「僕たちがオーナーを世界に連れて行くんだ!」期待の新星NORTHEPTION【 BlackWiz選手インタビュー】

VALORANT』の2022年シーズンがついに本格始動。「2022 VCT Stage1 - Challengers JAPAN Week2 Main Event Day1」が2022年3月12日(土)に開幕した。先日行われたWeek1に引き続き、Week2でもプレイオフ進出をかけた熱い戦いが繰り広げられ、Day1ではNORTHEPTIONとFav gamingがプレイオフ進出の切符を手にした。


今回は、見事1位通過をものにしたNORTHEPTIONのBackWiz(ぶらっくうぃず)選手に独占インタビュー。結成間もない新星NORTHEPTIONの強みを語っていただいた。

チームの強さを引き出してくれたのはbailコーチのおかげ


——まずはプレイオフ進出おめでとうございます! 1位通過をした率直な感想をお聞かせください。

BlackWiz選手(以下、BlackWiz):ありがとうございます。シンプルにめちゃくちゃうれしいです!

——NORTHEPTIONはチームを再編成したばかりですよね。ほかのチームよりも練習時間がとれなかったのではないかと感じています。そんな中、しっかりと成績を残せた要因はなんだったのでしょうか?

BlackWiz:予選では、正直ほかのプロチームとまともに戦える状態ではないくらいのレベルだったのですが、bail(ばいる)コーチが入ってきてくれたおかげで、ものすごいスピードでチームのレベルが上がりました。

——なるほど。具体的にコーチからどのような指導を受けていたのでしょうか?

BlackWiz:僕らは、日本人と韓国人の選手で構成されたチームなので、言葉の違いからコミュニケーションエラーが起こったり、またプレイスタイルもまったく異なるため、たびたび衝突していたんです。

そういった選手間の衝突をまとめてくれたのが、bailコーチでした。

「コーチの意見が絶対」というルールを決めたことで、意見のぶつかり合いも少なくなり、チームがより一体感をもって動けるようになりました。

——ちなみに、日本人選手と韓国人選手のプレイスタイルはどのような違いがあるのでしょうか?

BlackWiz:韓国人選手のプレイスタイルは、精密なスキルの連携を重視していて2手先、3手先を読みながらプレイするんですが、日本人選手はどちらかというと「いのちをだいじに」的な、安全に戦うことを主軸にしてプレイしています。

なので、僕らはリスクを減らしたいけど、韓国の選手はガツガツ前に出る攻めたプレイを好んでいて、「なんで詰めるんだよ」とか、「なんで今、前に出なかったの?」とか、そういう部分で衝突が起こっていました。

——確かに韓国人選手のMeteor(めてお)選手は、ジェット使いということもあり、かなり大胆に前に出たプレイスタイルが際立っていましたね。

▲キレのあるエイムに、的確な判断力で視聴者を釘付けにしたMeteor選手。ディフェンダーサイドでありながら、前に出る大胆なプレイスタイルで相手チームの戦術を壊していった

BlackWiz:そうですね。あと言葉の壁もまだ解消されているわけではなく、普段は試合後のフィードバックの時に、マネージャーであり通訳でもあるJUIN(じゅいん)さんを通して会話をしています。試合中は言葉はなくてもある程度コミュニケーションとれるようにはしていますが、やっぱりとっさの場面だったり、思いつきで話したいときなんかは、まだまだ厳しい状況ですね。

——なるほど。言葉の壁は今後の課題というところなんですね。

BlackWiz:はい。もっともっとチームの絆が深まってくれば解決できる問題だと思っています。

絶対に負けたくない思いで挑んだDETONATOR戦


——ここからは、各対戦についてお話をお聞かせください。まずは1試合目のDETONATOR(DTN)戦から。1マップ目のスプリットでは、全体的にゆっくりと時間をかけた攻めに苦しめられていましたね。

BlackWiz:そうですね。ディフェンダーサイドの僕らからしたら、少しでも詰めて情報を取りたいところだったのですが、それを知ってかずーっと待たれて、なかなか情報がつかめなかったので戦いづらかったですね。

——スプリット戦はお互いの情報戦がアツく、拮抗した戦いが続いていましたが、23ラウンド目でMeteor選手がK1llgrave選手のキルジョイを倒した時点ところで、勝負ありという気持ちになりました!

▲K1llgrave選手のキルジョイが、アルティメットスキルでリテイクをしてくるのを読んだMeteor選手。スモークの中から前に詰め、K1llgrave選手をキル。リテイクのタイミングを失ったDTNから貴重な一本を奪った瞬間だ

BlackWiz:ありがとうございます。Meteor選手先取らしいアグレッシブな動きに助けられたラウンドでした。

——また、バインド戦でもデュエリストを入れない編成でありながらも、攻めを通すDTNに苦戦されている印象でした。特に、11:6とNTHがマッチポイントまであと1本というところから、DTNが怒濤の取り返し。見ている方もハラハラしていました。

BlackWiz:バインド戦では、DTNがほかにチームにはないような色の攻め方をしてきたので、僕らも対応に困っていました。

決め手となったのはラウンド23前のタイムアウトでした。11:6からDTNが追い上げてきたあと、ようやく1本を取り返しての12:10。ここでのタイムアウトで、コーチから「DTNはテレポーターを使った攻めが多いので、テレポーターを視野に入れた守りをしてください」というアドバイスをいただきました。

▲バインドは逆サイトにワープできるテレポーターが存在するのが特徴のマップ。DTNは、制限時間ギリギリでテレポーターを使い、Aサイトに行くふりをしてBサイトだったり、そのままAサイトに攻めを変えたりと、変幻自在の攻めを展開していた

コーチの助言のあとは、相手の攻めをくじくことができるようになり、テレポーターを使われても揺さぶられることなく戦うことができたのが勝因でしたね。

——確かに、タイムアウト後はBlackWiz選手もAサイトのテレポーターを封じるような守りを展開していましたもんね。

▲Aサイトの入口付近でヴァイパーズピットを展開。DTNの攻撃の要となるテレポーターを封じることに成功した

BlackWiz:そうですね。またBロング付近のテレポーターはMeteor選手とxnfri選手のふたりで守りを固めていたのも大きかったと思います。

▲それでもテレポーターを使いAサイトに流れ込んできたDTNをBlackWiz選手がジャッジで追い返す。さらに味方のサポートでスパイク設置を阻止し、見事2マップ目も勝利した。キャスター陣も大いに沸いた瞬間だ

緊張がほぐれが勝因だったFAV gaming戦


——続けてFAV gaming(FAV)戦についてお聞かせください。FAVは「Week1 Open Qualifier」で1度勝利していることもあり、FAVからしたらリベンジマッチとなった試合でした。どのような対策をして再戦しましたか?

BlackWiz:もちろん1位通過を目指していた部分はありますが、僕らにとっては大前提となるプレイオフ進出に注力していました。なので、1試合目のDTN戦の対策に時間を使っていたことこあって、FAV戦はそこまでの対策は考えていませんでした。

「いつも通りのプレイをしていたら、俺らなら勝てるよね」というスタイルでプレイしてたので、ある意味そういうリラックスした気持ちが勝ちにつながったのかもしれませんね(笑)。

——そうだったんですね。1マップ目のブリーズでは拮抗した戦いが続いていましたが、19ラウンド目のタイムアウトからNTHの動きが大きく変わった印象を受けました。なんというか、全体的にアグレッシブになったような。

BlackWiz:僕らが散り散りになってプレイしていたのを見たコーチが、「君たちはエイムが強いんだから、ちゃんとカバーを取れる配置で戦えば勝てる。だからラッシュで攻めよう」というアドバイスをいただきました。

足並みをそろえたラッシュ主体のスタイルに変えてからは、簡単にラウンドが取れるようになって、そのまま流れで勝てることができました。

——なるほど。やっぱり攻め方が変わって見えたのはそういう話があったからなんですね。心なしかNTHがノリノリで戦っているのが伝わってきた試合でした!

▲とにかくxnfri選手のエイムが冴えてたブリーズ戦。キャスター陣も「いや、今のはスローで確認したいですね」とxnfri選手のエイムに釘付けとなっていた

BlackWiz:ありがとうございます!

コーチが僕らの戦いをしっかり見てくれて適切なアドバイスをしてくれるからこその勝利でした。タイムアウトの時間は1分間なのですが、30秒間は日本語で、残りの30秒間は韓国語で指示をしてくれるので、めちゃめちゃ助かっています。

——自分たちの言語でアドバイスが聞けるのは選手にとっては大きいですもんね。2マップ目のヘイヴンでも勢いのある攻めを展開していたのは、ブリーズでの話し合いが影響していた?

BlackWiz:そうですね。

実は今日、大会に出場する前にスクリムができなくて個々がランクマッチでウォーミングアップをしていたんです。そのせいもあってかDTN戦ではどこか固い動きになってしまっていました。

DTNに勝ちプレイオフ進出も決定したところで緊張がほぐれ、さらにFAV戦のブリーズで1本取れたことが後押しになって、みんな気持ちよくなっちゃって勢いに乗りだしたみたいな(笑)。

——結果的にノリノリになれたことが良かったという感じだったんですね!あとは、BlackWiz選手のスキル運用も光っていましたね。ヴァイパーといえばBlackWiz選手というくらい、ヴァイパーに精通していると思っています。

BlackWiz:ありがとうございます。もともとは誰も使っていないエージェントを極めたいという気持ちからヴァイパーを使い始めたので、それが今になって報われたという感じはありますね。

——心に残ったラウンドは?

BlackWiz:あー……。自分的に今日は微妙だったんであるかなあ……。

強いて挙げるならば、DTN戦の17ラウンド目ですね。アンチエコ(相手が次ラウンドに向けて武器の購入を控えているラウンド)で、ヴァイパーズピットを使ってBサイト侵入を止められたのが、唯一良かったところかなぁ(笑)。

▲BロングからBウィンドウ下までを覆うヴァイパーズピットで、Bサイトへの侵入を防ぐBlackWiz選手。ふたつの侵入口を防ぐヴァイパーズピットは研究のたまものといえる

——あのヴァイパーズピットはキャスター陣も関心していました! ちなみに、以前オーナーの大輪さんにもインタビューをしたことがあるのですが、その際「国際大会に出て世界各国を観光したい」っておっしゃっていました。どうでしょう。大輪オーナーを世界に連れていってあげられそうですか?(笑)

参考:僕を世界に連れていって!【NORTHEPTIONオーナー 大輪和広氏インタビュー】

BlackWiz:僕らがしっかり練習をすれば、日本国内のどのチームにも勝てると思っているので、オーナーさんを期待通り世界に連れて行ってあげられるチームにしたいと思っています!

——ありがとうございます! 最後にプレイオフに向けて、ファンに向けて、オーナーに向けてひとことお願いします!

BlackWiz:ファンの皆さん。いつも応援ありがとうございます。みなさんの応援がとても力になっているので、これからも応援よろしくお願いします。プレイオフは全勝でMastersに行けるようがんばります!

また、実績もほとんどないような僕たちをNORTHEPTIONに快く入れてくれたオーナーさんにも感謝しています。時にはDiscordで直接応援に来てくれたりと、本当に励みになっています。いつもありがとうございます!

——ありがとうございました!

———

一度世界大会を経験したNORTHEPTIONだったが、選手の移籍により事実上解散となってしまったVALORANT部門。そして、今回新たなメンバーによって再編成されことは、ファンにとってうれしい報せだった。

そんな気持ちを後押しするような、プレイオフ進出決定は、ファンはもちろん選手自身も大きな自信、大きな喜びになったのではないかと感じた。また、今回の試合では言葉の壁をしっかりとカバーしている通訳のJUINさんにも注目したい。ご自身もゲーマーでありVALORANTの知識があることで、ゲーマー目線でしっかりと通訳ができるというのは韓国人選手、日本人選手ともに頼もしい存在なのではないだろうか。

試合後、自らの配信でも「(今回勝てたことは)感慨深いものがある」と心から喜びをかみしめるBlackWiz選手。

ダークホースとなった新生NORTHEPTIONを今後を見守るとともに、大輪オーナーの夢が叶うその瞬間を見届けていきたい。

BlackWiz選手Twitter:
https://twitter.com/blackwiz_csgo

配信アーカイブ
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