王者DFM健在! 激戦のSG vs DFMを振り返る「LJL 2020 Spring Split」ファイナルズ ハイライト

2020.5.18 eSports World編集部
5月4日、「LJL 2020 Spring Split」の決勝戦がオンライン試合で開催された。

今回はその試合のハイライトをお届けしよう。

セミファイナルでのDetonatioN FocusMe vs V3 Esportsのレポートはこちら

FINALS Sengoku Gaming vs DetonatioN FocusMe

プレイオフ Round 2では、Sengoku Gaming(SG)がDetonatioN FocusMe(DFM)をフルセットの末に倒した。だがそれは1カ月以上前の話であり、むしろ前日にRound 3を勝利したDFMのほうが精神的な充実はあるかもしれない。

しかし、連日の試合で疲れがあるはずなのはDFM、パッチ10.8の環境における手の内をさらしたのも一方的にDFMのみである。少なくとも情報面ではSGが有利であることは事実である。

Game 1

SGは、前日のRound 3のゲームすべてでDFMがピックしたトランドルをピックして取り上げた。それに対して、DFMは事前に用意していたと思われるカウンター、キンドレッドをピックして返す。

そしてDFMはラストピックにハイマーディンガーをピック。プロシーンでは他に使用者がほとんどいないこともあり、特別な対策を強いられるハイマーディンガーはどのチームにとっても厄介なピック。

この試合では重要オブジェクト周辺での動きでDFMがSGを翻弄した。1体目のドラゴンはSGがスティールしたもののDFMは2キルを獲得。そして2体目のドラゴンは逆にDFMがスティールしてやりかえす。

3体目のドラゴンタイミングでは、SGが体力有利からドラゴンを確保する一方で、DFMは目標をミッドアウタータワーに定め、DFMハイマーディンガーがSGのメンバーをゾーニング、ファーストタワーボーナスを得る。

そして4体目のドラゴンでは、またしてもDFMキンドレッドによるスティール、しかもその後DFMはSGがボットサイドに去っていくのを確認して大胆にもバロン攻略を開始、慌てて寄るSGは間に合わずバロン獲得はDFM。個人技によるドラゴンスティールと日本随一のマクロ戦略で、SGから徐々に有利を奪っていった。

結果、試合時間33分のドラゴン戦でDFMアフェリオスが4人を倒すクアドラキルを達成、バロンバフを獲得し、さらに阻止しにきたSGを返り討ちにするとそのままネクサスまで攻め入り、初戦はDFMが勝利した。


Game 2

SGはなおもトランドルをファーストピックし、DFMも同じくキンドレッドをピックする。Game 1から違うのは、DFMアフェリオスが大暴れする要因となったユーミをSGがバンしていること。DFMは代わりにブリッツクランクをピックし攻撃的なボットレーンを形成した。そしてSGはハイマーディンガーもバン、DFMはアジールをピックし、SGはカウンターのコーキをピックした。

試合は序盤からDFMが優位に立つ。試合時間3分になる前のDFMキンドレッドのボットガンク、DFMブリッツクランクがSGスレッシュを打ち上げてつかまえてキルをもたらし、さらにフラッシュからグラブを放ちSGミス・フォーチュンにフラッシュを強制する。

さらには5分にミス・フォーチュンにグラブを当てて引き寄せ、スレッシュのランタンで逃げる瞬間を狙い打ち上げ、これもDFMにキルをもたらした。6分30秒にはミッドレーンへとブリッツクランクがロームする。SGコーキをグラブで引き寄せ、フラッシュで逃げたコーキが移動先で打ち上げられたところをDFMアジールがトドメを刺す。

この後、SGはボットで2キルを返すも、DFMアフェリオスにも1キル渡してしまう。そして8分30秒にはまたしてもミッドレーンにブリッツクランクが出現。SGコーキをつかまえてDFMアジールがキルを取り、ブリッツクランクがDFMのキャリーをどんどん成長させていく。

20分過ぎにSGはDFMキンドレッドをリコールさせて人数差をつくり、集団戦で勝利してドラゴンも獲得する。しかし、DFMの戦略はSGを上回っていた。

デスから復活したDFMは、SGがドラゴン周辺に集中しリソースを割いていたことからバロンへと直行、キンドレッド、アジール、アフェリオスの継続火力に優れるチャンピオンをそろえたDFMはあっという間にバロンを獲得する。急行したSGはキンドレッドとブリッツクランクの2キルをとることに成功したが、DFMの他の3人には逃げられてしまう。

DFMはバロンバフを持たないアジールを単独でトップレーンに、他4人がボットレーンに集合してSGのタワーを攻略していく。SGが単独行動しているアジールを取り囲み倒す間に、DFMはボットレーンのインナータワーからインヒビターまで破壊する。

試合時間27分、ドラゴン裏のジャングル内にDFMナーがテレポート、DFMアジールがウルトで作った壁にナーのウルトでSGのトランドルとエイトロックスを叩きつけてスタンさせるスーパープレイ。DFMはこの集団戦でノーデッドでエースを獲得し、誰もいないSGネクサスを破壊、勝利した。


Game 3

あとがなくなったSGは、2ゲーム連続で使ってきたトランドルを自らバン、ジャングラーにはジャーヴァンIVをピックする。DFMはトランドルのためにバンを逃れたセトをピック。セトは現在トップ、ジャングル、ミッド、サポートの4ロールでフレックス性を持つため、プロシーンで要注意のチャンピオンのひとりである。

SGはDFMがセトをピックした後にジャングルチャンピオンを2体バンしたが、DFMはセトをジャングルに起用し残るピックは他のロールに当てた。無論、SGが他のジャングルチャンピオンをバンしたためにセトがジャングラーになったという結果でもあるのだが、貴重なバン枠の効力を下げる作用を持つのがフレックスチャンピオンの強みである。

このゲーム、序盤からスキルの強い両チームのジャングラーが仕掛けていくが、ゲームが動いたのは9分過ぎ、SGジャーヴァンIVがウルトでDFMアフェリオスをつかまえたところに、SGのミス・フォーチュンとジグスのウルトが同時に浴びせられる。事前にフラッシュを使わされていたアフェリオスはデッド、ファーストブラッドをSGが得た。

さらに11分過ぎに再びSGがボットにガンク、3キルを獲得したSGはスノーボールを開始する。25分には集団戦の勝利からSGがバロンを獲得し有利を広げる。

試合時間27分、ボットインヒビタータワーを攻略していたSGは、前に出てきたDFMアフェリオスにジャーヴァンIV、ジグス、ミス・フォーチュンのウルトをすべて使ったオールインを敢行。しかし、わずか10秒前にアフェリオスが購入したばかりのストップウォッチを使用してダメージの大半をやり過ごすと形勢は逆転、DFMは犠牲を出さずに4キルを獲得した。

そして32分30秒、DFMアジールのミッドレーンへのテレポートから始まった集団戦でまたしてもDFMはノーデッドで4キルを獲得、SGに残されたのはエイトロックスただひとり。ゲームエンドかと思われたが、ネクサスタワー1本を残してSGは守りきることに成功する。DFMはSG本陣から直接ドラゴン獲得に向かったのだが、DFMにとってこれは失策だった。

SGはDFMの装備が整っておらず体力も低いのを確認すると、逆にバロン獲得を狙う。SGはバロンを獲得したものの、駆けつけたDFMに2人が倒される。この人数差からDFMは再びSG本陣を攻めるのだが、バロンバフのついたミニオンとSGの豊富な範囲スキルに阻まれて逆に2人が倒され跳ね返される。

今度はSGがDFMを攻め上げてミッドのインヒビターを破壊しなおも前進、しかしここで倒されたDFMのチャンピオンが復活し5v5の集団戦になる。DFMのナーの行動妨害が真っ先にSGミス・フォーチュンを捕まえてキル。集団戦の負けがないと見たDFMアジールが、SG本陣の近くまで進んでいたミニオンへとテレポートしてバックドアを狙う。だがそれを察知したSGは、バロンバフで倍の速さになったリコールで本陣へ戻り、アジールを倒してネクサスを死守する。

この段階で両チームのドラゴンを倒した数は共に3体。守りの薄くなった互いのネクサスと、獲得できればとても強力なマウンテンソウルの存在で戦場にさらなる緊張が生まれる。ドラゴン周辺の視界を取っていたSGに対し、ひそかにトップサイドに人数を集めるDFM、SGもそれを察知し急いで戻る。するとDFMはナー以外がドラゴンへと移動、SGもDFMを追いかけるがここでナー、さらにアジールまでもが姿をあらわしてバックドア開始。SGはドラゴンには到達したものの、目の前でDFMがマウンテンソウルを獲得。

そうなるとSGは急いで本陣に戻らなければネクサスが破壊されてしまう。最後尾にいたSGスレッシュはイグゾーストとフックで懸命にDFMのナーとアジールの攻撃を妨害する。1本しかなかったSGのネクサスタワーが破壊され、ネクサスの体力もどんどんと削られる中で、ようやくSGの他のチャンピオンが戻る。

ネクサスへ攻撃を集中するDFMにSGが決死の猛攻を仕掛けた結果、SGのネクサスは残り体力が1割もない状態で守られ、DFMは4人が倒された。この後、SGはDFMのネクサスタワーとネクサスをジグスとミス・フォーチュンの2人で10秒もかけずに破壊し、SGの勝利となった。


Game 4

SGはここまで3ゲーム連続でDFMがピックしてきたアフェリオスをバンしてミス・フォーチュンをピック。するとDFMは、前日からこの瞬間まで見せなかったセナをピック。セナもアフェリオスと同様に、度重なる弱体化を受けつつも世界でピックされ続けている強力なチャンピオンである。

セナがピックされたとなると、その隣ですくすくと成長するタンクチャンピオンの対策が欲しいが、SGはすでにミス・フォーチュンという対タンク能力の低いADCをピックしてしまっている上に、トランドルはSG自らバンしている。SGはウインレーン・ウインゲームのドラフトをして早々にゲームを畳む選択をした。

試合序盤はSGはレーンで有利をとれてはいたものの、9分過ぎにヘラルドで集団戦が起き、DFMがファーストブラッドを獲得する。SGは11分過ぎ、ドラゴンが出現する時間からずらすことでDFMの意表を突きボットレーンで3キルを獲得し逆転する。

しかし、この時間をずらした行動の結果、ボットレーンでドラゴンが出現するまでの時間にトップレーンにDFMパンテオンがガンク、SGエイトロックスをキルしたのちにヘラルドを召喚しタワーを攻撃、アウターからインナーまで一気に2本タワーを破壊する。SGはその間にドラゴンと2キルをボットレーンで獲得していたが、タワーに対してはプレートを2枚破壊できただけだった。

激しいトレードが繰り返されるのだが、チーム間のゴールド差が2000ゴールドを超える瞬間は終盤までなかった。つまり、無限にスタックが伸びるセナと味方のアイテムを強化できるオーンをピックしたDFMが、実質的に有利になっていく。

試合時間34分過ぎ、これ以上の時間の浪費はまずいと焦ったか、SGは強引にバロン攻略を開始する。DFMは即座に察知し急行するも、SGがバロンをなんとか獲得する。しかし、DFMは陣形の取れていないSGを2キル、さらに瀕死の状態で必死に逃げるSGジャーヴァンIVをわざと倒さないで追い続ける。

なぜそのようなことをするのか、ふざけているわけではない。SGがバロン攻略を開始したのは、ドラゴンが出現するちょうど合間の時間であった。これから出現してくる、DFMからすれば4体目のドラゴン、オーシャンソウルを確実に手に入れるために、その瞬間にSGジャーヴァンIVが間に合わないようにDFMは調整していたのだ。

その策略に気がついたジャーヴァンIVは、自ら倒されるように動き力尽きる。SGはジャングラー不在でもなんとかドラゴンを奪取しようと必死で抵抗したが、DFMのジャングラーは大一番で失敗することはない。試合時間36分、オーシャンソウル獲得はDFM。

DFMは時間をかけるほど強くなるセナがいるため、急ぐ必要はない。対してSGはエルダードラゴンとバロンの2択を迫られて、どちらかを奪われた瞬間に勝ちの目がなくなる。

試合時間31分間近、エルダードラゴン出現の約1分前にSGはミッドをプッシュしたのちに再び強引なバロン攻略を開始する。しかし今回はDFMが間に合い、SGがバロンを倒すよりも先にDFMは3キルを獲得、DFMはそのままSGの本陣に攻め込み、ネクサスを破壊、DFMが勝利した。

試合結果
× SG 1 - 3 DFM ○


LJL 2020 Spring Split 優勝はDetonatioN FocusMe!

SG vs DFM 感想

歴史が変わったと評価されたRound 2のDFMの敗北は偶然ではなかった。あの時は確かにSGがDFMを上回っていた。

しかし、幸か不幸かRound 2からFinalsまでに今年は1カ月の期間があり、環境も少なからず変化した。この期間に調整し、環境に対応したのがDFMだった。

リーグ・オブ・レジェンド』というゲームはカジュアルに楽しむプレイヤーに対しても平等に、定期的に環境が変わるパッチが来る。この変化に順応し、その環境で強い行動をとることができるチームが『LoL』における強者たり得るのである。

もしもRound 2と同じ環境での決勝戦ならSGが勝利していたのかもしれないし、あるいはDFMの修正力が上回り結果変わらず勝利していたのかもしれない。しかし、未曾有の災害下で行われた2020年春、日本のプロシーンの頂点に立ったのは、間違いなくDetonatioN FocusMeだった。

「MSI」は中止、Summerは6月13日よりスタート

今年の「Mid Season Invitational 2020」は延期の末に中止が決定し、世界と戦うチャンスは失われてしまった。

しかし、Finals配信の終わりに、次の「LJL 2020 Summer Split」の開始日が6月13日(土)になることが発表された。

新型コロナウイルスの影響により長引いてしまったレギュラーシーズンを終えて、各チームとも春に構築したチームの課題を認識し、熟練度をさらに高めてくるだろう。そして、今回勝利したDFM、あと一歩のところで敗れたSGもまた、ともに高め合い、さらに強いチームとなって夏に挑むはずだ。

「LJL」ファイナルの試合は、海外からも注目を集めていた。BlankとPireanという注目すべき強者がいたことも事実だが、「LJL」自体に興味を持つ人も増えていることがうかがえる。

6月から始まる夏シーズンで、リーグとしてさらに成長した「LJL」を見られることに期待したい。


リーグ・オブ・レジェンド:ttps://jp.leagueoflegends.com/ja-jp/
LoL Esports:https://watch.lolesports.com/

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