【LJL 2022 Summer Split Finals 考察&選手インタビュー】SGを封じ込めたDFMの戦略、「Worlds」への意気込み
2022年9月4日、「LJL 2022 Summer Split」の Finalsが行われ、レギュラーシーズン2位のDetonation FocusMe(DFM) が同1位のSengoku Gaming(SG)を3-0で下し優勝。9月29日から北米で行われる今年の世界王者を決める大会「Worlds 2022」への参加権を得た。
DFMがこれで4スプリット連続の「LJL」制覇。昨年は「Worlds」で日本勢初となるグループステージ進出という快挙を成し遂げただけに今年も世界戦でさらなる活躍が期待される。
本記事では、決勝戦の振り返りと、試合直後にDFMメンバー全員に行ったインタビューをお届けする。ぜひ最後まで読んでいただけると幸いだ。
さて、DFMとSGはSpring Splitの決勝を戦い、Summer Splitのレギュラーシーズンもお互い19勝2敗と圧倒的な成績を残した、LJLの「2強」といっていいチーム。直前のプレーオフ第2ラウンドではDFMが3-1で勝利しており、SGがどんな対策をもって決勝に臨むかが注目された。
この日のSGのゲームプランはドラフト面からも明白だったと思う。
GAME1のバンピック
GAME2のバンピック
TopのPaz選手にタンクをプレイさせて、対面のEvi選手が出してくるタンクキラーのファイターたちの相手をさせ、MidのJett選手には得意の近接型チャンピオンをピックさせる。
こうなるとTop・Midはレーンの主導権が取れないため、JgのOnce選手が活動できる範囲を増やすためにも、Vital・Enty両選手が担当するBotレーンは必ず主導権が取れる強いピックをする、といった形だ。
対するDFMは、Yaharong選手にゾーニング能力の高いメイジを、Yutapon・Harpの両選手はゼリとルルという現メタ屈指のキャリーピックを渡すドラフトに。
試合内容はJett選手が狙い通りに個人技で集団戦をひっくり返すシーンもあったが、徐々にDFMが対応をはじめ、Harp選手が要所要所で「イタズラ」を使った妨害でJett選手を封じる。
Jett選手の個人技をHarp選手のルルに抑えられたSGは、Game3で作戦を変更する。
GAME3のバンピック
ゼリ・ルルのコンビを自分たちでピックし、Jett選手のアカリの邪魔になるチャンピオンを取り上げる形だ。
一見、一挙両得の作戦に見えるがこのピックだとGame1・2と違ってBotの主導権が取れない。それを補うためにEnty選手はルーンにやや攻撃的な「エアリー召喚」を選択。さらにOnce選手が序盤のBotガンクが可能なポッピーをチョイスした。
しかし、ルシアン・ナミvsゼリ・ルルのマッチアップは、一般的にルルは「ガーディアン」を選択し守備的にプレイする(実際Game2のHarp選手もガーディアンを選択していた)。このリスクを取ったEnty選手の選択をDFMは咎める。
サブルーンにも「不滅」を選択していないため、「ガーディアン」と「ボーンアーマー」の両方がないルルはルシアン・ナミのオールインに耐えられなかった。
ただ、SGも負けてはいない。7分と早い時間でJett選手がYaharong選手をソロキル。ルルなしで育ったアカリを止められるのかという課題がDFMに突き付けられることになる。
しかしこれもDFMは難なくやってのける。
ゲームを決定づけたドラゴンファイト。自軍ジャングル内にうまくワードを残すことでJett選手のフランカーを見事対応、一気にフォーカスして落とし切った。
そのままバロンナッシャーの獲得にまでつなげたDFMは圧倒的リードを作り出し、SGのネクサスを破壊、ゲームに勝利した。
試合の直後、DFMの全メンバーに決勝直後の喜びの声、「Worlds 2022」への思いなどを語ってもらった。
——「LJL Summer」優勝、おめでとうございます! まずはひとりずつ優勝した感想をお聞かせください。
Evi選手(以下、Evi):本当にどっちが勝つかわからないような対戦相手だったので、無事勝てたのがうれしいですね。
Steal選手(以下、Steal):無事に3-0で優勝できてうれしいです。
Yaharong選手(以下、Yaharong):正直、今日はバスに乗っていた感覚があるんですが(笑)、でもそれはむしろよかったかなと思っています。このような重要な試合で自分に足りない部分を感じたまま勝つことができ、今後頑張れるモチベーションにもつながると思うので、「Worlds」に向けて完璧な状況だと思っています。
Yutapon選手(以下、Yutapon):前回のBo5(プレーオフ第2ラウンド)の時に結構苦戦して、結果は3-1でしたけど試合内容も怪しかったので、今日も苦しい戦いになるなと思っていたんです。途中苦しかったものの3-0という結果になったので、かなりよかったかなと思います。
Harp選手(以下、Harp):(日本語で)やっぱりみんな、本当に頑張って優勝して、気持ちサイコーです!
——SGはシーズン中も好調で、Yutapon選手もおっしゃっていたように直前の対戦ではSG Vital選手が活躍するシーンも目立ちました。決勝に向けてどのような準備をされたんでしょうか?
Evi:Vitalにクアドラキルが入ったシーンなどは自分たちが大きなミスをしたわけではなく、相手のポジションをチェックせずに仕掛けたとかそういう基本なところだったので、基本に立ち返って練習しました。
——1戦目からミッドチャンピオンに3つのバン枠を割きましたよね。対面するYaharong選手としてはJett選手のことをかなり警戒していたのでしょうか。
Yaharong:Jett選手は近接チャンピオンがうまくて、サイラスはその中でも最もティアが高いのでバンしました。ポークのマッチアップになれば僕の方がはるかにうまいと思っていますが(笑)。
予想通りアカリをピックしてきましたが、アカリなら対策できると思っていたので、バンピックはうまく刺さったと思います。ルブランについては面倒くさいからバンした感じです。他にバンしたいものが特になかったこともありました。
——トップではEvi選手がモルデカイザーやリリアといったメタ外のチャンピオンで活躍を見せました。パッチ12.14以降、徐々にトップレーンのメタが変わってきていると感じているんですが、Evi選手は現在のメタをどうとらえていますか?
Evi:Botレーンにシヴィアやゼリという1人でゲームをキャリーできてしまうチャンピオンがいるので、Topレーンはタンクをピックして1人で支える、というのが今年の夏のメタでした。でも、徐々にそのタンクに有利を取れるファイターが出始めて、そのファイターに対抗するためにはこちらもファイターを出すしかない、みたいな。メタがグルグル回っていて面白い状況だと思っています。
——その点ピック幅が広いのはさすがベテランの味! といった感じでしたね。Steal選手に質問なんですが、今日の試合、SGの中盤が強力な構成に対し、DFMの視界管理が非常に機能していたと思います。どういった意識でゲームをコントロールしていたのでしょうか?
Steal:ゲームが進むにつれ、SGが狙ってくる場所が明確にわかるようになっていったので、Harp選手と「ここら辺の視界を取った方がいい」などと相談して行いました。
——そのHarp選手、今日はルルやナミといったメイジサポートで素晴らしい活躍でした。メイジサポートは得意なんですか?
Harp:実は、去年KTにいたときはタンクやイニシエート系チャンピオンが得意でした。でも今年になってまるで思春期を迎えた子どもみたいにいきなりメイジ系がうまくなってきて(笑)、自分でも変わったと思います。
——今日のもう1つの話題として、対戦相手のSG Paz選手がSNS上で「最後の試合」と現役引退を示唆していました。代表してチームメイトだったこともあるYutapon選手、長年対面で戦ってきたEvi選手はどんなふうに感じていらっしゃいますか?
Yutapon:Paz選手とはチームメンバーでやっていた時期もありますし、決勝で敵として勝ったり負けたり、結構長い間やってきましたよね。「LJL」って彼くらい長くやっている選手はそんなにいないので、1人減るのはやっぱり寂しい気持ちはありますね。
Evi:Pazくんはインゲームだけでなく、それ以外の能力も優れていると感じています。もし選手をやめてもいろんな立場で『LoL』を舞台に活躍できると思うので、次のステージに進むだけかなと思います。ひとまずここまで戦い続けてきて「お疲れさまでした」という言葉を贈りたいですね。
——そして、DFMの次の目標は「Worlds」です。今年から「LJL」のPoolが「2」になりました。世界戦を長年戦ってきたYutapon選手としては、日本の評価が上がったことについてどう思われますか?
Yutapon:正直Pool2に上がれるか微妙なところだと思っていたので、上がってくれてうれしいです。が、今後Pool3のチームには負けられないですし、結果を残さないといけないというプレッシャーも半分ありますね。嬉しさ半分、プレッシャー半分といった気持ちです。
——Pool2への昇格はDFMの去年の快進撃が評価されてのものだと思います。去年とはメンバーが変わりましたが、今年のチームの仕上がりに関してはどうですか?
Evi:僕は、「LJL」で優勝してから「Worlds」が始まるまでのこの後の練習次第で、チームがとんでもなく良くなる可能性も悪くなる可能性もあると思っています。なので現時点での出来よりも、この期間をどう過ごすかが本当に大事だと思っています。
——ここからは日本の『LoL』ファンの期待を背負って日本代表として臨むことになります。最後に「Worlds 2022」に向けて、それぞれの目標を聞かせてください。
Harp:去年DFMが初めてグループステージに進出したのを見ていて、うまいチームだなと思っていました。去年よりもうまくやらなければならないと思っているので、最低限グループステージ以上は進出したいです。
Yutapon:僕もまずは前回行ったところ、グループステージまで行くことが目標ですね。それだけでもかなり大変なことなので。
Yaharong:目標を一つ決めるよりも、成長していく姿を見せていきたいと思っています。「LJL」ではなかなか見せられなかったようなプレイなどは、チームが一つになれれば見せられると思っていますので、これからスクリムで“けんか”せずに一丸となって戦えれば十分勝てると思います(笑)。
——この発言は掲載して大丈夫ですか?(笑)
Evi:別にいいんじゃないですかね(笑)。
Steal:ホッホッホ(笑)。僕はやっぱりまたグループステージには行きたいんですけど、そこがプレッシャーにならないように、いい試合を見せられるように頑張ります。
Evi:僕はなんだろうなぁ……いまこのチームで最年長で、何歳だっけ……。自分の年も忘れちゃったんですけど(笑)、Yutapon、俺何歳だっけ?
Yutapon:俺は25か26歳だけど……。
Evi:僕はYutaponの1コ上なんですけど(編集部注・1995年11月生まれの26歳)、正直、今後何度も「Worlds」に出られるとは思っていなくて、1回1回の大会に全力をもって臨みたいんです。
もう「惜しかった」とかはいらない。今年はマジで勝ちにいきます! 勝つために必要なら“ケンカ”もするかもしれませんが、チームみんなで全力で勝ちに行きたいと思っています。
「Worlds 2022」は9月30日よりメキシコから始まり、ニューヨーク、カリフォルニアと会場を移しながら開催される。まだまだ新型コロナウイルスの危険もあるものの、今年はオフライン大会としてチケットも販売され、久々に大勢の観客が集まるだろう。
世界的評価が上がったDFMにとっては、Evi選手が語っていたようにここからの約1カ月間こそが、「LJL」の戦い以上の勝負の時間。Evi選手、Steal選手、Yutapon選手の経験に、「MSI」を終えて合流したYaharong選手、Harp選手のフレッシュな力が加わったことで、きっと「Worlds 2022」ではDFM自身も日本のファンも見たことがない光景を見せてくれるに違いない。
Evi選手
https://twitter.com/ebihuryahurya
Steal選手
https://twitter.com/DFM_steal
Yaharong選手
https://twitter.com/lolyaharong
Yutapon選手
https://twitter.com/yutapongo
Harp選手
https://twitter.com/JiYoong_Harp
DetonatioN FocusMe
http://team-detonation.net/team/focusme
LoL Esports
https://lolesports.com/
RiotGames Twitch
https://www.twitch.tv/riotgamesjp
DFMがこれで4スプリット連続の「LJL」制覇。昨年は「Worlds」で日本勢初となるグループステージ進出という快挙を成し遂げただけに今年も世界戦でさらなる活躍が期待される。
本記事では、決勝戦の振り返りと、試合直後にDFMメンバー全員に行ったインタビューをお届けする。ぜひ最後まで読んでいただけると幸いだ。
最善の手を狙ったSGに、万全の体制で準備してきたDFM
さて、DFMとSGはSpring Splitの決勝を戦い、Summer Splitのレギュラーシーズンもお互い19勝2敗と圧倒的な成績を残した、LJLの「2強」といっていいチーム。直前のプレーオフ第2ラウンドではDFMが3-1で勝利しており、SGがどんな対策をもって決勝に臨むかが注目された。
この日のSGのゲームプランはドラフト面からも明白だったと思う。
GAME1のバンピック
GAME2のバンピック
TopのPaz選手にタンクをプレイさせて、対面のEvi選手が出してくるタンクキラーのファイターたちの相手をさせ、MidのJett選手には得意の近接型チャンピオンをピックさせる。
こうなるとTop・Midはレーンの主導権が取れないため、JgのOnce選手が活動できる範囲を増やすためにも、Vital・Enty両選手が担当するBotレーンは必ず主導権が取れる強いピックをする、といった形だ。
対するDFMは、Yaharong選手にゾーニング能力の高いメイジを、Yutapon・Harpの両選手はゼリとルルという現メタ屈指のキャリーピックを渡すドラフトに。
試合内容はJett選手が狙い通りに個人技で集団戦をひっくり返すシーンもあったが、徐々にDFMが対応をはじめ、Harp選手が要所要所で「イタズラ」を使った妨害でJett選手を封じる。
Jett選手の個人技をHarp選手のルルに抑えられたSGは、Game3で作戦を変更する。
GAME3のバンピック
ゼリ・ルルのコンビを自分たちでピックし、Jett選手のアカリの邪魔になるチャンピオンを取り上げる形だ。
一見、一挙両得の作戦に見えるがこのピックだとGame1・2と違ってBotの主導権が取れない。それを補うためにEnty選手はルーンにやや攻撃的な「エアリー召喚」を選択。さらにOnce選手が序盤のBotガンクが可能なポッピーをチョイスした。
しかし、ルシアン・ナミvsゼリ・ルルのマッチアップは、一般的にルルは「ガーディアン」を選択し守備的にプレイする(実際Game2のHarp選手もガーディアンを選択していた)。このリスクを取ったEnty選手の選択をDFMは咎める。
サブルーンにも「不滅」を選択していないため、「ガーディアン」と「ボーンアーマー」の両方がないルルはルシアン・ナミのオールインに耐えられなかった。
ただ、SGも負けてはいない。7分と早い時間でJett選手がYaharong選手をソロキル。ルルなしで育ったアカリを止められるのかという課題がDFMに突き付けられることになる。
しかしこれもDFMは難なくやってのける。
ゲームを決定づけたドラゴンファイト。自軍ジャングル内にうまくワードを残すことでJett選手のフランカーを見事対応、一気にフォーカスして落とし切った。
そのままバロンナッシャーの獲得にまでつなげたDFMは圧倒的リードを作り出し、SGのネクサスを破壊、ゲームに勝利した。
DFM優勝インタビュー:日本代表として「今年は勝ちに行く」という並々ならぬ決意と覚悟
試合の直後、DFMの全メンバーに決勝直後の喜びの声、「Worlds 2022」への思いなどを語ってもらった。
——「LJL Summer」優勝、おめでとうございます! まずはひとりずつ優勝した感想をお聞かせください。
Evi選手(以下、Evi):本当にどっちが勝つかわからないような対戦相手だったので、無事勝てたのがうれしいですね。
Steal選手(以下、Steal):無事に3-0で優勝できてうれしいです。
Yaharong選手(以下、Yaharong):正直、今日はバスに乗っていた感覚があるんですが(笑)、でもそれはむしろよかったかなと思っています。このような重要な試合で自分に足りない部分を感じたまま勝つことができ、今後頑張れるモチベーションにもつながると思うので、「Worlds」に向けて完璧な状況だと思っています。
Yutapon選手(以下、Yutapon):前回のBo5(プレーオフ第2ラウンド)の時に結構苦戦して、結果は3-1でしたけど試合内容も怪しかったので、今日も苦しい戦いになるなと思っていたんです。途中苦しかったものの3-0という結果になったので、かなりよかったかなと思います。
Harp選手(以下、Harp):(日本語で)やっぱりみんな、本当に頑張って優勝して、気持ちサイコーです!
——SGはシーズン中も好調で、Yutapon選手もおっしゃっていたように直前の対戦ではSG Vital選手が活躍するシーンも目立ちました。決勝に向けてどのような準備をされたんでしょうか?
Evi:Vitalにクアドラキルが入ったシーンなどは自分たちが大きなミスをしたわけではなく、相手のポジションをチェックせずに仕掛けたとかそういう基本なところだったので、基本に立ち返って練習しました。
——1戦目からミッドチャンピオンに3つのバン枠を割きましたよね。対面するYaharong選手としてはJett選手のことをかなり警戒していたのでしょうか。
Yaharong:Jett選手は近接チャンピオンがうまくて、サイラスはその中でも最もティアが高いのでバンしました。ポークのマッチアップになれば僕の方がはるかにうまいと思っていますが(笑)。
予想通りアカリをピックしてきましたが、アカリなら対策できると思っていたので、バンピックはうまく刺さったと思います。ルブランについては面倒くさいからバンした感じです。他にバンしたいものが特になかったこともありました。
——トップではEvi選手がモルデカイザーやリリアといったメタ外のチャンピオンで活躍を見せました。パッチ12.14以降、徐々にトップレーンのメタが変わってきていると感じているんですが、Evi選手は現在のメタをどうとらえていますか?
Evi:Botレーンにシヴィアやゼリという1人でゲームをキャリーできてしまうチャンピオンがいるので、Topレーンはタンクをピックして1人で支える、というのが今年の夏のメタでした。でも、徐々にそのタンクに有利を取れるファイターが出始めて、そのファイターに対抗するためにはこちらもファイターを出すしかない、みたいな。メタがグルグル回っていて面白い状況だと思っています。
——その点ピック幅が広いのはさすがベテランの味! といった感じでしたね。Steal選手に質問なんですが、今日の試合、SGの中盤が強力な構成に対し、DFMの視界管理が非常に機能していたと思います。どういった意識でゲームをコントロールしていたのでしょうか?
Steal:ゲームが進むにつれ、SGが狙ってくる場所が明確にわかるようになっていったので、Harp選手と「ここら辺の視界を取った方がいい」などと相談して行いました。
——そのHarp選手、今日はルルやナミといったメイジサポートで素晴らしい活躍でした。メイジサポートは得意なんですか?
Harp:実は、去年KTにいたときはタンクやイニシエート系チャンピオンが得意でした。でも今年になってまるで思春期を迎えた子どもみたいにいきなりメイジ系がうまくなってきて(笑)、自分でも変わったと思います。
——今日のもう1つの話題として、対戦相手のSG Paz選手がSNS上で「最後の試合」と現役引退を示唆していました。代表してチームメイトだったこともあるYutapon選手、長年対面で戦ってきたEvi選手はどんなふうに感じていらっしゃいますか?
Yutapon:Paz選手とはチームメンバーでやっていた時期もありますし、決勝で敵として勝ったり負けたり、結構長い間やってきましたよね。「LJL」って彼くらい長くやっている選手はそんなにいないので、1人減るのはやっぱり寂しい気持ちはありますね。
Evi:Pazくんはインゲームだけでなく、それ以外の能力も優れていると感じています。もし選手をやめてもいろんな立場で『LoL』を舞台に活躍できると思うので、次のステージに進むだけかなと思います。ひとまずここまで戦い続けてきて「お疲れさまでした」という言葉を贈りたいですね。
——そして、DFMの次の目標は「Worlds」です。今年から「LJL」のPoolが「2」になりました。世界戦を長年戦ってきたYutapon選手としては、日本の評価が上がったことについてどう思われますか?
Yutapon:正直Pool2に上がれるか微妙なところだと思っていたので、上がってくれてうれしいです。が、今後Pool3のチームには負けられないですし、結果を残さないといけないというプレッシャーも半分ありますね。嬉しさ半分、プレッシャー半分といった気持ちです。
——Pool2への昇格はDFMの去年の快進撃が評価されてのものだと思います。去年とはメンバーが変わりましたが、今年のチームの仕上がりに関してはどうですか?
Evi:僕は、「LJL」で優勝してから「Worlds」が始まるまでのこの後の練習次第で、チームがとんでもなく良くなる可能性も悪くなる可能性もあると思っています。なので現時点での出来よりも、この期間をどう過ごすかが本当に大事だと思っています。
——ここからは日本の『LoL』ファンの期待を背負って日本代表として臨むことになります。最後に「Worlds 2022」に向けて、それぞれの目標を聞かせてください。
Harp:去年DFMが初めてグループステージに進出したのを見ていて、うまいチームだなと思っていました。去年よりもうまくやらなければならないと思っているので、最低限グループステージ以上は進出したいです。
Yutapon:僕もまずは前回行ったところ、グループステージまで行くことが目標ですね。それだけでもかなり大変なことなので。
Yaharong:目標を一つ決めるよりも、成長していく姿を見せていきたいと思っています。「LJL」ではなかなか見せられなかったようなプレイなどは、チームが一つになれれば見せられると思っていますので、これからスクリムで“けんか”せずに一丸となって戦えれば十分勝てると思います(笑)。
——この発言は掲載して大丈夫ですか?(笑)
Evi:別にいいんじゃないですかね(笑)。
Steal:ホッホッホ(笑)。僕はやっぱりまたグループステージには行きたいんですけど、そこがプレッシャーにならないように、いい試合を見せられるように頑張ります。
Evi:僕はなんだろうなぁ……いまこのチームで最年長で、何歳だっけ……。自分の年も忘れちゃったんですけど(笑)、Yutapon、俺何歳だっけ?
Yutapon:俺は25か26歳だけど……。
Evi:僕はYutaponの1コ上なんですけど(編集部注・1995年11月生まれの26歳)、正直、今後何度も「Worlds」に出られるとは思っていなくて、1回1回の大会に全力をもって臨みたいんです。
もう「惜しかった」とかはいらない。今年はマジで勝ちにいきます! 勝つために必要なら“ケンカ”もするかもしれませんが、チームみんなで全力で勝ちに行きたいと思っています。
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「Worlds 2022」は9月30日よりメキシコから始まり、ニューヨーク、カリフォルニアと会場を移しながら開催される。まだまだ新型コロナウイルスの危険もあるものの、今年はオフライン大会としてチケットも販売され、久々に大勢の観客が集まるだろう。
世界的評価が上がったDFMにとっては、Evi選手が語っていたようにここからの約1カ月間こそが、「LJL」の戦い以上の勝負の時間。Evi選手、Steal選手、Yutapon選手の経験に、「MSI」を終えて合流したYaharong選手、Harp選手のフレッシュな力が加わったことで、きっと「Worlds 2022」ではDFM自身も日本のファンも見たことがない光景を見せてくれるに違いない。
Evi選手
https://twitter.com/ebihuryahurya
Steal選手
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Yaharong選手
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Yutapon選手
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