「LJL」キャスター・Revolが語る『リーグ・オブ・レジェンド』世界大会「Worlds 2023」を120%楽しむためのポイント
- 運の要素がほぼなくなった「Worlds 2023」の大会形式
- DFMとプレイインステージで激突するライバルをチェック
- 日本代表・DFMのメンバーの特徴を紹介
- 「Worlds」のメタを左右するパッチ13.19の変更点
- Revol的「Worlds 2023」の見どころ
- ズバリ、DFMはどこまで活躍できる?
2023年の『リーグ・オブレジェンド』(LoL)の世界大会「Worlds 2023」が、日本時間の2023年10月10日(火)から開幕する。今回は日本から近い韓国が会場のため、日本チームにとっては負担は少ないものの、試合フォーマットの大幅な変更により戦い方は大きく変わっている。
日本代表は、2023年の日本の最高峰プロリーグ「LJL」のレギュラーシーズンで、春と夏を制したDetonatioN FocusMe(デトネーション フォーカスミー。DFM)。メンバーの入れ替わりなどもあったものの、それがかえってチームの層の厚さと選手の実力、そしてチームの結束力を示すことにもつながった。
そんな「Worlds 2023」を120%楽しむための解説をお願いしたのは、「LJL」のキャスターを務めるRevol氏だ。今回は特に、2022年からの変更点を中心に、「Worlds 2023」の観戦ポイント、そして我らがDFMにフォーカスしつつレクチャーしていただいた。観戦する前に、あるいは観戦のお供に、見どころをチェックしていただければ幸いだ。
「Worlds 2023」で一番大きく変わったポイントが、グループステージが廃止されて、スイスステージに変わったというところです。予選にあたる「プレイインステージ」、そこを勝ち抜いたチームが3勝をかけて戦う「スイスステージ」、そしてトーナメントによって世界一を決める「ノックアウトステージ」という3つのステージがあります。
プレイインステージは、今までと同じようにAグループ、Bグループに振り分けられるところは変わらないのですが、今まではグループ内で総当たりのリーグ戦を行って、グループ内1位のチームはそのまま次のステージへとストレートイン、そして2位以下のチームの中でBo3などを行ってもう1枠を決める、という方式でした。
ですが、今年からはまず最初のグループでトーナメントを行い、勝ち抜いたらそのまま次のステージへ……ではなく、反対側のグループの2位のチームと戦って、そこでBo5を勝ち抜いてようやく次のステージに上がれます。
1位突破でそのままストレートインがなくなったことによって、アドバンテージが非常に生まれづらい形式になったというところが大きな変化だと思います。
その点で言うと、DFMだけでなくプレイインに出場する全チームにとっても同じなのですが、「運の要素」が限りなくなくなりました。そこを考えると、DFMにとっては向かい風かなという印象ですね。
トーナメントを勝ち上がったチームを加えたスイスステージでは、最初に2グループに分かれてグループ間で戦います。その初戦の次は、1勝同士のチームと1敗同士のチームが戦います。するとそこで2勝0敗、1勝1敗、0勝2敗の3グループが生まれます。さらにそのグループ内で戦っていき、最初に3勝を挙げた2チームは次のステージへ進出、3敗してしまったチームはステージから脱落します。つまり、毎試合生き残りをかけた戦いを行うのがスイスステージです。
しかも、最初の2試合に関してはBo1ですが、3勝目もしくは3敗目に関わるギリギリの対戦に関してはBo3で行われ、よりフェアに結果が出るような形式になっています。
DFMとしては、これらのプレイインステージ、スイスステージを勝ち抜き、優勝を目指して戦っていくことになります。
正直言って、「Worlds 2023」のプレイインステージに出場するチームには、DFMとそこまで実力の差はありません。今までは韓国や中国の第4シードと呼ばれる、現地では1番弱いとされているチームがプレイインから出場していましたが、今年はプレイインには中国代表、韓国代表は出場しないからです。
中国も韓国も、他のプレイインの地域と比較すると、リーグとしての実力が頭2つくらい抜けているので、彼らにとってはどんな形式でも勝てたでしょう。現に、昨年王者になったDRXは、プレイインステージから出場していました。
しかし、今年は中国、韓国のチームはプレイインからは出ないので、全体として実力が均一なところでの勝負になり、非常にフェアな形式になったと言えると思います。
最後の1枠は、開幕前日の9日(月)に行われる「Worlds Qualifying Series(WQS)」により、LCS(北米)かLEC(欧州)のどちらかが参戦するというギリギリのスケジュールですが、どちらが来ても頭ひとつ抜ける形にはなると思います。
やはり一番気になるのは、プレイインステージでのDFMの対戦相手ですが、これはほぼ確定しています。グループBのDFMが対戦する可能性のあるチームを見ていきましょう。
まずは、CTBC Flying Oyster(CFO)というPCS代表チームです。PCSは台湾・香港・マカオといった東南アジアのリージョンなのですが、この地域は歴史的に1つのチームに優秀なプレイヤーが集まっており、そのチームが優勝し、準優勝のチームは優勝チームよりもかなり劣るという傾向が、今までは強かったんです。トップ、ジャングル、ミッド、そしてボットとすべてのロールで、1位のチームにタレントが集まっていました。
しかし今年に限って言うと、トップとジャングルとミッドは1位のPSG Talon(PSG)に集まっているんですが、ボットの2人はCFOが、PCSの中で最も強くなっていました。なので、例年のPCS 2位のチームと比べると、CFO比較的強いチームになっていると言えます。
DFMからするとこのボットの2人、 ADCのShunn選手とサポートのShiauC選手は要警戒です。ShiauC選手は、過去にLPLの上位チームで戦っており実績も十分あります。ゲームを動かす能力も非常に高く、アグレッシブな動きが非常に怖い選手です。
DFMのボットデュオと比べると、もしADCがYutapon選手であれば五分以上で勝負できます。Shunn選手ももちろん非常に素晴らしいADCで、集団戦で大きなダメージを出せる優れたADCではあるのですが、Yutapon選手とHarp選手のボットデュオであれば十分戦えると思います。Milan選手だった場合、集団戦は問題ないとは思うのですが、レーニングのところはどうしても気になるポイントですね。
一方で、サポートのHarp選手とShiauC選手を考えると、Harp選手が勝てるポテンシャルもあるし、個人的には五分五分と見ています。ShiauC選手は攻撃的な動きが非常に得意なので、ノーチラス、ラカン、レオナ、ブリッツクランクといった、1発スキルを当てると戦況を変えられるチャンピオンを使っている印象が強いですね。Shunn選手はザヤ、カイ=サ、ゼリといったメタだったチャンピオン、特にザヤを使って集団戦で確実ダメージを出すのが得意な傾向にあると思います。
ただ、怖いのはそのボットだけで、ミッド、ジャングルに関して言えばAria選手とSteal選手のラインは世界でも通用するレベルだと僕は思っています。
DFMが勝ち上がると、次はVCS(ベトナム)代表のTeam Whalesか、LCS4位のGolden GuardiansかLEC4位のTeam BDSのどちらかになります。現状だとこの3チームの候補から考えなければならないので、準備という点ではグループBの方が難しくはありますね。
ベトナムという地域は基本的にとにかくアグレッシブで、しかもこのTeam Whalesはボットデュオが非常に強いことで知られています。
ベトナムを代表するチームというとGAM Esportsで、タレントがそこに集まっているのですが、春と夏でボットデュオを入れ替えるくらい、ボットが不安定でした。一方、Team Whalesはそのボットデュオが非常に良くて勝ち上がってきました。VCSの決勝でもボットデュオはTeam Whalesが上回っていましたから、やはりボットが強いチームがグループBに集まったという印象はあります。
そして、10月9日(月)の試合で決定する最後の枠は、Team BDSかGolden Guardiansのどちらかになります。
LCSのGolden Guardiansというチームは、Springでは2位、Summerでは4位に甘じてしまいましたが、非常に安定したチームで、どの選手も一定水準以上のパワーがあって欠点のないチームです。
一方で、LECのTeam BDSはかなり尖ったチームです。例えば、トップは今だとレネクトンとかオーンとかナーとか、競技シーンで実績のあるメタチャンピオンをピックするプレイヤーが比較的多いと思うんですが、Adam選手が最も得意とするのはオラフ。何をピックするかわからない、相当変わったチャンピオンプールを持った選手なんです。その強気な部分が成功すれば勝ち上がる可能性もあるけれど、不安定さは否めません。BDSが勝ち上がってくると予測が難しい感じもありますね。
※9日の試合にて、Team BDSが勝利しました。
そして、このグループBを勝ち抜くと、今度はグループAのチームにも目を向けなければなりません。
勝ち上がってくる可能性が高いと個人的に思っているのが、Rainbow 7とPSG Talonの2チームです。やはりPSGはPCS地域で最も優れたチームですし、トップ・ジャングル・ミッドの3名がとにかく強い。ミッドのMaple選手は実績豊富ですし、LPL時代も力を発揮していました。ジャングルの JunJia選手は、EDward Gaming時代にはスタメンではなかったものの、「Worlds 2021」の優勝も経験しているプレイヤーですから、濃いプレイヤーがそろっているなと思いますね。
唯一、DFMがミッド・ジャングルのところで競り負ける可能性があるとすれば、やはりこのMaple&JunJiaのミッド・ジャングルコンビを用意しているPSGかなと思います。
そして、そのPSGと初戦で戦うR7なんですが、歴史的にラテンアメリカ地域の代表チームは、近年成績が良くないと見なされがちで、DFMも国際大会でラテンアメリカ代表と戦った時はしっかりと勝っています。ただ、実は「MSI 2023」でR7はVCS1位のGAMをしっかりと倒しているんです。実際、今年のSummerの決勝戦を見ても非常に強かった。
PSG vs R7なら勝つのはPSGだとは思うのですが、今回はダブルエリミネーションなので、R7はルーザーズに落ちたとしても勝ち上がってくるでしょう。そうなると、DFMはどこかでこれらのチームを倒さないと上に上がれないので、やはりプレイインステージはかなりタフになりましたね。
しっかり実力があるチームが勝ち上がることは、適正というかフェアだと思いますし、「Worlds」はパッチ13.19とメタをいち早く理解して実践できたチームが勝ち上がります。そういった準備面での差が明確に現れるようなプレイインステージになると予想しています。
そんな中で、「LJL 2023」を制した日本代表のDFMがどんなチームか、あらためてひとりずつ分析してみます。
Yutapon選手はまだトップかボットかがわからないので、紹介の仕方がちょっと難しいんですが、両方の可能性を考えてみます。
トップ・ボットのどちらにも共通のことですが、個人的にはYutapon選手は『LoL』の天才だと思っています。何をやってもうまい、どんなチャンピオンもできる、どんなプレイスタイルもできます。さらに、キャリアの長さをしっかり試合の中で見せてくれています。つまり、その瞬間に自分が何をしなければいけないかということの把握であったり、理解といったところが非常に優れているので、チームに求められているプレーをしっかりと、それも瞬時に実行できる。そういったベテランとしての経験もすごく感じさせてくれます。しかも、毎年成長し続けている。そんな素晴らしいプレイヤーだと思います。
トップとして見た時の課題としては、メタチャンピオンをどこまで使えるのかというところです。
レギュラースプリットのような長いシーズンだと、試合を経るごとにそのチャンピオンを練習するとか、新しいチャンピオンを出すことによって突飛なピックで勝つこともできるのですが、「Worlds」のようなハイレベルな大会だと突飛なピックのみでは勝ち切れないため、メタチャンピオンをいち早く準備して、どこまで実践できるか。ただ、彼のキャリアを考えればどんなチャンピオンでも使いこなしてくれると思うので、個人的にはあまり心配はしていません。
ADCとして見ると、まずレーン戦から非常に素晴らしい。そしてなんと言っても集団戦です。どんな苦しい状況でも、Yutapon選手が生き残っていれば勝てると思えるくらいに、ひっくり返してくれるんですよね、苦しい状況を。なので、集団戦を観戦する時は、Yutapon選手をずっと追いかけているだけでも楽しいと思います。
彼がどうやってダメージを出しているのか、いつ飛び込むのかなど、僕も予想はしているのですが、毎回予想を超えてくるんです。そして、大舞台で勝つ時は必ず、Yutapon選手がその予想を上回ったスーパープレーをしてくれます。そこを楽しみにしたいですね。
Yutapon選手がどうなるかという意味では、新たにapaMEN選手が登録されたのも気になります。
apaMEN選手は3年くらい前、「LJL」を代表するトップレーナーで、特にエイトロックスのようなファイタータイプのチャンピオンを得意として、ごりごり勝っていく選手でした。なおかつ、過去にはミッドやジャングルもやったりと、いろいろなロールを経験してきたプレイヤーでもあります。シーズン2からプレーしている歴の長いベテラン選手でもあります。
心臓も強いプレイヤーですから大舞台でも全く心配ないですし、さまざまな状況にもアジャストできるだけのポテンシャルを持ったプレイヤーです。
出てくるとすれば、やはりトップ起用の可能性が一番高いと思いますが、ファイタータイプのチャンピオンは今のメタでもあります。パッチ13.19で、エイトロックスがピックされる可能性も十分あると思っていますし、ジャックスやオーン、新たにピックされるチャンピオンとしてはカ・サンテくらいです。そう考えると、apaMEN選手ならチャンピオンプールに関しては心配しなくていいのかなと思っています。
ジャングルのSteal選手は、とにかく頭のいいプレイヤーです。わずかな情報で敵の動きを察知してゲームを作っていきます。どういったジャングルの回り方をすれば自分たちのチームに有利をもたらせるか、どこにプレッシャーをかければ相手に対して大きなプレッシャーを与えられるかということを瞬時に把握できる、非常に鋭い判断力を持ったプレイヤーです。
ミッドのAria選手とジャングルはセット運用だと個人的に思っているのですが、Steal選手のクレバーさと、Aria選手の鋭いレーニングや有利の広げ方といったところの補完性は世界でも通用しますし、DFMにとって欠かせない武器にもなっていると思います。
正直、このミッド・ジャングルのデュオに対して絶対勝てると言えるのは、LCKやLPLの代表チーム、あとはLECのG2 EsportsやFnaticといった、強豪と認知されているチームくらいかなと思います。
ただし、その分だけ相当研究され、マークもされるはずです。なので、このAria選手とSteal選手のチャンピオンピックが、DFMにとって「Worlds」での生命線になると思いますね。
そのAria選手は、Crest Gaming Actからデビューした時から個人技には非常に定評があり、集団戦では自分がキャリーするという姿勢のプレイヤーでした。しかし、DFMへの移籍、そして2022年にLCKのKT Rolsterでの経験を含めて、マクロの部分、チーム全体としてどう動くべきなのか、自分がどこで黒子に徹してチームを盛り立てていくべきなのかといったところの理解が深まり、オールラウンドプレイヤーになったと言えると思います。
今まではレーニングで勝たないと仕事ができない選手だったのですが、レーニングで勝てなくてもSteal選手を生かしたりサイドレーンを生かすといった動きができるようになった、大きく成長したプレイヤーです。正直他のチームからするとあまり対策が見つからない選手です。そういう意味では、ライバルチームからすると、最も対策しなければならないのはAria選手だと思います。
あとは、Aria選手自身がそれを乗り越えられるか。以前「Worlds」に初めて出た時に、絶対勝たなければいけないマッチアップで、緊張で操作ミスをしてキルされてしまったこともありましたが、今回は故郷の韓国が舞台ですから、相当気合が入っていると思います。
サポートのHarp選手は、とにかくレーニングが本当に強いです。プレッシャーをかけ続けて有利を広げていけるところが非常に頼りになると思いますね。
チャンピオンプールも、例えばナミやルルといったサポーティブなエンチャンターでも非常にアグレッシブにプレイして有利を作れますし、ノーチラスやアリスターのようなチャンピオンでもしっかりゲームメイクができる、オールラウンダーで攻撃的なプレイヤーと言えます。
個人的には、Harp選手のモルガナは1級品だと思っているので、今大会で出るかどうかをちょっと楽しみにしています。
Yutapon選手に代わって、DFM Academyから参戦したMilan選手は、最初にスターターとなるという発表があった時は、やはり1番心配でした。というのも、ボットレーンでレーニングで勝っているシーンが浮かばなかったんですね。というよりも、そもそも勝つことを求められていないようなプレーをさせられていた印象だったんです。
ただ、DFMではしっかりボットに勝つというところで、レーニングのところでの彼のプレイスタイルは大きく変わりましたし、そして試合を経るごとに自信をつけていって、ファイナルでは素晴らしいパフォーマンスを見せましたから、大きく成長したプレーヤーだと思います。
国際大会でのスターターの経験がないというところがやはり気になるポイントではあるんですけど。LJLで見せてくれたレーニングから戦う姿勢、集団戦のところで自分がキャリーするぞという意思、それをちゃんとプレイに乗せることができれば、十分国際大会でも活躍が期待できると思いますね。
LJLのファイナルも、オフラインでの大舞台での決勝が初めてだったにも関わらず、そして自分のミスでゲーム4が勝てなかったとか、そういった状況の中でも、しっかりとファンの声援を受けながらメンタルを立て直して、一貫したプレーをしていたところは本当に素晴らしいと思いますね。
「LJL 2023 FINALS」でコーチを務めたGismoさんに関しては、同僚のRecruitさんの方がよく一緒に遊んでいるのですが、彼からの話やSNS上での振る舞い、DFMのYouTubeチャンネルに出演されているところを見ると、かなり変わっていて、知的にボケる方、という印象が普段の姿勢からは見えました。ただ、アナリストの部分で言うと、非常に深くさまざまなことを分析してらっしゃる方です。
さらに、過去にDFMでサポートとしてプレイしていたViviDさんが、「LJL 2023 FINALS」からコーチとして加入しています。この2人でのアナリスト、コーチ関係が「Worlds」ではとても重要になってきます。
アナリストの仕事は多岐にわたりますが、対戦チームの分析以上に重要なのが、やはり今回の「Worlds」のメタ分析、何が一番強いのかを把握することだと思っています。
過去には、日本のチームも含めて、対戦相手ばかり気にしてしまってメタの分析がおろそかになり勝てないというケースもよくありました。そして「Worlds」に出場するチームもそういった方向に陥りがちです。
パッチ13.19で何が最も強いのかを一番理解しているチームが、次のステージへと勝ち進んでいく、という大会でもあるので、パッチの研究・分析をどこまでできるのか、そこを担っているのがGismoさん、ViviDさんなんです。
おふたりとも選手の皆さんを昔から知っているので、慣れている方がちゃんと後ろにいるという安心感にもなると思います。Gismoさんはもともとアナリストとして長くDFMに所属していましたし、「Worlds」ではViviDさんがコーチとして後ろから支えるかもしれません。
今年のSummer Splitは、開催時期によってパッチ13.13〜13.15で行われていました。このパッチではやはりどうしても、「スタティックシヴ」というアイテムを無視できなかったんですよね。ルブラン、カイ=サ、ゼリ、もしくは相手が「スタティックシヴ」を買ってくるなら買わなきゃいけない、という展開がされていくゲームが非常に多かった印象です。
ただ、この「スタティックシヴ」が大きくナーフされたことによって、これまで抑え込まれていたチャンピオンがピック可能になってきたのかな、というところが、パッチ13.19ではとても重要なポイントになると思います。
この『LoL』というゲームは、30秒ごとに到達するミニオンウェーブを素早く倒すことが、プロシーンにおいて絶対に考えなければいけないポイントです。それを基準にチャンピオンが選択されているという部分もあるので、ミニオンを倒すスピードが遅いチャンピオンは、それだけでピックできない可能性も高くなるくらい重要な要素なんです。
その差をこのアイテム1つでクリアできることがどれだけ影響が大きかったかというのは、全世界のプロプレイヤーが振り回されていたということからも説明がつくかなと思います。
ミニオンへのダメージ量が大きく弱体化されたことによって、さまざまなチャンピオンにも目を向ける必要が出てきた。加えて、他のチャンピオンがこの「Worlds」に向けて強化・弱体化されたことによって、ミッドのピック、ジャングルのピック、ADCのピックに大きな変化が生まれるという予想をしています。相変わらず相性がいいゼリは買う可能性があると思いますが、ルブラン×スタティックシヴという組み合わせはもうないと思いますね、さすがに。
「Worlds」に向けたパッチをみんなが読んで、それに変わる何かを各チームが探している。そして、実際プレイしてどうなのかある意味、「スタティックシヴ」が「フタ」になっていた部分もあると思うんです。それがなくなったことによって、他のチャンピオンがピックできるようになる、つまりバフやナーフのところに書かれていないチャンピオンが、いきなり登場する可能性もあるというところが、予測の難しさにつながっています。
シンプルにバフの面だけ見ると、タリヤやシンドラといったメイジ系チャンピオンが現れるだろうと思っているのですが、もしかしたら想像してないところから「このチャンピオンって強いよね」という形で出てくる可能性もあります。
さらに、「Worlds」のメタが固まるまでには、これまではプレイインステージを経て、シードチームが戦うグループステージから初めて判明することもたくさんあります。ただ、今回はリーグ戦ではない上に、負けていい試合がまったくない。なので、秘策を出し惜しみできないことは間違いないです。
さらには、「Worlds」は1つのパッチで行われる1番長い大会なので、各チームが考えるチャンピオンの強さのリストも、その大会中にどんどん更新されていくんですよね。相手のあのチャンピオンが強かった、弱かった、という情報から自分達のチームの中でもアップデートしていく、その作業もとても重要です。
なので、これが「Worlds」の傾向だなということはうっすら見えてくるとは思うんですが、メタだとはっきり言い切れるかまでかは、正直わからないですね。
そもそも、プレイインステージに出場するチームとグループステージに出場するチームの間には、結構な個人の差、チームとしての差があるので、その差も考えなければいけない部分はあると思います。
ここまでのプレイでは全く現れなかったものが、グループステージで、みたいなことは、今年はちょっとないんじゃないかなと思ってるんですけど。まあでも、予測の予測は難しい。
でも、それこそプレイインステージで戦ってる間に、戦ってない上位のチームが研究を進めていくということはあります。あとは、「Worlds」に向けての準備の中で練習試合を組むんですが、やはり強いチーム同士で組まれることが多いんです。なので、プレイインから出場するチームは、そのメインステージから出場するチームと練習試合はできなくて、強いチームがどんなチャンピオンを強いと考えているかは、練習からうかがえなかったりもするんですよ。
そういった情報の差というのは、あのプレイインステージとメインステージで生まれてしまう、準備段階で生まれやすいという部分はあると思いますね。
ただ、DFMは去年、一昨年と国際大会で結果を残してきているので、結構強豪チームとも練習試合をしているという情報もあります。そういった面で言うと、もしかしたら他のチームと比べてアドバンテージはあるかもしれないですね。
戦略的には、今年のミッド&ボット中心という流れはドラゴンとヘラルド、この2つの要素に起因する部分がとても大きいのと、LJLファイナルから「Worlds」のパッチまで、そこに関して根本的なテコ入れはなかったので、同様の傾向になるのは間違いないと思っています。
そろそろまとめとして、「Worlds 2023」の僕的な見どころをまとめていきます。
まずこれまでの『リーグ・オブ・レジェンド』の大会の歴史上、その1年に行われるSpring、MSI、Summer、Worldsという4つのライアット公認大会すべてで優勝したチームはありません。
しかし、今年は中国代表のJDGというチームが、その4大会制覇、グランドスラムに王手をかけているんです。
そのJDGが「Worlds」で優勝するには、Ruler選手の活躍は必須だと思っています。僕はいま現存するADCの中で最も優れたADCだと思っています。なのでRuler選手に注目して大会を見ていきたいと思っています。彼次第でというか、JDGがグランドスラムを達成するには、彼が機能するような考え方ができるのが大事だと。過去にはSKTや、G2 EsportsとRNGが王手をかけたこともありますが、道半ば、もしくは「Worlds」で敗れています。
それでも何が起きるかわからないですからね。勝負の世界は。単独でそのJDGに勝てそうなチームと言ったら、まだ戦ってない他の地域が有力です。LPLだとBilibili GamingとLNG Esports、LCKからはGen.Gが最もJDGに勝てる可能性が高いチームだと個人的に思っています。全く隙がなく、非常に攻撃的で、Chovy選手もうまくやれています。
逆に、LPL、LCK以外の他の地域から入り込むとしたら、G2 Esportsがやはりこの牙城に食い込む最有力の欧米のチームになると思いますね。
ただ、LCKもLPLも、年々レーニングのレベルがどんどん上がっています。LECやLCSのトップチームがレーニングのところで太刀打ちできなくなりつつあるのが非常に気になっています。特にLCSは数年前から全く太刀打ちできなくなっている。G2やFnaticは過去くらいついてはいるのですが、徐々に離されているという印象もあるので、そこが今大会でどうなるのかが気になりますね。
レーニングの強さは個人技で基本中の基本ではありますが、なぜそんなに差がつくのかというと、まずシンプルにそのチャンピオンの理解度です。射程であったりモーションであったりといったところの理解度だけではなく、ミニオンを取り合う際に、味方ミニオンの体力、相手ミニオンの体力、自分のミニオンがどの対象をターゲットしているかといったことから、相手にダメージを与えるとミニオンのアグロを引く(攻撃対象になる)わけですが、ミニオンの位置を手前に引っ張るのか引っ張らないのか、そういった駆け引きで考えなければいけない要素が多く、その研究がLCK、LPLは上回っているんです。
特に、次の水準に上げたと思ったのが、Chovy選手やknight選手といった素晴らしいミッドレーナーの登場です。そのプレーに勝たなければならないので、研究の成果がリーグ内で広がり、LCK、LPLのミッドレーナーの水準がグッと上がった印象があります。
実はLCSは、ボットレーンは世界に通用するレーニングができるリージョンではあるのですが、ミッド、トップに関して言うと、世界水準のプレイヤーであるBjergsen選手以降、彼に変わる新しい選手が出てこなかったことによって、成長が止まってしまった印象があります。レーニングを次の段階に引き上げるのは特定の個人ですね。
最後にズバリ、「Worlds 2023」でDFMはどうなのかを考えてみます。
まずシンプルに、プレイインステージでは8チーム中2チームが次のステージへと進出することを考えると、可能性は4分の1なので25パーセントが基準になります。その25パーセントを上回れる要素、もしくは下回る要素を考えた時に、やはりYutapon選手が鍵になると思います。
前述のとおり、Aria選手とSteal選手のミッド・ジャングルのラインは、プレイインのチームの中でも随一だということがポジティブな要素です。Yutapon選手とapaMEN選手次第で、15〜20%くらいがプレイインステージ突破の可能性なのかなと考えています。
もしYutapon選手がADCに、apaMEN選手がトップに行くという定石になったとして、apaMEN選手のトップレーンでのレーニングがどうなのかという不安は残されています。
個人的には、大会形式がとてもフェアになったことによって、過去の戦績からでは想像がつかなくなりました。ただし、フェアになった分だけはたから見ると非常にエキサイティングな大会になったことは間違いないので、2023年の「Worlds」はとても楽しみですね。
あとは、「Worlds」のアンセム(公式テーマ曲)のアーティストが、K-POPアイドルの「NewJeans」になったことには驚きました。
そして、「Worlds」を生かしたコンテンツも毎年素晴らしいものを見せてくれます。アンセムもそうですし、途中途中でのインタビューや試合のハイライトの作り方、そしてなんと言っても決勝戦のオープニングセレモニーですね。毎年予想を超えた素晴らしいものを出してくれます。
韓国ということで、以前のオープニングセレモニーとして、現在でも人気のK/DAがかなりふさわしかったので、今年もとても楽しみにしています!
大会配信Twitch:https://www.twitch.tv/riotgamesjp
公式サイト:https://jp.lolesports.com/
公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/LoLeSportsJP
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/Official_LJL
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/lolesports.jp/
日本代表は、2023年の日本の最高峰プロリーグ「LJL」のレギュラーシーズンで、春と夏を制したDetonatioN FocusMe(デトネーション フォーカスミー。DFM)。メンバーの入れ替わりなどもあったものの、それがかえってチームの層の厚さと選手の実力、そしてチームの結束力を示すことにもつながった。
そんな「Worlds 2023」を120%楽しむための解説をお願いしたのは、「LJL」のキャスターを務めるRevol氏だ。今回は特に、2022年からの変更点を中心に、「Worlds 2023」の観戦ポイント、そして我らがDFMにフォーカスしつつレクチャーしていただいた。観戦する前に、あるいは観戦のお供に、見どころをチェックしていただければ幸いだ。
運の要素がほぼなくなった「Worlds 2023」の大会形式
「Worlds 2023」で一番大きく変わったポイントが、グループステージが廃止されて、スイスステージに変わったというところです。予選にあたる「プレイインステージ」、そこを勝ち抜いたチームが3勝をかけて戦う「スイスステージ」、そしてトーナメントによって世界一を決める「ノックアウトステージ」という3つのステージがあります。
ステージと日程
プレイインステージ(すべての対戦は別記のない限り、日本時間16時00分より開始)
10月10日(火)〜15日(日)
スイスステージ(すべての対戦は別記のない限り、日本時間16時00分より開始)
10月19日(木)〜23日(月)
10月26日(木)〜29日(日)
ノックアウトステージ(すべての対戦は別記のない限り、日本時間17時00分より開始)
11月2日(木)〜5日(日)
11月11日(土)〜12日(日)
決勝
11月19日(日)
プレイインステージ(すべての対戦は別記のない限り、日本時間16時00分より開始)
10月10日(火)〜15日(日)
スイスステージ(すべての対戦は別記のない限り、日本時間16時00分より開始)
10月19日(木)〜23日(月)
10月26日(木)〜29日(日)
ノックアウトステージ(すべての対戦は別記のない限り、日本時間17時00分より開始)
11月2日(木)〜5日(日)
11月11日(土)〜12日(日)
決勝
11月19日(日)
プレイインステージ
プレイインステージは、今までと同じようにAグループ、Bグループに振り分けられるところは変わらないのですが、今まではグループ内で総当たりのリーグ戦を行って、グループ内1位のチームはそのまま次のステージへとストレートイン、そして2位以下のチームの中でBo3などを行ってもう1枠を決める、という方式でした。
ですが、今年からはまず最初のグループでトーナメントを行い、勝ち抜いたらそのまま次のステージへ……ではなく、反対側のグループの2位のチームと戦って、そこでBo5を勝ち抜いてようやく次のステージに上がれます。
1位突破でそのままストレートインがなくなったことによって、アドバンテージが非常に生まれづらい形式になったというところが大きな変化だと思います。
その点で言うと、DFMだけでなくプレイインに出場する全チームにとっても同じなのですが、「運の要素」が限りなくなくなりました。そこを考えると、DFMにとっては向かい風かなという印象ですね。
スイスステージ
トーナメントを勝ち上がったチームを加えたスイスステージでは、最初に2グループに分かれてグループ間で戦います。その初戦の次は、1勝同士のチームと1敗同士のチームが戦います。するとそこで2勝0敗、1勝1敗、0勝2敗の3グループが生まれます。さらにそのグループ内で戦っていき、最初に3勝を挙げた2チームは次のステージへ進出、3敗してしまったチームはステージから脱落します。つまり、毎試合生き残りをかけた戦いを行うのがスイスステージです。
しかも、最初の2試合に関してはBo1ですが、3勝目もしくは3敗目に関わるギリギリの対戦に関してはBo3で行われ、よりフェアに結果が出るような形式になっています。
DFMとしては、これらのプレイインステージ、スイスステージを勝ち抜き、優勝を目指して戦っていくことになります。
DFMとプレイインステージで激突するライバルをチェック
正直言って、「Worlds 2023」のプレイインステージに出場するチームには、DFMとそこまで実力の差はありません。今までは韓国や中国の第4シードと呼ばれる、現地では1番弱いとされているチームがプレイインから出場していましたが、今年はプレイインには中国代表、韓国代表は出場しないからです。
中国も韓国も、他のプレイインの地域と比較すると、リーグとしての実力が頭2つくらい抜けているので、彼らにとってはどんな形式でも勝てたでしょう。現に、昨年王者になったDRXは、プレイインステージから出場していました。
しかし、今年は中国、韓国のチームはプレイインからは出ないので、全体として実力が均一なところでの勝負になり、非常にフェアな形式になったと言えると思います。
最後の1枠は、開幕前日の9日(月)に行われる「Worlds Qualifying Series(WQS)」により、LCS(北米)かLEC(欧州)のどちらかが参戦するというギリギリのスケジュールですが、どちらが来ても頭ひとつ抜ける形にはなると思います。
やはり一番気になるのは、プレイインステージでのDFMの対戦相手ですが、これはほぼ確定しています。グループBのDFMが対戦する可能性のあるチームを見ていきましょう。
プレイインステージ 出場予定チーム
※VCS=ベトナム、CBLOL=ブラジル、PCS=東南アジア(香港・台湾・マカオ)、LLA(ラテンアメリカ)、LJL=日本、LEC=欧州、LCS=北米
グループA
※VCS=ベトナム、CBLOL=ブラジル、PCS=東南アジア(香港・台湾・マカオ)、LLA(ラテンアメリカ)、LJL=日本、LEC=欧州、LCS=北米
グループA
- GAM Esports(VCS1位/ベトナム)
- LOUD(CBLOL1位/ブラジル)
- PSG Talon(PCS1位/香港)
- Rainbow7(LLA1位/メキシコ)
- CTBC Flying Oyster(PSC2位/台湾)
- DetonatioN FocusMe(LJL1位/日本)
- Team Whales(VCS2位/ベトナム)
- TBD(LEC4位 Team BDS/スイス or LCS4位 Golden Guardians/北米。9日に決定)
CTBC Flying Oyster
まずは、CTBC Flying Oyster(CFO)というPCS代表チームです。PCSは台湾・香港・マカオといった東南アジアのリージョンなのですが、この地域は歴史的に1つのチームに優秀なプレイヤーが集まっており、そのチームが優勝し、準優勝のチームは優勝チームよりもかなり劣るという傾向が、今までは強かったんです。トップ、ジャングル、ミッド、そしてボットとすべてのロールで、1位のチームにタレントが集まっていました。
しかし今年に限って言うと、トップとジャングルとミッドは1位のPSG Talon(PSG)に集まっているんですが、ボットの2人はCFOが、PCSの中で最も強くなっていました。なので、例年のPCS 2位のチームと比べると、CFO比較的強いチームになっていると言えます。
DFMからするとこのボットの2人、 ADCのShunn選手とサポートのShiauC選手は要警戒です。ShiauC選手は、過去にLPLの上位チームで戦っており実績も十分あります。ゲームを動かす能力も非常に高く、アグレッシブな動きが非常に怖い選手です。
DFMのボットデュオと比べると、もしADCがYutapon選手であれば五分以上で勝負できます。Shunn選手ももちろん非常に素晴らしいADCで、集団戦で大きなダメージを出せる優れたADCではあるのですが、Yutapon選手とHarp選手のボットデュオであれば十分戦えると思います。Milan選手だった場合、集団戦は問題ないとは思うのですが、レーニングのところはどうしても気になるポイントですね。
一方で、サポートのHarp選手とShiauC選手を考えると、Harp選手が勝てるポテンシャルもあるし、個人的には五分五分と見ています。ShiauC選手は攻撃的な動きが非常に得意なので、ノーチラス、ラカン、レオナ、ブリッツクランクといった、1発スキルを当てると戦況を変えられるチャンピオンを使っている印象が強いですね。Shunn選手はザヤ、カイ=サ、ゼリといったメタだったチャンピオン、特にザヤを使って集団戦で確実ダメージを出すのが得意な傾向にあると思います。
ただ、怖いのはそのボットだけで、ミッド、ジャングルに関して言えばAria選手とSteal選手のラインは世界でも通用するレベルだと僕は思っています。
Team Whales
DFMが勝ち上がると、次はVCS(ベトナム)代表のTeam Whalesか、LCS4位のGolden GuardiansかLEC4位のTeam BDSのどちらかになります。現状だとこの3チームの候補から考えなければならないので、準備という点ではグループBの方が難しくはありますね。
ベトナムという地域は基本的にとにかくアグレッシブで、しかもこのTeam Whalesはボットデュオが非常に強いことで知られています。
ベトナムを代表するチームというとGAM Esportsで、タレントがそこに集まっているのですが、春と夏でボットデュオを入れ替えるくらい、ボットが不安定でした。一方、Team Whalesはそのボットデュオが非常に良くて勝ち上がってきました。VCSの決勝でもボットデュオはTeam Whalesが上回っていましたから、やはりボットが強いチームがグループBに集まったという印象はあります。
Team BDS/Golden Guardians
そして、10月9日(月)の試合で決定する最後の枠は、Team BDSかGolden Guardiansのどちらかになります。
LCSのGolden Guardiansというチームは、Springでは2位、Summerでは4位に甘じてしまいましたが、非常に安定したチームで、どの選手も一定水準以上のパワーがあって欠点のないチームです。
一方で、LECのTeam BDSはかなり尖ったチームです。例えば、トップは今だとレネクトンとかオーンとかナーとか、競技シーンで実績のあるメタチャンピオンをピックするプレイヤーが比較的多いと思うんですが、Adam選手が最も得意とするのはオラフ。何をピックするかわからない、相当変わったチャンピオンプールを持った選手なんです。その強気な部分が成功すれば勝ち上がる可能性もあるけれど、不安定さは否めません。BDSが勝ち上がってくると予測が難しい感じもありますね。
※9日の試合にて、Team BDSが勝利しました。
グループA(GAM Esports/LOUD/PSG Talon/Rainbow7)
そして、このグループBを勝ち抜くと、今度はグループAのチームにも目を向けなければなりません。
勝ち上がってくる可能性が高いと個人的に思っているのが、Rainbow 7とPSG Talonの2チームです。やはりPSGはPCS地域で最も優れたチームですし、トップ・ジャングル・ミッドの3名がとにかく強い。ミッドのMaple選手は実績豊富ですし、LPL時代も力を発揮していました。ジャングルの JunJia選手は、EDward Gaming時代にはスタメンではなかったものの、「Worlds 2021」の優勝も経験しているプレイヤーですから、濃いプレイヤーがそろっているなと思いますね。
唯一、DFMがミッド・ジャングルのところで競り負ける可能性があるとすれば、やはりこのMaple&JunJiaのミッド・ジャングルコンビを用意しているPSGかなと思います。
そして、そのPSGと初戦で戦うR7なんですが、歴史的にラテンアメリカ地域の代表チームは、近年成績が良くないと見なされがちで、DFMも国際大会でラテンアメリカ代表と戦った時はしっかりと勝っています。ただ、実は「MSI 2023」でR7はVCS1位のGAMをしっかりと倒しているんです。実際、今年のSummerの決勝戦を見ても非常に強かった。
PSG vs R7なら勝つのはPSGだとは思うのですが、今回はダブルエリミネーションなので、R7はルーザーズに落ちたとしても勝ち上がってくるでしょう。そうなると、DFMはどこかでこれらのチームを倒さないと上に上がれないので、やはりプレイインステージはかなりタフになりましたね。
しっかり実力があるチームが勝ち上がることは、適正というかフェアだと思いますし、「Worlds」はパッチ13.19とメタをいち早く理解して実践できたチームが勝ち上がります。そういった準備面での差が明確に現れるようなプレイインステージになると予想しています。
日本代表・DFMのメンバーの特徴を紹介
そんな中で、「LJL 2023」を制した日本代表のDFMがどんなチームか、あらためてひとりずつ分析してみます。
Yutapon(トップ/ADC)
Yutapon選手はまだトップかボットかがわからないので、紹介の仕方がちょっと難しいんですが、両方の可能性を考えてみます。
トップ・ボットのどちらにも共通のことですが、個人的にはYutapon選手は『LoL』の天才だと思っています。何をやってもうまい、どんなチャンピオンもできる、どんなプレイスタイルもできます。さらに、キャリアの長さをしっかり試合の中で見せてくれています。つまり、その瞬間に自分が何をしなければいけないかということの把握であったり、理解といったところが非常に優れているので、チームに求められているプレーをしっかりと、それも瞬時に実行できる。そういったベテランとしての経験もすごく感じさせてくれます。しかも、毎年成長し続けている。そんな素晴らしいプレイヤーだと思います。
トップとして見た時の課題としては、メタチャンピオンをどこまで使えるのかというところです。
レギュラースプリットのような長いシーズンだと、試合を経るごとにそのチャンピオンを練習するとか、新しいチャンピオンを出すことによって突飛なピックで勝つこともできるのですが、「Worlds」のようなハイレベルな大会だと突飛なピックのみでは勝ち切れないため、メタチャンピオンをいち早く準備して、どこまで実践できるか。ただ、彼のキャリアを考えればどんなチャンピオンでも使いこなしてくれると思うので、個人的にはあまり心配はしていません。
ADCとして見ると、まずレーン戦から非常に素晴らしい。そしてなんと言っても集団戦です。どんな苦しい状況でも、Yutapon選手が生き残っていれば勝てると思えるくらいに、ひっくり返してくれるんですよね、苦しい状況を。なので、集団戦を観戦する時は、Yutapon選手をずっと追いかけているだけでも楽しいと思います。
彼がどうやってダメージを出しているのか、いつ飛び込むのかなど、僕も予想はしているのですが、毎回予想を超えてくるんです。そして、大舞台で勝つ時は必ず、Yutapon選手がその予想を上回ったスーパープレーをしてくれます。そこを楽しみにしたいですね。
apaMEN(トップ?)
Yutapon選手がどうなるかという意味では、新たにapaMEN選手が登録されたのも気になります。
【 4 DAYS TO #Worlds2023 】
— LJL(League of Legends Japan League) (@Official_LJL) October 6, 2023
LJL にて、数々のトップチームで偉業を成し遂げてきた apaMEN。
百戦錬磨のベテランは、世界戦での DFM 躍進の鍵となるか。
📺 Worlds 2023 は 10月10日(火) 16時より全日程放送予定!#リーグオブレジェンド #LoLEsports https://t.co/ARLZPjmos4 pic.twitter.com/JTgcWjxZT9
apaMEN選手は3年くらい前、「LJL」を代表するトップレーナーで、特にエイトロックスのようなファイタータイプのチャンピオンを得意として、ごりごり勝っていく選手でした。なおかつ、過去にはミッドやジャングルもやったりと、いろいろなロールを経験してきたプレイヤーでもあります。シーズン2からプレーしている歴の長いベテラン選手でもあります。
心臓も強いプレイヤーですから大舞台でも全く心配ないですし、さまざまな状況にもアジャストできるだけのポテンシャルを持ったプレイヤーです。
出てくるとすれば、やはりトップ起用の可能性が一番高いと思いますが、ファイタータイプのチャンピオンは今のメタでもあります。パッチ13.19で、エイトロックスがピックされる可能性も十分あると思っていますし、ジャックスやオーン、新たにピックされるチャンピオンとしてはカ・サンテくらいです。そう考えると、apaMEN選手ならチャンピオンプールに関しては心配しなくていいのかなと思っています。
Steal(ジャングル)
ジャングルのSteal選手は、とにかく頭のいいプレイヤーです。わずかな情報で敵の動きを察知してゲームを作っていきます。どういったジャングルの回り方をすれば自分たちのチームに有利をもたらせるか、どこにプレッシャーをかければ相手に対して大きなプレッシャーを与えられるかということを瞬時に把握できる、非常に鋭い判断力を持ったプレイヤーです。
ミッドのAria選手とジャングルはセット運用だと個人的に思っているのですが、Steal選手のクレバーさと、Aria選手の鋭いレーニングや有利の広げ方といったところの補完性は世界でも通用しますし、DFMにとって欠かせない武器にもなっていると思います。
正直、このミッド・ジャングルのデュオに対して絶対勝てると言えるのは、LCKやLPLの代表チーム、あとはLECのG2 EsportsやFnaticといった、強豪と認知されているチームくらいかなと思います。
ただし、その分だけ相当研究され、マークもされるはずです。なので、このAria選手とSteal選手のチャンピオンピックが、DFMにとって「Worlds」での生命線になると思いますね。
Aria(ミッド)
そのAria選手は、Crest Gaming Actからデビューした時から個人技には非常に定評があり、集団戦では自分がキャリーするという姿勢のプレイヤーでした。しかし、DFMへの移籍、そして2022年にLCKのKT Rolsterでの経験を含めて、マクロの部分、チーム全体としてどう動くべきなのか、自分がどこで黒子に徹してチームを盛り立てていくべきなのかといったところの理解が深まり、オールラウンドプレイヤーになったと言えると思います。
今まではレーニングで勝たないと仕事ができない選手だったのですが、レーニングで勝てなくてもSteal選手を生かしたりサイドレーンを生かすといった動きができるようになった、大きく成長したプレイヤーです。正直他のチームからするとあまり対策が見つからない選手です。そういう意味では、ライバルチームからすると、最も対策しなければならないのはAria選手だと思います。
あとは、Aria選手自身がそれを乗り越えられるか。以前「Worlds」に初めて出た時に、絶対勝たなければいけないマッチアップで、緊張で操作ミスをしてキルされてしまったこともありましたが、今回は故郷の韓国が舞台ですから、相当気合が入っていると思います。
Harp(サポート)
サポートのHarp選手は、とにかくレーニングが本当に強いです。プレッシャーをかけ続けて有利を広げていけるところが非常に頼りになると思いますね。
チャンピオンプールも、例えばナミやルルといったサポーティブなエンチャンターでも非常にアグレッシブにプレイして有利を作れますし、ノーチラスやアリスターのようなチャンピオンでもしっかりゲームメイクができる、オールラウンダーで攻撃的なプレイヤーと言えます。
個人的には、Harp選手のモルガナは1級品だと思っているので、今大会で出るかどうかをちょっと楽しみにしています。
Milan(ADC)
Yutapon選手に代わって、DFM Academyから参戦したMilan選手は、最初にスターターとなるという発表があった時は、やはり1番心配でした。というのも、ボットレーンでレーニングで勝っているシーンが浮かばなかったんですね。というよりも、そもそも勝つことを求められていないようなプレーをさせられていた印象だったんです。
【 5 DAYS TO #Worlds2023 】
— LJL(League of Legends Japan League) (@Official_LJL) October 5, 2023
若手ながらも安定したキャリーを見せつけた Milan。
初の国際戦の舞台でその実力はどのように輝くのか?
📺 Worlds 2023 は 10月10日(火) 16時より全日程放送予定!#DFMWIN https://t.co/5ViYEsmrUi pic.twitter.com/lF8KAnqJ5V
ただ、DFMではしっかりボットに勝つというところで、レーニングのところでの彼のプレイスタイルは大きく変わりましたし、そして試合を経るごとに自信をつけていって、ファイナルでは素晴らしいパフォーマンスを見せましたから、大きく成長したプレーヤーだと思います。
国際大会でのスターターの経験がないというところがやはり気になるポイントではあるんですけど。LJLで見せてくれたレーニングから戦う姿勢、集団戦のところで自分がキャリーするぞという意思、それをちゃんとプレイに乗せることができれば、十分国際大会でも活躍が期待できると思いますね。
LJLのファイナルも、オフラインでの大舞台での決勝が初めてだったにも関わらず、そして自分のミスでゲーム4が勝てなかったとか、そういった状況の中でも、しっかりとファンの声援を受けながらメンタルを立て直して、一貫したプレーをしていたところは本当に素晴らしいと思いますね。
Gismo(アナリスト)&ViviD(コーチ)
「LJL 2023 FINALS」でコーチを務めたGismoさんに関しては、同僚のRecruitさんの方がよく一緒に遊んでいるのですが、彼からの話やSNS上での振る舞い、DFMのYouTubeチャンネルに出演されているところを見ると、かなり変わっていて、知的にボケる方、という印象が普段の姿勢からは見えました。ただ、アナリストの部分で言うと、非常に深くさまざまなことを分析してらっしゃる方です。
さらに、過去にDFMでサポートとしてプレイしていたViviDさんが、「LJL 2023 FINALS」からコーチとして加入しています。この2人でのアナリスト、コーチ関係が「Worlds」ではとても重要になってきます。
アナリストの仕事は多岐にわたりますが、対戦チームの分析以上に重要なのが、やはり今回の「Worlds」のメタ分析、何が一番強いのかを把握することだと思っています。
過去には、日本のチームも含めて、対戦相手ばかり気にしてしまってメタの分析がおろそかになり勝てないというケースもよくありました。そして「Worlds」に出場するチームもそういった方向に陥りがちです。
パッチ13.19で何が最も強いのかを一番理解しているチームが、次のステージへと勝ち進んでいく、という大会でもあるので、パッチの研究・分析をどこまでできるのか、そこを担っているのがGismoさん、ViviDさんなんです。
おふたりとも選手の皆さんを昔から知っているので、慣れている方がちゃんと後ろにいるという安心感にもなると思います。Gismoさんはもともとアナリストとして長くDFMに所属していましたし、「Worlds」ではViviDさんがコーチとして後ろから支えるかもしれません。
「Worlds」のメタを左右するパッチ13.19の変更点
今年のSummer Splitは、開催時期によってパッチ13.13〜13.15で行われていました。このパッチではやはりどうしても、「スタティックシヴ」というアイテムを無視できなかったんですよね。ルブラン、カイ=サ、ゼリ、もしくは相手が「スタティックシヴ」を買ってくるなら買わなきゃいけない、という展開がされていくゲームが非常に多かった印象です。
ただ、この「スタティックシヴ」が大きくナーフされたことによって、これまで抑え込まれていたチャンピオンがピック可能になってきたのかな、というところが、パッチ13.19ではとても重要なポイントになると思います。
この『LoL』というゲームは、30秒ごとに到達するミニオンウェーブを素早く倒すことが、プロシーンにおいて絶対に考えなければいけないポイントです。それを基準にチャンピオンが選択されているという部分もあるので、ミニオンを倒すスピードが遅いチャンピオンは、それだけでピックできない可能性も高くなるくらい重要な要素なんです。
その差をこのアイテム1つでクリアできることがどれだけ影響が大きかったかというのは、全世界のプロプレイヤーが振り回されていたということからも説明がつくかなと思います。
ミニオンへのダメージ量が大きく弱体化されたことによって、さまざまなチャンピオンにも目を向ける必要が出てきた。加えて、他のチャンピオンがこの「Worlds」に向けて強化・弱体化されたことによって、ミッドのピック、ジャングルのピック、ADCのピックに大きな変化が生まれるという予想をしています。相変わらず相性がいいゼリは買う可能性があると思いますが、ルブラン×スタティックシヴという組み合わせはもうないと思いますね、さすがに。
「Worlds」に向けたパッチをみんなが読んで、それに変わる何かを各チームが探している。そして、実際プレイしてどうなのかある意味、「スタティックシヴ」が「フタ」になっていた部分もあると思うんです。それがなくなったことによって、他のチャンピオンがピックできるようになる、つまりバフやナーフのところに書かれていないチャンピオンが、いきなり登場する可能性もあるというところが、予測の難しさにつながっています。
シンプルにバフの面だけ見ると、タリヤやシンドラといったメイジ系チャンピオンが現れるだろうと思っているのですが、もしかしたら想像してないところから「このチャンピオンって強いよね」という形で出てくる可能性もあります。
さらに、「Worlds」のメタが固まるまでには、これまではプレイインステージを経て、シードチームが戦うグループステージから初めて判明することもたくさんあります。ただ、今回はリーグ戦ではない上に、負けていい試合がまったくない。なので、秘策を出し惜しみできないことは間違いないです。
さらには、「Worlds」は1つのパッチで行われる1番長い大会なので、各チームが考えるチャンピオンの強さのリストも、その大会中にどんどん更新されていくんですよね。相手のあのチャンピオンが強かった、弱かった、という情報から自分達のチームの中でもアップデートしていく、その作業もとても重要です。
なので、これが「Worlds」の傾向だなということはうっすら見えてくるとは思うんですが、メタだとはっきり言い切れるかまでかは、正直わからないですね。
そもそも、プレイインステージに出場するチームとグループステージに出場するチームの間には、結構な個人の差、チームとしての差があるので、その差も考えなければいけない部分はあると思います。
ここまでのプレイでは全く現れなかったものが、グループステージで、みたいなことは、今年はちょっとないんじゃないかなと思ってるんですけど。まあでも、予測の予測は難しい。
でも、それこそプレイインステージで戦ってる間に、戦ってない上位のチームが研究を進めていくということはあります。あとは、「Worlds」に向けての準備の中で練習試合を組むんですが、やはり強いチーム同士で組まれることが多いんです。なので、プレイインから出場するチームは、そのメインステージから出場するチームと練習試合はできなくて、強いチームがどんなチャンピオンを強いと考えているかは、練習からうかがえなかったりもするんですよ。
そういった情報の差というのは、あのプレイインステージとメインステージで生まれてしまう、準備段階で生まれやすいという部分はあると思いますね。
ただ、DFMは去年、一昨年と国際大会で結果を残してきているので、結構強豪チームとも練習試合をしているという情報もあります。そういった面で言うと、もしかしたら他のチームと比べてアドバンテージはあるかもしれないですね。
戦略的には、今年のミッド&ボット中心という流れはドラゴンとヘラルド、この2つの要素に起因する部分がとても大きいのと、LJLファイナルから「Worlds」のパッチまで、そこに関して根本的なテコ入れはなかったので、同様の傾向になるのは間違いないと思っています。
Revol的「Worlds 2023」の見どころ
そろそろまとめとして、「Worlds 2023」の僕的な見どころをまとめていきます。
まずこれまでの『リーグ・オブ・レジェンド』の大会の歴史上、その1年に行われるSpring、MSI、Summer、Worldsという4つのライアット公認大会すべてで優勝したチームはありません。
しかし、今年は中国代表のJDGというチームが、その4大会制覇、グランドスラムに王手をかけているんです。
そのJDGが「Worlds」で優勝するには、Ruler選手の活躍は必須だと思っています。僕はいま現存するADCの中で最も優れたADCだと思っています。なのでRuler選手に注目して大会を見ていきたいと思っています。彼次第でというか、JDGがグランドスラムを達成するには、彼が機能するような考え方ができるのが大事だと。過去にはSKTや、G2 EsportsとRNGが王手をかけたこともありますが、道半ば、もしくは「Worlds」で敗れています。
それでも何が起きるかわからないですからね。勝負の世界は。単独でそのJDGに勝てそうなチームと言ったら、まだ戦ってない他の地域が有力です。LPLだとBilibili GamingとLNG Esports、LCKからはGen.Gが最もJDGに勝てる可能性が高いチームだと個人的に思っています。全く隙がなく、非常に攻撃的で、Chovy選手もうまくやれています。
逆に、LPL、LCK以外の他の地域から入り込むとしたら、G2 Esportsがやはりこの牙城に食い込む最有力の欧米のチームになると思いますね。
ただ、LCKもLPLも、年々レーニングのレベルがどんどん上がっています。LECやLCSのトップチームがレーニングのところで太刀打ちできなくなりつつあるのが非常に気になっています。特にLCSは数年前から全く太刀打ちできなくなっている。G2やFnaticは過去くらいついてはいるのですが、徐々に離されているという印象もあるので、そこが今大会でどうなるのかが気になりますね。
レーニングの強さは個人技で基本中の基本ではありますが、なぜそんなに差がつくのかというと、まずシンプルにそのチャンピオンの理解度です。射程であったりモーションであったりといったところの理解度だけではなく、ミニオンを取り合う際に、味方ミニオンの体力、相手ミニオンの体力、自分のミニオンがどの対象をターゲットしているかといったことから、相手にダメージを与えるとミニオンのアグロを引く(攻撃対象になる)わけですが、ミニオンの位置を手前に引っ張るのか引っ張らないのか、そういった駆け引きで考えなければいけない要素が多く、その研究がLCK、LPLは上回っているんです。
特に、次の水準に上げたと思ったのが、Chovy選手やknight選手といった素晴らしいミッドレーナーの登場です。そのプレーに勝たなければならないので、研究の成果がリーグ内で広がり、LCK、LPLのミッドレーナーの水準がグッと上がった印象があります。
実はLCSは、ボットレーンは世界に通用するレーニングができるリージョンではあるのですが、ミッド、トップに関して言うと、世界水準のプレイヤーであるBjergsen選手以降、彼に変わる新しい選手が出てこなかったことによって、成長が止まってしまった印象があります。レーニングを次の段階に引き上げるのは特定の個人ですね。
ズバリ、DFMはどこまで活躍できる?
最後にズバリ、「Worlds 2023」でDFMはどうなのかを考えてみます。
まずシンプルに、プレイインステージでは8チーム中2チームが次のステージへと進出することを考えると、可能性は4分の1なので25パーセントが基準になります。その25パーセントを上回れる要素、もしくは下回る要素を考えた時に、やはりYutapon選手が鍵になると思います。
前述のとおり、Aria選手とSteal選手のミッド・ジャングルのラインは、プレイインのチームの中でも随一だということがポジティブな要素です。Yutapon選手とapaMEN選手次第で、15〜20%くらいがプレイインステージ突破の可能性なのかなと考えています。
もしYutapon選手がADCに、apaMEN選手がトップに行くという定石になったとして、apaMEN選手のトップレーンでのレーニングがどうなのかという不安は残されています。
個人的には、大会形式がとてもフェアになったことによって、過去の戦績からでは想像がつかなくなりました。ただし、フェアになった分だけはたから見ると非常にエキサイティングな大会になったことは間違いないので、2023年の「Worlds」はとても楽しみですね。
あとは、「Worlds」のアンセム(公式テーマ曲)のアーティストが、K-POPアイドルの「NewJeans」になったことには驚きました。
そして、「Worlds」を生かしたコンテンツも毎年素晴らしいものを見せてくれます。アンセムもそうですし、途中途中でのインタビューや試合のハイライトの作り方、そしてなんと言っても決勝戦のオープニングセレモニーですね。毎年予想を超えた素晴らしいものを出してくれます。
韓国ということで、以前のオープニングセレモニーとして、現在でも人気のK/DAがかなりふさわしかったので、今年もとても楽しみにしています!
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