「長丁場の試合にはリラックスすることも大事」Crest Gamingが見せた新たな秘策とは【SamuraiD選手、Syouta選手インタビュー】

2022.3.14 井ノ川結希(いのかわゆう)
VALORANT』の2022年シーズンがついに本格始動。「2022 VCT Stage1 - Challengers JAPAN Week2 Main Event Day2」が2022年3月13日(日)に開幕した。先日行われたDay1ではNORTHEPTIONとFav gamingが、Day2ではCrest GamingReigniteがプレイオフ進出の切符を手にした。


今回は熱戦の末、見事1位通過を果たしたCrest GamingのSamuraiD(さむらいでぃー)選手、Syouta(しょうた)選手に独占インタビュー。対戦を終えた感想や、プレイオフに向けての意気込みをおうかがいした。

▲冷静な判断力で味方をサポートするSamuraiD選手。フィジカルの強さも定評があり、元『オーバーウォッチ』の選手でもある(出典:Crest Gaming公式

コントローラーだけど気分はデュエリスト!
Syouta選手の強気な戦い方が光るSengoku Gaming戦


——まずは連戦の中、プレイオフ1位通過おめでとうございます。率直な感想をお聞かせください!

Syouta選手(以下、Syouta):ありがとうございます!いやあ、本当に疲れました!

SamuraiD選手(以下、SamuraiD):はじめてのプレイオフ進出。とってもうれしいです!

——1位通過できた要因はなんだったと感じていますか?

SamuraiD:個人個人がコンペティティブモードをたくさん回していたこともあり、個々の判断力やフィジカルが強化されたことが強さの秘訣だと感じています。

あとは堅苦しく戦うよりは、のびのびやろうという心構えが功を奏したのかもしれません。

——2試合とも3マップ目まで持ち込んだ熱戦でしたね。特にSengoku Gaming(SG)戦では、粘り強いSGの追い上げにハラハラして見ていました。

SamuraiD:SGは僕らのプレイスタイルをとても研究されているようで、カウンター気味に動いてきている印象でした。なので、少しずつパッシブ(受け身)な形で戦うようにして対応しました。

——SGのノーセンチネル、ダブルデュエリスト構成というのはいかがでしたか?

SamuraiD:相手の情報がつかみにくく、戦いづらかったですね。

Syouta:僕は詰めるスタイルで戦うのが好きなのですが、そういった癖をSG側に対策されている印象でした。詰め待ちをされたり、奥目で戦うような時間を使った攻めをされて、ディフェンダーサイドの時は苦しめられましたね。

逆サイトに寄っていいのか、いけないのかの判断が難しかったです。

——その中でも、ラウンド11でBラッシュ攻めを展開してきたSGをリコンボルトで足止めして、3キルしたSamuraiD選手の判断はさすがでした!

▲Bウィンドウからなだれ込んできたSGをリコンボルトで索敵。kobr4選手をモク抜き、次いでthiefy選手、Bロングから挟んできたGangpin選手と連続で3キルで出鼻をくじいたSamuraiD選手

SamuraiD:ありがとうございます。あんまり覚えてないですけど……。

Syouta:サムさん思い出せー!(笑)

——(笑)。まあ長丁場でしたからね。ラウンド17で見せたSyouta選手のピークも挑発的で印象に残っています。

▲すばやいピーク(索敵)でディフェンダーサイトから向かってくるkobra選手を発見。その後も無理に撃ち合わず、チラチラと肩だけを見せるショルダーピークをしたり、銃口だけを見せたりして相手をほんろうするSyouta選手。戦うタイミングをしっかりと見極めているのはさすがだ

Syouta:あれは相手の心理を呼んだ戦いですね。ひとり残された状態でのクラッチって、めちゃめちゃ緊張するんですよ。特に僕らは4人も生存していましたし。

ああいう状況だと、色んなことに反応しちゃうので、わざと銃口を見せて撃つ振りをして注意を引かせてから、味方のアビリティのサポートで確実にキルを取る。そういう流れを作っていました。

——Syouta選手はアストラというコントローラータイプのエージェントを使用していながらも、デュエリストのように前に出る強気な戦い方が配信でもたびたび話題になっていましたが、あえてそういった戦い方をしているのでしょうか?

Syouta:僕はもともとデュエリストを使っていて、アストラはほとんど使ったことがありませんでした。

ただ、以前のチームではエージェントなら誰でも使えるというポジションにいたので、それならばデュエリストじゃなくて、スモークも足止めもできるアストラを使ったらいいんじゃなかってことで使い始めたのがアストラでした。

——なるほど。それでちょっとデュエリストらしい立ち回りも残っているんですね。

Syouta:そうですね。その辺は自分なりにアレンジして、時には詰めたり、前に出たりという強気な戦い方を取り入れています。

——そういう強気な戦い方をするアストラっていうのは、同じチームメンバーから見て「頼もしい!」って感じますか?

SamuraiD:頼もしいですね。ほかのアストラとはまったく違った動きをしてくれるので、相手からも読みづらいと思いますしね。逆に、チームメンバーとしても読みづらいんですけどね(笑)。

——あはは、確かに(笑)。最近では、チームメンバーから許可を得てから前に出ているっていうのも配信のインタビューでお答えしてましたもんね。

SamuraiD:はい。最近はSyouta選手に合わせて、お互い連携を取って戦えるように改善しています。

▲相手の心理を突いた大胆な立ち回りで度々配信をわかせたSyouta選手(出典:Crest Gaming公式

リラックスをしたことで士気を高められたReignite戦


——続けてReignite(RIG)戦についておうかがいします。1マップ目は本日はじめてのフラクチャーでした。Crest Gaming側がピックしたとの情報でしたが、ピックした理由はなんだったのでしょうか?

SamuraiD:フラクチャーは元々得意なマップだったんですが、度々BANされていたのでなかなかピックできませんでした。RIG戦ではBANされていなかったので、ピックしたという感じですね。

——フラクチャーといえば、マッチポイントを迎えたラウンド23。Syouta選手が魅せたヴァイパーズピット内での駆け引きはさすがでした!

▲hyouka選手がヴァイパーズピットを展開してスパイクを設置。絶体絶命の1on1でSyouta選手がとった行動は、スパイク前に武器を落とすといったフェイク。武器が落ちた音に注意を引かせて側面からhyouka選手をキル!

Syouta:ありがとうございます。フェイントがうまくささってうれしかったです!

——あれは配信でも大盛り上がりでした! 2マップ目のヘイヴンではKAY/Oを主軸とした攻めに苦しめられていましたね。

Syouta:KAY/Oに苦しめられていたというのはありますが、それよりも連戦が続いたことでチーム全体が疲れ果てていたというところが大きかったです。

ちょっとこれはまずいってことになって、あえて何も考えずにリラックスしてプレイしていたマップでした。本当は2マップ連取で勝ちたかったんですけど、このマップは休憩して次のマップにかけようって感じで戦いました。

——なるほど。ある意味捨て試合というか休憩を優先したという感じだったんですね。

SamuraiD:そうですね。みんな自分の世界に入っちゃって……。あーこりゃダメだって(笑)。

——えっ? 自分の世界?(笑)

Syouta:はい(笑)。「次、こういう作戦でいくから、○○お願い」って話に「あーーー、OK……」ってなんかふわっとした返事をしつつ、まったく動かないKuuKaiさんとか(笑)。

SamuraiD:そうそう。「オッケー」っていいながら全然違う行動とってたりね(笑)。できているようでできていないような試合でした。

——もう疲れすぎて思考回路がまわらなくなっちゃったんですね。その流れがあっての3マップ目のアセントでは13:1と圧勝でした。3マップ目前のインターバルで何か話し合いがあったのですか?

Syouta:ヘイヴンが半ばボロ負けに近い状態だったので、全体的にモチベーションも落ちていました。

「明日ぶっ倒れてもいいから、ラストマップは踏ん張ってがんばろう」ってみんなで声を掛け合うことで気合いを入れ直して挑んだことが、いい結果になりましたね。

——確かにCrest Gaming側は完全に連戦ですもんね。そりゃ疲れますって。

Syouta:Jemkinさんは多分8時間くらい何も食べてないんじゃなかったかな……。それで「頭も痛い」って言ってたんですけど、「マジでがんばってくれ!」ってみんなで盛り上げながら戦い抜いたラストマップでした。

SamuraiD:僕も試合前は基本的に何も食べないようにしているんですが、連戦続きでめちゃめちゃお腹すいちゃって(笑)。

——そんな状態にもかかわらず、KAY/O対策はしっかり取れた戦いでしたね。

Syouta:そうですね。Nerufiさんがナイフ(ゼロ/ポイント)や、ヌル/コマンドを喰らわないように、逆サイトにワイヤーを張ったり、カメラを設置したりすることで、SGのラッシュにも対応できました。

——なるほど。最後11:1と勝ちが直前まで迫っている段階でタイムアウトを取っていましたが、どのような話し合いをされていたんですか?

Syouta:このままのテンションで戦っていたらワンチャン事故っちゃうかもしれないということで、一度冷静になるためにも「タイムアウトを取ろう」って僕が提案しました。

僕自身、ディフェンダーサイドなのに前詰めてキルを重ねてたことで興奮状態になっていたこともありますしね。

▲どこまでいくの?っていうくらいBサイトから前に出るSyouta選手。気がつけばアタッカーサイドのスタート地点まで進んでエリアコントロールをしていたラウンドも

SamuraiD:僕たちはRIGとひんぱんにスクリムもしていて、お互い手の内がわかっている状態でもあったので、「いつもと違ったことをやってみようよ」って提案したのは覚えています。

——そうだったんですね。だから、RIG側が圧倒されている感があったのかもしれませんね。ちなみに、おふたりが記憶に残ったラウンドはどの試合になりますか?

Syouta:僕は、RIG戦の3マップ目(アセント)での12ラウンド目ですね。あの試合はRIGの攻めと噛み合ったこともあって、めちゃめちゃ気持ちよかったです。

▲開幕直後、SamuraiD選手がBメインにリコンボルトを入れつつ、Syouta選手がガンガン前に出て3キル。続けてSamuraiD選手がオーディンで壁抜き威嚇をしつつ、Nerufi選手、Jemkin選手がなだれ込むようにBメインに集結。わずか13秒ほどで決着がついた圧巻のラウンド

SamuraiD:僕はRIG戦の1マップ目(フラクチャー)での4キルですね。

Syouta:最強のやつだ(笑)。

——最後自分もビックリして静止しちゃってるやつですよね!

SamuraiD:あはは。それです(笑)。

▲21ラウンド目。前に詰めるSyouta選手とKuuKai選手がBサイトでやられてしまう中、救援に駆けつけたSamuraiD選手が、なだれ込むRIGの選手を連続キルで追い返す。2キル目はスタンを喰らいながらも1タップヘッドショットを決める。RIGを壊滅したあと、本人もビックリしているのか、急に棒立ちになってしまうシーンが会場を沸かせた

——ありがとうございました。では最後にプレイオフに向けての意気込みをお願いします。

Syouta:初戦は韓国最強ともいわれているLakiaさんが加入したことで話題にもなっているIGZISTとの対戦が決まりました。ここまで来たからには、悔いのないように作戦を練って挑みたいと思っていますので、応援よろしくお願いします!

SamuraiD:悔いの残らないよう、全力で楽しみながらやっていきたいです!世界大会目指してがんばるので応援よろしくお願いします!

——ありがとうございました!
———

2試合とも3マップ目まで持ち込む熱戦を繰り広げたCrest Gaming。
「Crest Gamingがここまで来るというのを感じてた人は少ないかと思いますが、こうして結果を残せたことでCrest Gamingというチームを知ってもらえる機会が増えたのはうれしい」と配信で語る同チームのNerufi選手。ある意味ダークホース的な存在であったCrest Gamingが、ここまで粘り強い戦いを繰り広げたことで、よりいっそうファンが増えたのではないだろうか。

丁寧な連携の中で見せる、遊び心のある作戦や、奇をてらった奇襲など、ほかのチームにはない戦い方で配信をおおいの盛り上げたCrest Gaming。

プレイオフではどんな作戦を見せてくれるのか——。長丁場のあとにもこころよくインタビューに応じてくれたSamuraiD選手、Syouta選手に感謝するとともに、今後も彼らの戦いに注目していきたい。


SamuraiD選手 Twitter:
https://twitter.com/SamuraiDeeper

Syouta選手 Twitter:
https://twitter.com/SyouTaSumerag1

配信アーカイブ
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