【xnfri選手インタビュー】半年ぶりのイニシエーター。練習時間はわずか3日だった——🇯🇵DetonatioN FocusMeまたも悲願の一勝を逃す

現在、韓国ソウルで開催中の『VALORANT』の最高峰リーグのひとつである「VCT Pacificリーグ」。2カ月間にわたる総当たりのリーグ戦が行われている同リーグもいよいよ5週目を迎えた。日本代表として出場している🇯🇵DetonatioN FocusMe(🇯🇵DFM)はWeek5 Day2で🇵🇭Team Secret(🇵🇭TS)と対戦。

3ラウンド先取と幸先のいいスタートを迎えるも、そこから5ラウンド連続で落とし、気がつけば11:13で1マップ目のアセントを落とす。2マップ目のヘイヴンでは前半3:9と大きく差が付いてしまい、後半の挽回もむなしく8:13で敗北。連続でマップを落とし敗北となった。

なお🇯🇵DFMはメンバーこそ違うものの、2022年6月4日(土)に開催された「VALORANT ChallengersJP Stage2」のJadeite戦以降一度も勝利しておらず、10連敗目となってしまった。

勝ち取りたい1勝になかなか手が届かない中、試合直後にtakej(たけじぇー)選手、xnfri(ぜんふ)選手がインタビューに応じてくれのたで、その様子をお届けしよう。

takej選手のインタビューはこちら:
https://esports-world.jp/interview/28475

ヘイヴンでのスパイク設置事情は自分のミス


——まずは試合おつかれさまでした。辛い戦いとなっていましたが、🇵🇭TSのどういったところが強かったですか?

xnfri選手(以下、xnfri):いろいろと辛かったですね……。そもそもロールの変更もありましたし、試合中は想像以上にアグレッシブなプレイスタイルだったので、そこに結構押されてしまいましたね。

▲1マップ目アセントのワンシーン。ディフェンダーサイドの🇵🇭TSはマップ中央のミッドから進行してくる🇯🇵DFMに対し1ピック。その後ミッドにアビリティを放ち、圧をかけつつもAショートへとローテートする🇯🇵DFMだが、その圧にもめげずDubsteP選手はミッドの情報を入手。🇯🇵DFMがAショートへ向かっているのを確認すると、すぐさま全選手でAサイトを包囲する。あまりのスピードの速さに🇯🇵DFMは対応できず、キルログは悲惨なことに……(https://www.youtube.com/watch?v=Z02pcTjFTZs&t=13102s

——カバーの速さとか、エントリー阻止の仕方などに苦しめられている印象はありました。

xnfri:そうですね。それは感じていたとは思います。ただ今回は相手がどうこうというより、自分のミスが多かったので、そのことしか考えられないですね。

——自分のミスというのは具体的にどういった部分が挙げられますか?

xnfri:今回、半年ぶりのイニシエーターで……チーム内でもいろいろありました。言い訳に聞こえてしまうかもしれませんが、まともに練習できたのが3日間くらいだったんです。自分が入ることで、ほかのチームメンバーもいろいろ変わるじゃないですか。そういう対応も難しかったと思いますし、全体的にプレイに焦りが出てしまってましたね。

——なるほど。ただ前回のインタビューではコントローラーを担当することで、撃ち合いに参加できないもどかしさがあるというお話をされていたと思います。今回半年ぶりにイニシエーターを担当してみて、性に合っているとは感じましたか?

参考:
【xnfri選手インタビュー】コントローラーとしての意思疎通は改善していきたい——🇰🇷Gen.G相手に惜敗!🇯🇵DetonatioN FocusMe初勝利ならず

xnfri:いやぁ、そうですね。(コントローラーよりは)間違いなく自分に合っているのかなと思いました。NORTHEPTION時代にイニシエーターをやっていたからなのか、単純に自分のプレイスタイルに合っているかはわかりませんけどね。

——アセントではtakej選手とフラッシュを合わせて流れるようにエントリーするというよな、攻めの連携は取れていましたもんね。

▲エコラウンドの🇵🇭TSはAショートに人数を割いていた。そんなAショートを攻めることになった🇯🇵DFMだが、xnfri選手とtakej選手ふたりでアビリティを合わせることで、フラッシュ避けにも対応。xnfri選手が先陣を切りつつ、Aショートを制圧した。ふたりの息はバッチリだ!(https://www.youtube.com/watch?v=Z02pcTjFTZs&t=12919s

xnfri:ありがとうございます。少人数の連携はあまり問題なかったかなと思います。ただ全体の動き方、チーム内での自分の動き方というのはイニシエーターとコントローラーでは異なるので、そういった感覚が本当に久しぶりで苦戦しましたね。

——ヘイヴンでは同じイニシエーターでも慣れないブリーチをピックしていました。辛い場面ではありながらも設置せざるを得ない立場を担っているようにも感じました。

xnfri:ヘイヴンの設置事情に関しては、結構自分のミスが多かったです。B設置に向かったところをアビリティの合わせ技でキルされてしまったところなんかは、普通に設置をやめれば良かったのに無理矢理設置しちゃったり。

もともとは自分がスパイク持たない作戦だったのに、いつもの癖で持ってしまったりというような、しょうもないミスが多かったので違う意味で悔しいですね。

▲武器不利なラウンドということもあり、設置に焦ってしまったのかアビリティの応酬で、本来スパイク設置後に解除遅延を担うxnfri選手が早々にやられてしまう。takej選手の2キルも手伝って非常に惜しいラウンドではあったと考えると、最初のキルは大きな痛手だったといえる。(https://www.youtube.com/watch?v=Z02pcTjFTZs&t=15240s)このような設置中によるアビリティでのキルは10ラウンド目にもあった(https://www.youtube.com/watch?v=Z02pcTjFTZs&t=16160s

——先ほどもxnfri選手が3日しか練習できなかったというお話もあったと思いますが、現在🇯🇵DFMはロスターやエージェントピックの変更がめまぐるしいですよね。そういった構成がひんぱんに変わることは、選手個人個人のキャパシティを超えているのではないかと思ってしまうのですが、選手自身としてはいかがですか?

xnfri:うーん……。

——例えば自分としてはせっかくなじんできた構成なのに、次の週になるともう違う構成で挑まなければならないというのは、見ている側からしてもとても大変そうに思えます。

xnfri:チーム内の事情もありますし、やらなければいけないので「やるしかないや」と思っています。無意識のうちに(キャパシティを)超えているかもしれないですけど——。まあわからないですね。すみません。

——なるほど。こういった構成ってチーム全体で決めるものなのでしょうか。それともコーチ陣の一任で決まるものなのでしょうか。

xnfri:両方ありますね。今回はReitaさんから「リザーブに回りたい」という相談があり、自分が入る形になったんですけど、その話し合いが結構長くかかってしまい、それが練習時間の短さにつながっちゃいましたね。

——そうだったんですね。少人数での連携は問題なかったというお話でしたが、なんとなくチーム全体的にリズムがあっていないようにも感じました。そういうみだれというのはxnfri選手的にも感じていますか?

xnfri:はい、感じますね。各々がやりたいことや、自分が好きなプレイスタイルが違うことで起こっているとは思うんですけど、そこは本当に早く統一して直したいですね。

▲2マップ目ヘイヴンでのワンシーン。ヘイヴンではSeoldam選手の強さが際立つ場面が多く見られた。時にはエースを決めるラウンドも。しかし、それはSeoldam選手自身のフィジカルが強かったのであって、チーム全体の連携が取れていたかというと、後続の味方はややリズムに乗れていないようにも感じる。ジェットというエージェントの性質上、前に前にという戦い方が強いられるものではあるものの、情報共有されているのかと思うと疑問が残るラウンドも(https://www.youtube.com/watch?v=Z02pcTjFTZs&t=16346s

——ここにきて、そういう部分が統一できていないというのは何か理由があるのでしょうか? 例えば話し合いがしっかりできていないとか——。

xnfri:そういうのはないんですけど、とっさの判断がちょっとズレてる。難しいですね……。

——なるほど。ではそういったリズムあわせが今後の課題になってくるという感じですかね。

xnfri:そうですね。常に課題ですね。

——そんな状態ではありますが、配信を通してみるとチーム全体の雰囲気は非常にいい感じにも見えました。

xnfri:チームの雰囲気は大丈夫だと思います。

——では最後に、次の試合に向けてxnfri選手自身がどうするべきだと考えているのか、今の思いをお聞かせください。

xnfri:次は🇰🇷T1戦ですね。小さいミス、大きいミス、本当にこの一週間でできるだけ個人のミスは減らしたいです。チームのミスはちょっと難しいとは思うんですけど……。迷いなく試合に挑めたらいいなと思っています。

——ありがとうございました!

———

試合直後、しかも負けてしまった試合後にもかかわらずインタビューに応じてくれたxnfri選手、takej選手。彼らと話してみて感じたのは、彼らが現状置かれている立場にとても迷走しているという点だ。

それは筆者が勝手に感じていることなのかもしれないが、言葉を詰まらせる場面や熟考している部分を見ると、何か救いを求めているようにも感じるし、何か内に秘めているものがあるようにも感じるのだ。

彼らにとって今一番ほしいものは勝利の1勝。それは揺るぎない事実ではある。VCT Pacificリーグがはじまってから、まだ一勝もできていないDFM。一方で同じ日本代表として戦っているZETA DIVISIONはすでに3連勝している。

そんな焦りもある中、ロスターの変更や仕様エージェントの構成の変更というのは、大きな変化をもたらすきっかけにもなる反面、DetonatioN FocusMeというチームのコンセプトがなかなか定まらない要因でもあるのではないだろうか。

今チームにとって必要なものは何なのか——。改めて考えさせられるインタビューとなった。次の試合は4月29日(土)で、対戦相手は🇰🇷T1となっている。次こそは待望の1勝へと駒を進めてほしい。

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【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。

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