『ワイルドリフト』初の国際大会で、グループステージを突破できた理由 【Sengoku Gaming WAN × Dejiwo選手インタビュー】

2021.11.18 宮下英之
スマートフォン向けMOBAリーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト』(ワイリフ)初の国際大会「Wild Rift Horizon Cup」が、11月13日よりシンガポールで開催されている。世界の各地区を勝ち抜いた上位10チームが出場しており、賞金総額は50万ドルに及ぶ。

その大会に日本代表として出場しているのが、Sengoku Gamingだ。5チームずつのグループに分かれ、Bo3(2ゲーム先取)で1回ずつ対戦する「グループステージ」を、Sengoku Gamingは2勝2敗の3位で見事通過。準々決勝にコマを進めた。


今回は、そんな歴史的勝利とも言えるグループステージ突破を決めたボットデュオ、WAN選手とDejiwo選手にインタビュー。ふたりとも過去に別タイトルでも世界で戦い抜いてきた名選手だが、『ワイリフ』初の国際大会をどう感じ、どんな戦いを繰り広げたのか。そして、準々決勝以降の意気込みをうかがった。

左から、Dejiwo選手(サポート)、WAN選手(キャリー)、Kai選手(ソロ)、HAK選手(ミッド)、Rush選手(ジャングル)


WAN選手「自分たちの戦い方をすれば必ず勝てると信じていた」


──まずはグループステージ突破、おめでとうございます!

WAN選手(以下、WAN):ありがとうございます! 素直にすごくうれしいです!

──グループステージは2勝2敗でしたが、WAN選手としてはこの戦績は順当でしたか? それとも悔しかったですか?

WAN選手:自分としては悔しいという気持ちの方が勝っていますね。ケータイの端末慣れなどもあると思うんですけど、どの試合も自分なりのパフォーマンスが出せず、チームでのコミュニケーションがうまくいかない面もありました。自分はこういう性格なので声が出るんですけど、他の選手が萎縮してスクリム中でもあまり声が出ないので揉めたりもしましたし。どうなるかなと思ったんですけど……いやぁ、勝ててよかったです。


──それは今大会で現れた問題ですか? 国内でも?

WAN選手:国内戦でも国際戦でもそうですね。韓国人のふたり(ジャングルのRush選手とミッドのHAK選手)は声が出るんですけど、日本人の方がなかなか声が出ないというのがありました。役割的にはやっぱり僕は声を出す立場ではないので。

──そんな中でも、今日のTeam Queso戦(TQ)は2タテでの勝利でしたが、どんな試合でしたか?

WAN選手:今日の試合もそうなんですけど、自分たちは強い相手には強いんですけど、そうでないチームにはそれに合わせてしまうというのが弱点なんです。今回のTQはガツガツ集団戦を仕掛けにくるチームだったので、受け身で守って、育ってきたら当たれば勝てるよ、という話をチームでしていました。

──序盤にキル数とかゴールドで負けていた時間帯も焦りはなかったと。

WAN選手:なかったですね。自分たちの時間が来るのを待って待って、という感じで耐えていました。

──ゲーム2の方はエルダードラゴンも取られてしまった後からの大逆転でしたよね。

WAN選手:自分は後ろから矢を撃ちまくっていたので、あまり状況がつかめなかったんですけど(笑)、結局ダメージを出すポジションの選手を守る戦い方ができたから勝てたんだと思います。

ゲーム2では4-8と大きく差を付けられた状況からの集団戦を勝ち切って戦況をひっくり返した


──ここからノックアウトステージの準々決勝に挑むことになるわけですが、勝算はいかがですか?

WAN選手:自分たちのプレイスタイル上、今回の試合みたいな感じがすごく得意な戦い方なんですけど、それ以外の作戦を持っていないので、もっとチームで話し合いながら詰めて、勝利をつかめたらと思っています。

──インターバルは短い(※準々決勝は11月19日)ですが、具体的にはどんなことを?

WAN選手:ピックの作戦などももちろんあるんですけど、やっぱりコミュニケーションが一番ですね。みんなでとにかく毎回声を出しながら次は何をしよう、ということを話し合っていればこのゲームは必然的に勝てるので、そういうことを意識したいと思っています。

──今年は『LoL』と『ワイリフ』の両方で日本チームが世界で活躍し、日本のファンとしてもうれしいかぎりなんですが、世界大会ならではの雰囲気などは感じられましたか?

WAN選手:雰囲気とかは普段スクリムしているときとあまり変わらないですね。単に5人ずつ集まって正面で戦うというくらいで、緊張とかはあまりなかったです。

──配信映像では会場の装飾なども凝っていて、「いかにも世界大会!」という感じがしました。

WAN選手:自分はあまり緊張とかするタイプではないですし。皆さんが見ているまんまの、ムードメーカーみたいな感じですからね(笑)。



──グループステージで戦った4チームの中で、特に印象に残っているチームや選手は誰ですか?

WAN選手:やっぱりThunder Talk Gaming(TTG)じゃないですかね。ミッドの選手が個人技が高くて、すごく苦しめられました。

──特にTTG戦は、試合開始時間が、18:30からその日の最後に回されてしまいましたよね。その辺の動揺などはなかったですか?

WAN選手:動揺というか、うちのサポートのDejiwoが眠くなっちゃうので……なるべく(遅い時間は)避けたいなとは思っていました(笑)。

──じゃあ、今日の試合は早い時間帯だったのはよかったですね。

WAN選手:そこの部分に関しては、多分自分が一番ほっとしていますね(笑)。

──そのDejiwo選手とのボットのコミュニケーションはどうでしたか?

WAN選手:今日の試合に関しては、自分の中ではよかったかなと思います。世界でもちゃんと戦えていますね。

──最後に、準々決勝に向けての意気込みと、日本のファンへのメッセージをお願いします。

WAN選手:準々決勝進出ということですが、特段緊張とかもなく、自分たちの力を最後まで発揮できたらと思っています。ファンのみなさまにも応援をぜひよろしくおねがいいたします!


Dejiwo選手「SGの個性を発揮して一矢報いたい」


──グループステージ突破、おめでとうございます! 率直な感想をお聞かせください。

Dejiwo選手:本当に最高にうれしいです!

──今日の2ゲームの戦いはいかがでしたか?

Dejiwo選手:ゲーム1は自分がアリスターをやっていて、オリアナとヴァルスというポークも強くてディスエンゲージもできる構成で、チームファイトする前に相手の体力を削ることを徹底していました。まあ、相手もファイト構成だったので、削ったら自分が仕掛けにいく、という戦い方が刺さりましたね。

2試合目はアリスターをバンされてしまったのでブラウムを取ったんですけど、アリスターよりはブラウムは練習していなかったので、その差で序盤苦しい展開になりました。ゲーム1と同じようなピックだったので同じような戦い方をしていたんですけど、最後はエルダードラゴンを取られてしまって、次の集団戦を取られたらそのままエンドまで行かれてしまうので、必死に自分たちの構成を意識しながら戦ってなんとか勝てました。


──ブラウムというとエンゲージよりも味方を守ることに特化したチャンピオンなわけですが、ブラウム以外の選択肢はなかったですか?

Dejiwo選手:できればラカンが欲しかったんですけど、TQがラカンを得意としていたので、取られるくらいならむしろバンしようというかたちに。ブラウムだとイニシエートができず、ジャングルもリー=シンをピックして、エンゲージできるのがカミールのウルトくらいだったのはちょっとつらかったですね。

──ここまでの4試合をみると、TTG戦が1-2、eBRO Gaming戦が2-1、Team Secret戦が0-2、そしてTeam Queso戦が2-0と、実はBo3のすべての勝敗の組み合わせを経験しています。それぞれ対戦相手を振り返ってみるといかがでしたか?

Dejiwo選手:初戦のTTGはもう、中国1位というすさまじい強さだと思っていて、はなから勝てるとは思っていなかったんです。1ゲーム取れて「なにこれ、勝てそう!」となったときはびっくりしましたね(笑)。

eBRO Gaming(EBG)は自分たちと戦うまでに0勝2敗という戦績だったので、普通に勝てるかなと思ったんですが、1ゲーム目を落としてやっちゃったなという感じでしたね。でも、その後はしっかり勝ち切れてよかったです。

Team Secretは強豪で、最初からEBGとTQに勝てればというチームの雰囲気もあったんです。けど、あまりにもボコボコにやられてしまって、帰った後もチームの雰囲気が悪くなっちゃったんですよね。

それで、今日のTQ戦はしっかりフィードバックをして、前日の試合は見ずにTQの対策を練りました。もう勝つしかなかったですから。

──次は準々決勝ですが、意気込みはいかがですか?

Dejiwo選手:このあと当たる予定のチームは、韓国1位のRolster Y(RY)だと思うんですけど、今まで何度かスクリムをしてきて一度も勝てていないんです。勝つというよりは楽しみたいという気持ちで、できれば一矢報いたいと思っています。

──勝つためにできることはなんでしょうか?

Dejiwo選手:この大会でやってきた自分たちの個性を、引き続き発揮できればと思います。それがRYに刺されば。もちろん、相手も僕らの試合を見て研究してくると思うので、難しい試合になるとは思いますけど。

ゲーム1ではDejiwo選手のアリスターが大活躍。ロームとエンゲージ&ピール能力はTQもバンしたほど


──今大会は『ワイリフ』としては初の世界大会ですが、現地の雰囲気はいかがですか?

Dejiwo選手:自分は世界大会は5度目(※『AOV』で何度も世界大会に出場している)なので、特に何も感じないです。ただ、チームの最年少メンバーとかはものすごく緊張して震えていましたね。

──世界と日本の差は感じましたか?

Dejiwo選手:やっぱり感じますね。日本の『ワイリフ』の競技シーンは、正直まだあまり盛り上がってはいないかなという印象もあります。中国とかはすごい市場で選手もたくさんいますし、質も高いと感じます。

──でも、今回の日本代表の活躍で、きっと『ワイリフ』自体のユーザーも増えるんじゃないかと思います。最後に日本から応援しているファンに向けてひとことお願いします。

Dejiwo選手:日本代表チームとしてここに来て、グループステージを突破できたことは、とにかくうれしいですし、応援してくださったファンのみなさんのおかげです。

この先の戦いはいままでよりももっと厳しいものになると思いますが、全力で戦いたいと思います。応援よろしくお願いします!

───

Sengoku Gamingの現在のロースターは、ほとんどが他のゲームで活躍してきたメンバーたちだ。WAN選手が語っていたコミュニケーション面さえ改善できれば、世界で活躍できるだけのポテンシャルを秘めたチームであることは間違いない。

そして、Dejiwo選手が言うようにSGらしい戦い方がハマれば、TQ戦のように勝利を収めることはできるはずだ。

SGにとっても日本の『ワイリフ』シーンにとっても歴史的な挑戦となる準々決勝は、11月19日(金)の18:50から。遠くシンガポールで戦う5人に、日本からさらに大きなエールを送ろう!

再びこの笑顔が見られることを願って!


リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト
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ワイルドリフト ホライゾンカップ スケジュール:
https://wildrift.leagueoflegends.com/ja-jp/news/esports/wild-rift-horizon-cup-match-schedule/

WAN:
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Dejiwo:
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