【KOHAL選手インタビュー】FENNEL HOTELAVA、ブラジルの強豪Team Liquid相手に奮闘!「VALORANT Game Changers Championship」で確かな爪痕を残す!
VALORANTの年間王者を決める女性限定の公式大会「VALORANT Game Changers Championship」が2022年11月15日(火)より開催。日本からは🇯🇵FENNEL HOTELAVA(🇯🇵FL)が出場し、初戦は17日(木)午前2時(16日の深夜)より、🇧🇷Team Liquid(🇧🇷TL)と対戦。
1マップ目のアセントでは、あれよあれよとラウンドを取られ気がつけば4:13と大差をつけて敗北。ところが2マップ目のアイスボックスでは奇抜な作戦が功を奏し13:9と勝利を取り返す。そして、3マップ目のブリーズでは接戦に接戦を重ね9:13と惜しくも敗退。
しかし強豪が名を連ねる中、1マップを奪取し、さらには2マップ目も接戦という結果を残した功績は大きい。長丁場ともいえる戦いを終えた後、KOHAL選手がインタビューに応じてくれた。初めての国際大会を戦い抜いた心境はどんなものだったのだろうか。
——🇧🇷TL戦、おつかれさまでした! 本当に惜しかったです!
KOHAL選手(以下、KOHAL):ありがとうございます。勝てる相手ではないと思ってはいたのですが「(🇧🇷TL相手に)ここまで戦えるんだ!」っていう気持ちになって、自信が沸いています。すごく楽しかったです!
——1マップ目のアセントを観戦していた時は正直「これが世界の壁か……」を感じてしまいましたが、2マップ目のアイスボックスでは見違えるような戦いで、見ている側もテンションが上がってしまいました。
KOHAL:アイスボックスは少ない練習しかしていなくて、新しいメタに自分たちの新しい作戦が刺さるのかわからなくて未知数でした。ただその未知数の作戦に🇧🇷TLが対応できない顔をしていたので、結構自信がついてきましたね。
——まさかのオーメンピックというところから驚いていました。アイスボックスでオーメンをピックしたのはどういった作戦があったのでしょうか。
KOHAL:うちのチームにはアイスボックスで完成形のエージェント構成があるんですが、実はまだその構成の練度が低いということで、今回は未完成の状態でのエージェント構成で挑みました。
オーメンをピックした理由は、「ジェットの役割をオーメンがやる」というのが完成形のコンセプトではあったので、エージェント構成は変わって見えるかも知れませんが、やっていること自体はあまり変わってないんです。
——ええっ! ということは、そもそもデュエリストの立ち位置でオーメンを使うということだったんですか?
KOHAL:そうですね(笑)。
——アタッカーサイドでは一貫して、Bメインを「ダークカバー」で射線を切りつつ、「シュラウドステップ」で高台の上に乗るという流れでプレッシャーをかけていましたね。
KOHAL:あれもひとつのコンセプトとしての立ち回りですね。撃ち合いの強いふたりが自由に動けるように、撃ち合いながら下がれる環境を作っていました。
——確かに、大分suzu選手が壊したマップでもありましたよね(笑)。
KOHAL:そうですねー。ニューメタすぎて相手が対策できてなかったんじゃないかな。
——確かに、配信でもほんろうされているように見えました。Bサイトの2階から「ゼロ/ポイント」で4人をマークした後、粘り強く戦うKOHAL選手はかっこよかったです!
KOHAL:「スパイク落としてやったぞ」って感じですね(笑)。🇧🇷TLがBサイトに来ることは雰囲気でわかってたので、うまくささりました。
——配信ではFestival選手のキルシーンが注目を浴びていましたが、その近くには必ずKOHAL選手がいました。IGL(ゲーム内のリーダー)をしながらもサポートをしていたり、カバーをしていたりと、1ラウンド中どのような意識配分で戦っているのでしょうか。
KOHAL:正直いうとフィジカルに対して100%の力は出せていないです。IGLとしてミニマップを見たり、味方の位置を把握したりすることで手一杯になってしまうこともあるので、エイム3割、頭脳7割といったところですかね。
ただ実際に大会になると頭が動かなくなってしまった時に、自分が今できることをやろうという気持ちが働いて、エイムが5割に振り切ることもありますね。自分の調子によって都度都度変えてるって感じです。
——まさに縁の下の力持ちって感じですね!
——最後の3マップ目(ブリーズ)では、同点折り返しからなかなかラウンドが取れない状況が続いてしまいました。
KOHAL:そうですね。前半のアタッカーサイドではうまく相手をコントロールしながら戦えていた気はしたのですが、後半のディフェンダーサイドで押されてしまいました。ただ戦ってみて「勝てなくはないな」と感じられる試合ではありました。少し修正して戦うことができればという感じですね。
——ディフェンダーサイドでは2デュエリストという構成がネックだった?
KOHAL:ブリーズの守りに関しては2デュエリストだからできることもたくさんあるのですが、相手の詰め待ちによって2デュエリストの良さを潰されてしまった感はありますね。
——ただひとつとても印象に残ったラウンドがあります。ホールを5人で抜けて、「ヴァイパーズピット」の裏側でスパイクを設置した8ラウンド目です。この時どういった話し合いでああいった流れになったのですか?
KOHAL:あのラウンドは相手がエコだったこともあり、最初は詰め待ちをしてからAに行こうという作戦でした。ただ、naxy選手(ヴァイパー)が「ヴァイパーズピット」をAサイトに使っていたので、メインからAに向かうのは難しかったんです。もちろん、Aメインから行くことも考えていましたが、相手がエコということもありミッドの詰め待ち警戒もしなければならなかった。
そこでホールを伝ってAサイトに攻めるという意見が私とsuzuの中で合致していて、みんなでホールを抜けるという作戦に出ました。
——なるほど、あの状態でよくAに向かったなあと正直驚きました!
KOHAL:ヴァイパーがいるサイトって守りが薄いじゃないですか。なので逆にAを攻めるという作戦でしたね。ヴァイパーがAサイトにいるなら、もうひとりはブリッジ付近にいるだろうと予測はしていたので、「ワイヤーを切ったら一気に行こうね」ってコールしてAサイトに向かいました。
——ああいう状況でコールをかける時はどんなことに気をつけていますか?
KOHAL:みんながやりたいという情報をかき集めて、その中でベストを尽くすようにしています。みんなの言葉をしっかり受け止めて、みんなで作戦を作っていくということを心がけています。
——KOHAL選手といえば『Counter-Strike: Global Offensive』の頃から5vs5のタクティカルシューティングをプレイしているとおうかがいしていますが、今こうして日本代表として世界大会のステージに立っている状況をどう見ていますか。
KOHAL:えーっ。もう、めっちゃ楽しいです!
——おおおっ、それはよかったです!
KOHAL:『CS:GO』の頃から立ちたかった舞台に立てていることを実感していますね。
——そういった気持ちは表情にも表れているように感じました。配信で映っているKOHAL選手は、どんな状況でも楽しんでいるように見えたので、見ている方も安心してました。
KOHAL:(笑)。どんな表情が映ってたのかはわからないですけど、「うわぁぁぁぁ……」って落ち込むことはなかったですね。
——メンタル面はいい感じですね。チーム全体の雰囲気はどうですか?特に何も引っ張らずに明日に挑めそうですか?
KOHAL:明日修正できるようにチームメンバーと話し合って、いいところ悪いところを伝えていきたいと思います。
——明日の試合は🇪🇺Guild Xとの対戦が決まりました。意気込みとファンに向けてひとことお願いします。
KOHAL:待ち時間に🇪🇺Guild Xの試合を見てフィジカル強いなあって感じています。明日はその強さを体感したいなと思って挑みます。もうここまできたら全力でぶつかるだけなんで、応援よろしくお願いします!
——ありがとうございました!
———
日本代表としての初舞台は惜しくも敗戦となってしまったが、ブラジル1強である🇧🇷TL相手に臆することなくここまで戦えたのは、期待が高まる結果ともいえる。現地で何チームかとスクリムをしているとKOHAL選手。手応えに対して「スクリムなら8割ぐらい勝ってますね」と頼もしいコメントも聞くことができた。
もちろん勝つことが大前提ではあるが、チームメンバー全員が楽しそうに試合をしていることがファンにとってなによりもうれしいことなのではないだろうか。落ち込む姿を見せるわけでもなく、自分たちのやりたいことをしっかりと試合で見せつけている。
先述したとおり、明日(18日午前5時頃)は敗者復活戦として🇪🇺Guild Xとの戦いが待っている。最後の最後まで全力で応援していこう!
#FLWIN
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https://twitter.com/milk_crm
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1マップ目のアセントでは、あれよあれよとラウンドを取られ気がつけば4:13と大差をつけて敗北。ところが2マップ目のアイスボックスでは奇抜な作戦が功を奏し13:9と勝利を取り返す。そして、3マップ目のブリーズでは接戦に接戦を重ね9:13と惜しくも敗退。
しかし強豪が名を連ねる中、1マップを奪取し、さらには2マップ目も接戦という結果を残した功績は大きい。長丁場ともいえる戦いを終えた後、KOHAL選手がインタビューに応じてくれた。初めての国際大会を戦い抜いた心境はどんなものだったのだろうか。
自信が持てた🇧🇷TL戦 〜 アイスボックで見せた奇策とは 〜
——🇧🇷TL戦、おつかれさまでした! 本当に惜しかったです!
KOHAL選手(以下、KOHAL):ありがとうございます。勝てる相手ではないと思ってはいたのですが「(🇧🇷TL相手に)ここまで戦えるんだ!」っていう気持ちになって、自信が沸いています。すごく楽しかったです!
——1マップ目のアセントを観戦していた時は正直「これが世界の壁か……」を感じてしまいましたが、2マップ目のアイスボックスでは見違えるような戦いで、見ている側もテンションが上がってしまいました。
KOHAL:アイスボックスは少ない練習しかしていなくて、新しいメタに自分たちの新しい作戦が刺さるのかわからなくて未知数でした。ただその未知数の作戦に🇧🇷TLが対応できない顔をしていたので、結構自信がついてきましたね。
——まさかのオーメンピックというところから驚いていました。アイスボックスでオーメンをピックしたのはどういった作戦があったのでしょうか。
KOHAL:うちのチームにはアイスボックスで完成形のエージェント構成があるんですが、実はまだその構成の練度が低いということで、今回は未完成の状態でのエージェント構成で挑みました。
オーメンをピックした理由は、「ジェットの役割をオーメンがやる」というのが完成形のコンセプトではあったので、エージェント構成は変わって見えるかも知れませんが、やっていること自体はあまり変わってないんです。
——ええっ! ということは、そもそもデュエリストの立ち位置でオーメンを使うということだったんですか?
KOHAL:そうですね(笑)。
——アタッカーサイドでは一貫して、Bメインを「ダークカバー」で射線を切りつつ、「シュラウドステップ」で高台の上に乗るという流れでプレッシャーをかけていましたね。
KOHAL:あれもひとつのコンセプトとしての立ち回りですね。撃ち合いの強いふたりが自由に動けるように、撃ち合いながら下がれる環境を作っていました。
——確かに、大分suzu選手が壊したマップでもありましたよね(笑)。
KOHAL:そうですねー。ニューメタすぎて相手が対策できてなかったんじゃないかな。
——確かに、配信でもほんろうされているように見えました。Bサイトの2階から「ゼロ/ポイント」で4人をマークした後、粘り強く戦うKOHAL選手はかっこよかったです!
KOHAL:「スパイク落としてやったぞ」って感じですね(笑)。🇧🇷TLがBサイトに来ることは雰囲気でわかってたので、うまくささりました。
——配信ではFestival選手のキルシーンが注目を浴びていましたが、その近くには必ずKOHAL選手がいました。IGL(ゲーム内のリーダー)をしながらもサポートをしていたり、カバーをしていたりと、1ラウンド中どのような意識配分で戦っているのでしょうか。
KOHAL:正直いうとフィジカルに対して100%の力は出せていないです。IGLとしてミニマップを見たり、味方の位置を把握したりすることで手一杯になってしまうこともあるので、エイム3割、頭脳7割といったところですかね。
ただ実際に大会になると頭が動かなくなってしまった時に、自分が今できることをやろうという気持ちが働いて、エイムが5割に振り切ることもありますね。自分の調子によって都度都度変えてるって感じです。
——まさに縁の下の力持ちって感じですね!
ずっと立ちたかった舞台に立てていること自体がうれしい
——最後の3マップ目(ブリーズ)では、同点折り返しからなかなかラウンドが取れない状況が続いてしまいました。
KOHAL:そうですね。前半のアタッカーサイドではうまく相手をコントロールしながら戦えていた気はしたのですが、後半のディフェンダーサイドで押されてしまいました。ただ戦ってみて「勝てなくはないな」と感じられる試合ではありました。少し修正して戦うことができればという感じですね。
——ディフェンダーサイドでは2デュエリストという構成がネックだった?
KOHAL:ブリーズの守りに関しては2デュエリストだからできることもたくさんあるのですが、相手の詰め待ちによって2デュエリストの良さを潰されてしまった感はありますね。
——ただひとつとても印象に残ったラウンドがあります。ホールを5人で抜けて、「ヴァイパーズピット」の裏側でスパイクを設置した8ラウンド目です。この時どういった話し合いでああいった流れになったのですか?
KOHAL:あのラウンドは相手がエコだったこともあり、最初は詰め待ちをしてからAに行こうという作戦でした。ただ、naxy選手(ヴァイパー)が「ヴァイパーズピット」をAサイトに使っていたので、メインからAに向かうのは難しかったんです。もちろん、Aメインから行くことも考えていましたが、相手がエコということもありミッドの詰め待ち警戒もしなければならなかった。
そこでホールを伝ってAサイトに攻めるという意見が私とsuzuの中で合致していて、みんなでホールを抜けるという作戦に出ました。
——なるほど、あの状態でよくAに向かったなあと正直驚きました!
KOHAL:ヴァイパーがいるサイトって守りが薄いじゃないですか。なので逆にAを攻めるという作戦でしたね。ヴァイパーがAサイトにいるなら、もうひとりはブリッジ付近にいるだろうと予測はしていたので、「ワイヤーを切ったら一気に行こうね」ってコールしてAサイトに向かいました。
——ああいう状況でコールをかける時はどんなことに気をつけていますか?
KOHAL:みんながやりたいという情報をかき集めて、その中でベストを尽くすようにしています。みんなの言葉をしっかり受け止めて、みんなで作戦を作っていくということを心がけています。
——KOHAL選手といえば『Counter-Strike: Global Offensive』の頃から5vs5のタクティカルシューティングをプレイしているとおうかがいしていますが、今こうして日本代表として世界大会のステージに立っている状況をどう見ていますか。
KOHAL:えーっ。もう、めっちゃ楽しいです!
——おおおっ、それはよかったです!
KOHAL:『CS:GO』の頃から立ちたかった舞台に立てていることを実感していますね。
——そういった気持ちは表情にも表れているように感じました。配信で映っているKOHAL選手は、どんな状況でも楽しんでいるように見えたので、見ている方も安心してました。
KOHAL:(笑)。どんな表情が映ってたのかはわからないですけど、「うわぁぁぁぁ……」って落ち込むことはなかったですね。
——メンタル面はいい感じですね。チーム全体の雰囲気はどうですか?特に何も引っ張らずに明日に挑めそうですか?
KOHAL:明日修正できるようにチームメンバーと話し合って、いいところ悪いところを伝えていきたいと思います。
——明日の試合は🇪🇺Guild Xとの対戦が決まりました。意気込みとファンに向けてひとことお願いします。
KOHAL:待ち時間に🇪🇺Guild Xの試合を見てフィジカル強いなあって感じています。明日はその強さを体感したいなと思って挑みます。もうここまできたら全力でぶつかるだけなんで、応援よろしくお願いします!
——ありがとうございました!
———
もちろん勝つことが大前提ではあるが、チームメンバー全員が楽しそうに試合をしていることがファンにとってなによりもうれしいことなのではないだろうか。落ち込む姿を見せるわけでもなく、自分たちのやりたいことをしっかりと試合で見せつけている。
先述したとおり、明日(18日午前5時頃)は敗者復活戦として🇪🇺Guild Xとの戦いが待っている。最後の最後まで全力で応援していこう!
#FLWIN
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ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。
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