ただの惜敗ではない!Nthが見せた底力!【Northeption Astell × seoldam選手独占インタビュー】

ライアットゲームズが主催する『VALORANT』の国際大会「VALORANT Champions Tour」が開催中。

2021年2月から地域大会である「Challengers」、国際大会である「Masters」が開催され、年間を通した戦いに勝ち残った真の猛者のみが、年末に行われる「Champions」進出できるという『VALORANT』世界一を決める大会だ。


2021年10月11日(月)から10月17日(日)の7日間、ラストチャンス予選として「2021 VALORANT Champions Tour APAC」(以下、LCQ)が開催。敗者復活として「Champions」の出場権をかけた戦いが繰り広げられた。

日本からは、🇯🇵REJECT、🇯🇵Northeption、🇯🇵FENNELの3チームが出場。中でも唯一無敗で決勝戦まで駒を進めた🇯🇵Northeption(以下、🇯🇵Nth)が大健闘。惜しくも🇹🇭FULL SENSE(以下、🇹🇭FS)に敗退してしまったが、#NthWIN がTwitterのトレンド1位になるなど、多くのファンを魅了する熱い試合を繰り広げた。


今回は、そんな長丁場の試合を終えたあとのAstell選手とseoldam選手に独占インタビュー。彼らにとって初の国際大会を終えた感想をおうかがいした。

▲チームの頭脳ともいえるリーダーのAstell(あすてる)選手

僕らにコミュニケーションエラーがない理由


——まずは長時間にわたる決勝戦おつかれさまでした。本当に惜しかったです!まずは試合を終えた率直な感想をお聞かせください。

Astell選手(以下、Astell):今回のLCQに向けて練習時間を増やし、「絶対にベルリンに行くぞ」という意気込みで挑戦したのですが、🇹🇭FSに負けてしまい本当に悔しかったです。

——🇹🇭FSは準決勝でも当たったチームで、リベンジされた形となってしまいました。決勝戦ではどの辺に強さを感じましたか?

Astell:僕たちも昨日から🇹🇭FSの動画を見て対策を練ったり、新しい戦術を作ったりしていたのですが、相手の対策が一枚上手という印象でした。特に決勝戦では相手に読まれているのを感じましたね。

あとは単純にチーム全体のコンディションも良かったのではないでしょうか。撃ち合いがとにかく強かった。

——確かに読まれていたと感じたという部分では、🇹🇭FSがディフェンダー側にもかかわらず、ずいぶん大胆にラインを上げてきているという印象を受けました。

▲まるで🇯🇵Nthがいないのをわかっているかのような、大胆なライン上げが目立つ試合展開を繰り広げる🇹🇭FS

Astell:そうですね。JohnOlsen選手やPTC選手の勢いがすごかったです。自分の撃ち合いに自信がある立ち回りで、フラッシュを入れてからのピークだけでなく、スローでそのままドライピークしてくることもあって戦いづらかったです。

——特にPTC選手は、「えっ、ここ顔出してくるんだ?」ってタイミングでひょっこりでてくることも多かったですもんね。seoldam選手はどう感じましたか?

▲seoldam(そるだむ)選手。韓国最強ジェットと称されるフィジカルとセンスを持つ

seoldam選手(以下、seoldam):僕もAstellと同じで、特にJohnOlsen選手やPTC選手が本当に戦いづらかったです。

——とはいえ、準決勝で唯一1本取られてしまったマップでもあるアセントでは、しっかりリベンジできたと思っています。どのような対策をして挑みましたか?

Astell:僕たちの強みはリテイクだと思っていて、特にアセントのリテイクは得意としていました。前回悩まされたPTC選手(KAY/O)の対策を重視することで、うまくリテイクできるようになった点が勝因だと思っています。

▲リテイクのチームワークは日本一といっても過言ではないほど美しい。今回はリテイクだけでなく、早めの設置阻止という作戦でもチームワークの良さを見せつけていた

▲PTC選手が使うKAY/Oは、自身の周囲にいる敵のアビリティを封じるアルティメットスキルが脅威。この回転数を上げるために開幕オーブを取りに来ることが多かった。今回は前に出た守りと、アストラのアビリティでオーブ回収を阻止するなど、対策が光っていた

——確かに、リテイクのうまさは随所に光っていました。また、全体を通して🇯🇵Nthはチームワークがとにかく良かったと感じています。日本人選手と韓国人選手のチーム編成でいうと、やはり言葉の壁によるコミュニケーションエラーが懸念されると思いますが、🇯🇵Nthにはそれが感じられなかった。その点はどのように克服しているのでしょうか?

▲SugarZ3ro(しゅがーぜろ)選手。日本一のアストラ使いともいえる的確なアビリティーで味方をサポートする若き日本人プレイヤー

Astell:僕は日本語も話せるので日本人選手とのコミュニケーションは問題ありません。seoldamはまだ日本語がわからない部分があるので、そういう場合は僕が通訳してコミュニケーションを取っています。ただ、seoldamも日本語の勉強をがんばっているので、大きな問題になるようなコミュニケーションエラーは起こらなくなっています。

——日本語を勉強してチームワークを向上させるというのは、まさに努力のたまものですね。普段はどのように日本語を練習しているのですか?

seoldam:知りたい単語があった場合、まずAstellに聞いてその単語の意味を聞きます。あとはその単語を覚えるまで、実際に対戦中に使って行くという練習法をしていますね。

——実践で覚えていくというのはナイスアイデアですね! 最近覚えた単語はどんな言葉ですか?

seoldam:サイアク?(笑)

Astell:あはは。最近だと「あぶねー」ってよく使いますね(笑)。

seoldam:あぶねー。今日はサイアクだーってね(笑)。

——あはは。ただ、キャスター陣のインタビューでMeiy選手が、「言葉の壁があるけど、言葉なくても連携が取れるように練習していた」とも言っていました。会話がなくても連携が取れるような練習とはどんな練習法なのでしょうか?

フォートナイト出身のMeiy(めい)選手

Astell:僕たちは新しい戦術を考えたら、スクリムだけでなく5人だけでカスタムマッチをして、何度もその戦術をシミュレーションします。

また試合後は必ずメンバー同士で意見を出し合いフィードバックを行う。メンバー全員が戦術を理解するまで徹底的に話し合うことでミスを防いでいます。

——見る者すべてが魅了されるあの圧倒的なチームワークは、そういった並々ならぬ努力と、徹底的な話し合いから生まれていたんですね!

Astell:そうですね。チームってメンバー全員の考えがひとつになることが大切だと思っていて、メンバー全員の意見を共有することで、何も言わなくても通じる関係が築けているのではないかと感じています。

▲『オーバーウォッチ』出身のTEN(てん)選手

——いやあ、今回惜しくも敗退してしまいましたが、🇯🇵Nthの粘り強い戦いに視聴者全員が心をゆさぶる思いだったと思います。最後に、ファンに向けてひとことお願いします!

Astell:🇯🇵Nthとしてはじめての国際大会でしたが、ここまで勝ち上がれたのも、日本のファンの皆さんの応援のおかげです。ただ優勝を逃してしまった部分では、ファンの皆さんに申し訳ないとも感じています。

やっぱりプロeスポーツチームは、ファンの皆さんの応援があってこそ頑張っていけると思っているので、これからも応援よろしくお願いします。ありがとうございました!

seoldam:あと1セットだけ取れれば優勝だったので、本当に悔しかったですが、ファンの皆さんの応援が力になりました。ありがとうございます。

みなさん。ありがとうございます!

——本当に、遅くまでありがとうございました!

———

第1試合目の🇰🇷F4Q VS 🇯🇵Nth戦では勝利予想では🇰🇷F4Qが96%、🇯🇵Nthが4%という結果でしたが、蓋を開けてみれば唯一無敗で決勝まで勝ち上がるという、まさにジャイアントキリングを見せつけた🇯🇵Nth。

間違いなくこの『VALORANT』という競技シーンで爪痕を残したのではないでしょうか。彼らの戦いは常にファンを釘付けにし、アッと驚かせてくれる。応援せずにはいられないそんな魅力あふれたチームだと感じました。

なにより試合後で憔悴しきっているであろう深夜にもかかわらず、インタビューに応じてくれたAstell選手、seoldam選手には本当に感謝です。インタビュー中、Astell選手はseoldam選手に対しての質問は通訳をしてくれたり、seoldam選手も日本語で答えてくれるなど、彼らの優しさにも感動しました。本当にありがとうございます。

これからもいちファンとして彼らの活躍を見守っていきたいです。


TEAM NORTHEPTION
https://twitter.com/northeption

Nth Astell:
https://twitter.com/AstellTwit

Seoldam:
https://twitter.com/SeoldamTwit
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