【SCARZ 独占インタビュー】SCARZファンがPARCO劇場に集結!——Kr1stalが試合中ミニマップをほとんど見ないという驚きの事実が発覚!

VALORANT』の国際大会「VCT Ascension Pacific」が6月28日(水)より開催中。🇯🇵SCARZ(🇯🇵SZ)が日本代表として出場し、現在2連勝と幸先のいいスタートで駒を進めている。

ちなみに「VCT Ascension Pacific」は、『VALORANT』最高峰リーグであるインターナショナルリーグのひとつ、「VCT Pacific」への唯一の出場権を争う大会。

🇯🇵SZが優勝すれば、来年から🇯🇵ZETA DIVISIONや🇯🇵DetonatioN FocusMeと同じ土俵に立てるという非常に重要な大会なのだ。

▲TIPSTAR DOME CHIBAと幕張メッセで開催されたMasters Tokyo。VCT Ascension Pacificで優勝すれば、こういった大舞台に出られる可能性がでてくると思うと胸が高まる

Day3では、14連勝で「VCT Ascension Pacific」に進出したインドの強豪🇮🇳Orangutan(OGS)と対決。1マップ目のアセントでは13:6と危なげなく勝利。2マップ目のフラクチャーではラウンドを連取されてしまう場面もあったものの、最終的にはしっかりと相手の攻めに対応して13:10で勝利。相手に1マップも取られることなく勝利した。

ちなみに渋谷のPARCO劇場ではパブリックビューイングも開催。まるで映画を見るような環境で白熱した試合を観戦するという新しい試みを楽しむことができた。


▲インフルエンサーのトークショーやコスプレイヤーのパフォーマンスなど、試合以外の楽しみも用意されていた(撮影:岡安学)

そんな🇮🇳OGS戦を終えたSCARZのメンバーが試合終了後、インタビューに応じてくれたので、その様子をお届けしよう。

▲左からfadezis(ふぁでじす)コーチ、Jemkin(じぇむきん)選手、Kr1stal(くりすたる)選手、Yoshiii(よしー)選手、TORANECO(とらねこ)選手、Allen(あれん)選手

終始自分たちの形を作れた🇮🇳OGS戦


——🇮🇳OGS戦勝利おめでとうございます!

選手一同:ありがとうございます!

——試合を振り返ってみていかがですか?

TORANECO:1マップ目のアセントは1ラウンド目から自分たちの形を作れていい感じだったのですが、セカンドラウンドを取られちゃって——。ただ3ラウンド目はJemkinがエースを取ってくれたことで、自分たちの形を持ち続けることができました。

▲セカンドラウンドを落としてしまい、武器不利な状態で3ラウンド目をむかえた🇯🇵SZ。そんな不利な状況を打開したのはJemkin選手だった。シェリフで次々にキルを重ね、5人目も素早いフリックでしっかりとエースを決めた!(https://www.youtube.com/watch?v=QiMuRep0_qs&t=12733s

2マップ目のフラクチャーは、相手のドライピーク*での進行に苦しめられたり、リテイクもうまくいかない場面があったりで辛かったですね。ただ結果的に逃げ切ることができてよかったです。

*ドライピーク:アビリティーを使わず身体ひとつで撃ち合いを仕掛けること。『VALORANT』ではアビリティーに合わせて撃ち合いをするシーンが多いため、事前に何のアクションも起こさずに撃ち合いに挑むことで、相手の意表が突ける戦術のひとつ

——確かに🇮🇳OGSがアタッカーサイドになった後半からラウンドを連続で取られるシーンが多かったですね。どのようにして修正しましたか?

TORANECO:相手がドライピークしてくるなら、自分たちから戦いにいけばどこに敵がいるのかわからない状態にはならないと思ったので、そういったところを修正しました。

個人的には相手がゆっくり進行してくるといった戦術には対応できたかなと感じています。

——フラクチャーで印象的だったのがラウンド20です。🇯🇵SZは調整バイ(武器が十分ではない)ラウンドにもかかわらず、TORANECO選手のインセンディアリーでしっかりと足止めをして勝利をつかみましたね。そのラウンドはどのような話し合いをしていたのでしょうか。

TORANECO:あのラウンドはKr1stalのコールで、どちらかにスタックして固まろうというアイデアのもと動いていました。ちょうどそこに敵が攻めてきてくれたので、いい感じにキルすることができました。

▲ドロップを守るKr1stal選手を倒し、Aサイトへとなだれ込む🇮🇳OGS。しかし、その先にはすでに守りを固めた🇯🇵SZのメンバーが。人数差をかけてごり押しするつもりだった🇮🇳OGSはあっという間に壊滅。ドロップ下の足場にインセンディアリーを仕掛けたTORANECO選手の判断の早さも光っていた(https://www.youtube.com/watch?v=QiMuRep0_qs&t=18224s

——見事に刺さってましたね。スタックといえばマッチポイントを迎えたラウンド23も印象的でした。お互いがフルバイのラウンドで、まさかのBスタックという作戦はビックリしました。

TORANECO:Bメインでブリーチ(tesseract選手)がオーブを回収しているのがわかったので、そこからアンダーに流れてブリーチのアルティメットスキルを起点に攻めてくるというのは予想していました。Bに集まっていれば相手のエントリーも阻止できると思っていましたし、Aサイトはサイファーの「トラップワイヤー」を仕掛けてあるので、Aサイトに攻められていたとしてもリテイクするということでBにスタックしていました。

▲Bスタックが見事に刺さったラウンド23。結果としてはJemkin選手が連続4キルで相手の作戦を破壊した1ラウンドだったが、仮にJemkin選手が倒されてしまったとしても勝利は盤石だったのではないかというラウンド運びだった(https://www.youtube.com/watch?v=QiMuRep0_qs&t=18665s

実はミニマップを見ていないKr1stal選手


——「VCT Ascension Pacific」全体についてもお聞かせください。出場チームは普段あまり接点のないチームが多いのも特徴のひとつだと思っています。何か戦い方に違いは感じましたか?

Kr1stal:ほかのAPACのチームに比べて、今の日本のリージョンが一番強いと感じました。ほかのチームよりもしっかりと準備できているのも強さの要因なんじゃないかな。

明日は強豪チームである🇸🇬BLEED eSports(マレーシア/シンガポール地域で圧倒的な強さを誇るチーム)との対戦が控えているので、自分たちのプレイスタイルを見せつけることができるのかが楽しみです。

——ちなみにKr1stal選手は、IGL(ゲーム内リーダー)をしているのにも関わらず、2マップ目のフラクチャーではMVPを獲得するなど、撃ち合いの強さも持ち合わせていると思います。IGLと撃ち合いをどのようにして両立しているのでしょうか。

Kr1stal:大前提としてしっかり練習することです。コールと撃ち合いを両立するのは難しいと思いますが、自分はそれを得意としています。また、最近はチームメートもコールをしてくれるので、ミニマップを見なくても情報を共有できるのも両立できる要因かな。

——えっ、ミニマップを見てない?

Kr1stal:はい。チームメンバーのコールがうますぎて、ミニマップを見なくても状況が把握できちゃうんです。そのおかげで撃ち合いに集中できます。

——すごい……。せっかくなのでDay1のお話も聞かせてください。Day1の🇦🇺Bonkers戦では技術的なトラブルもあって試合開始時間が深夜になるというアクシデントがあったかと思います。

Kr1stal:あの時はチームメンバー全員が眠たくてパフォーマンスに影響はありました。ただ眠いのは相手チームも同じことなので、勝てて良かったです(笑)。

——入場シーンでは、普段見られないチャーミングなKr1stal選手が見られたのはある意味うれしかったです(笑)。

▲入場シーンは眠たさをアピールするKr1stal選手。普段見せないかわいらしい表情で、配信でも「かわいい」のコメントが多数寄せられていた

Kr1stal選手:ありがとうございます(笑)。

フライトを怖がっていたYoshiii、強いAllenは今日出たの?


Yoshiii:ハロー!

——ハロー、お久しぶりです! フライトは大丈夫でしたか?

Yoshiii:かなり怖かったです(笑)。

——(笑)。試合前にどうやってリフレッシュしたんですか?

Yoshiii:到着した次の日に全員でプールに入って楽しめたので、そこでリフレッシュできましたね。


——メンバー全員で泳いだ?

Yoshiii:はい。そういえばJemkinだけ泳いでなかったかな。

——えっ、それはまたどうして。

Jemkin:ちょっとお昼寝したかったので、寝てました(笑)。

——あはは(笑)。Yoshiii選手的に試合中のパフォーマンスはどうでしたか?

Yoshiii:2連続で勝てたのでかなり自信は持てています。3連勝目指してがんばりたいですね。

——パブリックビューイングの会場にも善悪菌選手がいらっしゃいます。Yoshiii選手を愛して止まない、善悪菌選手に向けてひとことください!

▲試合前のトークイベントに参加している善悪菌選手(撮影:岡安学)

Yoshiii:SNSに私の写真をアップするなー!(笑)

——(笑)。

▲Yoshiiiのオフショットがたくさん見られる善悪菌選手のTwitter。引き続きお願いします(笑)

——では最後に、次の試合に向けての意気込みをお聞かせください。

Yoshiii:ウオッチパーティに来てくれた皆さん、応援ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします!

Jemkin:応援してくれた皆さんありがとうございます。次の試合もベストを見せられるようがんばります!

Kr1stal:パブリックビューイングに来てくれたみなさんも、配信を見てくれた皆さんも応援ありがとうございます。がんばります!

Allen:プレーオフは確定となりましたが、リーグ戦はあと2戦が残っています。気を抜かずにがんばりたいと思います。応援よろしくお願いします!

——ちなみに今日の試合で強いAllen選手は出てきましたか?

参考:
【SCARZ Allen選手単独インタビュー】「あれ? ノッてる?」——試合中、突然強い自分が出てくるAllen選手。REJECTからSCARZへ移籍を決めたきっかけは?

Allen:いや、フラクチャーくらいじゃないですかね(笑)。アセントは集中力が切れててだめでした。

——どうやって集中力を取り戻したんですか?

Allen:Kr1stalが肩をめちゃくちゃつまんでくるんですよ(笑)。

——えっ、揉むんじゃなくて?

Allen:そうそう。こうやって本当に潰す感じで——めちゃくちゃ痛かったんですけど、それで起きましたね(笑)。

TORANECO:2勝できて安心感もあるんですけど、次の2戦もしっかり戦って経験を積み上げていきたいと思っています。いい試合ができるようにこれからもがんばりたいと思います。

——すみません、最後にひとつだけ。会場の環境はどうでしたか?

TORANECO:音に関してはとにかくSplit2でのエディオンアリーナ大阪が最高でした。それと比較すると若干音は聞こえづらい印象があったり、テックポーズが長引いた部分はありますが、そういうのを経てさまざまな国の運営やサポート体制が充実していくものだと思っています。

環境自体は非常に良くて「めちゃくちゃやりづらい」とかはないです。

——普段の練習で対応できた感じですか?

TORANECO:ただ、普段はプラクティスルームという場所で練習しているんですけど、プラクティスルームに比べて会場のイスがめちゃめちゃ動くんですよね(笑)。

——動く?

TORANECO:あぐらをかきながらマウスを左右に動かしていると、その動きだけでイスも移動しちゃって、気がついたらモニターの端っこに自分が座ってるみたいなことがありました。

イスが移動し過ぎちゃうっていうのが俺にとってやりづらいポイントでしたね。多分床が滑りやすいんじゃないかな(笑)。まあ、あぐらをかかずに普通に座ればめちゃめちゃ快適なので、あまり関係ないかも。

——あはは。ありがとうございました!

———

パブリックビューイングを見学に行ったら、まさかのメンバー全員がオンラインでインタビューに応じてくれるという神対応をしていくれた🇯🇵SZのメンバー。明日も試合が控えているのにもかかわらず、選手全員がそろってインタビューに応じてくれるのは感謝でしかない。

その中で聞くことができた、Kr1stal選手がミニマップをほとんど見ていないという衝撃の事実にも驚きだ。🇯🇵SZというチームの完成度の高さがうかがえたインタビューでもあった。

「VCT Ascension Pacific」は初日から前代未聞ともいえる機材トラブルで14時間以上にもわたる長丁場の試合が行われ、不安がよぎる場面もあったが、2日目からは大きな機材トラブルも解消され、快適な試合環境が構築されているようにも思える。

TORANECO選手が話していたように、さまざまなトラブルを経て各国のサポート体制が充実していけば、開催国を問わず、最高のパフォーマンスが出せる環境が完成するのではないだろうか。

なお、🇯🇵SZは本日7月1日(土)17時より、🇸🇬BLEED eSportsとの戦いが待ち構えている。引き続き #SZWIN で盛り上げていこう。PARCO劇場でのパブリックビューイングは7月1日(土)、7月4日(火)にも開催される。時間の合う人は下記のリンクよりチケットを購入して会場に足を運んでみよう。

▲パブリックビューイングでは、ファングッズの購入はもちろん、Challengers Japanの優勝トロフィーも拝めるぞ!


■チケット販売
7月1日(土):
https://ticketme.io/event/ticket/5300302c-3b4e-4aaf-bc3c-0dc6fa80ee10/23be5ca5-b294-41b6-b235-270674541607

7月4日(火):
https://ticketme.io/event/ticket/5300302c-3b4e-4aaf-bc3c-0dc6fa80ee10/539006ee-f6f7-4c3d-8706-be09ec35dd9d

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■関連SNS
VALORANT // JAPAN:
https://twitter.com/VALORANTjp

VALORANT Champions Tour JAPAN:
https://twitter.com/valesports_jp

■配信URL
Twitch:
https://www.twitch.tv/valorant_jpn

YouTube:
https://youtube.com/@VALORANTjp

AfreecaTV:
https://bj.afreecatv.com/valorantjp


【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。

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