【合同インタビュー】XQQ「個人個人のゲーム理解度も合わせて上げる必要がある」——『VALORANT』の国際大会「VCT Pacific 2025 Stage 1」で日本代表の🇯🇵ZETAあと1歩のところでプレーオフ進出を逃す

2025.4.21 nemuminimizu
現在、韓国ソウルで開催中の『VALORANT』最高峰リーグ「VALORANT Champions Tour Pacific 2025」(以下、VCT Pacific 2025)。

3月22日(土)から開幕した「VCT Pacific 2025 Stage 1」も最終戦を迎えている。大混戦となったVCT Pacific 2025では、今年からインターナショナルリーグ昇格の🇮🇩BOOM Esportsが4勝0敗でグループ首位通過。Champions 2024にも出場した🇸🇬Paper Rexが最終戦でなんとかプレーオフ進出を決めるなど、誰も予想できない展開に。

4月19日(土)時点でプレーオフ進出を決めたのは7チーム。🇯🇵ZETA DIVISION(🇯🇵ZETA)は最後の1枠をかけて運命の最終決戦に挑んだ。

▲🇯🇵ZETA戦前のプレーオフ進出状況。プレーオフに進出するためには、なんとしてもこの試合に勝たなければならなかった

対戦相手の🇰🇷Nongshim RedForce(🇰🇷NS)も🇯🇵ZETAと同じく2勝2敗。勝った方がプレーオフ進出、負ければ敗退となる。VCT Pacific Kickoffでは0:2と完封負けを喫した🇯🇵ZETAだがーー。

第1マップはロータス。Dep選手の代打で急遽スタンドインしたTenTen選手のファーストブラットを皮切りに🇯🇵ZETAがファーストラウンドを取得。その後は、🇰🇷NSのうまい立ち回りやプラント後のスキル合わせに苦戦し、8:4で折り返し。後半はラウンド差を縮めたい🇯🇵ZETAが硬いサイト守りを崩すことができずに、13:6で🇰🇷NRがプレーオフ進出へ王手をかけた。

▲第18ラウンド。エコラウンドの🇰🇷NSに対して確実にラウンドを取得したい🇯🇵ZETAだったが、人数有利を作り出すもネオンのスライディングに対して完璧なエイムでクラッチを決めたmargaret選手(https://www.youtube.com/live/3y4nwcnTMpo?si=BI8yQNiimT6bIWKu?t=16980

第2マップはパール。🇰🇷NSの強いフィジカルと息のあったリテイクに苦戦しながらも、🇯🇵ZETA本来の勢いを取り戻しはじめる。しかし、margaret選手のマルチキルが目立つなど前半は5:7で折り返し。後半は🇯🇵ZETAがファーストから2ラウンド連取で同点に追いつくとTenTen選手のオペレーターが刺さり、12:8でマッチポイントに。遅延アビリティ多めの🇰🇷NSの守りに苦戦するもなんとか13:11で🇯🇵ZETAがマップ取得した。

▲第24ラウンド。1on3の状況を作り出した🇯🇵ZETAだが、Ivy選手が2キルを取りワンチャンスを作り出した。しかし、最後はSyouTa選手の落ち着いたプレーで🇯🇵ZETAが勝利した(https://www.youtube.com/live/3y4nwcnTMpo?si=BI8yQNiimT6bIWKu?t=21105

第3マップ スプリット。🇯🇵ZETAがピストルラウンドを取得すると勢いそのままに2:6と突き放す。その後はmargaret選手のACEなどが飛び出し、🇰🇷NSも追い上げを見せ5:7で折り返し。後半はピストルラウンドを🇰🇷NSが取得するとそのまま8:7で逆転。Ivy選手のデッドロックに苦しめられ、なんと攻めでは1マップも取得できずに13:7で敗戦。🇯🇵ZETAのプレーオフ進出は叶わなかった。

今回はそんな試合直後の🇯🇵ZETA TenTen選手とXQQコーチの合同インタビューに参加した様子をお届けしよう。

TenTen選手(22)


🇯🇵ZETAのエースでもあるDep選手が「インピンジメント症候群」の治療に専念するため急遽🇯🇵ZETAに加入。ビザの関係で韓国在住、日本語でコミュニケーションが取れるデュエリストと厳しい条件にマッチし、夢のインターナショナルリーグへ。

現🇰🇷T1のMeteor選手の弟でもあり、過去には日本の競技シーンでも活躍。加入後初戦となった🇹🇭TALON Esports戦では、十分な練習期間を得られてないのにも関わらずACS 251をマークしチームを勝利に導いた。

練習でできるものが必ずしも大会でできるわけではない


——まずは今日の感想からお願いいたします。

XQQ:今日に関しては🇯🇵ZETAのいいところが見れたと同時に悪いところもたくさん見れた日だったと思います。

プレーオフ進出をかけたプレッシャーのかかる一戦において、みんなよく頑張ってくれました。特にTenTenは、大会でみんながよく喋ってコミュニケーションが難しくなる中で戦い抜いてくれて、TenTenやチームには感謝したいです。

ただ、僕たちが抱えている問題というのはずっと変わらずあるものとして、それをStage 2までに直していかないとな、と再確認できた日でした。

▲ロータスの第7ラウンド。BメインとCマウンドを取りに行く🇰🇷NSに対して完璧なカウンターアビリティとエイム力で制圧する🇯🇵ZETA(https://www.youtube.com/live/3y4nwcnTMpo?si=BI8yQNiimT6bIWKu?t=15544

——Stage 2に向けて今抱えている問題をどのように直していくのか。また、Stage 1で良くやれたなと思う部分はどこでしょうか。

XQQ:Kickoffから少人数戦だったり、中盤以降の動きという部分に問題を抱えていました。チームとしてそれに対してはうまく修正を図っていたのですが、練習でできるものが必ずしも大会でできるわけではないと感じました。

いいところに関しては、チーム内のコミュニケーションにおいてTenTenもしっかり日本語喋れますし、他全員が日本語喋ってコミュニケーションとって、IGLのCLZのみならずチームとして、自分たちがやりたいことを試合中に作り上げていくのはStage 1において良かった部分だと思います。

——現在のVCT Pacificのレベルの高さの印象をうかがいたいです。目指す場所はChampionsだと思います。このStage 2勝ち上がっていくためにどのようなチームを目指していきたいか教えてください。

XQQ:Stage 1が終わり、Stage 2が目標になっていきますが、KickoffからStage 1において僕たちはコーチが変わったり、選手が変わったり、いろいろとトラブルが多くて試合に集中できない期間もあるにはありました。

どのチームも問題や苦難を抱えているのは同じことなので、僕たちがStage 2までにしっかり集中して練習をする必要があります。僕は、全員が同じラインでゲーム理解をできていない部分が一番大きいなと思いますし、それが原因となっていろいろなズレや判断スピードや出てくるアイデアが変わったり——。そういう部分を普段の練習から高めておかないと、大会で緊張してプレッシャーのかかる場面でいつものようにプレーできなくなったり、判断できなくなるのかなと思っています。

——共通認識をしっかりと固めていくというイメージでしょうか?

XQQ:共通認識を固めるのもそうですし、プレーヤー個人個人のゲーム理解度も合わせて上げる必要があるのかなと思っています。

VCT Pacificでプレーできてうれしい


——VCT Pacificで戦ってみた感想を教えてください。

TenTen:VCT Pacificでプレーできてうれしい気持ちもあるし、今日負けて僕の実力、どのくらいまでいけるのか確認もできて今は悔しいです。

——会場にDep選手もいらしてました。何か会話をされましたか?

TenTen:Depさんは、「TenTenならいける」って話してました(笑)。

▲治療のためロスターを一時的に外れたDep選手。日本に帰国していたが、最終戦に合わせて韓国に駆けつけたようだ

——第1マップから第3マップにかけて尻上がり的に🇯🇵ZETAの調子が上がってきて良さが出ているなと感じました。コーチ目線ではどうだったでしょうか。

XQQ:ロータス(第1マップ)に関しても、僕たちが🇰🇷NSの攻撃に対応できている場面はかなり多くて、ただそれがラウンド後半にかけてできなくなったり忘れてしまう部分があったので、チームのエンジン的には最初から悪くなかったかなと思います。

といいつつも、プレッシャーかかる試合において1試合目から凄く勢いもってプレーするのは本当に難しいことだなとロスターが変わっても思いますね。

ただ、BO3において相手のピックマップを勝ち切って、ディサイダーマップ(第3マップ)の防衛でしっかりとラウンドを取れていたのは僕としてはうれしいことではあります。

——第3マップ目では気迫あふれるシーンが多くみられました。第1、2マップでは緊張がありましたか?

TenTen:ロータスの時はエイムが全然ダメで緊張していたんですけど、パール(第2マップ)からはオペレーターも当たるし、味方とコミュニケーションも取れるし自信は持てました。

最終マップでは自分がマジで強いイメージがあって、今日勝ったという考えも持ってプレーしていたんですけど、とんでもないショットが当たってデスして、これ悔しいなと思っていました。

▲感情を全面に出し、ガッツポーズで「ナイス!」と叫ぶ場面も

——ありがとうございました!

まとめ


あと1歩のところでプレーオフ進出を逃した🇯🇵ZETA。グループ1位通過もあり得た状況からプレーオフ進出できないほどの大混戦を見せたVCT Pacific。しかし、🇯🇵ZETAの可能性を見せる試合運びはStage 2への期待が高まる。

またDep選手の復帰も予想されStage 2へ向けてどのようなロスターになるのかも非常に楽しみだ。


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■配信アーカイブ
NS vs ZETA MAP1:Lotus
URL:https://www.youtube.com/watch?v=3y4nwcnTMpo&t=14018s

NS vs ZETA MAP2:Pearl
URL:https://www.youtube.com/watch?v=3y4nwcnTMpo&t=17666s

NS vs ZETA MAP3:Split
URL:https://www.youtube.com/watch?v=3y4nwcnTMpo&t=21694s

■関連SNS
VALORANT // JAPAN:
https://x.com/VALORANTjp

VALORANT Champions Tour JAPAN:
https://x.com/valesports_jp

■配信URL
Twitch:
https://www.twitch.tv/valorant_jpn

YouTube:
https://youtube.com/@VALORANTjp


編集:いのかわゆう


【nemuminimizu プロフィール】

学生時代、『CoD』をはじめFPSにハマる。その後は『APEX』や『VALORANT』などのタイトルをプレー。アーティストの楽曲や企業用BGMなどを手がける作曲家とフリーランスのライターの二足の草鞋を履いて幅広く活動中。無類のラーメン好き!

X:@ongakucas
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