【合同インタビュー BlackWiz選手】勝敗を分けた最後のロックダウン NORTHEPTION二度目の世界進出を逃す【VCT 2022 East Asia Last Chance Qualifier Day6】
『VALORANT』の世界大会『VALORANT Champions 2022』出場者を決める、東アジア地域の敗者復活をかけた大会「VCT 2022 East Asia Last Chance Qualifier」(LCQ)。日本最後の砦となる🇯🇵Nthは、8月12日にUpper Finalで🇨🇳EDward Gaming(EDG)に惜しくも敗退し、8月13日のLower Finalで🇰🇷ON SLA2ERS(ONS)と戦うこととなった。今大会でONSと対戦するのは初となる。
8月13日(土)は、🇰🇷ONSが先に🇨🇳KONE ESPORTと戦って勝利。🇰🇷ONSはウォーミングアップが済んだ状態とも、連戦の疲れが残る状態とも言えた。
1マップ目は🇰🇷ONSがピックしたバインド。🇰🇷ONSのアタッカーサイドから始まった試合は6ラウンド連続で奪われ、2対10での折り返す。🇯🇵Nthもアタッカーサイドでは7ラウンドを奪い9対11まで迫ったものの、1ゲーム目を奪われてしまう。2マップ目は🇯🇵Nthが得意とするスプリットで、アタッカーサイドから始まった🇯🇵Nthが11対1と圧倒。攻守を入れ替えてからやや崩れたものの、13対8で勝利する。
ここまでピックしたマップでそれぞれ相手を圧倒してきた両チームだが、3マップ目のアセントは戦略はもちろん、フィジカル面での意地のぶつかり合いのような試合展開。🇰🇷ONSがリードして🇯🇵Nthが追いついたものの、あと一歩及ばず11対13で敗退。この結果により、🇯🇵Nthの「LCQ」は3位で終了。2022年シーズンの🇯🇵Nthの戦いも幕を下ろした。
試合直後のBlackWiz選手へのプレスインタビューからは、試合の中でチーム内に起きていたこと、チームメンバー、そしてファンへの悔しい思いが痛いほど伝わってきた。
──まずは、🇰🇷ONS戦を終えての感想をお聞かせください。
BlackWiz選手:本当に悔しいというのと同時に、何か大きなものを失ったような気持ちです。
──この試合、終始🇰🇷ONSからの攻撃に苦しめられました。どんな試合でしたか?
BlackWiz選手:昨日の🇨🇳EDGはアビリティも使わず撃ち合いにくるようなチームだったんですけど、🇰🇷ONSはアビリティも時間もうまくつかって、相手を左右に振ってくるようなスタイルだったので、そのギャップもあって慣れない試合をしたような気がしました。
──🇯🇵Nthはこの日最初の試合でもあり、大幅にリードされてしまいましたが、メンタル面での気持ちの切り替えはできましたか?
BlackWiz選手:僕らは「泣いても笑ってもこれが最後だ!」とみんなで話していて、2:10だろうがなんだろうが諦めた時点で終わりなので、スコアとか関係なくこのマップを取ろう! という気持ちだけでしたね。むしろ笑っていたくらいなので、メンタル面は良かったと思います。
──前日の🇨🇳EDG戦とはギャップがあったと話されていましたが、🇯🇵Nthがディフェンダーサイドの時、BlackWiz選手がヴァイパーでスネークバイトやヴァイパーズピットを放っても、Bazziのレイズなどがそのまま詰めてくる画面が多かったと思うんですが、そのあたりはいかがでしたか?
BlackWiz選手:正直、バインドの時に悔しかったのが、僕がヴァイパーズピットを使用したラウンドのうちの半分以上を落としてしまったことでした。最初のラウンドは、Meteorに武器を託して僕はシェリフを持った状態で敵が来たので、あの時ヴァンダルを持っていたらなぁと思いました。その後も、時間がない時にレイズが突っ込んできたのを処理しようとして右サイドに入られたり、3人でレイズを処理しようとして負けたり……。
僕はヴァイパーズピットの中での動きには自信があって、逆に言うと自分が取ると思ったラウンドだけヴァイパーズピットを打っているつもりなんですけど、そのラウンドが取れなかった。悔しいという気持ちもあるんですけど、敵の動きが怖かったなという感じでした。
──止めようとしてアビリティを使ってもラウンドを取られてしまうと、対策しにくかったりするんでしょうか?
BlackWiz選手:最終的には、FPSなのでエイムで解決するしかないんですけど、相手もヴァイパーがいるところにみんなで走って出てきて撃つことが多かったので、うまくトレードキルも発生しないことがとても多かったですね。
──アセントの最後のラウンドで、キルジョイのロックダウンのタイミングが気になったのですが、チーム内はどんな感じだったのでしょうか?
BlackWiz選手:最初にMeteorが1ピックとってからキルが続いて、あとはキルジョイのウルトを打ったらリテイクできるから「キルジョイのウルト!」と言っていたんですけど、敵が前気味で圧をかけてきた面もあって、ウルトを打つのが遅くなってしまったんです。味方が寄ってきたタイミングでバックサイトだけ敵が動けるような状況にして、アストラのスター(アビリティ)を使っていたら勝てたのかなという話も出たりしました。
ただ、あの時は完全にBサイトの中に敵がいることがわかっていたからこそ、敵を潰した方がいいという判断だったので、悪くはなかったとは思います。相手もキルジョイのウルトを撃たれたら負けることがわかった上で前気味で勝負してきて、撃ち合いで負けて2on2まで行ってしまったので、あそこで敵をひとり倒せていたら結果が変わったかもしれないですし。相手が自分たち以上にうまかったとしか言えないですね。
──最後のラウンドに関しては、焦りもありましたか?
BlackWiz選手:あのラウンドに限らず、アセントは6-12になったあたりから、「これはやばいな」と思っているメンバーもいたと思います。
もともとバインドの時から焦りはあって、スプリットで盛り返して「いけるいける!」と声をかけていたんです。でも、アセントの攻めで、自分たちがミッドを攻めたい時にはミッドに人がいて、Bに行こうと思ったらBにいて、ファーストラウンドもAラッシュすると決めたらAにスタックされていてと、JoxJoがやりたいと思った動きが刺さらなかったので、IGLとして自分のコールじゃダメなんじゃないかという迷いとか焦りとかもあったと思います。
最終ラウンドは、みんなで「いけるいける、ここ取ったら勝ち!」と言っていたんですけど、ゆっくりプレイしていたつもりでしたが、足並みがそろわなかった部分もありました。
──噛み合わなかったという話ではありましたが、逆に言うと、半年前にまったく新しいチームを立ち上げてから世界にも行き、今大会でも3位まで来れたというのはすごいことだと思います。なぜ🇯🇵Nthはここまで強くなれたのだと思いますか?
BlackWiz選手:🇯🇵Nthはメンバー全員がそうなんですけど、勝つことにいい意味で執着していて、絶対に上に行くという気持ちがみんなにあったからこそ、日本一も取れたし、ステージ1からの悔しい結果を踏まえてステージ2でさらに強くなることができました。そのために、オーナーやマネージャー、いろいろな人たちが僕らに力をくれて、のびのびとプレイする場所も作ってくれました。
それにプラスして、僕らが勝つにつれてファンのみなさんが激励してくれたので、声援を受けてレベルアップしているような感じもすごくありました。メンバーのモチベーション、チームの運営サイド、ファンのおかげでここまで来れたのだと思います。
──もしこのメンバーが集まる時間がもっと早くて長く一緒にいられたら、今以上の力が出せたという思いはありますか?
BlackWiz選手:オンラインでやっている分にはそこまで変わらなかったんじゃないかなと思います。やっぱりブートキャンプの後と、オフライン大会や世界大会の後にリアルで会うことで、信頼感も練度も相乗効果で上がった部分はありました。
もっと早くから(韓国人選手も一緒に)日本でプレイできる環境があって、今回の大会ももしブートキャンプでみんなが集まってオフラインの環境でやれていたら、違ったのかなとも思います。横を向いて落ち込んでいる選手がいれば、顔を見て「大丈夫!」って励ますことができるんですけど、オンラインは声だけでしか判断できないので、元気なのか空元気なのかもわからず、士気が上げにくい部分もありました。
──これで🇯🇵Nthの2022年シーズンは終了となります。1年間を振り返ってみて、自身としてどのように成長できたと感じていますか?
BlackWiz選手:考え方とかチームとして戦う面に関して、bailさんだったり、韓国のMeteor、JoxJoだったり、ゼンフ(xnfri)さん、デリ(Deliary)、サンドライト(Xandrite)さんも含めて、みんなとプレイする中で、今までの常識や理屈を覆されるようなことが多く、自分の中ではあり得ないようなことが当たり前だったり、自分が無知だったということを痛感させられた1年でした。他の選手やコーチのおかげでさらにレベルアップできたと思うんですけど、それ以上に自分の選手としてのパフォーマンスがステージ2から上がらなくて、悔しいという思いしかないですね。
──これからどんな選手になりたいですか?
BlackWiz選手:一度休養して、しっかりメンタル面もリフレッシュした上で、練習にもっと没頭したいです。僕は今まで趣味でゲームをやってきて趣味の延長線上で誘われてプロになった身なので、めちゃめちゃ努力している人たちみたいに基礎をやってきていません。細かいところでの差とか、日によってパフォーマンスが違うのは基礎ができておらず選手としての当たり前なことが足りていなかったためなので、そういう部分を強化したいです。
試合後の公式インタビューでは、どの選手も悔しさをにじませ、Twitterでもファンに対する申し訳ないという気持ちを示していた。そこまで強く自分たちを責めたのも、世界大会を経験し、世界に行けるだけの実力を持っているという自信があったからこそ。「LCQ」では敗れてしまったものの、彼らの強さが失われるものではない。
インタビューの最後、今後のことを尋ねた際にBlackWiz選手は「このオフシーズンで気持ちが消えたら選手はもういいかなという感じです」ともつぶやいていた。1年間の集大成とも言える試合であり、それだけこの大会にかける気持ちは誰よりも大きく、失望感も大きかったに違いない。
たしかに、🇨🇳EDGも🇰🇷ONSも素直に本当に強かった。しかし、日本には🇯🇵Nthの上にさらに🇯🇵ZETA DIVISIONがおり、ライバルとしてともに戦ったREJECTやCrazy Raccoonもいる。同じ地域の中に目指すべきライバルがたくさんいて、強くなれる機会も、彼ら自身が成長できるポテンシャルもまだまだあるということでもある。
『VALORANT』の競技シーンはシーズンごとに選手を入れ替えることが多く、🇯🇵Nthのメンバーもこの後大きく入れ替わるかもしれないが、半年前に🇯🇵Nthから巣立っていった選手たちも他のチームで頭角を表し、そのことが日本のレベルを格段に上げたことも間違いない。
2023年シーズンはリーグ方式になるとも言われており、さらに濃密な対戦が増え、これまで以上に日本のレベルも上がるだろう。そんな中で、今年のNORTHEPTIONの選手たちが再び輝いてくれること、来年も世界一を獲得してくれることを期待したい。
■NortheptionメンバーTwitterリンク
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bail(Coach)
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Juin(通訳)
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配信アーカイブ
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8月13日(土)は、🇰🇷ONSが先に🇨🇳KONE ESPORTと戦って勝利。🇰🇷ONSはウォーミングアップが済んだ状態とも、連戦の疲れが残る状態とも言えた。
1マップ目は🇰🇷ONSがピックしたバインド。🇰🇷ONSのアタッカーサイドから始まった試合は6ラウンド連続で奪われ、2対10での折り返す。🇯🇵Nthもアタッカーサイドでは7ラウンドを奪い9対11まで迫ったものの、1ゲーム目を奪われてしまう。2マップ目は🇯🇵Nthが得意とするスプリットで、アタッカーサイドから始まった🇯🇵Nthが11対1と圧倒。攻守を入れ替えてからやや崩れたものの、13対8で勝利する。
ここまでピックしたマップでそれぞれ相手を圧倒してきた両チームだが、3マップ目のアセントは戦略はもちろん、フィジカル面での意地のぶつかり合いのような試合展開。🇰🇷ONSがリードして🇯🇵Nthが追いついたものの、あと一歩及ばず11対13で敗退。この結果により、🇯🇵Nthの「LCQ」は3位で終了。2022年シーズンの🇯🇵Nthの戦いも幕を下ろした。
試合直後のBlackWiz選手へのプレスインタビューからは、試合の中でチーム内に起きていたこと、チームメンバー、そしてファンへの悔しい思いが痛いほど伝わってきた。
「泣いても笑ってもこれが最後」メンタルは折れていなかった
──まずは、🇰🇷ONS戦を終えての感想をお聞かせください。
BlackWiz選手:本当に悔しいというのと同時に、何か大きなものを失ったような気持ちです。
──この試合、終始🇰🇷ONSからの攻撃に苦しめられました。どんな試合でしたか?
BlackWiz選手:昨日の🇨🇳EDGはアビリティも使わず撃ち合いにくるようなチームだったんですけど、🇰🇷ONSはアビリティも時間もうまくつかって、相手を左右に振ってくるようなスタイルだったので、そのギャップもあって慣れない試合をしたような気がしました。
──🇯🇵Nthはこの日最初の試合でもあり、大幅にリードされてしまいましたが、メンタル面での気持ちの切り替えはできましたか?
BlackWiz選手:僕らは「泣いても笑ってもこれが最後だ!」とみんなで話していて、2:10だろうがなんだろうが諦めた時点で終わりなので、スコアとか関係なくこのマップを取ろう! という気持ちだけでしたね。むしろ笑っていたくらいなので、メンタル面は良かったと思います。
──前日の🇨🇳EDG戦とはギャップがあったと話されていましたが、🇯🇵Nthがディフェンダーサイドの時、BlackWiz選手がヴァイパーでスネークバイトやヴァイパーズピットを放っても、Bazziのレイズなどがそのまま詰めてくる画面が多かったと思うんですが、そのあたりはいかがでしたか?
BlackWiz選手:正直、バインドの時に悔しかったのが、僕がヴァイパーズピットを使用したラウンドのうちの半分以上を落としてしまったことでした。最初のラウンドは、Meteorに武器を託して僕はシェリフを持った状態で敵が来たので、あの時ヴァンダルを持っていたらなぁと思いました。その後も、時間がない時にレイズが突っ込んできたのを処理しようとして右サイドに入られたり、3人でレイズを処理しようとして負けたり……。
僕はヴァイパーズピットの中での動きには自信があって、逆に言うと自分が取ると思ったラウンドだけヴァイパーズピットを打っているつもりなんですけど、そのラウンドが取れなかった。悔しいという気持ちもあるんですけど、敵の動きが怖かったなという感じでした。
──止めようとしてアビリティを使ってもラウンドを取られてしまうと、対策しにくかったりするんでしょうか?
BlackWiz選手:最終的には、FPSなのでエイムで解決するしかないんですけど、相手もヴァイパーがいるところにみんなで走って出てきて撃つことが多かったので、うまくトレードキルも発生しないことがとても多かったですね。
──アセントの最後のラウンドで、キルジョイのロックダウンのタイミングが気になったのですが、チーム内はどんな感じだったのでしょうか?
BlackWiz選手:最初にMeteorが1ピックとってからキルが続いて、あとはキルジョイのウルトを打ったらリテイクできるから「キルジョイのウルト!」と言っていたんですけど、敵が前気味で圧をかけてきた面もあって、ウルトを打つのが遅くなってしまったんです。味方が寄ってきたタイミングでバックサイトだけ敵が動けるような状況にして、アストラのスター(アビリティ)を使っていたら勝てたのかなという話も出たりしました。
ただ、あの時は完全にBサイトの中に敵がいることがわかっていたからこそ、敵を潰した方がいいという判断だったので、悪くはなかったとは思います。相手もキルジョイのウルトを撃たれたら負けることがわかった上で前気味で勝負してきて、撃ち合いで負けて2on2まで行ってしまったので、あそこで敵をひとり倒せていたら結果が変わったかもしれないですし。相手が自分たち以上にうまかったとしか言えないですね。
勝利への強い執着と、チームやファンの応援で強くなれた
──最後のラウンドに関しては、焦りもありましたか?
BlackWiz選手:あのラウンドに限らず、アセントは6-12になったあたりから、「これはやばいな」と思っているメンバーもいたと思います。
もともとバインドの時から焦りはあって、スプリットで盛り返して「いけるいける!」と声をかけていたんです。でも、アセントの攻めで、自分たちがミッドを攻めたい時にはミッドに人がいて、Bに行こうと思ったらBにいて、ファーストラウンドもAラッシュすると決めたらAにスタックされていてと、JoxJoがやりたいと思った動きが刺さらなかったので、IGLとして自分のコールじゃダメなんじゃないかという迷いとか焦りとかもあったと思います。
最終ラウンドは、みんなで「いけるいける、ここ取ったら勝ち!」と言っていたんですけど、ゆっくりプレイしていたつもりでしたが、足並みがそろわなかった部分もありました。
──噛み合わなかったという話ではありましたが、逆に言うと、半年前にまったく新しいチームを立ち上げてから世界にも行き、今大会でも3位まで来れたというのはすごいことだと思います。なぜ🇯🇵Nthはここまで強くなれたのだと思いますか?
BlackWiz選手:🇯🇵Nthはメンバー全員がそうなんですけど、勝つことにいい意味で執着していて、絶対に上に行くという気持ちがみんなにあったからこそ、日本一も取れたし、ステージ1からの悔しい結果を踏まえてステージ2でさらに強くなることができました。そのために、オーナーやマネージャー、いろいろな人たちが僕らに力をくれて、のびのびとプレイする場所も作ってくれました。
それにプラスして、僕らが勝つにつれてファンのみなさんが激励してくれたので、声援を受けてレベルアップしているような感じもすごくありました。メンバーのモチベーション、チームの運営サイド、ファンのおかげでここまで来れたのだと思います。
──もしこのメンバーが集まる時間がもっと早くて長く一緒にいられたら、今以上の力が出せたという思いはありますか?
BlackWiz選手:オンラインでやっている分にはそこまで変わらなかったんじゃないかなと思います。やっぱりブートキャンプの後と、オフライン大会や世界大会の後にリアルで会うことで、信頼感も練度も相乗効果で上がった部分はありました。
もっと早くから(韓国人選手も一緒に)日本でプレイできる環境があって、今回の大会ももしブートキャンプでみんなが集まってオフラインの環境でやれていたら、違ったのかなとも思います。横を向いて落ち込んでいる選手がいれば、顔を見て「大丈夫!」って励ますことができるんですけど、オンラインは声だけでしか判断できないので、元気なのか空元気なのかもわからず、士気が上げにくい部分もありました。
──これで🇯🇵Nthの2022年シーズンは終了となります。1年間を振り返ってみて、自身としてどのように成長できたと感じていますか?
BlackWiz選手:考え方とかチームとして戦う面に関して、bailさんだったり、韓国のMeteor、JoxJoだったり、ゼンフ(xnfri)さん、デリ(Deliary)、サンドライト(Xandrite)さんも含めて、みんなとプレイする中で、今までの常識や理屈を覆されるようなことが多く、自分の中ではあり得ないようなことが当たり前だったり、自分が無知だったということを痛感させられた1年でした。他の選手やコーチのおかげでさらにレベルアップできたと思うんですけど、それ以上に自分の選手としてのパフォーマンスがステージ2から上がらなくて、悔しいという思いしかないですね。
──これからどんな選手になりたいですか?
BlackWiz選手:一度休養して、しっかりメンタル面もリフレッシュした上で、練習にもっと没頭したいです。僕は今まで趣味でゲームをやってきて趣味の延長線上で誘われてプロになった身なので、めちゃめちゃ努力している人たちみたいに基礎をやってきていません。細かいところでの差とか、日によってパフォーマンスが違うのは基礎ができておらず選手としての当たり前なことが足りていなかったためなので、そういう部分を強化したいです。
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試合後の公式インタビューでは、どの選手も悔しさをにじませ、Twitterでもファンに対する申し訳ないという気持ちを示していた。そこまで強く自分たちを責めたのも、世界大会を経験し、世界に行けるだけの実力を持っているという自信があったからこそ。「LCQ」では敗れてしまったものの、彼らの強さが失われるものではない。
インタビューの最後、今後のことを尋ねた際にBlackWiz選手は「このオフシーズンで気持ちが消えたら選手はもういいかなという感じです」ともつぶやいていた。1年間の集大成とも言える試合であり、それだけこの大会にかける気持ちは誰よりも大きく、失望感も大きかったに違いない。
たしかに、🇨🇳EDGも🇰🇷ONSも素直に本当に強かった。しかし、日本には🇯🇵Nthの上にさらに🇯🇵ZETA DIVISIONがおり、ライバルとしてともに戦ったREJECTやCrazy Raccoonもいる。同じ地域の中に目指すべきライバルがたくさんいて、強くなれる機会も、彼ら自身が成長できるポテンシャルもまだまだあるということでもある。
『VALORANT』の競技シーンはシーズンごとに選手を入れ替えることが多く、🇯🇵Nthのメンバーもこの後大きく入れ替わるかもしれないが、半年前に🇯🇵Nthから巣立っていった選手たちも他のチームで頭角を表し、そのことが日本のレベルを格段に上げたことも間違いない。
2023年シーズンはリーグ方式になるとも言われており、さらに濃密な対戦が増え、これまで以上に日本のレベルも上がるだろう。そんな中で、今年のNORTHEPTIONの選手たちが再び輝いてくれること、来年も世界一を獲得してくれることを期待したい。
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JoxJo:
https://twitter.com/JoXJo_by
Meteor:
https://twitter.com/Meteorvlrt
Derialy:
https://twitter.com/derialy
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https://twitter.com/xnfri_
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【宮下英之 プロフィール】
PCやスマホアプリの活用記事を得意とするテクニカルライター。eスポーツブームに乗ってやってきた新参ライターながら、ゲーセンストII全盛組で現在はスト5、LoL、Apex、FF14、各種縦シューと節操なくプレイ中。共著に「iPhone/iPadではじめるEvernote」(アスキー書籍)がある。
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