【インタビュー】tixx「追い詰められた状況の方がモチベーション的にもプラスの面になる」Fadezis「まだ出していない戦術がある」——Playoff進出を決めたSCARZの成長とは

2024.7.8 nemuminimizu
VALORANT』の公式国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2024 Split 2」(以下、Challengers Japan Split 2)。

5月20日(月)~6月28日(金)に開催されたMain Stageでは8チームが総当たりで対戦。最後のひと枠は最終戦となるFENNELREJECTの勝ったチームが獲得できるなど大混戦だ。

なおPlayoff進出できるのは上位6チーム。

▲Main Stage終了時点での順位表。6位以上のチームがPlayoffへと進出した。なお上位2チームはオフライン大会出場が確定

▲7月10日(水)〜11日(木)にオンラインで開催されるプレーオフのトーナメント表。こちらの結果でオフラインで進出チームと対戦カードが決定する

Split 1では7位に終わりAdvance Stageからの勝ち上がりを余儀なくされたSCARZ(SZ)だったが、ロスター変更を行い挑んだSplit 2では順当にAdvance Stageを勝ち上がり、Main Stageでもその実力を示した。

現在SZは3位とPlayoff進出を決めている。今回はそんなSZのリーダーであるtixx(てぃっくす)選手とFadezis(ふぁでじす)コーチにSplit 2の話をうかがった。

まだ出していない戦術がある


——まずはPlayoff進出おめでとうございます。率直な感想をお願いいたします。

Fadezisコーチ:結構、自信を持ってPlayoffに臨めると思います。というのも、Main Stageの段階で自分たちの戦術などを洗練していくことができました。

例えば、マップそれぞれを洗練したものにできたり、ミスがあったら修正したり、Playoffに向けてまだ出していない戦術があったり、攻撃防衛のどちらの面でもいろいろな手札が残っているのでかなり自信を持って臨めると思います。

tixx選手:ローワーから這い上がらないといけないという形になるんですけど、それでも自信はあります。

ゲーム内での改善はもちろん、ゲーム外でも個人的にチームとして仲良くなれているということもあって、関係性が親密になることで連携面や少人数戦での向上が見込めているのかなと思います。

——本日の対戦相手は同じくPlayoff進出を決めているMURASH GAMING(MRSH)でした。対戦してみた感想はいかがでしたか?

Fadezis:SCARZとしても昔のロスターで戦ったことのあるチームで、その頃に比べてReita選手やshoshiコーチといった経験豊富な人が入ったことで、さまざまな部分を改善してきたなと思います。それでも僕たちの方がより早く成長できたというか、そういった面でまた勝つことができました。

マップに関してはMRSHがピックしてきたアセントは予測の範囲内で、ちゃんと準備することで勝ち切ることができました。

アイスボックスではMRSHから弱点を見破られてしまい、痛いところを突かれた前半の防衛でしたが、そこはSCARZとしても修正して、またMRSHと戦うことがあれば同じようなことにならないようにしたいです。

tixx:MRSHはFadezisコーチが話していたようにとても強いチームだなという印象がありました。今回の試合もそうでしたがPlayoffでも油断したらやられるダークホース的なチームだと思います。

僕たちとしてもいいプレーはできましたが、最高のパフォーマンスとはいえない改善点が見えた試合でした。MRSHにも幸運を祈ります。

——試合前にオフライン確定チームが決まってしまいましたが、試合に対するモチベーションの変化はありましたか?

tixx:影響があったかという面では、「ない」といっていいです。アッパーに進めればチームとしてより良いところから始められたというのはもちろんそうですが、ローワーでも勝ち上がればいいわけですし、アッパーから余裕を持ってしまうよりかは、ローワーで追い詰められた状況の方がモチベーション的にもプラスの面になるのかなと思います。

——Split2ではREJECT(RC)、RIDDLE(RID)、FENNEL(FL)といった優勝候補相手に勝利を収めましたが、勝てた秘訣はありますか?

Fadezis:SZ側としては、どうやって勝てたかというと具体的に何かがあるわけではありません。ちゃんと練習をして、やることをやっただけなんですが、相手側はかなり問題を抱えていたというか、ポテンシャルを100%発揮できていないのかなと思います。

FLはSplit 1で優勝した後にロスター変更したというのもありますし、RCはチームの雰囲気があまり良くないのかなといったところで、問題を抱えている中、流れを変えるような大きな変更がありませんでした。

SZはロスター変更でプレースタイルの面でも一新してプレーすることができたので、対応に苦戦してもらえたのかなと思います。

▲アイスボックスでは1位通過のRIDに対して10:2折り返しと圧倒的な強さを見せたSZ。RIDは現状、この試合が唯一の黒星となっている(https://www.youtube.com/live/gwfxwdEn4Co?si=r_ruBGxgWeiqNsp2&t=20944

——ゲーム中のコミュニケーションについてお聞きします。SZは英語でコミュニケーションを取っているかと思いますが、その点での向上はどうでしょうか?

tixx:コミュニケーションの面ではチーム結成から間違いなく改善はできていると思っています。

自分だけが英語をネイティブで喋っていてほかの選手は別言語が母国語です。なので、英語を学んできた環境とかも違いますし、同じ単語でも意味が変わってきたり、ニュアンスやアクセントの面でも問題がありつつも、今までプレーしてきた中でどんどん改善はできたかなという感じです。

▲試合前のVTRではtixx選手の通訳としてYotaa選手が日本語訳をする場面も(https://www.youtube.com/live/NUtOkidoSYU?si=EDkCPqTybuDX1X6x&t=11030

——次の試合から新しいパッチ(9.00)が適応されますが、何か考えていることやチームとしての強みなどはありますか?

Fadezis:アイソを全マップ出します!

——この前のインタビューを覚えててくれたんですか?

Fadezis:覚えてて同じことをいいました(笑)。

参考:
【SCARZ VALORANT部門がロスターを一新!】Fadezis×noppo×Bullco×コーチ・友利オーナーが語る新生SCARZの勝機とは

——最後に、tixx選手の部屋の後ろにある写真はなんでしょうか……?

tixx:ガールフレンドとの写真です(笑)。

▲少し照れくさそうに後ろの写真について教えてくれたtixx選手

——ありがとうございました!

———

惜しくもオフライン確定の上位2チームには入れなかったSZ。しかし追い込まれた状況の方がモチベーション的にもプラスと前向き。ロスター変更したばかりかつ、多国籍のグローバルチームで連携面や思考のすり合わせなど完璧とはいえない状況でも3位につけているのは流石の実力だと感じた。

試合を経るごとに完成度が上がっていくSZ、昨年のChallengers Japan Split 2優勝チームとして2大会連続のアセンショントーナメント出場を目指す。


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■配信URL
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編集:いのかわゆう


【nemuminimizu プロフィール】

学生時代、『CoD』をはじめFPSにハマる。その後は『APEX』や『VALORANT』などのタイトルをプレー。アーティストの楽曲や企業用BGMなどを手がける作曲家とフリーランスのライターの二足の草鞋を履いて幅広く活動中。無類のラーメン好き!

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