「クラロワリーグ アジア」FAV gamingの戦い:現地に在住せずに戦うメリットとは?
絶賛開催中のクラロワリーグアジア2019。残すところあとわずかとなり、プレーオフ進出に向けて各チーム臨戦態勢となってきました。そこで日本の4チームにインタビューする機会を得たので、これまでの振り返りと今後の展望、初めての韓国滞在での苦労などについて聞いてきました。
今回は、FAV gaming編です。
取材をしたのは5月31日、FAV gamingはグループBの5位と苦戦を強いられ、プレーオフ出場の為に4位以内に入るためにはもはや1敗もできない状況です。運命を占うBREN ESPORTS戦を前に話を聞いてきました。
――苦戦が続いていますが、チームの状況と成績をどのように評価していますか。また打開策はありますか。
Okomechin監督:シーズン序盤は、勝てなくて苦しい状態でした。FAV gamingは新規メンバー中心で選手も他のチームよりひとり少ない4人態勢だったこともあったので、最初からうまくいくとは思っていませんでした。ただ、試合結果としては負けでしたが、ストレート負けがなく、展開次第では勝てる状態だったので、焦りはしませんでしたね。
KENTSUMESHI選手:JACK選手とKITASSYAN選手のふたりの新人がシーズン開始当初は、すごく緊張しており、DANI選手と自分が引っ張っていこうと思いましたが、あまりうまくいきませんでした。でも、今はだいぶ緊張も解け、いい感じに実力を発揮できるようになってきました。
JACK選手:これまで一般プレイヤーとして楽しんできたマルチとは違ったルールに、最初は慣れませんでした。そこでミスをしないように守りを中心とした戦術で戦ったのですが、それが余計にうまくいかなかった。そんなとき、チームメイトから「いつも通りでもいいのでは」というアドバイスをもらって、開き直ってプレイするようになってから、調子が出てきました。
KITASSYAN選手:プロの舞台に立つことだけで、緊張しすぎてガチガチでした。最近はようやく慣れてきて、いつも通りのプレイができるようになってきました。
Okomechin監督:昨年と違う点としては、一般ユーザーの応援が増えたと感じています。あまり調子がよくないときも応援してくれていましたし、励みにもなりました。
――昨年チームでプレイした3選手が抜けたことと、4人体制でリーグ戦に臨んでいることの影響はありますか。
Okomechin監督:メリットとデメリットの両方があると感じています。メリットは、密度の濃いチームを作ることができることですね。人数が多いとそれだけ試合に出られない選手もいますし、出る選手も試合数が少なくなったりします。その点では、どのチームの選手よりも試合経験を積めていると思います。
デメリットは、日常の練習がギリギリになってしまうことですね。2v2の練習だと2人が2組になるので、余裕がない。人数が少ないことで相手チームからプレイヤー対策をしやすくなり、スターティングメンバーの予測はしやすくなると思います。ただ、JACK選手は相手チームの対策がさほど影響しないほどのレベルに達しているので、その点は気にしていません。
――2v2で苦戦が続いています。拠点を日本に置くことで他のチームと比べて、頻繁な渡航による練習時間の不足やチームワークの醸成に遅れはありませんか。
Okomechin監督:毎週毎週、日本と韓国を往復するのは、大変だと思います。移動は疲労がたまるので、できるだけ休むように言っています。
KENTSUMESHI選手:移動は確かにデメリットなんですが、いい部分もあるんです。移動中はどうしようもないので、無理やりにでも休むことができます。チームメイトとも話ができるので、悪いことだけではないですね。
Okomechin監督:渡航するか滞在するかという点を考えると、FAV gamingは、他の日本チームには結構勝っているので、渡航が原因で負けているということは考えられないですね。
韓国滞在チームは、宿舎を同じくして四六時中練習ができるという環境の利点がありますが、うちもKENTSUMESHI選手の家にJACK選手とKITASSYAN選手の3人で住んでいるので、環境としてはさほど違いがあるわけではありません。
――練習のスケジュールはどんな感じでしょうか。
Okomechin監督:ベースとなる練習時間は11時から19時ですね。チーム内の練習以外に、21、22時からスクリムで他チームと練習試合を行っています。練習内容としては2v2が中心です。
今回の試合方式では2v2が重要という意味合いもあるのですが、昨年のリーグでは、2v2をYAKITORI選手とRAD選手に任せていたので、FAV gamingとしてはゼロスタートでやる必要があったためです。
――eスポーツの監督が何をやっているのか、一般的に知られていません。監督が担っていること、役割について具体的に教えてください。また、監督がチームを運営する上で、最も大事にしていることと、監督という立場の難しさは何ですか。
Okomechin監督:技術的な面に関して、1v1について教えられることはほぼありません。なのでロジカルな考え方などの助言、スケジュールの調整、体調の管理など、マネージャーとしての活動が中心ですね。
練習で根を詰めるより休んでリフレッシュしてほしい。FAV gamingのチームテーマが「楽しく、勝つ!」なので、楽しんでほしいです。
――大学を休学したり、就職を先延ばしにしての参戦をされている方もいますが、他の同級生の動向が気になったり、休学したことの懸念などはありますか。
DANI選手:今、大学3年生なので、同級生は就活に勤しんでいると思います。でも、今年はきっちり休学してプロに集中していこうと思っているので、そういった周りの同級生の動向については気にしていません。
JACK選手:プロ選手になる前はもともと就職する予定だったんです。プロになる機会を得た時、就職先の所長さんに「プロとして活動するかもしれない」という相談をしました。所長さんは「そういうチャンスがあるならやってきな」といって、プロになることを後押ししてくれました。就職は解消されたのではなく、保留の形になっていまして、今でも待ってくれています。
――今後の活動予定を教えてください。
KENTSUMESHI選手:『クラロワ』を広めたいというのが一番ですね。最近は動画配信の視聴者数も増えてきています。昨年の世界一決定戦が終わったあとはそのまま収束してしまうかと心配もしましたが、今年のリーグが始まったら盛り上がってきています。
チームメンバーとしての目標は、もっとキャプテンらしくチームを牽引していきたいです。昨年は形だけのキャプテンだったので、今年はよりよいキャプテンになるべく勉強中しています。昨年はできなかったチーム内で話し合いができているなど、少しは成長しているんじゃないですかね。
――KENTSUMESHI選手は今年からレッドブルアスリートとしての活動も開始されましたが、その点についてはいかがでしょうか。
KENTSUMESHI選手:レッドブルアスリートは、すでに完成された技術力の高い選手と、これから伸びるであろう選手のどちらかを支援することを理念にしています。当然、僕は後者なので、シーズン中に少しでも成長を見せられれば。eスポーツ、リアルスポーツ問わず偉大な選手が多いのですが、その偉大な選手と自分を比較することなく、自分なりの成長を見せられればと思います。
発表からリーグ開始までの間のオフシーズンに、少しでも実績を残したいと思い、取り組んでいたランク戦でランク世界6位までいけたのはちょっと自信になりました。リーグ戦でも結果を残していきたいですね。
――最後に、日本のファンに向けてコメントをお願いします。
JACK選手:チームとしても個人としても勝っていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします。
今回は、FAV gaming編です。
取材をしたのは5月31日、FAV gamingはグループBの5位と苦戦を強いられ、プレーオフ出場の為に4位以内に入るためにはもはや1敗もできない状況です。運命を占うBREN ESPORTS戦を前に話を聞いてきました。
調子がよくない時のファンの応援が励み
――苦戦が続いていますが、チームの状況と成績をどのように評価していますか。また打開策はありますか。
Okomechin監督:シーズン序盤は、勝てなくて苦しい状態でした。FAV gamingは新規メンバー中心で選手も他のチームよりひとり少ない4人態勢だったこともあったので、最初からうまくいくとは思っていませんでした。ただ、試合結果としては負けでしたが、ストレート負けがなく、展開次第では勝てる状態だったので、焦りはしませんでしたね。
KENTSUMESHI選手:JACK選手とKITASSYAN選手のふたりの新人がシーズン開始当初は、すごく緊張しており、DANI選手と自分が引っ張っていこうと思いましたが、あまりうまくいきませんでした。でも、今はだいぶ緊張も解け、いい感じに実力を発揮できるようになってきました。
JACK選手:これまで一般プレイヤーとして楽しんできたマルチとは違ったルールに、最初は慣れませんでした。そこでミスをしないように守りを中心とした戦術で戦ったのですが、それが余計にうまくいかなかった。そんなとき、チームメイトから「いつも通りでもいいのでは」というアドバイスをもらって、開き直ってプレイするようになってから、調子が出てきました。
KITASSYAN選手:プロの舞台に立つことだけで、緊張しすぎてガチガチでした。最近はようやく慣れてきて、いつも通りのプレイができるようになってきました。
Okomechin監督:昨年と違う点としては、一般ユーザーの応援が増えたと感じています。あまり調子がよくないときも応援してくれていましたし、励みにもなりました。
毎戦日本から渡航するデメリットはそれほどない
――昨年チームでプレイした3選手が抜けたことと、4人体制でリーグ戦に臨んでいることの影響はありますか。
Okomechin監督:メリットとデメリットの両方があると感じています。メリットは、密度の濃いチームを作ることができることですね。人数が多いとそれだけ試合に出られない選手もいますし、出る選手も試合数が少なくなったりします。その点では、どのチームの選手よりも試合経験を積めていると思います。
デメリットは、日常の練習がギリギリになってしまうことですね。2v2の練習だと2人が2組になるので、余裕がない。人数が少ないことで相手チームからプレイヤー対策をしやすくなり、スターティングメンバーの予測はしやすくなると思います。ただ、JACK選手は相手チームの対策がさほど影響しないほどのレベルに達しているので、その点は気にしていません。
――2v2で苦戦が続いています。拠点を日本に置くことで他のチームと比べて、頻繁な渡航による練習時間の不足やチームワークの醸成に遅れはありませんか。
Okomechin監督:毎週毎週、日本と韓国を往復するのは、大変だと思います。移動は疲労がたまるので、できるだけ休むように言っています。
KENTSUMESHI選手:移動は確かにデメリットなんですが、いい部分もあるんです。移動中はどうしようもないので、無理やりにでも休むことができます。チームメイトとも話ができるので、悪いことだけではないですね。
Okomechin監督:渡航するか滞在するかという点を考えると、FAV gamingは、他の日本チームには結構勝っているので、渡航が原因で負けているということは考えられないですね。
韓国滞在チームは、宿舎を同じくして四六時中練習ができるという環境の利点がありますが、うちもKENTSUMESHI選手の家にJACK選手とKITASSYAN選手の3人で住んでいるので、環境としてはさほど違いがあるわけではありません。
FAV gamingとしての2v2はゼロからのスタート
――練習のスケジュールはどんな感じでしょうか。
Okomechin監督:ベースとなる練習時間は11時から19時ですね。チーム内の練習以外に、21、22時からスクリムで他チームと練習試合を行っています。練習内容としては2v2が中心です。
今回の試合方式では2v2が重要という意味合いもあるのですが、昨年のリーグでは、2v2をYAKITORI選手とRAD選手に任せていたので、FAV gamingとしてはゼロスタートでやる必要があったためです。
――eスポーツの監督が何をやっているのか、一般的に知られていません。監督が担っていること、役割について具体的に教えてください。また、監督がチームを運営する上で、最も大事にしていることと、監督という立場の難しさは何ですか。
Okomechin監督:技術的な面に関して、1v1について教えられることはほぼありません。なのでロジカルな考え方などの助言、スケジュールの調整、体調の管理など、マネージャーとしての活動が中心ですね。
練習で根を詰めるより休んでリフレッシュしてほしい。FAV gamingのチームテーマが「楽しく、勝つ!」なので、楽しんでほしいです。
――大学を休学したり、就職を先延ばしにしての参戦をされている方もいますが、他の同級生の動向が気になったり、休学したことの懸念などはありますか。
DANI選手:今、大学3年生なので、同級生は就活に勤しんでいると思います。でも、今年はきっちり休学してプロに集中していこうと思っているので、そういった周りの同級生の動向については気にしていません。
JACK選手:プロ選手になる前はもともと就職する予定だったんです。プロになる機会を得た時、就職先の所長さんに「プロとして活動するかもしれない」という相談をしました。所長さんは「そういうチャンスがあるならやってきな」といって、プロになることを後押ししてくれました。就職は解消されたのではなく、保留の形になっていまして、今でも待ってくれています。
『クラロワ』をもっともっと広めたい
――今後の活動予定を教えてください。
KENTSUMESHI選手:『クラロワ』を広めたいというのが一番ですね。最近は動画配信の視聴者数も増えてきています。昨年の世界一決定戦が終わったあとはそのまま収束してしまうかと心配もしましたが、今年のリーグが始まったら盛り上がってきています。
チームメンバーとしての目標は、もっとキャプテンらしくチームを牽引していきたいです。昨年は形だけのキャプテンだったので、今年はよりよいキャプテンになるべく勉強中しています。昨年はできなかったチーム内で話し合いができているなど、少しは成長しているんじゃないですかね。
――KENTSUMESHI選手は今年からレッドブルアスリートとしての活動も開始されましたが、その点についてはいかがでしょうか。
KENTSUMESHI選手:レッドブルアスリートは、すでに完成された技術力の高い選手と、これから伸びるであろう選手のどちらかを支援することを理念にしています。当然、僕は後者なので、シーズン中に少しでも成長を見せられれば。eスポーツ、リアルスポーツ問わず偉大な選手が多いのですが、その偉大な選手と自分を比較することなく、自分なりの成長を見せられればと思います。
発表からリーグ開始までの間のオフシーズンに、少しでも実績を残したいと思い、取り組んでいたランク戦でランク世界6位までいけたのはちょっと自信になりました。リーグ戦でも結果を残していきたいですね。
――最後に、日本のファンに向けてコメントをお願いします。
JACK選手:チームとしても個人としても勝っていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします。
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