DFMがV3を制す!「LJL 2020 Spring Split」プレイオフ ラウンド3 ハイライト

2020.5.15 eSports World編集部
5月3日、「LJL 2020 Spring Split」のプレイオフ ラウンド3がオンライン試合で開催された。

今回はその試合のハイライトをお届けしよう。



Round 3、Finalsの注目ポイント

LJLの歴史が変わったと評されたSengoku Gamingの勝利とDetonatioN FocusMeの敗北、そしてV3 EsportsのCrest Gaming Actに2本先取された状況からの逆転劇リバーススイープから、この日まで1カ月以上が経過し、試合で使われるパッチは10.5から10.8に変化。

選手のプレイ環境も、ヨシモト∞ホールのステージからそれぞれのゲーミングハウスのデスクとなっている。

パッチ10.8の状況


パッチ10.8の世界的に見た環境を紹介する。



まずADCがヴァルス、ミス・フォーチュン、アフェリオスといった機動力のないチャンピオンがメタの上位に存在し、弱体化されたもののサポートを育てられるセナ、機動力の高いカリスタも存在する。

これらのベタ足ADCとカリスタ、セナに対してまとめて対策になっているのが、ジャングルでピックされるトランドルである。範囲スロウでベタ足ADCを捕まえる(カリスタはスロウがかかると機動力が著しく下がる)、敵のタンク能力を下げる2点で強力なカウンターとなっている。

弱点は自身もベタ足であること。トランドルに対してピックされるのが、グレイブスなどの機動力の高いジャングラーである。このようなベタ足ADCに対して圧力をかけることを目的としたピック、それに対するカウンターピックが他のロールでも散見される。

Round 3 DetonatioN FocusMe vs V3 Esports

今季の直接対決の戦績は1勝1敗。DFMのレギュラーシーズン14試合中わずか2回の敗北のひとつがV3によるものである。

DFMはこの敗北時にはすでに1位通過が確定していたため、実験的・挑戦的な試合をしていた可能性はある。過去の成績を見ればDFMが上位であるのは明白な事実だが、V3もこの舞台に進んできた強さを持っている。

Game 1

V3はグレイブスをファーストピック、カウンターになると知りつつもDFMはトランドルをピックする。V3は戦に強い構成、DFMは脅威ヴァルスとゼラスでポークに強い構成を作り上げた。

序盤の展開は静かながらもDFMが全レーンで優位に立ち回る。しかしV3も食らいつく。

試合時間12分、DFMトランドルのビルドが更新されていないのを確認したV3はドラゴン攻略を判断する。結果ドラゴンはV3が獲得できたものの、DFMに2キルを奪われてしまった。しかし、ここでドラゴンをV3が獲得していたことがゲーム展開に大きな影響を与えた。

この2キルからスノーボールを開始したDFM、試合時間24分にこのゲームで4番目に出現したドラゴンを獲得したものの、まだ獲得したドラゴンは3体目でエレメンタルソウルに届かない。これ以降、ビルドが整ってきたV3に対してDFMのスノーボールが止まり、逆に押されはじめる。壊滅的な集団戦は両チームたくみに避けながらも、ドラゴンを連続で獲得したV3は40分間近にオーシャンソウルを獲得、続けてバロンバフまで獲得する。

大きな有利をとったV3だったが、ボットインヒビターを狙うタイミングで、前に出過ぎたミス・フォーチュンが倒されてしまい勢いが止まる。勝負は試合時間46分のエルダードラゴンの出現まで長引くことになった。

先にエルダードラゴンに手を出したのはV3、妨害に向かうDFM。エルダードラゴンから反転して集団戦に挑むV3だが、またしてもミス・フォーチュンがDFMのスキルを受けてしまい何もできないまま倒される。総崩れとなったV3はグレイブスによるエルダードラゴンのスティールに一縷の望みをかけたが、DFMは先にグレイブスをキル、万にひとつの逆転の可能性すら消してエルダードラゴンを獲得した。

この後、バロンバフも獲得したDFMはボットレーンから押し進みネクサスを破壊、50分を超える長時間の試合を制したのはDFMだった。


Game 2

ジャングラーは互いにV3グレイブスとDFMトランドルのマッチアップを継続。チャンピオンは異なるが構成はDFMがポーク構成、V3は集団戦向けの構成でGame 1と似たかたちとなっている。

この試合ではV3スレッシュのフックが冴えた。試合時間6分にDFMヴァルスとカルマの強力なポークに押される中、一瞬の隙をついてカルマにフックを命中させてV3にファーストブラッドをもたらす。

その後9分に両チームがヘラルドへと集まるタイミングでも、DFMトランドルにフックを当て集団戦の勝利とヘラルドをV3にもたらした。これによりV3がスノーボールを開始する。

その後も、集団戦のタイミングで背後にテレポートしてきたDFMのチャンピオンを、スレッシュが止めるプレイを21分と24分に見せる。これによりV3は4連続でドラゴンを獲得、マウンテンソウルのバフを得る。

しかし27分からのバロンを狙う集団戦、V3優位に見えたが、DFMヴァルスの遠距離スキルでV3スレッシュが倒されたことで雲行きが怪しくなる。続く30分にミッドで起きた集団戦では、DFMが3キルを獲得し、エルダードラゴンの討伐まで達成する。

エルダードラゴンの強力なバフを背景にバロン攻略を開始したDFMだったが、ポーク構成の弱点であるバロン攻略の遅さが仇となった。この弱点を補うためにも、V3メンバーを減らしたいDFMはバロンを攻略途中で反転、V3のランブルを倒してバロンを再開するもののやはり遅い。再び反転したものの、今度はV3がDFMカルマを倒し、全体的な体力でもV3が有利になる。

V3はミッドレーンを一息に押し込みインヒビターを破壊。ミッドレーンをV3のスーパーミニオンが押しあげてくるため、DFMはその対応をしなくてはならない。その隙にV3がバロン攻略を開始、DFMはそれを察知して急行したのだが、ここでまたしてもV3スレッシュのフックが冴えわたる。

DFMは集団戦で敗北し、人数差を作ったV3はミッドレーンから本陣を攻め込みネクサスを破壊、勝利した。


Game 3

DFMはグレイブスをBANしてトランドルをピック、V3は対トランドルの二の矢にレク=サイをカウンターピックする。さらにV3は、ダイバー(敵陣深くに飛び込む能力をもつチャンピオンのこと)である、レク=サイについていくことができるガリオをピック、DFMは長射程で安定が得られ、タワー破壊も早いジグスをカウンターでピックする。また、DFMはヴァルスからアフェリオスにピックを変更し、継続的なダメージを出せる構成に変化させている。

今回は、試合開幕からDFMがV3のボットサイドジャングルにグループして侵入する。V3がこれを察知してDFMのトップサイドへ侵入したことにより、ジャングルの縦割りが行われた。トップサイドがV3有利に、ボットサイドがDFM有利になる構造である。

これにより序盤のレーニングが苦しくなったV3のボットレーン、早々にV3ユーミのサモナースペルを2つとも消費させられてしまう。ミッドレーンでV3レク=サイがDFMトランドルをキルしたものの、一方的な不利を背負ったV3のボットレーンの立て直しにはつながらなかった。

6分過ぎからドラゴン周辺に両チーム全員が動いた集団戦では、V3のミス・フォーチュンにDFMノーチラスのフックが当たり開戦、DFMは一方的に5キルを獲得し、スノーボールが始まった。度重なる弱体化を受けたアフェリオスだが、それでも序盤にキルを得たときの強さは凄まじい。この後、ボットレーンで罠を張りさらに2キルを得たDFMアフェリオスを止めることはできなくなった。

アフェリオスがいる集団戦にDFMはすべて勝利し、21分に早々にバロンを獲得した後はボットレーンから全員でV3本陣を攻撃、試合時間25分足らずでDFMが勝利した。DFMアフェリオスの最終的なKDAは13/0/2であった。


Game 4

V3は自らグレイブスをBANする。DFMは4試合連続でトランドルをピック、V3はGame 3と同じくレク=サイでカウンター。またADCはV3がアフェリオス、DFMがミス・フォーチュンをピックしGame 3とは逆になっている。

この試合の展開もGame 3同様に早かった。試合時間6分、ボットレーンでの両チームのジャングラーとミッドレーナーを含んだ4v4の集団戦に勝利したのはDFM。1デッドと引き換えにDFMは4キルを獲得し、スノーボールを開始する。V3も細かい戦闘でキルは得るものの、オブジェクトに繋がらない。

試合時間22分30秒でクラウドソウルを獲得したDFMに対し、V3はDFMミス・フォーチュンを倒してからバロン攻略を開始する。しかし、V3オーンのテレポートをDFMアジールに止められてしまい、アジールだけがテレポートで駆けつけることで人数差の有利がつかない。このバロン前での集団戦でDFMが勝利、バロンバフをDFMが獲得する。

27分にはDFMは全レーンからV3の本陣を攻撃、V3は最後の反撃を仕掛けたが跳ね返される。DFMはネクサスを破壊、DFMがGame 4でBo5勝利を決めた。

試合結果
○ DFM 3 - 1 V3 ×


DFM vs V3 総評

DFMはGame 1では継続火力に欠ける構成をとったことで中盤に苦戦。Game 2では中盤以降の瞬間火力に長けた構成にしたが、V3の個人技に跳ね返されてしまった。Game 3とGame 4では継続火力に長けた構成に作り替えたことで、序盤の有利を手放すことなく早期にゲームを終わらせることに成功していた。

V3はGame 1では勝利のチャンスがあったにも関わらず、ひとつの失敗から手放してしまっていた。Game 2ではDFMの仕掛けるポイントを個人技で丁寧に潰すことで勝利することはできたものの、Game 3とGame 4ではマクロな判断で常にDFMに先手を取られ、逆転の機会は存在しなかった。

結果的に、DFMがチームとしてV3を上回っていた。

この結果を受けて、Spring Splitの決勝戦は、Sengoku Gaming対DetonatioN FocusMeによるBo5で争われることとなった。


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