【単独インタビュー】ブリーズの変更点は僕たちにとって大きい——Sengoku Gaming misaya選手が語るチームの強みとは

2024.2.28 まいる
1月22日(月)から開幕した『VALORANT』の公式国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2024 Split1」(以下、VCJ 2024 Split1)。現在はMain Stageの前半戦が終了し、残すところは3戦。

▲2月27日(月)時点での順位表。Playoffへ進むには6位以内に入る必要がある

VARREL(VL)との直接対決の結果を受け、現在3位につけるSengoku Gaming(SG)。2勝2敗が3チーム並ぶ中、今後の結果次第で十分にPlayoff出場も見えている。今回はそんなSGのmisaya(みさや)選手がインタビューに応じてくれたのでその様子をお届けしよう。

VL戦は「いい意味での負け」だった


——本日はよろしくお願いします! まずMain Stage前半戦を終えての振り返りをお願いします。

misaya:VL戦は、チームとして成長できる一試合だったと思います。もちろん悔しいんですけど、「いい意味での負け」というか、得られるものが多かった試合だったなと感じています。

NORTHEPTION(Nth)戦とSCARZ(SZ)戦は、普通にやったら負けないなとは思っていたので、結構順当に進んだイメージです。

直近のFENNEL(FL)戦は、勝てるとは思ってたんですけど、王者の風格というか、結構大事なところで落としてしまった印象があります。

——オーバータイムになったりと、惜しかった試合も多かったですもんね。

misaya:そうですね、特にVL戦は惜しかったです。


——FL戦では惜しくも破れてしまったわけですが、次の試合に向けてどのような課題が残りましたか?

misaya:FLと僕たちの違いを考えたときに、戦略面よりかは「落ち着かなきゃいけない展開での落ち着きのレベル」が違うと思いました。最近は普段の練習からそういうところを意識していますね。

——それはメンタル面ということでしょうか。

misaya:カオスな場面になるほど、プレーヤーはどんどん焦って、ミスも増えるんですよ。FLはそういうミスが本当に少ないし、プラスの展開が二枚も三枚も上手なので、ほかのチームよりも強いんだと思います。

——昨シーズンから引き続きSGでプレーされていますが、メンバーなどの入れ替わりで何か変化した点はありますか?

misaya:コミュニケーション面はかなり変わりましたね。以前のsomething・Viciがいた頃は、共通の言語が英語だったので難しかったんですけど、今はJinboong(じんぶー)がすごく日本語が流暢なので、コミュニケーション面では本当に助かってます。

——メンバー同士の雰囲気はどうですか?

misaya:どこのチームよりも仲がいいですね! 仲の良さは多分一番です。

——ちなみに、ムードメーカーは誰ですか?

misaya:僕ですね。普段からどんなときでも声を出すようにしています。


▲絶叫するmisaya選手に、思わずメンバーから「うるせえ」との声が……(https://www.youtube.com/live/bKbBR6PYEe0?si=Y3uix26_GGs_QLZR&t=12130

——試合後のインタビュー中、misaya選手以外の選手が静かにしている様子がありますが、練習中もそんな感じですか?

misaya:あれインタビューの時のノリですね(笑)。練習中はそうでもないです。

misaya選手に聞くイニシエーターのコツとは


——misaya選手は以前からイニシエーターをメインで使用されていますが、イニシエーターをうまく使うコツというのはありますか?

misaya:インスタのDMでもよくいただく質問ですが、シンプルな答えがひとつあります。それは「相手のアクションに対して、自分からアクションをする」というところですね。

例えば、A側にアビリティーが来たら、B側に索敵アビリティーを使ってみるとか、何かしらを返すということです。

——パッチ8.0から新武器「アウトロー」が登場しましたが、実際に戦ってみた印象はいかがですか。

misaya:個人的には、正直そんなに変わったとは思ってないですね。REJECT(RC)のAkameレベルで出してくる敵だったら、ヘヴィーシールドを買うようになるんですけど、普段の大会や練習でもそこまで出るわけではないんで、そこまで意識はしていないです。

まあでも強いとは思います。アウトローが得意なプレーヤーがいたら、相手にヘヴィーシールドを強制できるので、マネーゲームにおいては大きい要素なのかなとは思います。

——そこまでインパクトのあるものではないと?

misaya:FNATICのChronicleが「すごく強い」みたいなこといってたけど、別に僕はそこまでは思ってないですね。

——パッチ8.01から、ブリーズのA ホールが開放されました。ブリーズをBANすることが多いSGにとって、この変更についてどう思いますか?

misaya:僕たちの構成ではかなり大きな変更ですね。なので、ブリーズに関してはお楽しみにって感じです。

▲前半戦で使用されていたパッチ8.0では、Aホールが封鎖されていた

▲後半戦で使用されるパッチ8.01からは、Aホールが開通するようになる。直接相手側の陣地へ繋がっており、お互いに警戒するべき場所が増えた形になる

——SGの強みが出せる構成が見られるということでしょうか。

misaya:僕たちの連携力が生きる構成になります。

キーワードは「アグレッシブ」


——Jinboong選手とGwangboong(ぐわぁんぶー)選手といった韓国人選手が加入して、チームにどんな影響がありましたか?

misaya:コミュニケーション面という意味では大きいですね。

あと、Jinboongはsomethingレベルでフィジカルが強い選手だし、GwangboongもiZuを超えるくらいのポテンシャルがあるので、シーズン通してまだまだ伸びると思います。

——試合中、メインや中央をプッシュしたりするなど、かなりアグレッシブなプレーが印象に残ったんですが、チームとしてどのような意図があるのでしょうか。

misaya:チームとしてのプレースタイルは、もうずっと前から決まっていました。コーチの戦略と自分の考えを組み合わせている感じですね。

▲相手よりも武器が弱いながらも思い切ったプッシュを行い、無事にラウンドを獲得した(https://www.youtube.com/live/bKbBR6PYEe0?si=pqsopUecCUaKIuRR&t=2891

——注目してほしいポイントはありますか。

misaya:とにかくアグレッシブというのは昔から意識していました。それこそsomething・Viciがいた時から、その点は変わっていないですね。そこは自分たちにしかできないことだと思うので、ぜひこのアグレッシブさに注目してほしいです。

——福岡の「チャレパ」ではパブリックビューイングが実施されるなど、定期的にファンとの交流の機会が設けられているかと思います。このような「ファンの声」についてどう思いますか?

misaya:とてもうれしいです。でもうれしい反面、頑張らないといけないプレッシャーも感じるので、僕は試合当日はTwitterを見ないようにしています(笑)。

——試合後に見る形ですかね?

misaya:試合後に見て「うれしいなあ、ニコニコ」って感じですね(笑)。

——(笑)。残すところ3試合ですが、気をつけたいチームや選手はありますか。

misaya:REJECTのAkameです。

——具体的にどういったところですか?

misaya:パワーだけ見れば、something並に強いと思ってます。

REJECT戦は勝てれば2位抜けも見えてきますし、一番大事な試合だと僕は感じていて。やっぱりその中でもAkameっすね。

——では今後の試合に向けての意気込みをお願いします!

misaya:一番早く結成して、一番長く練習してきたチームで、連携力はほかのどのチームにも負けてないと思います。でも緊張してしまうというのが、僕たちのウィークポイントだと思っているので、どれだけエンジョイできるかというか、緊張を乗り越えられるかどうかが重要だと思います。

スクリム通りにできれば、正直僕たちが最強で、リーグチームにも負けないし、ボコボコにできちゃうんで、それを大会でも見せられればなと思います。

——「緊張してしまうことがウィークポイント」について何か対策していることはありますか?

misaya:めちゃくちゃシンプルなんですけど、「声を出す」ということです。声を出して、何もなかったことにするくらいエンジョイすることですかね。

緊張って、なんというか精神的な病気だと思っているので、とにかく声を出すしかないですね。テンション上げて、その場を楽しむしかないです。

——効果はありますか?

misaya:効いてますけど、僕も緊張との向き合い方はわかってないんで、とりあえず声を出すしかないですね。まだまだ緊張による課題はデカいです、正直。

——折角なので、RC戦に向けての意気込みもお願いします。

misaya:RCがフィジカル強いみたいにいわれてますけど、こっちにはGwangboongいるんで(笑)。トントンかそれ以上かなって思ってます! なので負けないです!

——ありがとうございました!

———

思い切った戦略ながらも、堅実なプレーが魅力のSengoku Gaming。3月3日(日)に行われるREJECT戦を筆頭に、名古屋でのオフライン大会に向けて負けられない戦いが続く。misaya選手自身も言った「緊張」にどう打ち勝つか、それが勝利の鍵となることは間違いないだろう。

残すところあと3戦、今後の活躍が非常に楽しみである。配信に映る選手たちの賑やかなワイプ映像にも注目だ。


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編集:いのかわゆう


【まいるプロフィール】
関西を拠点にする男性コスプレーヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。
X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)
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