【試合直後インタビュー】新加入のAnthem選手が語る、REJECTとして戦う初の国際試合での手応え【「VCT 2022 East Asia Last Chance Qualifier」】

2022.8.12 宮下英之
VALORANT』の公式大会で、今年の集大成となる世界大会『VALORANT Champions 2022』が2022年9月2日(金)〜18日(日)にかけてトルコはイスタンブールで開催される。

現在出場する10チームが決定していて、残りの6枠を賭けた最後の敗者復活戦が各地域で開催されている。日本は東アジア地域の敗者復活をかけた大会VCT 2022 East Asia Last Chance Qualifier」に出場している。

日本からは🇯🇵REJECT(RC)、🇯🇵Crazy Raccoon(CR)、🇯🇵NORTHEPTION(Nth) が参加。全チームが1試合目を勝利で通過するという快挙を成し遂げた。


そして、2022年8月11日(祝・木)のDay4では、🇯🇵RCは🇨🇳EDward Gaming(EDG)と、🇯🇵CRと🇯🇵Nthは直接対決というマッチが開催。🇯🇵RCが対戦する🇨🇳EDGは言わずと知れた中国1位の強豪チームであり、今大会の日本勢最大のライバルと言ってもいい存在だ。

1マップ目の「フラクチャー」は🇨🇳EDGの猛攻を受けて13対3という大差で落としてしまう。続く2マップ目の「バインド」は一時差をつけられながらも拮抗した戦いを繰り広げ、11対11まで追いついたものの、惜しくも敗れる結果となってしまった。

今回は、8月1日から🇯🇵RCに加入したばかりのAnthem(アンセム)選手にインタビュー。メンバーとの関係性やチームに合流してからの様子、🇨🇳EDGへの評価などをうかがった。


“あの1on3の場面”は絶対に取るべきだった──Anthem選手


──🇨🇳EDG戦、お疲れさまでした。今回は残念ながら2-0での敗退となってしまいましたが、まずは中国1位の🇨🇳EDGと戦った率直な感想をお聞かせください。

Anthem選手:試合運びなどは事前に予想していましたが、アグレッシブでチームとしてまとまって迫ってくるという印象どおりでした。

──Anthem選手は、8月1日にiNTRO選手やヘッドコーチのKeNNyさん、アナリストのmikkeさんとともにREJECTに加入されました。わずか10日でオンラインの国際大会出場となりましたが、試合に向けて練習はできましたか?



Anthem選手:実は、表向きは8月1日加入なのですが、それより前からトライアウトなども行っていたので、チーム練習に合流したのは7月頭からなんです。それでも1カ月しかなかったんですが、週5日くらいみんなで切磋琢磨して準備し、コミュニケーションも取れるようにはなりました。

──KeNNyさんについてはどんな印象ですか?

Anthem選手:言葉にするのが難しいのですが、KeNNyさんはチームとしてのあり方などを教えてくれて、チームが引き締まった気がします。特別なことをしているわけではなくて、低迷して気分が落ち込んだり、チームとしてのまとまりがなくなりかけているような時に支えてくれる総監督であり、精神的支柱として全体をまとめてくれる感じでもあります。

──iNTRO選手も同時期から練習していたんですか?

Anthem選手:そうですね。たまに韓国語も混じりますが、ゲーム中は主に日本語で報告などをしていて、めちゃくちゃ頑張ってくれています。

──試合を見てみても、iNTRO選手が伸び伸び戦えている様子は伝わりました。細かく振り返っていきますと、1マップ目のフラクチャーは序盤からかなり🇨🇳EDGのペースに巻き込まれてしまった印象で、それを断ち切るように2対5と離され始めたところでタイムアウトを取りましたね。

Anthem選手:あの時のタイムアウトでは、🇨🇳EDGがやっていることをコーチやアナリストがまとめてくれて、次のラウンドからどうするかを話し合いました。ただ、そのあとも🇨🇳EDGの勢いは止められなかったですね。

フラクチャーでのディフェンダー最後の12ラウンド目。A攻めする🇨🇳EDGに対してMedusa選手がきれいに裏取りしたものの、🇨🇳EDGに阻まれてしまう。3対9での折り返しとなり、🇯🇵RCはかなり厳しい展開に追い込まれた(https://www.youtube.com/watch?v=djt271Pba6E&t=3226s

──Anthem選手個人としては、どの選手が一番きつかったですか?

Anthem選手:フラクチャーに関しては、ZmjjKK(カンカン)選手を警戒していたのですが、想定以上にLife選手が爆発してしまって、手が付けられなくなりました。以前から🇨🇳EDGとはスクリムとかもさせてもらっているんですが、トップクラスに強いです。

──公式試合で戦って感じた、現在の🇨🇳EDGの強さはどんなところですか?

Anthem選手:🇨🇳EDGは現在のメンバーで1年くらい一緒にやっているので、連携力とか熟練度が高いですね。ここについては、すぐにどうにかできるような相手ではないかもしれません。

──とは言いつつ、2マップ目のバインドでは、シーソーゲームで取って取られてという流れを繰り返し、追い詰めることもできていましたよね。

Anthem選手:🇨🇳EDGの戦い方が、フラクチャーとバインドでまったく違ったんです。フラクチャーは前へ前へという印象で、バインドはどちらかというと日本とか韓国寄りの、しっかりエリアを確保してスタートするような動きをしていました。バインドの方が🇨🇳EDGらしい戦い方が相殺されてしまうというか、自由な動きをつぶせるマップだと思います。

──実際、6-6で折り返してから11対7とリードされたところでタイムアウトを取り、11対11まで巻き返しに成功しました。この時はどんな話し合いがあったのでしょうか?

Anthem選手:たしか、あの時点ではB1-A4みたいな極端な配置をしていたんですけど、タイムアウトで相手のアルティメットスキルの状況とかをしっかり見て、🇨🇳EDGに対するカウンター手段が準備できて、それがうまくささったのだと思います。

──11対11で迎えた23ラウンドは、さすがに🇨🇳EDGも、それまでの試合にはない慎重な動きが見られましたね。

Anthem選手:そうですね、こちらとしても、このまま勢いに乗って勝てるだろうという気持ちで挑んでいました。ただ、最後の最後、あの1on3の場面は絶対に取るべきラウンドでした。あそこで連携が崩れて流れが一度止まって、そのまま負けてしまいました。

11対11での重要な23ラウンド。1on3と🇯🇵RCが圧倒的人数優位な状態で🇨🇳EDGのCHICHOO(キューキュー)選手のアストラを囲んだのだが、撃ち合いでやられて🇨🇳EDGがマッチポイントに(https://www.youtube.com/watch?v=djt271Pba6E&t=7235s

──あそこは配信を見ながら絶叫してしまいましたが、CHICHOO選手もすごすぎましたね。3マップ目のスプリットもぜひ見たかったです……。ただ、REJECTとしてはまだLOWER BRACKETから勝ち上がる可能性が残されています! 次の対戦相手はNORTHEPTIONが2-0で勝利した中国2位のKONE eSCですが、印象はいかがですか?

Anthem選手:中国2位といっても🇨🇳EDG並みに強いと思いますが、今日のバインドで🇨🇳EDGとやりあえた自分たちの力に自信を持って戦うだけです!

──ありがとうございました! 次の試合も期待しています!

———

新メンバーの加入から間がないにもかかわらず、🇨🇳EDG戦のように厳しい相手との戦いで、善戦できるようなチームワークを発揮できた理由は、コーチ陣をはじめとするチーム全体の結束力アップがあってこそだろう。

REJECTにとっては後がない状況で、8月12日のKONE eSC戦となるが、今のチームの実力をもってすれば決して勝てない相手ではないはず。Anthem選手も試合後の公式インタビューで「這い上がりたい」力強く語ってくれたように、彼らの目標はあくまで世界大会出場だ。

日本の『VALORANT』シーンの強さを示すべく、次の試合もファン全員で全力のエールを送ろう!


■REJECTメンバーTwitterリンク

takej:
https://twitter.com/takejfps
Reita:
https://twitter.com/ReitathefpS
Anthem:
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Medusa:
https://twitter.com/FortheMedusa
iNTRO:
https://twitter.com/intr0w0w?lang=ja
KeNNy(Head coach):
https://twitter.com/fpskenny
koyori(Coach);
https://twitter.com/koyori_fps
mun(Coach):
https://twitter.com/mun_zip
mikke(Analyst):
https://twitter.com/mikke1130


配信アーカイブ
Twitch:
https://twitch.tv/valorant_jpn
YouTube:
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【宮下英之 プロフィール】


PCやスマホアプリの活用記事を得意とするテクニカルライター。eスポーツブームに乗ってやってきた新参ライターながら、ゲーセンストII全盛組で現在はスト5、LoL、Apex、FF14、各種縦シューと節操なくプレイ中。共著に「iPhone/iPadではじめるEvernote」(アスキー書籍)がある。
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