「VIP部屋」に入るためのコメ理論その1「攻撃(追撃)のチャンスの広げ方」【シュルクマイスター・コメ先生の「スマブラSP 特別授業」】

2021.3.3 コメ
『大乱闘スマッシュブラザーズ Special』(スマブラSP)を遊ぶうえで、多くの方が目標にしているのが、オンライン対戦に用意されている「VIPマッチ」、通称「VIP部屋」ではないでしょうか。

小学生くらいの子どもたちの間では、この「VIPマッチ」に入れるというだけで尊敬の眼差しで見られるとも言われますよね。

そこで今回は、「VIP部屋に入るためのコメ理論」をご紹介したいと思います。

といっても、実は難しいことはひとつも言っていません。とても基本的なことを考えながら、操作精度を高めて実行するだけです。頭に入れながら練習すると、少しずつ上達できると思いますよ。


VIP部屋に入るために大事なこと2つ


『スマブラSP』に限ったことではありませんが、大前提として初心者は「動きが安定しない」ということが挙げられます。

当たり前ですが、そのゲームやキャラを始めたばかりの頃はノウハウがありません。なので、試行錯誤しながら効率の悪い動きを繰り返してしまいがちです。つまり、その逆の「効率のいい動き」をしていればおのずとVIPに行けるというわけです。

そのために特に考えるべきポイントは、
  • いかに攻撃(追撃)のチャンスを大きくできるか(攻撃)
  • いかに攻撃(追撃)をくらわないようにするか(防御)
という2つに集約されます。


攻撃のチャンスを大きくするためにできること


まずは、攻撃側について考えてみましょう。

『スマブラSP』というゲームは、まったく無傷で戦うことはほぼ不可能です。つまり、1試合の中で必ず、自分が攻撃を当てた状態の「有利状況」が一度は作れると思います。大事なのは、その後に追撃ができるかどうか、です。

具体例を挙げてみましょう。あなた(シュルク)は相手(ヨッシー)に攻撃を当てて、空中に吹っ飛ばしました。この時点で有利な状況ですが、追撃によってさらに有利を広げることができます。さて、ここから相手はどんな行動をしてくると予想されますか?

攻撃側(シュルク)が防御側(ヨッシー)を浮かせた状態


正解はいろいろありますが、飛ばされた側の行動は主に2つです。
  1. 不利状況にもかかわらず攻めてくる
  2. 距離を取って安全策で着地を目指す

こういったシチュエーションでVIP以下のプレイヤーでよく目につくのが、追撃に行こうとして相手の攻撃を受けてしまい、有利状況が一転、不利状況になってしまうというものです。

攻撃側の有利状況が、一気に防御側の有利状況へと変わってしまいます


その理由としては、単純に相手の「間合い」を理解していないことが原因です。その要素は、相手が使っているキャラクターの①技の距離(リーチ)、②技の発生スピード(フレーム)、③空中横移動の自由度、の3つです。

この3パターンをある程度は理解していないと、攻めたものの相手の攻撃速度やリーチが長くて相手の攻撃だけが当たったり、空中横移動でかわされて逆に攻撃をくらったりと、一気に攻撃側が不利になったりします。

なので、相手の3パターンの行動のうち、どれを選択してくるかが分かって、なおかつそれに対応できるだけの操作精度があれば、有利状況を維持できるというわけですね。


「何もしない」という選択肢


ただ、「間合い」を理解して相手の行動を予測するのは、初心者の方にはなかなか難しいと思います。

そこで攻撃側が取れるもうひとつの選択肢が「何もしない」というもの。正確には「絶対安全な場所で待つ」というものです。

追撃せず、相手からの暴れもくらうことなく、着地するまで安全に待ちます


追撃を成功させることは、攻撃が当たって生まれた「プラス5」の有利状況を「プラス7」や「プラス10」に広げるためのもの。一方「何もしない」は、少なくともマイナスにせず「プラス2」くらいで維持するという、ローリスク&ローリターンな考え方です。

これは相手の行動範囲だけを把握していれば実行できるので、初心者でも比較的簡単です。その上、相手は追撃されると思って攻撃を振ってしまっていることが多いので、着地にスキが生まれます。なので、攻撃側は何もしなくても有利な状況を維持できて、次の読み合いでも有利に動けるというわけです。

難易度が高いハイリスク&ハイリターンな動きを練習するのもいいのですが、簡単な方法で有利展開を維持することも試合の流れとしては大事です。一言で言えば「無理はしない」ということですね。

実はこれ、上位ランクのプレイヤー同士でも頻発します。なんなら、こちらの選択肢の方が多めかもしれません。

特に僕が使っているシュルクの場合、技の発生がべらぼうに遅く、空中移動の自由度も低いので、追撃が成功する確率が低いんですね。リーチはあるので、移動する方向までしっかり読み切れれば勝てるのですが、無理だと悟った時は着地した後の展開を有利にするために「何もしない」という選択肢を選ぶことがあります。追撃が無理だと悟った相手に対しては、着地後の展開を少しでも有利にするためにポジショニングするというわけです。

ちなみに、さらに読み合いが進むと、今度は防御側も「何もせずに着地する」という選択肢が出てきます。防御側が「何もせずに着地する」のは、攻撃側が空中攻撃を仕掛ければ無条件で当たってしまうので本来はリスクがあるのですが、「読みが回る」ことで互い仕切り直しとなるわけです。


VIPに行くために大事なのは、事故を起こさないこと


というわけで、「VIP部屋に行くこと」に話を戻しましょう。

実は一番大事なのは、「事故を起こさない」ことです。勝つにしろ負けるにしろ、安定した試合内容にする必要があります。

常になにかしらの理論に基づいて行動することが大事で、うまくいったならその行動の精度を上げればいいし、うまくいかなければその理論自体が間違っていたということなので修正すればいい。“なんとなくの行動”を減らしていけば、それだけその行動に対する経験値が自分の中に貯まっていきます。

『スマブラSP』を始めたばかりの初心者の方たちは、こういうことを考える余裕がないので、状況に振り回されてしまいがちです。ただ、数をこなして慣れてくれば「この状況は知ってるぞ! 次はこうしてみようかな?」と少しずつ考えられるようになってきます。


CPU戦は操作精度を上げるための練習に最適


以上、攻撃が当たったときにその有利状況を維持する方法について説明してきましたが、実際には使うキャラと相手のキャラによってシチュエーションがバラバラなので、それぞれ調べていかなければなりません。

そのための僕のやり方は、とにかくしらみつぶしに探していくというもの。状況に対して相手が取る選択肢を想定し、ひたすら可能性を探ります。

具体的な練習方法としては、対人戦の真剣勝負の中で学んでいます。浮かせた時のシチュエーションはこちらがワンタッチしたところから始まるので、勝負の場所でこそ再現性があるんです。

ただ、対戦相手がいなかったり、相手が対策したいキャラを使えない場合には、ひとりでCPUと対戦するのもアリだと思います。『スマブラSP』はCPUもそこそこ強く設定されていて、浮かせた時の行動はCPUでも人間でも行動自体に違いはありません。「読み合い」にはならないですが、CPUでも同じように練習はできます。

ちなみに、『スマブラSP』のCPUは最大でレベル9ですが、レベル9だとダウンした時にCPUは必ず受け身を取ります。レベル8は受け身を取る時と失敗する時がバラバラです。なので、どちらかというと対人戦に近いのはレベル8。受け身をとる前提の練習をしたい時にはレベル9を選んでみてください。

CPU戦はあくまで操作精度を上げるためのツールとして使うイメージです。ある程度できたら、オンライン対戦や友達との対人戦でいろいろ試してみてくださいね。

次回は、VIP部屋に行くためのもうひとつの要素、「いかに攻撃(追撃)をくらわないようにするか」のコメ理論をご紹介したいと思います。


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