「常に対策され続ける側ではあるけど、プレイオフでも全力で1位を勝ち取りたい!」【ZETA DIVISON Laz選手インタビュー】
『VALORANT』の2022年シーズンもついにStage2へと進行。日本でも国際大会の切符を手に入れるべく強豪がハイレベルな戦いを展開している。2022年5月22日(日)には、前日に引き続きプレイオフ進出をかけた熱い戦いが繰り広げられ、ZETA DIVISON(以下、ZETA)とREJECT(以下、RC)がプレイオフ進出の切符を手にした。
今回は、Stage1で世界ベスト3という快挙を成し遂げたZETAのリーダーLaz(らず)選手にインタビュー。新構成で魅せた新しい戦術や、かつての戦友とのアツいバトルについて語っていただいた。
チェンバー、ジェットのナーフで導き出された
——まずはプレイオフ進出おめでとうございます!
Laz選手(以下、Laz):ありがとうございます!
ぶじに1位通過できてよかったです。どのチームもZETA対策をしてくるだろうと思っていた通り、結構持っていかれそうな場面も多かったので危なかったです。
——第1戦目のReignite(以下、RIG)戦の1マップ目では新エージェントのフェイドを採用したノーデュエリストという新しい構成でしたね。
Laz:そうですね。新パッチになって僕が使用しているチェンバーの「トレードマーク」がふたつからひとつにナーフ(弱体化)されたことでどうしようかなと考えていました。
さらにジェットもナーフが入ってオペレーターの運用の難しくなりました。ただ、チェンバーは現パッチでもオペレーター運用ができるということで、チェンバーは外せなかった。
「じゃあジェットなしで何が強いか」
と考えた時に、お試しも含めてフェイドを入れた3イニシエーター構成にしました。
——お試しとはいえ仕上がっている感じはしました。実際フェイドを入れた構成で戦ってみていかがでしたか?
Laz:今回の構成はMain Event用という感じで採用したのですが感触はよかったですね。スクリムの勝率もよかったので、いい構成なんじゃないかな。
——おおっ、さっそく新エージェントを採用した構成で好感触っていうのはいいですね! 続けて2マップ目のブリーズについておうかがいします。開幕1ラウンド目はZETAが取りましたが、すぐさまタイムアウトを取りましたね。あの辺はどのような意図があったのでしょうか?
Laz:RIG側が違う珍しいエージェント構成をしていたこともあり、どういう攻め方をしてくるのかが読めませんでした。1ラウンドを終えた直後に、いったんみんなで話し合う時間を作りました。
ブリーチ、レイズがいることでメインでのセットプレイが多そうだなということで、対策としてミッド(マップ中央)を取るか取らないかという話し合いをしたり、情報の整理をしたりしていました。
——確かにミッドでの交戦がアツい試合もありましたもんね。
Laz:そうですね。基本的には話し合いを元に修正を繰り返して結果うまく刺さったという感じです。「Week2 Open Qualifier」(予選)からそんなに日が経っていないこともあって、RIG自体あの特殊な構成に慣れていなかったのかなという感じもしましたね。
——なるほど。その修正もあってか後半はDep選手が大暴れするシーンがあったり、Dep選手、Laz選手の連続エースがあったりと、見せ場の多いラウンドでもありました。ラウンド20でのワンタップヘッドショットのあと、味方から祝福のように射撃でパンパンされていたような(笑)。
Laz:あはは。あれは楽しかったですね(笑)。
(あまりにエグい勝ち方したので)チーターだチーターだってパンパン撃たれてました(笑)。ああいう風に味方が盛り上げてくれるのもうれしいですよね。
意地と意地のぶつかり合い!
——続けて決勝戦のRC戦についておうかがいします。決勝戦らしい面白くてハイレベルな試合運びは、本当に楽しかったです。公式大会では初となった、かつての戦友との戦いはいかがでしたか?
Laz:本当にユニークな戦い方をするチームで、ほかのチームとの対戦では経験することのできない戦術の数々で対応が難しかったですね。特に1マップ目のヘイヴンでは、RIG戦と同じ構成で挑みましたが、RCの戦い方がうますぎてボコボコにされちゃいましたね(笑)。
「このあとどうやって戦った方がいいかな……」と試合終わったあとも話していました。
——確か配信のインタビューでも「次戦っても勝てないかも」って話されていたように、RCのヘイヴンは強かったですね。特に、Reita選手のラークがエグすぎなんですけど!(笑)
Laz:(笑)。
まあ「トレードマーク」がひとつしか設置できなくなったことで、死角をうまく突かれましたね。Reitaのフェイドは今まで戦ってきたフェイドの中で一番うまかったですね。
——やっぱり若干人読み的な部分も考えていました?
Laz:多少は考えてはいましたが、そこまで重視していたわけではないですね。まあ相手も人読みしているとは思いますし、その辺は難しいところですよね(笑)。
——そんな1マップ目のヘイヴンでは完敗の流れではありましたが、2マップ目のバインドではZETAが逆に圧勝という流れでしたね。何か考え方を変えたというのはありますか?
Laz:考え方を変えたというよりは、マップの構成上ZETA側の戦い方が強く、フェイクで揺さぶられることなく戦えたのが勝因ですね。
——なるほど。確かに安定していた部分はありましたね。そして最後のアイスボックスではオーバータイムに持ち込むんじゃないかというくらいの熱戦でした。意地と意地のぶつかり合いというくらいバチバチな撃ち合いもあったり——(笑)。
Laz:RCはアイスボックスでもエージェント構成が特殊で、何をやってくるかわからない部分が多く、しっかり情報整理しつつ戦っていました。
ただ、やっぱりここでも「トレードマーク」の設置が減ったことでミッドを中心としたラークが通りやすくなってしまってましたね。逆にミッドのラークを警戒しすぎるとメインの守りが手薄になって、メインのセットプレイに対応できなくなってしまう。そういった部分では、RCの試合運びがうまかった印象ですね。
——全体を通してチェンバーのナーフが大きく影響しているように感じますが、それでもLaz選手は全試合を通してチェンバーを使っていましたね。ほかのエージェントを使うという考えにはならなかったのはなぜでしょうか。
Laz:正直、今回のナーフに対応する時間がなくて、チェンバーを外した構成で調整するのは不可能だったというのが大きいですね。なので、次のプレイオフではまったく違った構成になっているかも知れませんよ。
——おおっ、それはそれで楽しみですね! 最後にプレイオフに向けての意気込みをお願いします。
Laz:Stage2で再びMastersに行くにはプレイオフを優勝することが大前提なので、全力でがんばっていきたいと思っています!
応援よろしくお願いします!
——ありがとうございました!
———
なかなか実現できなかったAbsolute時代からの戦友とのバトル。そしてDep選手にとってはかつて在籍していたREJECTを相手にするというまるでドリームマッチのような試合で幕を閉めたMain Event Day2。
ハイレベルな戦いなのはもちろん、ここまでわくわくするような試合というのも珍しいのではないだろうか。
また今回出場したReignite、Crest Gaming Zstの試合も緩急をつけた独特な戦術で見るものを魅了した。日本の『VALORANT』シーンが日を追うごとにハイレベルになっていることの表れだ。まだ試合を見ていない人はぜひアーカイブで試合を見てほしい。
常に追われる側というプレッシャーと戦い続けるZETA。プレイオフでの活躍も大いに期待したい。
Laz選手Twitter:
https://twitter.com/lazvell
配信アーカイブ
Twitch:
https://twitch.tv/valorant_jpn
YouTube:
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今回は、Stage1で世界ベスト3という快挙を成し遂げたZETAのリーダーLaz(らず)選手にインタビュー。新構成で魅せた新しい戦術や、かつての戦友とのアツいバトルについて語っていただいた。
チェンバー、ジェットのナーフで導き出された
新エージェントを取り入れたReignite戦
——まずはプレイオフ進出おめでとうございます!
Laz選手(以下、Laz):ありがとうございます!
ぶじに1位通過できてよかったです。どのチームもZETA対策をしてくるだろうと思っていた通り、結構持っていかれそうな場面も多かったので危なかったです。
——第1戦目のReignite(以下、RIG)戦の1マップ目では新エージェントのフェイドを採用したノーデュエリストという新しい構成でしたね。
Laz:そうですね。新パッチになって僕が使用しているチェンバーの「トレードマーク」がふたつからひとつにナーフ(弱体化)されたことでどうしようかなと考えていました。
さらにジェットもナーフが入ってオペレーターの運用の難しくなりました。ただ、チェンバーは現パッチでもオペレーター運用ができるということで、チェンバーは外せなかった。
「じゃあジェットなしで何が強いか」
と考えた時に、お試しも含めてフェイドを入れた3イニシエーター構成にしました。
——お試しとはいえ仕上がっている感じはしました。実際フェイドを入れた構成で戦ってみていかがでしたか?
Laz:今回の構成はMain Event用という感じで採用したのですが感触はよかったですね。スクリムの勝率もよかったので、いい構成なんじゃないかな。
——おおっ、さっそく新エージェントを採用した構成で好感触っていうのはいいですね! 続けて2マップ目のブリーズについておうかがいします。開幕1ラウンド目はZETAが取りましたが、すぐさまタイムアウトを取りましたね。あの辺はどのような意図があったのでしょうか?
Laz:RIG側が違う珍しいエージェント構成をしていたこともあり、どういう攻め方をしてくるのかが読めませんでした。1ラウンドを終えた直後に、いったんみんなで話し合う時間を作りました。
ブリーチ、レイズがいることでメインでのセットプレイが多そうだなということで、対策としてミッド(マップ中央)を取るか取らないかという話し合いをしたり、情報の整理をしたりしていました。
——確かにミッドでの交戦がアツい試合もありましたもんね。
Laz:そうですね。基本的には話し合いを元に修正を繰り返して結果うまく刺さったという感じです。「Week2 Open Qualifier」(予選)からそんなに日が経っていないこともあって、RIG自体あの特殊な構成に慣れていなかったのかなという感じもしましたね。
——なるほど。その修正もあってか後半はDep選手が大暴れするシーンがあったり、Dep選手、Laz選手の連続エースがあったりと、見せ場の多いラウンドでもありました。ラウンド20でのワンタップヘッドショットのあと、味方から祝福のように射撃でパンパンされていたような(笑)。
Laz:あはは。あれは楽しかったですね(笑)。
(あまりにエグい勝ち方したので)チーターだチーターだってパンパン撃たれてました(笑)。ああいう風に味方が盛り上げてくれるのもうれしいですよね。
意地と意地のぶつかり合い!
かつての戦友とのプライドバトルが繰り広げられたREJECT戦
——続けて決勝戦のRC戦についておうかがいします。決勝戦らしい面白くてハイレベルな試合運びは、本当に楽しかったです。公式大会では初となった、かつての戦友との戦いはいかがでしたか?
Laz:本当にユニークな戦い方をするチームで、ほかのチームとの対戦では経験することのできない戦術の数々で対応が難しかったですね。特に1マップ目のヘイヴンでは、RIG戦と同じ構成で挑みましたが、RCの戦い方がうますぎてボコボコにされちゃいましたね(笑)。
「このあとどうやって戦った方がいいかな……」と試合終わったあとも話していました。
——確か配信のインタビューでも「次戦っても勝てないかも」って話されていたように、RCのヘイヴンは強かったですね。特に、Reita選手のラークがエグすぎなんですけど!(笑)
Laz:(笑)。
まあ「トレードマーク」がひとつしか設置できなくなったことで、死角をうまく突かれましたね。Reitaのフェイドは今まで戦ってきたフェイドの中で一番うまかったですね。
——やっぱり若干人読み的な部分も考えていました?
Laz:多少は考えてはいましたが、そこまで重視していたわけではないですね。まあ相手も人読みしているとは思いますし、その辺は難しいところですよね(笑)。
——そんな1マップ目のヘイヴンでは完敗の流れではありましたが、2マップ目のバインドではZETAが逆に圧勝という流れでしたね。何か考え方を変えたというのはありますか?
Laz:考え方を変えたというよりは、マップの構成上ZETA側の戦い方が強く、フェイクで揺さぶられることなく戦えたのが勝因ですね。
——なるほど。確かに安定していた部分はありましたね。そして最後のアイスボックスではオーバータイムに持ち込むんじゃないかというくらいの熱戦でした。意地と意地のぶつかり合いというくらいバチバチな撃ち合いもあったり——(笑)。
Laz:RCはアイスボックスでもエージェント構成が特殊で、何をやってくるかわからない部分が多く、しっかり情報整理しつつ戦っていました。
ただ、やっぱりここでも「トレードマーク」の設置が減ったことでミッドを中心としたラークが通りやすくなってしまってましたね。逆にミッドのラークを警戒しすぎるとメインの守りが手薄になって、メインのセットプレイに対応できなくなってしまう。そういった部分では、RCの試合運びがうまかった印象ですね。
——全体を通してチェンバーのナーフが大きく影響しているように感じますが、それでもLaz選手は全試合を通してチェンバーを使っていましたね。ほかのエージェントを使うという考えにはならなかったのはなぜでしょうか。
Laz:正直、今回のナーフに対応する時間がなくて、チェンバーを外した構成で調整するのは不可能だったというのが大きいですね。なので、次のプレイオフではまったく違った構成になっているかも知れませんよ。
——おおっ、それはそれで楽しみですね! 最後にプレイオフに向けての意気込みをお願いします。
Laz:Stage2で再びMastersに行くにはプレイオフを優勝することが大前提なので、全力でがんばっていきたいと思っています!
応援よろしくお願いします!
——ありがとうございました!
———
なかなか実現できなかったAbsolute時代からの戦友とのバトル。そしてDep選手にとってはかつて在籍していたREJECTを相手にするというまるでドリームマッチのような試合で幕を閉めたMain Event Day2。
ハイレベルな戦いなのはもちろん、ここまでわくわくするような試合というのも珍しいのではないだろうか。
また今回出場したReignite、Crest Gaming Zstの試合も緩急をつけた独特な戦術で見るものを魅了した。日本の『VALORANT』シーンが日を追うごとにハイレベルになっていることの表れだ。まだ試合を見ていない人はぜひアーカイブで試合を見てほしい。
常に追われる側というプレッシャーと戦い続けるZETA。プレイオフでの活躍も大いに期待したい。
Laz選手Twitter:
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