Moco:ほかのチームからもオファーはいただいていました。
ただプロ選手になるならば「絶対に勝てるチームに入りたい」という気持ちが強く、数あるチームの中から勝てるチームだと感じたのがZETAだったのでZETAに入ることを決めました。
——『VALORANT』をやる前は『Apex Legends』をプレイされていたとのことですが、もともとFPSは好きだったんですか?
Moco:そうですね。中学生の頃からプレイしていましたよ。初めてプレイしたFPSは『ペーパーマン』です。
そこから『AVA』や『オーバーウォッチ』、『PUBG』といったいろんなFPSをプレイしていましたね。
——『VALORANT』を知ったきっかけはなんだったのでしょうか。
Moco:私が好きなTSMという海外チームに所属していたAlbralelie(アルブラレリー)選手が『Apex Legends』をやりつつ『VALORANT』もしていたんです。
その時に「えっ、このゲームなんだろう。面白そう」ってはじめて『VALORANT』を見て、そこからプレイするようになりました。
——ZETA GCに加入してから心境に変化はありましたか?
Moco:まあ緊張しましたね(笑)。
顔を出してプレイすることもなかったですし、どういう目で見られるんだろうとか、強いところ出せるかなあとか——最初は不安の方が多かったですね。
——でもX(旧Twitter)の反響はよかったようにも見えました。
この度、VALORANT始めた当初からずっと応援していたチームに所属することができました!
— ZETA Moco (@MoCoxb) July 27, 2022
チーム経験がほとんどなく未熟な所がたくさんあると思いますが、ZETA DIVISIONの名に恥じないよう世界目指して精一杯頑張っていきたいと思います!
応援よろしくお願いします!!! https://t.co/M6a5To3Ktu
Moco:そうですね。「受かると思ってたよ」とか「がんばってね」という応援のメッセージをたくさんいただきました。ZETA GC加入後は配信を見に来てくれるファンも増えてうれしかったです。
——親にもアカウントが見つかってしまったようで(笑)。
リプもDMもいっぱいありがとうございます🥲♡
— ZETA Moco (@MoCoxb) July 27, 2022
全部見てます読んでます嬉しすぎます🥲
ちなみに親にTwitterばれました
Moco:仕事を辞める時に「仕事を辞めてプロゲーマーになる道に進みたいんだけど……」って母に相談したんですよ。
ちょうどZETA VALORANT部門が世界3位になって、テレビや雑誌など多くのメディアが取り上げていたこともあって、結構すんなり受け入れてもらえました。
私的には反対されるかなと思っていたのですが、「すごいじゃないっ!」って感じで、前向きに応援してもらえました。
選手時代に感じたコーチの必要性
——ryota-コーチといえばSCARZの印象が大きくて、選手を続けていたのかと思ったら、突然コーチになるという発表があってびっくりしたのを覚えています。コーチになった経緯をお聞かせください。
ryota-コーチ(以下、ryota-):SCARZに1年弱ほど在籍したあとは、Good 8 Squadに移籍して選手活動を続けていました。コーチになるまでの間、実はそんなに試合に勝てていなくて、自分自身悩んでいる日々を過ごしていました。
元々コーチをやってみたいという思いがあって、ちょうどZETA GC部門がコーチを募集していたのを見て「今だ!」って思いましたね。
——ちなみにコーチをやってみたいと思っていたのはなぜでしょうか。
ryota-:選手として活動していた時、コーチから何かしてもらったということがほとんどなくて——。ただまわりの勝っているチームを見るとコーチがしっかりしているのを見てきました。
そういう環境の違いを見て「コーチをやってみたいなあ」と思うようになりましたね。
——なるほど。実際にコーチになるにあたり、どういうチーム作りを意識しましたか。
ryota-:決めなきゃいけないことを決めるということを心がけています。
例えば、何かをやる時に2択が発生した場合、コーチ目線でいい方を判断して選手に伝えるようにしています。とにかく選手がプレイ中に迷わないようにというのを意識しています。
——試合中に限らず、普段コーチというのはどのような活動をしているのでしょうか。
ryota-:作戦を考えたり、スクリムで起こった修正できるポイントを見つけて選手に伝えたりしています。
作戦に関しては、ほかのチームのものを参考にすることもありますが、やっぱりそれだけだと面白くないので、最近では結構自分で考えてますね。
——今ZETA GCの試合結果を見ると、ryota-コーチが加入してから無敗なんですよ! 成績だけ見ても、なにかryota-コーチの秘策があるのかなあってずっと思っていました。もし、自分自身のコーチを評価するとしたら、どのような点が挙げられますか。
ryota-:恥ずかしいなぁ……(笑)。
やはり選手を経験しているコーチというのは大きなアドバンテージだと思っています。選手が何を求めているとか、どういうことを考えてプレイしているというのがわかるので、選手に寄り添う力が長けていると思います。
——それは大きいですね。Moco選手はどのように感じていますか?
Moco: ryota-さんがコーチに入ってから、めちゃくちゃきれいに試合が運べるようになりました。作戦ひとつとっても、アビリティーをここに入れたら、敵がこういうふうに動くから、自分たちはこうしようという、作戦の1〜10までがしっかり用意できるようになりましたね。
元々私たちのチームは撃ち合いが強いので、作戦がきれいになったことで、チーム全体がより強化されたように感じます。
——例えば1〜10の中でイレギュラーなことが起こった場合はどうしているでしょうか。
Moco:そういう場面では試合中のVCで話し合って行動しています。それがうまくいかなかった場合、反省会で次はこうしてきたらこうしようという感じでひとつずつ答え合わせをしていますね。
——なるほど。より作戦の完成度が高くなっていくんですね。
人数不利はむしろ得意!
Mocoがスモーク役に徹する理由とは
——Moco選手といえば一貫してコントローラー(スモーク役)に徹しているというイメージですが、それはチーム全体で話し合って決めたのでしょうか。実は違うエージェントを使いたいとかあった?
Moco:元々私はキルジョイといったセンチネルを担当していました。ただryota-コーチに「Mocoはコントローラーが向いてるよ!」っていわれて使うようになりました。
ただ自分の中では得意だとは思っていなくて、どうやったらうまくスモークが使えるんだろうって日々研究してますよ。
——担当が変わったことで気をつけていることはありますか?
Moco:スモーク役は最後まで生き残ることに意味があると思っているので、なるべくキルされないのはもちろん、ちゃんとキルできるところは取るっていうことに意識しています。
あと敵の行動によって変えるべきことが多いので、その場その場で自分ができることを考えながらプレイしています。
——初戦のSCARZ戦で見せた1on3クラッチ。あれこそまさに最後まで生き残ってキルできるところは取るといった感じのプレイだと思いました。
Moco:ありがとうございます!
あの時は、私がこのラウンドを取ればマッチポイントを先取できるということもあったのでめちゃめちゃ緊張していました。ただ私自身ああいう場面を得意としているので、勝てると思ってました(笑)。
——えええっ。すごい! ああいう場面が得意な理由ってあるんですか?
Moco:結構人数不利な撃ち合いが好きというか——ひとりで動くことが得意なんです。そう考えると最後に生き残るコントローラーって性に合ってるのかな(笑)。
——確かに! ryota-コーチはなぜMoco選手がコーチに向いていると思ったんですか?
ryota-:エイムの仕方や立ち回り、それに発言の仕方ですかね。
——発言の仕方?
ryota-:どこに焦点を置いて話しているかという部分ですね。例えばラークする時って、メインの部隊に状況をうまく伝えなければいけないんですけど、そういった時のコールがとても伝わりやすいんです。
あとは俯瞰視点がいいですね。ほかの選手に比べてマップを上から見た状況判断が優れていると思います。
——せっかくなので、ほかの選手の魅力も教えてもらってもいいですか?
ryota-:suzuは道を切り開いてくれるプレイヤーかな。ほかの選手を引っ張りながらリズムを作ってくれます。
KOHALはめっちゃムードメーカーでコールもいいですね。試合中の場面場面でコールするんですけど内容が的確で、中盤の全体的な動きをしっかりと修正してくれるプレイヤーです。あとは自分主導でフラッシュを入れて、デュエリストに勝負をさせるという立ち回りも魅力ですね。
acoはIGLをやっているんですけど、とにかく声が通るのでIGL向きですね。あとはかわいらしくてほんわかしてるんで、KOHALさんとは別のムードメーカーでもあります(笑)。プレイ面でも、相手の嫌なタイミングで勝負できるプレイヤーなので、相手からしたら嫌なんだろうなあとは思います。
romiaは最初の頃から比べて一番伸びたプレイヤーかな。配信のコメントでも言われていたのですが、ラークのタイミングや俯瞰でエリアを見た時のエリア感みたいなのがすごい良くなってきているなあと感じています。
Mocoはさっきもお伝えしたとおり、ちゃんと抑えてほしいところを抑えてくれるといったプレイヤーでバランスがいいですね。
気になるチームはいない!?
——すでにSplit 2がスタートしていますが、Split 1からSplit 2に向けて取り組んでいたことはありますか?
Moco:全体的にSplit 1は緊張していて思った動きができていない部分が多かったので、緊張がある中でもいつも通りのプレイができるように、普段から大会に出場しているような気持ちでスクリムをやるようにしていました。
——Split 1で優勝していたこともあって、多くのチームがZETA GCを警戒していると思います。コーチ目線どのような取り組みをしていましたか?
ryota-:Split 1で落としたマップがアセントだったのですが、情報を取ったあとに決めた行動ではなくて、相手の決め撃ちのセットが毎回刺さって負けてたんです。
こういう負け方すると安定して勝つことができないと感じたので、チーム全体の柔軟性を高めました。情報を取ったあとの行動の幅を増やすというか——。
——なるほど。そんな中Split 2で新マップのサンセットを初お披露目しましたね。あれには何か意図があったのでしょうか。
ryota-:普段APAC地域のチームとスクリムすることが多いんですが、そこではうまくいっていたということもあって自信もありました。
ただひとつ問題だったのがAPAC地域のチームはどのチームも1コントローラー構成だったんです。今回対戦相手だったSCARZは2コントローラーということもあって思った以上に苦戦してしまいました。
ただ、2コントローラー構成と戦ってみて修正すべき点が見つかったので個人的にはいい試合になったと感じています。
よく勝ちきってくれたましたよ。ありがたいです。
Moco選手:サンセットはスクリムでも調子が良かったので自信はありました。やっぱり初戦で緊張したことと、2コントローラーということで作戦が通らなかったこともあったので流れを乱されてしまうシーンが多かったと感じています。
ただOT(オーバータイム)の頃はみんな緊張も解けていたので特に意識はしなかったかなあ。OT慣れてるんで!(笑)
——気になるチームや選手はいますか?
Moco:自分がコントローラーを使っているので、同じコントローラー使いの選手は気になりますね。
ryota-:個人的にはFENNEL HOTELAVAは気になっています。あとから加入したYamZzi(やむち)さんやmiNt(さん)は、オープン予選のスタッツがぶっちぎりで1位2位だったので。「すっげー破壊力あるんだろうなあ」って。
ただ、やっぱり自分たちが用意してきているものが一番強いと思っています。
——おおっ、頼もしいですね。それでは最後にファンに向けてひとことと、今後の意気込みをお願いします。
Moco:Split 2はまだ1マップも取られずに勝ち続けているので、このまま1位目指してがんばりたいです。いつも応援してくださるファンのみなさんのおかげで自分のモチベーションが保てているので、引き続き応援よろしくお願いします!
ryota-:普段の練習通りにやれば、どこにも負けない自信があるので、どうやったら普段通りにプレイできるかを考えながら選手をサポートできればと思っています。
——そういえば驚きの新オフィスが公開されましたが、実際にオフィスに入った感想はいかがですか。
ZETA DIVISIONの新たな活動拠点の開設をお知らせします🗼
— ZETA DIVISION (@zetadivision) September 28, 2023
Introducing our new headquarters below the Tokyo Tower.
📝https://t.co/ne7867I3SQ pic.twitter.com/BUvTGtEZoX
Moco:めちゃめちゃ広くて環境もいいですね。家とは違ったやりやすさがあるのはうれしいです。反省会もみんなで顔を合わせてできるスペースもありますしね。
ちなみに入ってすぐの場所がイベントスペースになっているんですけど、「えっ、広っ!」みたいな(笑)。
たまにryota-さんとsuzuがそこでサッカーしてます(笑)。
——ええっ、サッカーできるんですか?
ryota-:はい。ちょうどいい運動になるんですよ(笑)。
ミーティングができるチルスペースがあるんですけど、本当におしゃれで「この会社で働きたいオフィス」って感じがしていいですよ。モチベーションが上がりますね。
ぜひ遊びに来てください。
——ぜひお邪魔させてください!
Moco:お待ちしています!
——ありがとうございました。
———
いまだ負け知らずの新星ZETA GCの強さの秘訣は元選手だからこそなし得るryota-コーチの采配と、柔軟性のあるチームメンバーの強さ、そして息を呑むほどの魅力あふれる新オフィスのゲーミンスペースのたまものではないだろうか。
ZETA GCは10月7日(土)にDetonatioN FocusMeとの対戦が決まっている。この試合に勝利すればいちはやく決勝戦へと進出できるため、俄然優勝が濃厚になるだろう。
© 2023 Riot Games, Inc. Used With Permission
■関連SNS
ryota-コーチ:
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Moco選手:
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VALORANT // JAPAN:
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■配信URL
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【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。
Twitter:@sdora_tweet
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