「クラロワリーグ アジア2019」記者会見レポート シーズン1は韓国で2カ月間開催

2019.4.19 岡安学
4月16日都内にて、スマートフォンゲームクラッシュ・ロワイヤル』(クラロワ)の世界一を決める「クラロワリーグ」のアジアリージョン大会「クラロワリーグ アジア2019」の記者会見が開催された。

「クラロワリーグ」2年目となる今年はさらなる発展を目指し、大幅なレギュレーションの改革を行っている。そのひとつが、「クラロワリーグ」自体の再編だ。

2018年はアジア、中国、北米、ラテンアメリカ、欧州の5つのリーグにより展開されてきたが、2019年はアジア、中国、北米(ラテンアメリカと欧州が併合)の3つのリーグによって展開される。

「クラロワリーグ アジア」は昨年と同様に、韓国4チーム、東南アジア4チーム、日本4チームの計12チームで争われるが、6チームごとの2つのグループに分かれて対戦する。試合は基本的に同じグループ内での対戦となるが、違うグループとの交流戦も予定されている。

それぞれのグループの上位4チームが、プレーオフに進出し、そこで勝利したチームがシーズン優勝となる。現状では「シーズン1」との表記で発表されているので、シーズン2の開催も予想される。もちろん、クラロワリーグ世界一決定戦も予定されているので、各リーグのシーズン1・2の優勝チーム+αが世界一決定戦へ進出するとみられる。

各リーグでの試合会場はリーグによって複数の場所が使われていたが、今年は基本的に1カ所で行われる。「クラロワリーグ アジア」は韓国ソウル近郊にあるOGN e-Stadiumを使用する。そのため、ほとんどのチームは、シーズンが終了するまでの2カ月間、韓国に滞在することになる。

日本のプロチームは再編&一新

今回の記者会見では、それに伴い新たに編成されたチームも紹介された。参加するチームは昨年と同じく、DetonatioN GamingFAV gamingGameWithPONOS(旧PONOS Sports)の4チーム。新規加入選手やチーム間移籍をした選手なども含め、新たなチーム構成が発表された。また、昨年はいくつかのチームが選手権監督を採用していたが、今年からは監督が専業となるため、選手が監督業へ移行するなどの動きもあった。

他にも新戦力の加入やチーム間移籍などで、チーム編成が大きく変わっている。韓国での長期滞在が難しい学生プロ選手がリーグを脱退していると見られ、かなりの選手の入れ替わりが見られる。各チームの体制をご紹介しよう(順不同)。

GameWith


GameWithは、一昨年の「クラロワ世界一決定戦」の日本代表であるアマテラス選手と高校生プレイヤーのシュン選手が登録を見合わせている。彼らの処遇について公表はされていないが、おそらく学業を優先してのことだろう。

新加入のブロッサム選手に加え、元PONOSのRolaporon選手、元FAV Gamingの焼き鳥選手を加え、5人中3人が新戦力となった。

PONOS


PONOSはFAV GamingからRAD選手を獲得。新戦力はkota選手で、2名の入れ替わりがあったが、みかん坊や選手、ライキジョーンズ選手、天GOD選手と既存メンバーの充実振りがうかがえる。

とくに、みかん坊や選手が監督業をフチ監督に移行したことで、選手に専念できるのは大きい。

DetonatioN Gaming


DetonatioN Gamingは『クラロワ』のランキングポイントとも言えるトロフィー数が日本3位を獲得した経験を持つReiya選手や、トロフィー7000超えをし、Red bullの大会で準優勝したHANE×HANE選手など新戦力で補強している。

FAV gaming


FAV gamingはエースのけんつめし選手を中心に、Jack選手ときたっしゃん選手の新戦力で挑む。
今回唯一、韓国滞在をせず、日本から試合ごとに渡航する。


また、韓国や東南アジア、それぞれの国や地域でも、チーム編成や新加入選手の発表があった。北米地区が併合され、チーム数が減ったことにより、アジア地区に活躍の場を求める欧州やラテンアメリカ、ヨーロッパの実力ある選手が韓国や東南アジアのチームに加入しているという情報もあり、日本以上に大きな変革があったようだ。

昨年は日本チームが韓国、東南アジアを圧倒し、リーグの上位を日本チームで占めていたが、今年はかなり強敵が揃った印象だ。

「クラロワリーグ アジア」ではシーズン2も開催予定

発表会後にSuperCell eスポーツ アジア担当殿村博氏に話を伺える機会を得たので、今回のリーグの目的や改変の意図を伺った。

SuperCell eスポーツ アジア担当 殿村博氏

――今回、リーグを5つから3つに編成しなおした理由は何でしょうか?

殿村:「クラロワリーグ アジア」に関しては、昨年、韓国、台湾、日本の3つの国と地域で行われていましたが、選手の移動が負担でした。また、会場の設備にも差があり、そこを統一する意味でも今回はひとつの場所で行うことを決めました。

その中で韓国が選ばれたのは、韓国のスタジオがOGNの自社スタジオであることや、eスポーツ専用の施設で設備が整っているという点です。

――昨年在籍していた何人かの選手の名前がありませんでしたが、やはり韓国での長期滞在が理由なのでしょうか?

殿村:昨年は、専業としてプロ活動を行っていたのはPONOSくらいで、他のチームの多くは学生であったり、兼業であったりしました。今回、韓国での長期滞在により、学業との両立が厳しくなり、参加を諦めた選手もいるようです。

チーム編成自体はチームに任せているので、チームごとに話し合いをしてきていると思います。大学生や専門学校生の中には休学してリーグに参加されている選手もいますが、さすがに高校生はそうもいかないので、参加を諦めざるを得なかったのかもしれません。

――プレスリリースのスケジュールには「シーズン1」と表記されていましたが、「シーズン2」が予定されているのでしょうか?

殿村:まだはっきりとしたことは言えませんが、シーズン2を開催する予定です。

シーズン1が4月下旬から始まり、6月下旬に終わります。その後、「STAGE:0」があり、「WCG 2019西安」があるので、それが終わって落ち着いた頃に開催するのではないでしょうか。

「クラロワリーグ世界一決定戦」で、シーズン1と2のチームが参加するのか、その2チームを含めたプレイオフをさらに開催するかはまったく未定です。「クラロワリーグ世界一決定戦」も開催することは間違いないですが、どこで開催するかも決まっていません。ただ、2年連続で日本はないのかなと思っています。

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記者会見で、各チームへの質疑応答で選手の状況について伺ったところ、全チームが専業もしくは学業がある選手も休学をし、「クラロワリーグ アジア」に注力することを述べている。

『クラロワ』だけに集中し、練習時間が多くなれば強くなるとは限らないが、「クラロワリーグ アジア2018」で圧倒的な強さを見せたPONOSが、昨年は唯一専業プロ選手だけで構成されたチームだったということを考えると、兼業で勝ち抜けるのは簡単なことではなく、専業の方が有利であることは明白だ。

そういう意味では、今年になってよりプロ意識は高まっている。プロらしい試合展開、プロとしての活動も期待できるだろう。

■リンク
クラロワリーグ アジア
https://crl-asia.com/jp/
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