『リーグ・オブ・レジェンド』の「APAC」リーグ再編は「LJL」強化につながるか【eスポーツよもやま話】
- 「新たな国際大会」はシンプルに5地域の最強チームの対決
- 「APAC」と「LJL」は、『VALORANT』の「VCT」のようになる
- 根強い「LJL」ファンたちをつなぎとめられるか
- 日本のeスポーツのグローバル化が示すもの
2024年6月12日(水)の深夜、ライアットゲームズの『リーグ・オブ・レジェンド』のeスポーツ情報を配信している「LoL Esports」にてニュースが公開された。
その後、ライアットEsportsプレジデントのJohn Needham氏と、LoL EsportsストラテジーヘッドのChris Greeley氏による動画も公開されている。こちらの方がわかりやすいかもしれない。
今回の発表の中で、日本=「LJL」が関係する部分を抜き出すと以下の3点になる。
まだ明らかになっていない情報も多いためか、「LJL」の選手や関係者からも不安や疑問の声がSNSなどで挙げられており、中には「LJLは終わった」といった悲観的な声も見られる。
そこで本記事では、「LJL」に関係する部分について、いまわかっている情報を整理してみたい。
まずは、新たな国際大会について詳しく見てみよう。「スプリット1/国際トーナメント」と呼ばれているものがそれだ。
「地域ラウンド」とは、世界の5つの地域のこと。「LPL」「LCK」「LEC」と、2025年に再編される「Americas」と「APAC」の5つとなる。
大会に参戦できるのが各地域1チームのみということは、「LJL」が含まれる「APAC」から参戦できるのは1チームだけということだ。
直近の「Spring Split」の戦績に当てはめれば、「PCS」のPSG Talonか「VCS」のGAM Esportsのどちらか1チーム。ただし、Spring SplitでのFukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)の活躍を見ると、「LJL」代表のSHGが「APAC」代表になる可能性も十分に期待できる。実力的にも「LJL」は新たな「APAC」の中では、上位に位置していると見ていいだろう。
この最初の国際大会はどの地域からも1チームしか出られない。ここが「MSI」や「Worlds」とは大きく異なる。
「MSI」や「Worlds」では、「プレイインステージ」と呼ばれる予選に必ず「LPL」や「LCK」の3〜4位のチームが含まれており、「LJL」や「PCS」のチームはほぼそこで落とされてしまっていた。結局のところは「ブラケットステージ」までいくと「LPL」や「LCK」ばかりのリーグとなり、ほぼ国内戦のような様相となっていた。
しかし今回のルールでは、強かろうが弱かろうが、各地域からの代表は最強の1チームのみ。これは、上位ティアー地域と言われる「LPL」や「LCK」のチームを減らすことが目的だ。つまり、「LJL」を縮小することが目的なのではなく、上位ティアーの強すぎる地域、チームを世界大会から減らすことも目的のひとつということだ。
さらに、1戦前にピックしたチャンピオンが使えなくなる「フィアレスドラフト」が何らかのかたちで導入されることで、強いチームが効果的なピックによって無双してしまうことを防げる可能性もある。
「フィアレスドラフト」を簡単に言えば、1戦前と同じ構成は絶対に使えなくなるということだ。もちろん、強いチームは強いままではあるものの、チーム構成が強制的に変えられることになる。
そしてこのルールは、Split 1の大会から導入される可能性があるとのこと。つまり「LJL」での試合の中でも採用されることになる。
チャンピオンプールが世界的に見て狭いと言われている「LJL」にとっては、良くも悪くも使えるチャンピオンを増やす必要があり、より多彩な戦いが見られることにもなりそうだ。
「スプリット1/国際トーナメント」は3月開催のため、1月〜3月にかけて「APAC」内の地域ごとに予選が行われることになる。これが「LJL」「PCS」「VCS」それぞれから絞り込まれた上で「APAC」との入れ替えとなるのだろう。例年1月末から始まっていたSpring Splitはこれに置き換えられることになる。
その「APAC」リーグは、8チームで行われるとアナウンスされている。ベトナム、香港、台湾、マカオ、日本、オセアニア、その他(フィリピンなど)が含まれるということは、各地域から1〜2チームが出場できるということだろう。
この方式は、『VALORANT』でDetonatioN FocusMe(DFM)とZETA DIVISIONが参戦している「VALORANT CHAMPIONS TOUR」(VCT)を参考にしたと、ライアットのJohn氏も動画の中で述べている。
『LoL』が『VALORANT』と異なるのは、「APAC」とその下の地域リーグ(「LJL」含む)との間で昇格/降格があるという点だ。
『VCT Pacific』は事実上、ライアットゲームズが指名したチームが参戦しており、今のところ入れ替えはされていない。しかし「APAC」リーグは実力でのし上がれる。その意味で「LJL」で頑張る意味はしっかり残されている。
仮に「APAC」リーグに「LJL」から1〜2チームが選ばれると仮定すると、Spring Splitの上位2チームはSHGとDFMだ。そして、この2チームが「APACリーグ」として抜けた後の「LJL」は4〜5チームによる戦いとなり、またまたチーム数が減少してしまう。
気になるのは、ライアットゲームズやファンはいいとしても、現在参戦しているチームが新しい「LJL」に魅力を感じて参戦するかどうかだ。「LJL」参戦チームにも、出場するかどうかを選ぶ権利はある。
2024年終了時点で、古参チームのRascal Jesterを受け継いだFENNELは、早々に「LJL」から撤退してしまったが、おそらく上位チームに対して戦えるだけのコストやPR効果を見込めなかったという判断だろう。Crest Gaming ActとAXIZは統合というかたちでAXIZ CRESTになったのも、強化と同時にコスト面の課題もあったのかもしれない。
彼らが参戦をやめた、あるいは活動規模を縮小したことの裏に、「LJL」自体の縮小の流れや、大会としての訴求力や魅力、勝ち抜くことの難しさがあったことは想像に難くない。だとすれば、果たして2025年にさらに縮小するかもしれない「LJL」にどれだけの魅力があるのか。
もしかすると、これまで参戦していなかったチームの追加もされるかもしれない。しかし、アジアを「APAC」としてまとめたことが「コスト削減」の目的も含んでいたとしたら考えにくい。
個人的には、「LJL」初期にDetonatioNのサブチームからBurning Coreが誕生したように、アカデミーチームなどから派生したチームが生まれたり、当時参戦していたSCARZのような古参チームの復活、勢いのあるZETA DIVISION、Crazy Raccoon、REJECTといったチームが『LoL』に挑戦してくれたらうれしいのだが……。
もうひとつ気になるのは、2024年の「LJL」がすでに2023年までの「LJL」とは別物になっているということだ。
Spring Splitの段階でMCが降板し、配信トラブルや選手名などの間違いといったミスが連発された。さらに、これは改悪とは言えないかもしれないが、Summer Splitからは試合後のインタビュアーとして起用されていたキャスターがいなくなり、通訳のスイニャン氏ひとりが兼ねるかたちになった。
内実はわからないが、見かけ上は「LJL」と「PCS」は別々に運営されているものの、「PCS」が主体となって運営しているようにも思える。Spring Splitも最初こそミスが目立ったが終盤には解消されていたため、2025年も問題なくオペレーションできるとは思うが、それで「LJL」のファンがついてきてくれるか。
また、昨年は幕張メッセで「Summer Split Finals」がオフライン開催されたが、今後「LJL」でオフライン大会が開催されるのかも微妙なところだ。「LJL」のファンは確実におり、『LoL』自体の人口も高校生向け大会の増加などで拡大していることは実感できるだけに、「LJL」の規模が縮小したとしてもしっかり維持してもらえることを願いたい。
「LJL」の歴史を振り返れば、e-Sports Squareでの初期「LJL」に始まり、中野のRedBull Gaming Sphere Tokyoや渋谷のよしもと∞ホールで有観客で行われていたこともあった。ちょうどコロナ禍によって観戦できなくなってしまったものの、2023年には幕張メッセでのファイナルも行われ、チームウェアを着たり、応援ボードを掲げるファンがたくさんいた。
選手の『LoL』で世界一を目指したいという気持ちや、ファンの熱量自体は変わっていない。彼らの思いをライアットゲームズがどのように受け止めて、今後の「LJL」をどう作っていくのかが気になるところだ。
2018年に「本当のeスポーツ元年」と言われてからずっと、「日本のeスポーツは遅れている」と言われ続けてきた。賞金総額、大会規模、世界で活躍するチームの数など、日本人のあまり過大評価をしない性格などもあってか、遠慮しがちだったこともあるかもしれない。
しかし、果たして本当にそうだったのか。『レインボーシックス シージ』では国際大会で活躍する常連チームを生み、『ストリートファイター』では常に日本人プレイヤーが上位に名を連ね、『VALORANT』でもZETA DIVISIONらが活躍してきた。今年は『PUBG MOBILE』や『Apex Legends」でも好成績を収めてきた。
これらのタイトルのほとんどが、日本リーグではなく直接海外に出向いて戦うかたちのものばかりだ。国内リーグがあるタイトルは数えるほどになってしまった。
もちろん、『LoL』がそれらのタイトルと同じというわけではないが、「PCS 2024 プレーオフ」でのSHGの活躍などを見ていると、そろそろ『LoL』も海外主体で戦ってもいい時期に来たとは言えないか。
……いや、正直まだ言えないかもしれないが、通用する部分もあるようにも思う。
なにより、いつまでも狭い島国だけで頑張っていても、世界のトップに追いつくことは難しい。勝つことよりも負けること、切磋琢磨することで磨かれていく力もあるはずだ。
今回のニュースでは、「LJL」に対してあまりに悲観的な言葉が多かったが、「LJL」にだって輝くプレイヤーやいい試合はたくさんある。臆せず世界で戦っていく覚悟を決めるには、2025年からの「APAC」と「LJL」は、後世「あの変更が日本の『LoL』シーンが世界にはばたくいいきっかけになったよね」というタイミングになるかもしれない。
そんなことを願いながら、今後の「LJL」の動向も見ていきたい。
LoL Esports:より明るい未来に向けた計画
— LJL(League of Legends Japan League) (@Official_LJL) June 11, 2024
2025年のLoL Esportsにやってくるアップデートを紹介します
📚 https://t.co/SOMgKJ6XC9 pic.twitter.com/k7lnz2t77h
その後、ライアットEsportsプレジデントのJohn Needham氏と、LoL EsportsストラテジーヘッドのChris Greeley氏による動画も公開されている。こちらの方がわかりやすいかもしれない。
今回の発表の中で、日本=「LJL」が関係する部分を抜き出すと以下の3点になる。
- 「MSI」「Worlds」に加えて、年頭に国際大会を新設。世界的にスプリット1〜3の3シーズン制に統一
- 日本やベトナムを含む「APAC」を新設。各地域のトップ8チームが戦う。上記国際大会は「APRC」から1チームだけが参戦
- 「APAC」参戦チームとの入れ替えがある「地域リーグ」を設ける。「LJL」も残る模様
まだ明らかになっていない情報も多いためか、「LJL」の選手や関係者からも不安や疑問の声がSNSなどで挙げられており、中には「LJLは終わった」といった悲観的な声も見られる。
そこで本記事では、「LJL」に関係する部分について、いまわかっている情報を整理してみたい。
「新たな国際大会」はシンプルに5地域の最強チームの対決
まずは、新たな国際大会について詳しく見てみよう。「スプリット1/国際トーナメント」と呼ばれているものがそれだ。
2025シーズンの開幕時に、全地域でスプリット1/国際トーナメントが始まります。このトーナメントは、まず地域内での戦いが行われる「地域ラウンド」から始まります。その後、5地域(この変更計画は後述します)からそれぞれ1チームが3月開催の国際ラウンドに進出し、ラウンドロビン形式で競い合います。「ベストオブ(BO)」シリーズでの対戦で、それぞれの地域が他の地域と戦う姿を観戦できます!ラウンドロビンの上位4チームは次のブラケットへと進出。6日間続く国際ラウンドの最後に、本トーナメントの王者が決定します。
シーズン開幕時の大会になるため、この新トーナメント/スプリットでは、プロも、ファンも、誰もが「リーグ・オブ・レジェンド」の新たなコンペティティブシーズンのすべてを見ることができます。この大会は、毎年さまざまな対戦形式を試験的に採用し、シーズン序盤の競技性に革新をもたらす場として活用する予定です。
「地域ラウンド」とは、世界の5つの地域のこと。「LPL」「LCK」「LEC」と、2025年に再編される「Americas」と「APAC」の5つとなる。
大会に参戦できるのが各地域1チームのみということは、「LJL」が含まれる「APAC」から参戦できるのは1チームだけということだ。
直近の「Spring Split」の戦績に当てはめれば、「PCS」のPSG Talonか「VCS」のGAM Esportsのどちらか1チーム。ただし、Spring SplitでのFukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)の活躍を見ると、「LJL」代表のSHGが「APAC」代表になる可能性も十分に期待できる。実力的にも「LJL」は新たな「APAC」の中では、上位に位置していると見ていいだろう。
この最初の国際大会はどの地域からも1チームしか出られない。ここが「MSI」や「Worlds」とは大きく異なる。
「MSI」や「Worlds」では、「プレイインステージ」と呼ばれる予選に必ず「LPL」や「LCK」の3〜4位のチームが含まれており、「LJL」や「PCS」のチームはほぼそこで落とされてしまっていた。結局のところは「ブラケットステージ」までいくと「LPL」や「LCK」ばかりのリーグとなり、ほぼ国内戦のような様相となっていた。
しかし今回のルールでは、強かろうが弱かろうが、各地域からの代表は最強の1チームのみ。これは、上位ティアー地域と言われる「LPL」や「LCK」のチームを減らすことが目的だ。つまり、「LJL」を縮小することが目的なのではなく、上位ティアーの強すぎる地域、チームを世界大会から減らすことも目的のひとつということだ。
さらに、1戦前にピックしたチャンピオンが使えなくなる「フィアレスドラフト」が何らかのかたちで導入されることで、強いチームが効果的なピックによって無双してしまうことを防げる可能性もある。
「フィアレスドラフト」を簡単に言えば、1戦前と同じ構成は絶対に使えなくなるということだ。もちろん、強いチームは強いままではあるものの、チーム構成が強制的に変えられることになる。
そしてこのルールは、Split 1の大会から導入される可能性があるとのこと。つまり「LJL」での試合の中でも採用されることになる。
チャンピオンプールが世界的に見て狭いと言われている「LJL」にとっては、良くも悪くも使えるチャンピオンを増やす必要があり、より多彩な戦いが見られることにもなりそうだ。
「APAC」と「LJL」は、『VALORANT』の「VCT」のようになる
「スプリット1/国際トーナメント」は3月開催のため、1月〜3月にかけて「APAC」内の地域ごとに予選が行われることになる。これが「LJL」「PCS」「VCS」それぞれから絞り込まれた上で「APAC」との入れ替えとなるのだろう。例年1月末から始まっていたSpring Splitはこれに置き換えられることになる。
その「APAC」リーグは、8チームで行われるとアナウンスされている。ベトナム、香港、台湾、マカオ、日本、オセアニア、その他(フィリピンなど)が含まれるということは、各地域から1〜2チームが出場できるということだろう。
この方式は、『VALORANT』でDetonatioN FocusMe(DFM)とZETA DIVISIONが参戦している「VALORANT CHAMPIONS TOUR」(VCT)を参考にしたと、ライアットのJohn氏も動画の中で述べている。
『LoL』が『VALORANT』と異なるのは、「APAC」とその下の地域リーグ(「LJL」含む)との間で昇格/降格があるという点だ。
『VCT Pacific』は事実上、ライアットゲームズが指名したチームが参戦しており、今のところ入れ替えはされていない。しかし「APAC」リーグは実力でのし上がれる。その意味で「LJL」で頑張る意味はしっかり残されている。
この基盤の上につくり上げるのが、2025年に登場するまったく新しいリーグです。最高のプレイヤー、多彩なマッチアップ、新たなライバル関係…これらが生まれる地域間の対戦をお見せするために、ベトナム、香港、台湾、マカオ、日本、オセアニア、そして残りの東南アジアの上位チームを結びつけます。リーグは8チーム構成の予定で、新しいハイブリッドなパートナーシップ、さらに昇格/降格リーグモデルを採用してスタートします。詳細は追ってお知らせします。
仮に「APAC」リーグに「LJL」から1〜2チームが選ばれると仮定すると、Spring Splitの上位2チームはSHGとDFMだ。そして、この2チームが「APACリーグ」として抜けた後の「LJL」は4〜5チームによる戦いとなり、またまたチーム数が減少してしまう。
気になるのは、ライアットゲームズやファンはいいとしても、現在参戦しているチームが新しい「LJL」に魅力を感じて参戦するかどうかだ。「LJL」参戦チームにも、出場するかどうかを選ぶ権利はある。
2024年終了時点で、古参チームのRascal Jesterを受け継いだFENNELは、早々に「LJL」から撤退してしまったが、おそらく上位チームに対して戦えるだけのコストやPR効果を見込めなかったという判断だろう。Crest Gaming ActとAXIZは統合というかたちでAXIZ CRESTになったのも、強化と同時にコスト面の課題もあったのかもしれない。
彼らが参戦をやめた、あるいは活動規模を縮小したことの裏に、「LJL」自体の縮小の流れや、大会としての訴求力や魅力、勝ち抜くことの難しさがあったことは想像に難くない。だとすれば、果たして2025年にさらに縮小するかもしれない「LJL」にどれだけの魅力があるのか。
もしかすると、これまで参戦していなかったチームの追加もされるかもしれない。しかし、アジアを「APAC」としてまとめたことが「コスト削減」の目的も含んでいたとしたら考えにくい。
個人的には、「LJL」初期にDetonatioNのサブチームからBurning Coreが誕生したように、アカデミーチームなどから派生したチームが生まれたり、当時参戦していたSCARZのような古参チームの復活、勢いのあるZETA DIVISION、Crazy Raccoon、REJECTといったチームが『LoL』に挑戦してくれたらうれしいのだが……。
根強い「LJL」ファンたちをつなぎとめられるか
もうひとつ気になるのは、2024年の「LJL」がすでに2023年までの「LJL」とは別物になっているということだ。
Spring Splitの段階でMCが降板し、配信トラブルや選手名などの間違いといったミスが連発された。さらに、これは改悪とは言えないかもしれないが、Summer Splitからは試合後のインタビュアーとして起用されていたキャスターがいなくなり、通訳のスイニャン氏ひとりが兼ねるかたちになった。
内実はわからないが、見かけ上は「LJL」と「PCS」は別々に運営されているものの、「PCS」が主体となって運営しているようにも思える。Spring Splitも最初こそミスが目立ったが終盤には解消されていたため、2025年も問題なくオペレーションできるとは思うが、それで「LJL」のファンがついてきてくれるか。
また、昨年は幕張メッセで「Summer Split Finals」がオフライン開催されたが、今後「LJL」でオフライン大会が開催されるのかも微妙なところだ。「LJL」のファンは確実におり、『LoL』自体の人口も高校生向け大会の増加などで拡大していることは実感できるだけに、「LJL」の規模が縮小したとしてもしっかり維持してもらえることを願いたい。
来年このリーグで戦うゲストチームの最初のラインナップは、2024年のPCSとVCSのSummer Split Playoffsの結果で決定します。これは、VCS、PCS、LJL、LCOの2024 Summer Splitに参加する各チームに、新たなリーグの出場枠が確保できるチャンスがあるということです。将来のシーズンについては、昇格/降格リーグモデルが始動した後、それぞれの地域リーグのチームはゲストチームとして新しいAPACのリーグに昇格できるチャンスを獲得します。(※ LJLは この地域リーグに分類されます。詳細が決まり次第、追ってお知らせいたします。)
「LJL」の歴史を振り返れば、e-Sports Squareでの初期「LJL」に始まり、中野のRedBull Gaming Sphere Tokyoや渋谷のよしもと∞ホールで有観客で行われていたこともあった。ちょうどコロナ禍によって観戦できなくなってしまったものの、2023年には幕張メッセでのファイナルも行われ、チームウェアを着たり、応援ボードを掲げるファンがたくさんいた。
選手の『LoL』で世界一を目指したいという気持ちや、ファンの熱量自体は変わっていない。彼らの思いをライアットゲームズがどのように受け止めて、今後の「LJL」をどう作っていくのかが気になるところだ。
日本のeスポーツのグローバル化が示すもの
2018年に「本当のeスポーツ元年」と言われてからずっと、「日本のeスポーツは遅れている」と言われ続けてきた。賞金総額、大会規模、世界で活躍するチームの数など、日本人のあまり過大評価をしない性格などもあってか、遠慮しがちだったこともあるかもしれない。
しかし、果たして本当にそうだったのか。『レインボーシックス シージ』では国際大会で活躍する常連チームを生み、『ストリートファイター』では常に日本人プレイヤーが上位に名を連ね、『VALORANT』でもZETA DIVISIONらが活躍してきた。今年は『PUBG MOBILE』や『Apex Legends」でも好成績を収めてきた。
これらのタイトルのほとんどが、日本リーグではなく直接海外に出向いて戦うかたちのものばかりだ。国内リーグがあるタイトルは数えるほどになってしまった。
もちろん、『LoL』がそれらのタイトルと同じというわけではないが、「PCS 2024 プレーオフ」でのSHGの活躍などを見ていると、そろそろ『LoL』も海外主体で戦ってもいい時期に来たとは言えないか。
……いや、正直まだ言えないかもしれないが、通用する部分もあるようにも思う。
なにより、いつまでも狭い島国だけで頑張っていても、世界のトップに追いつくことは難しい。勝つことよりも負けること、切磋琢磨することで磨かれていく力もあるはずだ。
今回のニュースでは、「LJL」に対してあまりに悲観的な言葉が多かったが、「LJL」にだって輝くプレイヤーやいい試合はたくさんある。臆せず世界で戦っていく覚悟を決めるには、2025年からの「APAC」と「LJL」は、後世「あの変更が日本の『LoL』シーンが世界にはばたくいいきっかけになったよね」というタイミングになるかもしれない。
そんなことを願いながら、今後の「LJL」の動向も見ていきたい。
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