【Riot Games ONE 2024】Dep「このメンバーで勝って、楽しく終わりたい」——まさかの「引退宣言!?」にメンバーもびっくり! ZETA DIVISIONインタビュー

2024.12.17 まいる
ライアットゲームズによる2024年最後の集大成ともいえる一大イベント「Riot Games ONE 2024」のオフラインイベントが12月14日(土)〜15日(日)に、Kアリーナ横浜で開催された。その中でも『VALORANT』の競技シーンにおいて、国内外の強豪4チームが対決する「PRO INVITATIONAL」は両日実施された。

▲左から🇯🇵DetonatioN FocusMe(DFM)、🇯🇵ZETA DIVISION(ZETA)、🇬🇧FNATIC(FNC)、🇦🇷Leviatán(LEV)

そんな出場チームの中から、今回は🇯🇵ZETA DIVISION(ZETA)をピックアップ。今年8月にレジェンドであるLazが引退するなど、大きな転換期を迎えたZETA。そんな中、このオフシーズンに新たに加入したのが、元FENNELに所属していたCLZ、SyouTa、Xdllの3人だ。

2022年のMasters Reykjavíkで世界3位を獲得して以降、ZETAはリーグ戦では苦戦を強いられ、思うような結果を残すことができていない。生まれ変わった彼らに、今後新たな風は吹くのだろうか。今回はDay2のDFM戦後(イベント終了後)に行われた、合同インタビューの様子をお届けしよう。

ZETA DIVISION 合同インタビュー


▲左からCLZ(くるず)、SugarZ3ro(しゅがーぜろ)、SyouTa(しょうた)、Dep(でっぷ)、Xdll(えっくすでぃる)

——試合お疲れさまでした。2日間通しての感想をお聞かせください。

CLZ:2日間通して、本当に全チームともめちゃめちゃ強くて、楽しもうって気持ちでやってたんですけどいい経験になったなって思いました。ありがとうございました。

SugarZ3ro:いろんなチームと対戦して、お客さんもいっぱい来てくれて、すごく楽しかった1日でした。ありがとうございました!

SyouTa:…………(沈黙)

(一同笑い)

▲考え込むSyouTaに会場からは笑い声が漏れる。インタビューが22時すぎに行われたということを考えれば、疲れてしまうのも当然なのかもしれない

SyouTa:びっくりするほど何も出てこない(笑)。

Xdll:「楽しかったです」で。

SyouTa:楽しかったです……って、ダメだよ。ちゃんと考える。

(十数秒の沈黙の後)えー、2日間トップチームを相手して、たくさん学べたことがあったと思うので、とてもいい経験になったと思います。楽しかったです。

Dep:とりあえず、Alfajerが世界で一番強いんじゃないかって。

CLZ:間違いない。

Dep:ってことが分かったんで、もうそれだけでいいです。ありがとうございました。

Xdll:昨日もいいプレーを出せたり、今日もアイソを使えたりで、めっちゃ楽しくて……気持ちよく帰れます。

はじめはCLZがアイソだった!?
Xdllがアイソを使った理由とは


▲今大会で目立ったXdllのクラッチとマルチキル(いつものことだが)。アイソの強みを存分に生かしたアグレッシブなプレーが、DFMの有利をひっくり返す(https://www.youtube.com/live/ijtxGYD0lDQ?si=x35L3TBwOZeiTnFE&t=36873

——Xdll選手は公式試合において、これがおそらく1~2回目のデュエリストだと思います。今回アイソを使うに至った理由を、どなたか分かる方でお聞かせください。(このDFM戦では、Depがヨル、Xdllがアイソの構成だった)

Dep:あ、僕分かりますよ。最初はCLZがアイソを使っていたんですけど、Xdllが「俺じゃなきゃやりたくない」って。

Xdll:ちょっとまって、おかしいおかしい! 言ってない、言ってない!

Dep:言ってないか。……でも雰囲気はそんな感じだよな。

SugarZ3ro:まあ、そんな感じ。

Xdll:ちょっとまって、おかしいじゃん!(笑)

Dep:まあ実際は、IGLをソーヴァのほうがやりやすいってなったからですね。

▲Dep選手による暴露(?)に、Xdllは大声でツッコミを入れる。本人は否定しているが、真実はいかに?

——DFMが中国での大会で2位を獲得したかと思いますが、その中で注目に残った選手はいますか?

SyouTa:Meiyくんやばいでしょ。

Dep:Meiy、Art……Jinboong。

SyouTa:Jinboongだ、ヤバい。

CLZ:Jinboongが世界一強いんじゃないかって。

Dep:いやいやいや、Alfajerだって!

(一同笑い)

▲食い気味で否定するDep。どうやら、世界一の座はAlfajer以外に譲れないらしい

CLZ:いやでも、エイムがヤバすぎると思うんですよね。

Dep:Jinboongは確かにヤバいね。

▲「ヘッドショットマシーン」と呼ばれるほど、驚異的なエイムを見せつけるJinboong。かつて戦った相手だからこそ、CLZもその恐ろしさをよく知っている(https://www.youtube.com/live/ijtxGYD0lDQ?si=hXp3IK-Pc_LMOVPv&t=37957

踊るDep、大爆笑のXdll。異例の「パフォーマンス」の理由


——Dep選手がラウンドを取ったときに踊っていた場面がありました。

Dep:踊りじゃないっすね。

Xdll:いや、踊ってた(笑)。

▲キャスター陣もびっくりの「踊るDep」。横にいるXdllも、思わずその姿に手を叩いて爆笑だ(https://www.youtube.com/live/ijtxGYD0lDQ?si=KAQgNxuACTETA1yq&t=36197

——このようなパフォーマンスが見られるのは珍しいと思うのですが、なにか心境の変化などがあったのでしょうか。

Dep:僕、オフラインでの練習の時にいつもふざけているんです。それがもう癖になっちゃって、勝手に出ちゃいましたね。

——それは最近ですか?

Dep:いや、このメンバーに変わってからずっとですね。最初の方は隠せてたんですけど(笑)。

(一同笑い)

——CLZ選手におうかがいします。このメンバーになって数カ月ほどが経ちましたが、改めてインターナショナルリーグに挑む心境をお聞かせください。

CLZ:自分の選手生命の中で、今のこのメンバーが一番チャンスがあるというか、周りが全員強いという状態です。なので、このメンバーで勝てなかったらもう自分はダメだなと思っているので、そんな心意気の上でこの1年全力でやりきりたいと思います。

▲以前のインタビューではIGLの苦悩を吐露するなど、数々の山場を乗り越えてきたCLZ。そんな彼は、チームメイトを「過去一番」だと評する

——では最後に、来シーズンの意気込みをお聞かせください。

CLZ:Pacificは一番といってもいいくらい強いチームがそろっていますが、そこで僕たちが勝てれば世界でも勝てると思っているので、頑張って練習して、勝ちたいと思います。頑張ります!

SugarZ3ro:1月から大会が始まるのですが、その1戦1戦を大事にして、どんどん勝って成長していきたいと思います。頑張ります。

SyouTa:…………(沈黙)

SugarZ3ro:「頑張ります、応援よろしくお願いします」

SyouTa:(笑)俺の分?

SugarZ3ro:うん。

SyouTa:俺、試合より焦ってる。

Dep:母国語でいく?

SyouTa:全部中国語? ダメだって、それ(笑)。

▲やはり言葉が出てこないSyouTa。インタビュー終了後に、記者に対して「すいません、なんも出てこなかったっす!」と手を合わせる一面も見せた

SyouTa:そうっすね…………まあ、頑張ります。

Dep:えぇ!?

「楽しく終わりたい」——Dep、まさかの引退宣言か?


Dep:私はですね、歳も歳なので、来年このメンバーで勝って、楽しく終わりたいと思ってます。

▲まさかの「終わりたい」発言に顔を見合わせる選手たち。取材をする記者たちの間にも、少しヒヤヒヤした空気が流れる

CLZ:なに、終わるって?(笑)

Xdll:終わる?

SyouTa:終わらないっすよ。

Dep:えー、Championsで優勝して、気持ちよく終わりたいです。

Xdll:さっきステージ上で茨城忍者(Art)が言っていたと思うんですが、僕とCLZとSyouTaはティア2からで、日本のティア2はマジでレベルが高いと思うので、それを証明していきたいと思います。よろしくお願いします。

——ありがとうございました!

———

今回のインタビューをしていて感じたのが、その雰囲気の良さだ。もちろんそれぞれのチームに特色があって、それぞれ異なる良さがあるのだが、今のZETAに関してはまるでコントを見ているかのような掛け合いがあり、仲の良さがひしひしと感じられた。それはおそらく、Xdll選手を初めとする、明るくフレッシュな元FENNEL組の加入が大きな一因だろう。

この「Riot Games ONE 2024」においては、初戦のLEV戦では13-7と快勝。一方のFNCには2-13と圧倒的な敗北を期すものの、翌日のDFM戦では逆に13-4と余裕の勝利。まだオフシーズンということもあり、各チームの構成や作戦が固まりきっていない中ではあるが、十二分に期待できる結果だ。

▲よくよく考えると、全員が日本一を経験しているバケモノぞろいのチームだ。オフライン会場によく慣れているのも大きいだろう

もちろん日本勢が世界でも劣らない強さを持っていることは事実だが、厳しいことを言うとここ2年は目立った活躍ができていないのも事実。そんなひっくり返った日本勢の看板をもとに戻すには、やはり勝利を積み重ねていかなければならないだろう。

だが——筆者としては、彼らをずっと信じている。勝利した経験も、敗北を味わった経験も、そしてそれを乗り越え頂点を掴んだ経験も、この5人全員が知っている。もちろんFENNELを幾度か取材した贔屓目も多分にあるが、それ以上に一ファンとして、彼らの活躍に心から期待したい。

▲あのMasters Reykjavíkで話題になった「NICE!」で応援! チアボードなどを掲げるこの観戦スタイルは、もはや大型イベントの風物詩だ

まずは、1月中旬から始まるキックオフ。ガラリと変わったこの新生ZETAがどこまで進んでいけるか、じっくりと「ZETAWIN」で見届けよう。


Riot Games ONE:
Day1:https://www.youtube.com/live/JjuEkMtvy_c
Day2:https://www.youtube.com/watch?v=ijtxGYD0lDQ


撮影:まいる
編集:いのかわゆう


【まいるプロフィール】
関西を拠点にする男性コスプレーヤー。イベントや大会によくコスプレ姿で出没する。2021年頃から『VALORANT』にハマり、競技シーンを追い続ける。現在の推しチームは「CREST GAMING」。

X:@mlunias(Photo by Subaru.F.)
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