【インタビュー】アジア競技大会銀メダリスト・『第五人格』日本代表——中国との差は「大舞台での経験」
- 「中国との差は大舞台での経験値」——通常とは異なる環境での戦い
- 「グローバルBAN」を見据えたAkaとyukakinaの2ハンター起用
- 「めっちゃ悔しい」「次こそは金メダルを」——7選手とコーチが語る銀メダルへの思い
2026年9月19日(土)〜10月4日(日)に開催された「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」。eスポーツは前回大会に続き正式なメダル競技として採用され、9月23日(水・祝)〜10月2日(金)にAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)などで11種目13タイトルの競技が行われた。
その中で、日本代表が銀メダルを獲得したのが、非対称対戦型ゲーム『Identity V 第五人格 -Asian Games Version』(第五人格)だ。
日本代表チームは、REJECT所属の粟田勇斗(Unpyi)、神谷凌(Soba)、小沼真澄(City)、上村匡優(Aka)の4選手、FENNEL所属の上仲真生(Katsuki)、前田健太朗(maeken)の2選手、Arneb with WoG所属の大山流陽(yukakina)の計7選手で構成。コーチはAXIZ WAVE所属の三上俊希(Toki)が務めた。
10の国と地域が参加した『第五人格』部門では、日本代表は開催国として決勝トーナメントから登場。9月30日(水)の準々決勝でタイに2勝0敗、準決勝ではマレーシアに2勝0敗で勝利を収め、決勝に進出した。
決勝の相手は、『第五人格』の競技シーンで世界トップクラスの実力を誇る中国代表。日本は第1、第2セットを引き分け、第3セットで敗北。第4セットも引き分けに持ち込んだものの、最終第5セットで敗れた。5セット中3セットが引き分けとなる接戦を繰り広げたが、セットカウント0-2で敗れ、惜しくも銀メダルとなった。
今回の大会では、通常の公式大会と異なるバージョンが採用されたこともあり、各国の準備や戦略が勝敗を左右する要素となった。銀メダルという結果を、選手たちはどう受け止めているのか。今大会を最後に競技からの引退を表明しているSobaを中心に、中国代表との実力差や今大会ならではの戦略、そして次の世界大会への思いを聞いた。
※インタビュー中の呼称はプレーヤーネーム
──銀メダルの獲得、おめでとうございます。今回のアジア競技大会では、普段の公式大会とは異なるゲームバージョンが採用されました。日本代表にとって、どのような影響がありましたか?
Soba:結構バージョンが変わっていたんですけど、それはどのチームも同じ条件だったので、特定のチームが有利、不利になることはなかったと思います。
ただ、そのバージョンで練習をしなければいけなかったので、練習時間を多く取れたチームの方が、いい勝負をしやすい環境ではありましたね。
──日本代表チームとしては、十分な練習時間を確保できたのでしょうか?
Soba:日本チームは大会直近に「IJL」という国内リーグ戦があって、メンバー全員がそのリーグに参加していたので、アジア競技大会に向けた練習時間を作るのは少し難しかったです。
その一方で、中国などはリーグに参加せず、アジア競技大会に力を入れていたので、そういった大会への臨み方の差は少し出てしまったのかなと思います。
──そのような状況でも準決勝まで見事に勝ち上がりました。中国との決勝は厳しい戦いになりましたが、実際に対戦してみて、中国チームの強さをどう感じましたか?
Soba:やっぱり一番感じたのは、経験値の差、大舞台への慣れの差かなと思います。
中国は競技人口も日本の何倍も多いですし、向こうで開催される大会も規模が大きいので、試合に臨んだときの声援や、大きな会場の環境への慣れが違うんですよね。
そういった部分もあって、僕たちは大会本番で実力を発揮しきれなかったところがありました。逆に、中国チームは120%の実力を発揮していたと思うので、その差はあったのかなと思います。
──今回はハンターがAka選手とyukakina選手の2人体制で、決勝でも試合の後半に交代する場面がありました。どちらを起用するかは、どのように決めていたのでしょうか?
Toki:そこは前々から練習の中で決めていたよね。
Soba:もともと前半と後半で使うキャラクターが変わってくるので、Akaとyukakina、それぞれの得意なキャラクターを考えながら、前半向き、後半向きという形で分けていました。
決勝では、基本的に3戦目からyukakinaでいこうという話になっていたんですけど、2戦目で「悪夢」というキャラクターを使ったことで、それがグローバルBANに入ったんです。
その時点で、Akaにはまだ戦えるキャラクターが残っていましたし、本人も調子がよかったので、そのまま3戦目もAkaを続行させようという判断になりました。
結果として、Akaが3戦目まで出場して、4〜5戦目をyukakinaに任せる形になりました。
──単純に選手の調子で交代するのではなく、使えるキャラクターと選手の得意分野を考えて、戦略的に起用していたということですね。
Soba:そうですね。今回のルールでは、使ったキャラクターがグローバルBANに入っていくシステムだったので、前半は環境的に強いキャラクターを使い、後半は残ったキャラクターでどう戦うか、というのが基本的な戦術になります。
その中で、Akaとyukakinaの得意なキャラクターをうまく分けて、それぞれを生かせるようにしていました。
──最後に銀メダルという結果について、選手の皆さんからひとことずつ感想をお願いします。
Unpyi:めっちゃ悔しいです。
Katsuki:悔しい思いは結構あるので、ぜひリベンジしたいです。
──それは4年後のアジア競技大会で、ということでしょうか?
Katsuki:4年後もそうですし、世界大会でも活躍したいです。
Soba:悔しい気持ちも多少はあるんですけど、やっぱり僕にとっては最後の大会なので、そこで銀メダルという形に残る結果を取れたのはすごくうれしいです。
あとは、ほかのメンバーが世界大会でリベンジしてくれればいいなと思っているので、頑張ってほしいです。

City:金メダルを取るためにたくさん練習してきたので、悔しい気持ちもあります。でも、みんなで頑張って銀メダルを取れたというのは、とてもよかったと思います。
maeken:最高!
Aka:大舞台でメダルを取るという、いい経験ができたので、次こそは金メダルを取りたいと思います。
yukakina:中国以外にも、世界大会で見るような強い選手がほかの国にも結構いたので、その中でしっかりメダルを持って帰れたのは、合格点は取れたかなという感じです。ホッとしています。
Toki:自分も金メダルを目指していたので悔しかったんですが、中国の選手たちは世界大会などでも対戦することがある相手なので、どこかでリベンジしたいです。それぞれ所属しているチームを順番に倒していきたいです。
アジア競技大会という大舞台で銀メダルを獲得した『第五人格』日本代表。試合後の選手たちからは、喜び以上に「悔しい」という言葉が多く聞かれた。
今回は会場の都合もあり、人数が多い『第五人格』代表チームはほとんど話を聞くことができなかった。そんな中でも特に印象的だったのは、Soba選手が語った中国代表との「経験値の差」だ。ゲームの技術だけでなく、大規模な大会でのプレッシャーや環境への適応力も、世界のトップチームと戦う上では重要な要素になる。
しかし、「IJL」にライバルとして参戦するスター選手が結束した日本代表が、それぞれの強みを生かして戦えるよう、限られた時間の中で戦略を組み立ててきたことが分かった。
金メダルには一歩届かなかったものの、決して届かない相手ではない。アジア競技大会で中国を相手に日本の『第五人格』シーンの実力を示した銀メダル。今回の経験と悔しさを糧に、日本の選手たちが再び世界の頂点に挑む姿に期待したい。

関連リンク
第20回アジア競技大会 eスポーツ競技|eSports World大会情報
https://esports-world.jp/tournament/61552
アジア競技大会 eスポーツ日本代表メダル獲得レポート|eSports World
https://esports-world.jp/report/66626
第20回アジア競技大会 eスポーツ競技 日本代表選手発表|JESU
https://jesu.or.jp/contents/news/news-260715/
Identity V第五人格 公式サイト
https://www.identityvgame.com/jp/
©︎Joker Studio of NetEase All Rights Reserved.
その中で、日本代表が銀メダルを獲得したのが、非対称対戦型ゲーム『Identity V 第五人格 -Asian Games Version』(第五人格)だ。
日本代表チームは、REJECT所属の粟田勇斗(Unpyi)、神谷凌(Soba)、小沼真澄(City)、上村匡優(Aka)の4選手、FENNEL所属の上仲真生(Katsuki)、前田健太朗(maeken)の2選手、Arneb with WoG所属の大山流陽(yukakina)の計7選手で構成。コーチはAXIZ WAVE所属の三上俊希(Toki)が務めた。
10の国と地域が参加した『第五人格』部門では、日本代表は開催国として決勝トーナメントから登場。9月30日(水)の準々決勝でタイに2勝0敗、準決勝ではマレーシアに2勝0敗で勝利を収め、決勝に進出した。
決勝の相手は、『第五人格』の競技シーンで世界トップクラスの実力を誇る中国代表。日本は第1、第2セットを引き分け、第3セットで敗北。第4セットも引き分けに持ち込んだものの、最終第5セットで敗れた。5セット中3セットが引き分けとなる接戦を繰り広げたが、セットカウント0-2で敗れ、惜しくも銀メダルとなった。
今回の大会では、通常の公式大会と異なるバージョンが採用されたこともあり、各国の準備や戦略が勝敗を左右する要素となった。銀メダルという結果を、選手たちはどう受け止めているのか。今大会を最後に競技からの引退を表明しているSobaを中心に、中国代表との実力差や今大会ならではの戦略、そして次の世界大会への思いを聞いた。
※インタビュー中の呼称はプレーヤーネーム
「中国との差は大舞台での経験値」——通常とは異なる環境での戦い
──銀メダルの獲得、おめでとうございます。今回のアジア競技大会では、普段の公式大会とは異なるゲームバージョンが採用されました。日本代表にとって、どのような影響がありましたか?
Soba:結構バージョンが変わっていたんですけど、それはどのチームも同じ条件だったので、特定のチームが有利、不利になることはなかったと思います。
ただ、そのバージョンで練習をしなければいけなかったので、練習時間を多く取れたチームの方が、いい勝負をしやすい環境ではありましたね。
──日本代表チームとしては、十分な練習時間を確保できたのでしょうか?
Soba:日本チームは大会直近に「IJL」という国内リーグ戦があって、メンバー全員がそのリーグに参加していたので、アジア競技大会に向けた練習時間を作るのは少し難しかったです。
その一方で、中国などはリーグに参加せず、アジア競技大会に力を入れていたので、そういった大会への臨み方の差は少し出てしまったのかなと思います。
──そのような状況でも準決勝まで見事に勝ち上がりました。中国との決勝は厳しい戦いになりましたが、実際に対戦してみて、中国チームの強さをどう感じましたか?
Soba:やっぱり一番感じたのは、経験値の差、大舞台への慣れの差かなと思います。
中国は競技人口も日本の何倍も多いですし、向こうで開催される大会も規模が大きいので、試合に臨んだときの声援や、大きな会場の環境への慣れが違うんですよね。
そういった部分もあって、僕たちは大会本番で実力を発揮しきれなかったところがありました。逆に、中国チームは120%の実力を発揮していたと思うので、その差はあったのかなと思います。
「グローバルBAN」を見据えたAkaとyukakinaの2ハンター起用
──今回はハンターがAka選手とyukakina選手の2人体制で、決勝でも試合の後半に交代する場面がありました。どちらを起用するかは、どのように決めていたのでしょうか?
Toki:そこは前々から練習の中で決めていたよね。
Soba:もともと前半と後半で使うキャラクターが変わってくるので、Akaとyukakina、それぞれの得意なキャラクターを考えながら、前半向き、後半向きという形で分けていました。
決勝では、基本的に3戦目からyukakinaでいこうという話になっていたんですけど、2戦目で「悪夢」というキャラクターを使ったことで、それがグローバルBANに入ったんです。
その時点で、Akaにはまだ戦えるキャラクターが残っていましたし、本人も調子がよかったので、そのまま3戦目もAkaを続行させようという判断になりました。
結果として、Akaが3戦目まで出場して、4〜5戦目をyukakinaに任せる形になりました。
──単純に選手の調子で交代するのではなく、使えるキャラクターと選手の得意分野を考えて、戦略的に起用していたということですね。
Soba:そうですね。今回のルールでは、使ったキャラクターがグローバルBANに入っていくシステムだったので、前半は環境的に強いキャラクターを使い、後半は残ったキャラクターでどう戦うか、というのが基本的な戦術になります。
その中で、Akaとyukakinaの得意なキャラクターをうまく分けて、それぞれを生かせるようにしていました。
※編集部注:グローバルBANは一度使用したキャラクターが、以降のゲームで使用できなくなるルール。試合が進むほど使用できるキャラクターが制限されるため、選手には幅広いキャラクターへの対応力が求められる。
「めっちゃ悔しい」「次こそは金メダルを」——7選手とコーチが語る銀メダルへの思い
──最後に銀メダルという結果について、選手の皆さんからひとことずつ感想をお願いします。
Unpyi:めっちゃ悔しいです。
Katsuki:悔しい思いは結構あるので、ぜひリベンジしたいです。
──それは4年後のアジア競技大会で、ということでしょうか?
Katsuki:4年後もそうですし、世界大会でも活躍したいです。
Soba:悔しい気持ちも多少はあるんですけど、やっぱり僕にとっては最後の大会なので、そこで銀メダルという形に残る結果を取れたのはすごくうれしいです。
あとは、ほかのメンバーが世界大会でリベンジしてくれればいいなと思っているので、頑張ってほしいです。

City:金メダルを取るためにたくさん練習してきたので、悔しい気持ちもあります。でも、みんなで頑張って銀メダルを取れたというのは、とてもよかったと思います。
maeken:最高!
Aka:大舞台でメダルを取るという、いい経験ができたので、次こそは金メダルを取りたいと思います。
yukakina:中国以外にも、世界大会で見るような強い選手がほかの国にも結構いたので、その中でしっかりメダルを持って帰れたのは、合格点は取れたかなという感じです。ホッとしています。
Toki:自分も金メダルを目指していたので悔しかったんですが、中国の選手たちは世界大会などでも対戦することがある相手なので、どこかでリベンジしたいです。それぞれ所属しているチームを順番に倒していきたいです。
※ ※ ※
アジア競技大会という大舞台で銀メダルを獲得した『第五人格』日本代表。試合後の選手たちからは、喜び以上に「悔しい」という言葉が多く聞かれた。
今回は会場の都合もあり、人数が多い『第五人格』代表チームはほとんど話を聞くことができなかった。そんな中でも特に印象的だったのは、Soba選手が語った中国代表との「経験値の差」だ。ゲームの技術だけでなく、大規模な大会でのプレッシャーや環境への適応力も、世界のトップチームと戦う上では重要な要素になる。
しかし、「IJL」にライバルとして参戦するスター選手が結束した日本代表が、それぞれの強みを生かして戦えるよう、限られた時間の中で戦略を組み立ててきたことが分かった。
金メダルには一歩届かなかったものの、決して届かない相手ではない。アジア競技大会で中国を相手に日本の『第五人格』シーンの実力を示した銀メダル。今回の経験と悔しさを糧に、日本の選手たちが再び世界の頂点に挑む姿に期待したい。

関連リンク
第20回アジア競技大会 eスポーツ競技|eSports World大会情報
https://esports-world.jp/tournament/61552
アジア競技大会 eスポーツ日本代表メダル獲得レポート|eSports World
https://esports-world.jp/report/66626
第20回アジア競技大会 eスポーツ競技 日本代表選手発表|JESU
https://jesu.or.jp/contents/news/news-260715/
Identity V第五人格 公式サイト
https://www.identityvgame.com/jp/
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