【VALORANT】「運ゲー」とも見て取れるフォーマットに非難殺到——国際大会進出がかかる大一番の大会「VCT ASCENSION PACIFIC TOKYO 2024」に厳しい意見が飛び交う

VALORANT』の国際大会「VCT Ascension Pacific Tokyo 2024」(以下、Ascension Pacific Tokyo)の大会概要が公開され、Xでは非難の声が相次いでいる。


ざっくりと説明すると、「Ascension Pacific Tokyo」はTier2(2軍)のチームがTier1(1軍)ともいえるインターナショナルリーグ昇格を目指して競う大会で、現在開催中の国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2024 Split 2」で勝ち上がることで、ようやく出場することができる非常に長い道のりで、非常に重要な大会である。

昇格できれば来シーズンに大きなアドバンテージが得られる貴重な大会にも関わらず、変則的で不公平なフォーマットが公開されたことで、ファンはもちろん国内で活躍しているチームのオーナー、キャスター陣などから厳しい意見が飛び交っているのだ。

コミュニティーでは「誰がこんな酷いフォーマットを考えているのか」「選手にもファンにもリスペクトがない」「両グループのチームC、D有利すぎだろ」といった不満の声であふれている。

振り分けられた時点で格差が生まれるグループステージ


まず最初に行われるのが下記のGSL方式をベースとしたグループステージ。ぱっと見でもわかるいびつなトーナメント表を見ると、C、D、Eに割り当てられたチームは1勝でプレーオフに進出できるのに対し、A、Bに割り当てられたチームは2勝しなければプレーオフに進出できないようだ。

▲グループステージのフォーマット。ダブルエリミネーションということも相まってC、D、Eのアドバンテージがかなり高いように思える

なお、本大会はAPAC(アジア太平洋地域)から選ばれた上位10チームが出場するため、各国の代表が出場することになる。どのようにグループ分けされ、どのように割り振られるかはまだ告知されていないが、どのような条件でシード側に選ばれるのかを明確にしない限り、なかなか納得できるフォーマットではない。

インターナショナルリーグ進出をかけたプレーオフがまさかのシングルエリミネーション


そんな変則的なフォーマットであるグループステージを勝ち抜き、プレーオフに進出したチームに待ち構えているのは、1発勝負のシングルエリミネーションである。

▲プレーオフのフォーマット。負けたら即敗退という非常に厳しい対戦だ

なお、昨年の Ascension Pacific 2023もプレーオフはシングルエリミネーションではあったものの、グループステージは総当たりとなっており、各チームが平等にプレーオフ進出のチャンスが得られていた。今回は、グループステージの時点で格差が生まれているだけに、プレーオフのシングルエリミネーションは非常に酷な話である。

ちなみに、昨年開催されたAscensionリーグの中でプレーオフがシングルエリミネーションなのはAscension Pacificのみ。同様にインターナショナルリーグ進出を目指すAscension EMEAやAscension Americas、Ascension Chinaといった、そのほかの地域ではすべてダブルエリミネーションなのだ。

なぜ、Ascension Pacificだけがシングルエリミネーションでなければならないのか——。また、先のシードの状況によっては、グループステージで2勝するだけでプレーオフのセミファイナルまで確定するのも疑問が残る。

どういった理由でこのフォーマットになったかは定かではないが、キャスターを務める岸氏や、SCARZオーナーの友利氏、REJECTオーナーの甲山氏など、多くの関係者が苦言を呈している。







日本における『VALORANT』の競技シーンでは、Tier2にあたるVALORANT Challengers Japan(国内リーグ)と、Tier1にあたるVCT Pacific(インターナショナルリーグ)には、環境的にも待遇的にも大きな隔たりがあり、国内で活躍しているチームは年間通して、このインターナショナルリーグ進出を目指し、身を削る思いで戦い続けているのである。

1年間必死に戦い抜いてようやくたどり着いた大会が、こんな不平等なフォーマットではTier2で活躍しているチームのモチベーションが保たれないのではないだろうか。

昨年のAscension Pacific 2023では、技術的なトラブルで試合時間が深夜までにおよび、選手たちは眠い目をこすって大会に出場していたなど、Tier2のチームはしばしば不遇な状況に立たされている。

参考:
【SCARZ 独占インタビュー】SCARZファンがPARCO劇場に集結!——Kr1stalが試合中ミニマップをほとんど見ないという驚きの事実が発覚!

今年はAscension Pacific Tokyoが国内で開催されるという、うれしいニュースが前提にあっただけに、今回のフォーマットで落胆している人も多い。先日発表となった「VALORANT Challengers Japan 2024 Split 3」についても、やや懐疑的な声があふれている中、Riotの迷走は否めない。

参考:
https://valorantesports.com/ja-JP/news/valorant-challengers-japan-2024-split-3-format

なお、Ascension Pacific Tokyoに出場するチームを決定する「VALORANT Challengers Japan 2024 Split 2」は本日から7月28日(日)の期間に開催される。

Tier2の選手が実力を発揮できる場が増えることを願う。

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