【Riot Games ONE 2024】 SHG Evi選手インタビュー「SHGは『LCP』ではベスト3だが、1位も十分狙える!」

2024.12.17 宮下英之
ライアットゲームズによる2024年最後の集大成ともいえる一大イベント「Riot Games ONE 2024」のオフラインイベントが12月14日(土)〜15日(日)に、Kアリーナ横浜で開催された。その中で、『リーグ・オブ・レジェンド』のレジェンドプレーヤーを招待した「LEGENDS TEAM」と、日本のストリーマーチーム、そして2025年シーズンを戦う新生Fukuoka SoftBank HAWKS gaming」が戦うスペシャルマッチ「Legendary Legends Showmatch」が2日間にわたって開催された。

▲左からDyrus(トップ)、Perkz(ミッド)、InSec(ジャングル)、Bang(ADC)、MadLife(サポート) ※敬称略


今回は、日本が誇るトップレーナー、SHGのEvi選手にインタビュー。「LJL」王者として「PCS」で2位という好成績を残したSHGだが、このオフでジャングルのCourage選手、ミッドのFATE選手、そしてmomentコーチの加入が発表されて以来、公の場で戦うのは初。レジェンドとの対戦ということ以上に、新チームの仕上がり具合はファンにとっても興味津々だった。結果的に2日ともSHGが盤石の勝利を挙げた。Day1試合終了後の単独インタビューの模様をお届けしよう。

▲左からSHGのEvi選手(トップ)、Courage選手(ジャングル)、FATE選手(ミッド)、Marble選手(ADC)、Gaeng選手(サポート)


レジェンドとの試合には絶対負けられないし、負けない


──今日のレジェンドとの対戦について、どんな気持ちで戦われましたか?

Evi選手:まず1つ目に思ったのは、「絶対負けられない」でした。だって、さすがに現役でプレイしていない方たちに現役が負けたら、恥ずかしくてもう(試合に)立てないですよ。

──では、プレッシャーはかなり感じていた?

Evi選手:プレッシャーは結構あったんですけど、逆に「負けないな」という気持ちもありました。冷静にお互いの実力を見た時に、100%までは断言は絶対できないですが、安心できるレベルの勝率はあるだろうなとは思っていたので。だから、ちょっと嫌な「負けられない」という感じはありましたね。

──その割に、準備中にすごく顔がほころんでいたのが印象的でした。わくわくしていて楽しそうだなと。

▲いつものサムズアップを決めるEvi選手

Evi選手:僕の考えは「どんな試合でも楽しもう」ということで、結局人間って複数の感情を一気に持つことってできないと思うんです。まず「不安を感じる」ではなく「楽しむ」にすると、そもそも不安も感じないんですよ。なので、どんな試合も全部、まずは楽しむようにしています。


サインをもらったことのあるDyrus氏と直接対決!


──「Riot Games ONE」というイベントについて、こんなにファンの前でプレイすることも最近はなかなかなかったと思いますが、いかがでしたか?

Evi選手:そうですね。やっぱりファンの皆さんがこんなに多く来てくれていたから、それも加算されて余計に「負けられないな!」っていう思いはありました。

──実況・解説の中でもEvi選手とPerkz選手との浅からぬ縁が語られていましたが、他のレジェンドの選手で特別な思いがあった方もいましたか?

Evi選手:Dyrus選手は、本当に僕がゲームを始めた時から見ていたプレーヤーでしたし、彼自身も日本にちょくちょく来たこともあって。直接ではないのですが、人づてにお願いしてサインをいただいたりもしました。彼の現役最後のインタビューも今でも覚えていますし、本当に僕の中で「ザ・プロ」というリスペクトがあります。先ほども楽屋裏で少し話したんですが、緊張して「あああ……」みたいになっちゃって。それがちょっと心残りですね。

──でも、拳を交えた、という意味では……

Evi選手:そうですね。(ゲームの中で)語り合えました。

▲Day2はDyrusを代表する「ダンクシュートダリウス」と“エビケンチ”ことタム・ケンチのマッチアップも見られた


試合中のコミュニケーションが鍵。通訳はつけない


──「今回は負けるわけにいかないし、負けることはない」とのことでしたが、SHGは新しいメンバー、Courage選手とFATE選手、それにGaeng選手が加入して最初の試合になりました。新チームの現状はいかがですか?

Evi選手:(日本チームに初加入した)ふたりもコーチのmomentさんも実力的には申し分ないので、あとはやはりコミュニケーションですね。『LoL』は5人での意思疎通がすごく重要になってきますので、日本語の習得から始めてもらっています。いちからこのチームに合った意思疎通の方法とか、コミュニケーション方法を模索しながらやっている段階です。

──その点、迎える側のEvi選手はこれまでも韓国人選手を迎え入れた経験も数多くされていますよね。うまくいく秘訣はあるのでしょうか?

Evi選手:まず「通訳を絶対に入れない」ということは決めています。チームに通訳を入れてしまうと日本語を覚える必要がなくなってしまうので。(ふたりにとっては)今が一番つらい期間だろうと思います。

▲FATE選手は試合の合間にも日本語を勉強していたとのこと

──ただ、来年からSHGは「LJL」ではなく「LCP」に参加することになり、SHG自体も海外(台湾)でリーグを戦うことになりますよね。Evi選手は海外リーグへの参戦経験もありますが、その辺はいかがですか?

Evi選手:そんなに問題はないと思います。台湾は日本語も結構通じることも多いですし、簡単な英語なら選手もできますし、ご飯を食べるとか買い物するには全く困らないですから。基本的に僕らは拠点で練習することが多いので、日本以外の地域でリーグを戦うのも心配はないですね。


「LCP 2025」は全チームがめちゃくちゃ強い!


──今年を振り返ると、「LJL」はSpring、Summerともに1位で勝ち上がり、「PCS」でも2位と安定した強さを見せてくれました。来年は「LCP」になってベトナム地域のチームも入ってきますが、参戦が決まった8チームを見て意気込みはどうですか?

▲2025年の「LCP」に参戦する8チーム。日本、台湾、ベトナム、オーストラリアなどが参戦し、まさにアジアをまたにかけたリーグとなる

Evi選手:第三者目線で見ると、まず来季の「LCP」は全チームがめちゃくちゃ強いと思うんです。PSG Talonというチームは今年の「Worlds」においてNAを破るなど、もはやメジャーリージョンより強いですし、GAM Esportsも同じぐらいのパワーがあります。僕的には、SHGはベスト3の強さはあるし、もっと完成度を上げられれば1位も十分狙えるチームだと思っています。

──Evi選手が信じる2025年のSHGの強さの理由は?

Evi選手:T1という『LoL』において最強のチームで、メインコーチを4年間勤めていたmomentコーチが来てくれたことです。選手に教えることのできる限界値がすごく高いですし、その限界値を受け入れられるFATE選手、Courage選手の才能もすごく高いと思います。逆に、僕、Marble選手、Gaeng選手の努力と頑張りがすごく重要になると思いますね。

──SHGに残った選手や「LJL」歴が長いGaeng選手の方が大変というくらい、新加入のふたりは強いのですか?

Evi選手:そうですね。才能という面では十二分にあると思いますし、あとは彼らと息を合わせてひとつのチームになれるか、その1点です。

───

SHGは「LEGENDS TEAM」との対戦のみだったが、試合の内容を見てみても、Courage選手、FATE選手の力量、Gaeng選手の相変わらずの安定感はしっかり発揮されていた。DasheR選手、Forest選手、Vsta選手という強力なメンバーがいなくなったことへのファンの不安は、この2日間でかなり払拭されただろう。

2025年からの「LCP」は最初から国際戦の予選を戦うようなもの。2024年までの「PCS」にベトナムとオセアニアのチームまで加わり、これまでの「LJL」では経験できなかったような多様な戦術と向き合うことになる。

しかし、Evi選手の言葉から、2025年のロスターはきっと過去最強のSHGになるだろうという期待は非常に大きくなった。2025年1月から始まる「LCP」でのEvi選手とSHGの活躍が楽しみだ。


Evi選手のX:https://x.com/ebihuryahurya
Fukuoka SoftBank HAWKS gaming公式サイト:https://gaming.softbankhawks.co.jp/
Fukuoka SoftBank HAWKS gamingのX:https://x.com/lolesports?lang=ja
Riot Games ONE公式サイト:https://fistbump-news.jp/riotgamesone2024/


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