【特集】AKRacing ゲーミングチェア情報

【レビュー】 素材だけでこんなに変わる? 尾州コットン生地採用の新モデル「AKRacing BISHU」はゲーマー目線でも快適だった

2026.10.13 宮下英之
AKRacingから、2026年10月8日(木)に発売される新モデル「AKRacing BISHU(ビシュウ)」は、日本有数の織物産地として知られる「尾州(びしゅう)」で織り上げたコットン100%の生地を採用した、新しいコンセプトのライフスタイルチェアだ。

AKRacingのオフィス向けモデル「Premiumシリーズ」をベースに、ブルー、ネイビー、グレー、ベージュを組み合わせたストライプ柄の生地を採用。ゲーミング環境だけでなく、書斎やリビングなどにもなじむデザインを目指している。市場想定売価は7万9800円(税込)。また、自分で組み立てる通常モデルに加えて、組立済モデルも9万4800円(税込)で用意される。


今回は発売に先駆けて「AKRacing BISHU」を2週間、実際に試用させていただいた。尾州産コットンならではの生地の質感はもちろん、Premiumシリーズ譲りの機能性、使い勝手、そしてゲーマー目線から見た特徴をチェックしていこう。

AKRacing BISHU(エーケーレーシング ビシュウ)

店頭発売予定日:2026年10月8日(木)
定価:オープン
市場想定売価:7万9800円(税込)
カラー:ブルー、ネイビー、グレー、ベージュを組み合わせたストライプ柄
椅子の高さ:128cm〜135cm
座面幅:38cm
座面奥行:51cm
座面厚さ:10cm
座面高さの調節幅:35cm〜42cm
地面からのアームレスト高さ:70cm〜76.5cm
背もたれ高さ:93cm
荷重制限:150kg
本体重量:25.5kg
梱包時の重量:30.5kg
箱の寸法 幅88 × 奥行き68 × 高さ38㎝


世界三大毛織物産地「尾州」の生地をゲーミングチェアに


「BISHU」という製品名の由来となっている尾州は、愛知県一宮市を中心に、岐阜県西濃地域まで広がる日本有数の織物産地だ。英国のハダースフィールド、イタリアのビエラと並ぶ「世界三大毛織物産地」のひとつとされ、長年培われてきた織物技術と品質で知られている。

尾州といえばウールを中心とした毛織物のイメージが強いが、今回の「BISHU」はコットン100%で織り込まれた生地で製作されている。AKRacingのチェアといえば、PUレザーを使用したビビッドでスポーティーなモデルが多かったが、「BISHU」はチェア全体を織物で包むことで、従来とはかなり異なる印象となっている。

また、本製品は「尾州マーク」認証製品で、承認番号は2906号。背もたれにも「BISHU JAPAN」のロゴが刺繍されており、単に布地を使ったチェアというだけでなく、尾州という産地そのものを製品の価値として打ち出しているのも特徴だ。



座面前部、背もたれ下部に刺繍された「尾」を模したデザインは、尾州マーク認証製品の証しだ


実際に触ってわかるコットン生地のメリット


近年のAKRacingは、スエード調生地と落ち着いたカラーを採用した「Faura」など、従来のゲーミングチェアとは異なる方向性の「ライフスタイル」という新ジャンルのラインアップを生み出している。

「BISHU」ではさらに一歩踏み込み、「何色のチェアを選ぶか」ではなく、「どんな素材の家具を部屋に置くか」という選び方を提案するモデルとも言えるだろう。

そんな「BISHU」最大の特徴が、前述の尾州産のコットン生地による表面素材だ。

コットンと聞くと柔らかくて吸水性・通気性に優れた身近な素材という印象があるが、「BISHU」は緻密に織り込まれた丈夫さを感じさせる。手触りは滑らかかつサラサラで、夏場は涼しく、冬場も蒸れることはなさそうだ。

PUレザー以外のAKRacingのラインアップとしては、スウェットの優しい肌触りの「BEAMS DESIGNモデル」、スウェード調で柔らかいソファのような落ち着きを感じる「Faura」、柔らかめのデニム素材で張りの良さと親しみやすさを感じる「Premium Denim」がある。

それらと比べると、「BISHU」はこれまでのAKRacingのどのモデルにもなかった爽やかな感触で、気軽な日常の作業や休憩時に向いているような気楽さを感じる。

また、特徴的なストライプ模様は、よく見ると色が異なるだけでなく、1本ずつの幅や長さも微妙に異なる凝ったデザインとなっている。試用当初は色数の多さからやや目立つ感覚があったが、何日か使いながら見慣れていくと、面積の多い青系カラーの印象が強く、見た目ほど派手に感じなくなるから不思議だ。

背もたれ部分をアップで切り取ってみた。よく見ると同じ色の中でもグラデーションがあり、幅もかなり異なる

むしろ、これまでのゲーミングチェアがビビッドな差し色ゆえに目立ちすぎて購入しにくかったという人にとっては、人と異なる個性的なカラーでありながらも、ゲーミングチェアとしての機能性も持っている「BISHU」は、新たなユーザー層の獲得につながるようにも思える。


ベースは「Premiumシリーズ」


座り心地を決める機能面も見ていこう。

「BISHU」の基本設計はAKRacingのオフィス向けモデル「Premiumシリーズ」をベースとしている。そのため、フルフラットリクライニングや座面チルト機能など、Premiumシリーズが備える基本機能はそのまま踏襲している。

フルフラットまで倒れるリクライニングは健在。体を預けてもバランスは取れるので、何度か使えば安心して背中を伸ばせるようになる
 
座面の上下や座面チルトの設定は、下部にあるレバーで行う

サイズとしては「Premium Denim」と同等ながら、座面サイドのガイドが高く、深く腰かけると安定感が高い。また、チェアを支える足の部分が68cmと広めなパーツを採用しているため、安定感は他のモデルよりも高められている。

それでいて、座面までの高さは最低35cm、クッションも含めると45cm程度と低めなので、小柄な女性から大柄な方まで幅広く使えるだろう。

4Dアームレストは上下だけでなく左右の角度もつけられ、ゲームプレー時の腕の置き方や、読書やリラックス時の姿勢に応じて設定を変更できるところがいい。この機能は「BEAMS DESIGNモデル」や「Faura」にはなく、「BISHU」の明確なアドバンテージだ。

4Dアームレストは前後左右にスライドでき、上下にも7cmまで調整が可能。さらに扇状に回転するため、体格に合わせて調節できる

4Dアームレストにより、ゲームプレー時の向きや姿勢に合わせて、高さ、向きなどを自由に調整できる

仕事やゲームなどで身体を起こした姿勢から、背もたれを倒して休憩する姿勢まで、用途に応じてポジションを変更できるのはAKRacingらしい部分だ。


素材の違い以上に感じる「Premium」シリーズとの差


では、実際に座ってみるとどうだろうか。

座面チルトを最も下げた状態では座面の上部まで実測で42〜48cm。身長175cmの筆者と、150cmの編集部員のどちらでも快適に座れた。

感覚としては、座面クッションの座り心地がいいのはAKRacingならでは。ただ、「Faura」と比べると座った際の沈み込みは浅く、包み込まれるというよりは体圧を分散して支えてくれるイメージだ。筆者自身は、ソファのように沈み込むとリラックスしすぎる面もあるため、緊張感や集中力をほどよく保つには「BISHU」の方が好印象に感じた。

背もたれも同様で、ランバーサポート、ヘッドレストもPUレザー系のAKRacingに近い座り心地に感じた。ヘッドレストは頭部を広い範囲で受け止められるようにすることで、特にリクライニング時の快適性と頭を預けた時の体圧分散にも一役買っている。

ヘッドレストの形状などはPro-X JPなどと同様。クッション性は非常に高く、フルフラット時にも頭をしっかり支えてくれる

ヘッドレスト、ランバーサポートは背もたれのガイドを通して固定する。ヘッドレストを大きく下げることは難しそうだ

クッション等はPremiumシリーズと大きく変わらないと思われるが、やはり「BISHU」の張地がコットン100%になっていることで、PUレザーのAKRacingと身体に触れた時の感覚の違いはあるように思う。


コットン100%がもたらすゲーミング体験のメリット


素材や作りの良さは見えてきたが、eSports Worldとしてはやはり、ゲーミングチェアとしての使い勝手も気になるところ。実際に、PCゲーム(FPS/MOBA/格ゲー)、スマホゲームなどを数日間プレーしてみた感想としては、まず素材の爽やかさがもたらす爽快感が最も大きなメリットだと感じた。

PUレザーのゲーミングチェアシリーズは、表面の水分や汚れなどを拭き取りやすい一方、季節によっては座った瞬間の冷たさや、長時間使用した際の蒸れなどが気になることもあった。その点、「BISHU」は天然素材ならではの温かみのある風合いや豊かな質感を特徴としており、PUレザーの製品と比較しても汗などで蒸れるような感覚は明らかに少なかった。ここは通気性の良さが奏功しているのだろう。常にドライな感触のこんな素材を使ったゲーミングチェアは初めてかもしれない。夏場から冬場まで季節を問わず快適に使えそうだ。

PUレザーと比べると生地の薄さが気になるところだが、試用した感覚としてはチープな感覚はなく、しっかりした生地で包まれている印象だった。座った時には多少生地も伸び縮みもするので、柔軟性もあるように感じる。生地を組み合わせてはいるものの、縫製がほつれるような部分も感じられず、尾州織物のクオリティの高さを感じさせる仕上がりだ。



また、ゲームプレーに関してはわずかに後傾する座面チルト機能のおかげで、集中力が途切れたような時に少しだけ背中を預けると、ふわっと体を受け止めてくれるのが心地いい。座面チルト機能は最近のモデルにはかなり標準搭載されているが、AKRacingのゲーミングチェアシリーズの中では上位モデルにのみ搭載されていることが多く、リクライニングまではいかないが、少し体を伸ばしたいような時に非常に有用だ。

それに加えて、4Dアームレスト採用のおかげで、さまざまなゲーミングデバイスに「BISHU」一台で対応してくれるところもメリットに感じた。キーボード&マウスで操作するPCゲームなどは、ヘッドレスト、ランバーサポートと座面のクッションを垂直気味にすることで体をチェアに預けたまま楽にプレーできる。ゲームパッドで遊ぶコンソール機などは、アームレストを内向きにして肘を乗せることで、手の疲れがうまく分散できる。

可動範囲はそれほど多くないにもかかわらず、ちょっとした調整だけでもプレー時の快適さはかなり変わる。素材感と相まって、気軽かつ長時間のプレーも気にならない快適さを実現してくれていると感じた。


総評:見た目以上の機能性を侮るなかれ


ここ最近のAKRacingは、ゲーミングチェアの性能を生かしつつ、日本国内の素材に目を向け、新たな価値や用途を積極的に提供している。

実は国産素材を用いたシリーズは、「BEAMS DESIGNモデル」の大阪府和泉市のスウェット生地、「Premium Denim」の岡山県井原市のデニム、「Pro-X JP」の大阪府泉佐野市の国産車採用合成皮革に次いで、「BISHU」の愛知県一宮市のコットン生地が4モデル目となる。

それらと比較しても、「BISHU」は特徴的なデザインもあって、見た目の好みで選ぶ人が多いかもしれない。ただ、尾州産のコットン生地の手触りは、他のAKRacingのラインアップにない快適さを感じさせてくれる。デザインが気になる方も、素材感が気になる方も、ぜひ一度実物に触れて確かめてみてほしい。PUレザーのゲーミングチェアシリーズと比べても選択肢になるほど、素材の違いだけとは思えない特徴を感じてもらえるはずだ。

ちなみに、「BISHU」は愛知県一宮市のふるさと納税返礼品としても登録を申請中とのこと。承認後は各種寄付申込サイトで受け付けを開始する予定となっている。


【eSports World編集部の評価】

操作性:★★★★★
機能性:★★★★★
拡張性:★★★☆☆
デザイン性:★★★★★
価格:★★★☆☆

総合評価:4.2

ここ最近のAKRacingシリーズに多い国産素材の採用により、数あるゲーミングチェアの中でも特徴的な1脚に仕上がっている「BISHU」。Premiumシリーズ譲りの機能性は折り紙付きなので、デザインが気に入れば一択だが、サラサラの素材感はこれまでのシリーズになかったもの。今後カラーバリエーションや他のデザインでも、尾州で織られたコットン生地の展開に期待したくなる商品だ。

AKRacing公式ブランドサイト|AKRacing BISHU:https://www.akracing.jp/products/detail/71
Amazon BISHU商品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0HHLZ5D37
Amazon AKRacingストア:https://www.amazon.co.jp/akracing

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