優勝賞金4000万円はどんどんススムンガの手に!「XFLAG PARK 2019 モンストグランプリ」レポート
7月13〜14日に幕張メッセで「XFLAG PARK 2019」が開催されました。ライブあり、スポーツあり、お笑いあり、アニメの声優オーディションありと、あらゆるエンターテインメントを詰め込んだLiveイベントです。
その中でもメインコンテンツと言えるのが、「モンストグランプリ2019」です。昨年のJeSUプロライセンス発行からさらに知名度がアップし、日本最大級のeスポーツイベントと言えます。
XFLAG PARKは2日間の入場者数が4万人超となり、モンストグランプリを視聴した観客数は8000人を超えています。他のコンテンツがあるとは言え、有料のeスポーツイベントでこれだけの集客ができるのは、日本では他にないと言えるでしょう。
今年は賞金総額1億円と大台に乗り、優勝チームには4000万円が贈られます。さらにプロチームを省いた上位4チームには、新たにプロライセンスの発行がなされ、こちらも賞金以上に注目されました。
また、参加チームも昨年までは北海道・東北地区、関東地区、中部地区、関西地区、九州地区の予選を勝ち抜いた8チームによるトーナメント戦でしたが、今年はこれらの地域に加え、香港と台湾を入れた10チームによる大会となりました。そのため、大会名も「モンストグランプリ2019 アジアチャンピオンシップ」と銘打たれていました。
今大会は予選から波乱含みとなっており、昨年モンストグランプリとプロツアーの2冠を成し遂げた今池壁ドンズαが中部地区の1回戦で敗退するなど、軒並みプロチームが予選を敗退していました。最後の予選となった関西地区でようやくアラブルズがグランプリ本戦への切符を勝ち取り、プロチームの面目躍如となりました。
プロチームが油断をしていたわけでも、弱体化したわけでもなく、純粋に『モンスト』のプレイヤーの実力が伯仲してきており、参加するプレイヤーのスキルが上がっているわけです。その証拠として、13日に行われたタイムアタックラウンドでは、予想を遙かに超える2分を切る好タイムが連発し、決してたまたまうまくいったということではないことがわかりました。また、14日のグランプリ本戦のバトルラウンドでは勝利タイム差が0.02秒差という、もはや人間には判断できないようなタイム差での勝敗が決まる場面もありました。
そして、その好タイムを出すためにギリギリのプレイをしており、優勝候補の一角であったLMBulldozerは、少しのミスが大きく響き、4分台でのクリアとなってしまいました。安定した戦術をとればこんなタイムになることはないとしても、それでは2分を切っている上位チームには敵わないわけで、ギリギリの勝負をした結果ということです。
そのギリギリの戦いは、14日のグランプリ本戦でも何度も観られました。eスポーツの『モンスト』は、ステージに配置されたモンスターを素早く倒し、全6ステージをクリアしたタイムで勝敗を決します。本来であれば、どちらが先にラスボスを倒すかということが勝敗に関わってくるのですが、敵モンスターによって、味方が倒されてしまう(Downする)こともあるわけです。初心者や初めてプレイするステージでは、倒し方がわからずにDownすることはありますが、トッププレイヤーであるグランプリ出場者にとっては、クリアして当たり前であることは言うまでもありません。しかし、今大会では4度のDownが発生していました。これもギリギリの戦いで、できるだけ速く倒すためにリスクを背負った戦い方、難易度の高いショットを撃つ戦い方をした結果であるわけです。
「モンストグランプリ2019」では、6種類のステージが使用され、トーナメントの状態によって組み合わせが変わってきます。6種類のステージは普段からも使用されているので、それぞれのステージに対する最適解は研究されています。最短手数や最短時間、キャラクターの組み合わせや順番などは、トッププレイヤーであれば当然共有されているわけです。
しかし、「モンストグランプリ」では、対戦するチーム同士で同じキャラクターを使えず、交互にピックしていくシステムになっているため、最適解のチーム編成が使えなくなっています。そこにチームごとの研究が反映されていくのですが、それでもある程度は似通ってしまうのが現状です。
そんな中、独自の研究結果を見せたのが優勝したどんどんススムンガでした。決勝に進んだどんどんススムンガは初戦となる「焔旗の獣人姫」のステージで、これまでピックすべきキャラクターとみられていなかった「こゆき」を選びます。「焔旗の獣人姫」はステージギミックにワープがあり、ワープホールにキャラクターが触れてしまうと、違うワープホールにワープさせられてしまいます。そのため、ワープを無効化するアンチワープのスキルを持ったキャラクターを選ぶのですが、こゆきはアンチワープのスキルがなく、本来であればこのステージでは使いにくいキャラクターです。実際、解説陣もどうやってこゆきを使うのか分かりかねており、解説をしきれていないほどでした。
こゆきは、1番手のリードぴよまる選手が使い、1手目に狙い通りの配置を行い、ステージ3ではその配置からしか狙えない場所にこゆきを打ち込み、一撃で複数の中ボスを一掃することに成功していました。この戦術には会場も解説も驚愕を隠せず、感嘆の声とともに大いに称えられました。研究し尽くされた定石を超えた一手を見せたどんどんススムンガはそのままの勢いを駆り、アジア最強を手にしています。
撃ち出しの方向や強さのタイミングの正確性、撃ち出しの速さが重要とされがちな『モンスト』において、キャラクターピックや戦術によって、まだまだクリア手数や時間を縮めることができることを証明した試合だったのではないでしょうか。
「こゆきに関してはチーム全員に、もうひとりの協力者によって見出しました。少しでもずれてしまうと試合自体が終わってしまうので、確実に決められるように練習しました」とぴよまる選手が答えていました。
また、高額賞金を得たことは当然嬉しいが、それ以上にプロになれたことが嬉しいと答えていました。
「(ひとりあたり)1000万円もらったとしても、その事実だけで人を集めることはできないと思います。プロ選手が何かをやるからこそ人は集まってくれる。プロとしていろいろな活動をして、これまで以上に『モンスト』を広めていきたいです」(ぴよまる選手)。
「プロになったことで、プロツアーに出られるようになったのが嬉しいです。レベルの高いところでプレイすることがしたかった」(ごーず選手)。
奇しくも今回も優勝チームを輩出したのは中部地区の代表でした。昨年の「モンストグランプリ2018」の今池壁ドンズα、今年の「ニコニコ闘会議」のジュニアグランプリで優勝した次世代BOXも中部地区で、まさに『モンスト』の激戦区と言えます。
「今回のグランプリは、最初は関東地区から出ることも考えました。しかし、今池壁ドンズαのように地元に根付いたチームになりたかったので、やはり地元である中部地区を選びました。中部地区は『モンスト』が強いチームが多いので、そこで勝てば強いチームだと思われますから。中部と言えば昨年の予選ではGVに敗退して本戦に出られなかったので、今はGVと戦いたいと思っています」(ぴよまる選手)。
最後に、株式会社ミクシィ執行役員 ライブエクスペリエンス事業本部長 田村征也氏による大会の振り返りがありました。
「今回優勝したどんどんススムンガは、2017年くらいからグランプリ予選に参加していただいており、今回初のグランプリ本戦出場で悲願の初優勝でした。本当におめでとうございます。
今年は例年になくハイレベルな試合が多く、観客や視聴者の注目度も格段に上がっています。動画配信は昨年の2倍くらいの視聴者がありましたし、着実にeスポーツや『モンストグランプリ』が注目されているのがわかります。
また、優勝したどんどんススムンガをはじめ、若いチームが多く参加し、層が厚くなってきています。今後は彼らプロ選手の活躍の場を増やしていきたいですね。今年はステージイベントに今池壁ドンズαのキララ選手にも登場していただきましたが、そういった選手以外の活動ができるようにしていきたいです。
もっと知名度を上げ、その知名度を活かした活動をしていきます。チームグッズなども展開していきたいと思います。XFLAG PARKは『モンスト』を知らない人でも楽しめる、アニメ、ゲーム、音楽、スポーツの祭典で、誰でも参加できるイベントです。今後も楽しんでいただければと思います」(田村氏)。
また、確定の言質までは得られませんでしたが、新たにプロとなった選手が待ち望んでいるプロツアーについても、前向きに検討しているとの話でした。
その中でもメインコンテンツと言えるのが、「モンストグランプリ2019」です。昨年のJeSUプロライセンス発行からさらに知名度がアップし、日本最大級のeスポーツイベントと言えます。
XFLAG PARKは2日間の入場者数が4万人超となり、モンストグランプリを視聴した観客数は8000人を超えています。他のコンテンツがあるとは言え、有料のeスポーツイベントでこれだけの集客ができるのは、日本では他にないと言えるでしょう。
今年は賞金総額1億円と大台に乗り、優勝チームには4000万円が贈られます。さらにプロチームを省いた上位4チームには、新たにプロライセンスの発行がなされ、こちらも賞金以上に注目されました。
また、参加チームも昨年までは北海道・東北地区、関東地区、中部地区、関西地区、九州地区の予選を勝ち抜いた8チームによるトーナメント戦でしたが、今年はこれらの地域に加え、香港と台湾を入れた10チームによる大会となりました。そのため、大会名も「モンストグランプリ2019 アジアチャンピオンシップ」と銘打たれていました。
今大会は予選から波乱含みとなっており、昨年モンストグランプリとプロツアーの2冠を成し遂げた今池壁ドンズαが中部地区の1回戦で敗退するなど、軒並みプロチームが予選を敗退していました。最後の予選となった関西地区でようやくアラブルズがグランプリ本戦への切符を勝ち取り、プロチームの面目躍如となりました。
プロチームが油断をしていたわけでも、弱体化したわけでもなく、純粋に『モンスト』のプレイヤーの実力が伯仲してきており、参加するプレイヤーのスキルが上がっているわけです。その証拠として、13日に行われたタイムアタックラウンドでは、予想を遙かに超える2分を切る好タイムが連発し、決してたまたまうまくいったということではないことがわかりました。また、14日のグランプリ本戦のバトルラウンドでは勝利タイム差が0.02秒差という、もはや人間には判断できないようなタイム差での勝敗が決まる場面もありました。
そして、その好タイムを出すためにギリギリのプレイをしており、優勝候補の一角であったLMBulldozerは、少しのミスが大きく響き、4分台でのクリアとなってしまいました。安定した戦術をとればこんなタイムになることはないとしても、それでは2分を切っている上位チームには敵わないわけで、ギリギリの勝負をした結果ということです。
そのギリギリの戦いは、14日のグランプリ本戦でも何度も観られました。eスポーツの『モンスト』は、ステージに配置されたモンスターを素早く倒し、全6ステージをクリアしたタイムで勝敗を決します。本来であれば、どちらが先にラスボスを倒すかということが勝敗に関わってくるのですが、敵モンスターによって、味方が倒されてしまう(Downする)こともあるわけです。初心者や初めてプレイするステージでは、倒し方がわからずにDownすることはありますが、トッププレイヤーであるグランプリ出場者にとっては、クリアして当たり前であることは言うまでもありません。しかし、今大会では4度のDownが発生していました。これもギリギリの戦いで、できるだけ速く倒すためにリスクを背負った戦い方、難易度の高いショットを撃つ戦い方をした結果であるわけです。
「モンストグランプリ2019」では、6種類のステージが使用され、トーナメントの状態によって組み合わせが変わってきます。6種類のステージは普段からも使用されているので、それぞれのステージに対する最適解は研究されています。最短手数や最短時間、キャラクターの組み合わせや順番などは、トッププレイヤーであれば当然共有されているわけです。
しかし、「モンストグランプリ」では、対戦するチーム同士で同じキャラクターを使えず、交互にピックしていくシステムになっているため、最適解のチーム編成が使えなくなっています。そこにチームごとの研究が反映されていくのですが、それでもある程度は似通ってしまうのが現状です。
そんな中、独自の研究結果を見せたのが優勝したどんどんススムンガでした。決勝に進んだどんどんススムンガは初戦となる「焔旗の獣人姫」のステージで、これまでピックすべきキャラクターとみられていなかった「こゆき」を選びます。「焔旗の獣人姫」はステージギミックにワープがあり、ワープホールにキャラクターが触れてしまうと、違うワープホールにワープさせられてしまいます。そのため、ワープを無効化するアンチワープのスキルを持ったキャラクターを選ぶのですが、こゆきはアンチワープのスキルがなく、本来であればこのステージでは使いにくいキャラクターです。実際、解説陣もどうやってこゆきを使うのか分かりかねており、解説をしきれていないほどでした。
こゆきは、1番手のリードぴよまる選手が使い、1手目に狙い通りの配置を行い、ステージ3ではその配置からしか狙えない場所にこゆきを打ち込み、一撃で複数の中ボスを一掃することに成功していました。この戦術には会場も解説も驚愕を隠せず、感嘆の声とともに大いに称えられました。研究し尽くされた定石を超えた一手を見せたどんどんススムンガはそのままの勢いを駆り、アジア最強を手にしています。
撃ち出しの方向や強さのタイミングの正確性、撃ち出しの速さが重要とされがちな『モンスト』において、キャラクターピックや戦術によって、まだまだクリア手数や時間を縮めることができることを証明した試合だったのではないでしょうか。
大会終了後のインタビューでも
「こゆきに関してはチーム全員に、もうひとりの協力者によって見出しました。少しでもずれてしまうと試合自体が終わってしまうので、確実に決められるように練習しました」とぴよまる選手が答えていました。
また、高額賞金を得たことは当然嬉しいが、それ以上にプロになれたことが嬉しいと答えていました。
「(ひとりあたり)1000万円もらったとしても、その事実だけで人を集めることはできないと思います。プロ選手が何かをやるからこそ人は集まってくれる。プロとしていろいろな活動をして、これまで以上に『モンスト』を広めていきたいです」(ぴよまる選手)。
「プロになったことで、プロツアーに出られるようになったのが嬉しいです。レベルの高いところでプレイすることがしたかった」(ごーず選手)。
奇しくも今回も優勝チームを輩出したのは中部地区の代表でした。昨年の「モンストグランプリ2018」の今池壁ドンズα、今年の「ニコニコ闘会議」のジュニアグランプリで優勝した次世代BOXも中部地区で、まさに『モンスト』の激戦区と言えます。
「今回のグランプリは、最初は関東地区から出ることも考えました。しかし、今池壁ドンズαのように地元に根付いたチームになりたかったので、やはり地元である中部地区を選びました。中部地区は『モンスト』が強いチームが多いので、そこで勝てば強いチームだと思われますから。中部と言えば昨年の予選ではGVに敗退して本戦に出られなかったので、今はGVと戦いたいと思っています」(ぴよまる選手)。
最後に、株式会社ミクシィ執行役員 ライブエクスペリエンス事業本部長 田村征也氏による大会の振り返りがありました。
「今回優勝したどんどんススムンガは、2017年くらいからグランプリ予選に参加していただいており、今回初のグランプリ本戦出場で悲願の初優勝でした。本当におめでとうございます。
今年は例年になくハイレベルな試合が多く、観客や視聴者の注目度も格段に上がっています。動画配信は昨年の2倍くらいの視聴者がありましたし、着実にeスポーツや『モンストグランプリ』が注目されているのがわかります。
また、優勝したどんどんススムンガをはじめ、若いチームが多く参加し、層が厚くなってきています。今後は彼らプロ選手の活躍の場を増やしていきたいですね。今年はステージイベントに今池壁ドンズαのキララ選手にも登場していただきましたが、そういった選手以外の活動ができるようにしていきたいです。
もっと知名度を上げ、その知名度を活かした活動をしていきます。チームグッズなども展開していきたいと思います。XFLAG PARKは『モンスト』を知らない人でも楽しめる、アニメ、ゲーム、音楽、スポーツの祭典で、誰でも参加できるイベントです。今後も楽しんでいただければと思います」(田村氏)。
また、確定の言質までは得られませんでしたが、新たにプロとなった選手が待ち望んでいるプロツアーについても、前向きに検討しているとの話でした。
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