【大会レポート+インタビュー】 小学3年生vsプロによる頂上決戦で、大ベテランのSAKI選手が初戴冠! ——東京eスポーツフェスタ2026 ぷよぷよeスポーツ部門

2026.1.15 宮下英之
東京eスポーツフェスタ 2026」が1月9日(金)〜11日(日)に、東京ビッグサイトにて開催された。パブリックDayとなる11日(日)には、『ぷよぷよeスポーツ』によるeスポーツ大会が開催された。

「ぷよぷよeスポーツ」部門は小学生以上なら誰でも参加できるオープン大会。ぷよぷよランキング対象大会として実施され、会場予選から決勝まで当日行われた。

優勝したのは、JESUのプロライセンスを所有し、TEQWINGに所属するSAKI選手。

東京eスポーツフェスタとは

東京都や関連団体で構成される実行委員会が主催する「東京eスポーツフェスタ」は、eスポーツの普及と関連産業の振興を目的に開催されているeスポーツイベントだ。2020年から開催されていて、今年開催される「東京eスポーツフェスタ2026」は7回目となる。


5勝先取という短期戦ならではのぷよバトル


ぷよぷよeスポーツ部門は、予選はブロックごとに総当たり戦を行い、上位の選手が次の予選に進出するというかたちで、上位4位までが選出された。当初は予選は2回とアナウンスされていたが、当日は3回(1回戦で18名、2回戦で12名、3回戦で4名)まで絞られ、決勝大会はシングルエリミネーション。準決勝は5勝先取(Bo9)を1セット、決勝は5勝先取(Bo9)を2セット先取と、一般的な大会と比較すると短期決戦という点で、普段の大会とは異なる戦い方も要求された。

【主な大会レギュレーション】

参加資格:2025年4月2日時点で小学生以上のプレーヤー
予選:
ブロックごとに総当たり戦を行い、上位選手が次の予選に勝ち上がる。3回の予選で上位4名まで選出する
決勝:
上位4名でシングルエリミネーショントーナメントを実施。
使用端末:主催者が用意したPS4のコントローラーを使用
優勝賞品:
「東京都知事杯」「Amazonギフトカード 15,000円分」

決勝に勝ち上がった4名は、いずれもさまざまな大会で活躍する名のある選手ばかり。プロのSAKI選手から、小学生ながら数々の大会で入賞してきたおうすけ選手まで、さまざまな選手が勝ち上がってきた。

▲ステージ右からSAKI選手、syakegohan選手、るた選手、おうすけ選手

▲決勝大会のトーナメント。

準決勝第1試合は、ベテランのSAKI選手と若き実力派のsyakegohan選手。互いに大連鎖を狙いつつ、syakegohan選手が中盤での小さな連鎖を効果的に使っていくが、その数を上回る連鎖でうまく反撃したSAKI選手が5-3で勝利する。


準決勝第2試合は、るた選手と全国都道府県対応eスポーツ選手権では小学生の部で準優勝も飾っているおうすけ選手の対決。相手のぷよをしっかり見て対応するおうすけ選手が3本を連取するが、るた選手も本線の連鎖を重ねてきっちり反撃し、4-4のイーブンに。最終ラウンドは互いに本線を詰みながら、ダブルにダブルで応戦するやり取りの連続に。もつれた中でダメ押しの5連鎖をお見舞いしたおうすけ選手が、5-4で勝利した。


決勝戦は、SAKI選手とおうすけ選手による5本先取×2回の勝負。どちらも相手のぷよを見ながら小連鎖と本線の連鎖のタイミングをうかがっていくが、試合巧者のSAKI選手が5-2でまずは1セットを奪う。しかしここからおうすけ選手が粘り強さを発揮し一気に4-0とリード。SAKI選手も取り返していくが、全消しに成功したおうすけ選手が5-4で1セットを取り返す。

迎えた最終セット、本線の大連鎖をお互いに狙いつつ、小さな連鎖で邪魔し合うが、常にひとつ多い連鎖でカウターしていったSAKI選手が4-1で王手をかける。ここでおうすけ選手は「全消し」に成功し2本奪い返すが、反撃もここまで。2連鎖ダブルなどで揺さぶりをかけたSAKI選手が5-2で優勝を果たした。




SAKI選手インタビュー


優勝したSAKIがインタビューに応じてくれたので、その様子をお届けしよう。


▲優勝したSAKI
▲優勝したTEQWING e-sports所属のSAKI選手

──優勝おめでとうございます。今の気持ちを教えてください。

SAKI選手:いや、ほんとに非常に嬉しいです。1日戦ってきてずっと勝ち続けられて、いい日だったなと思います。

──今大会の勝因はなんでしょうか?

SAKI選手:自分を信じて、自分なりのプレーを発揮することができたところなんじゃないかなと思っています。

──今大会は1日で予選から決勝まで勝ち抜いてきました。どんな1日でしたか?

SAKI選手:自分のコンディションはかなり良かったんじゃないかと思っていて、相手の動き方に合わせて自分の動き方を選択し続けなきゃいけないゲームなんですけど、それがちょうど噛み合うように動けたなと、振り返って思います。

──決勝戦はSAKI選手が1セット獲得してから、おうすけ選手が1セット取り返して追いつかれてからの勝利でした。どんな心境でしたか?

SAKI選手:5本先取というのは『ぷよぷよ』の試合としてはそんなに多くない本数ではあるので、どっちが勝ってもおかしくない、くらいの気持ちで、気楽にプレイすることを心がけていました。その方が普段通りの自分のプレーが出せると信じているんです。気負ったり空回ったりすることも経験してきたので、そういうことはなるべくしないようにと。そのために、“リクライニング”もやっていたりします。

▲リラックスと集中力を高めるために行っているという試合前のリクライニング

──あれはかなりご自身の中でも重要な行動なんですか?

SAKI選手:そうですね、ルーティーンのひとつになっています。

──『ぷよぷよeスポーツ』の競技シーンを振り返ると、2025年は全国都道府県対抗eスポーツ選手権で小学生の部、一般の部の両方で小学生が大人に交じって優勝するなど、若いプレーヤーの活躍が多く見られた年でした。今回も小学3年性のおうすけ選手が決勝まで勝ち上がってきましたが、若い子たちの活躍についてどう感じていますか?

SAKI選手:私たち大人が1年間くらいかけて習得することを、小学生の子たちは1カ月以内にポンポン習得しちゃうんですよ。だから、ほんとに1、2年くらいでプロと戦える子たちがいま特に多くなってきていて、インターネットの教材とかもたくさんあるので、それを見て自分でぽんぽん吸収して学んできているんじゃないかなとは思っています。

──ただ、そんな勢いがあるおうすけ選手を破り、結果的にはSAKI選手が優勝を勝ち取りました。勝てる理由はどんなところにあるのでしょうか?

SAKI選手:こういう動き方はされたことがないだろう、というような動き方が、小学生たちには実はあるんです。基本的な王道の勝ち方とはちょっと外れて、どっちが有利なのか不利なのかが分かりづらいような動き方とか、中途半端な動き方があったりして。若い子たちはまだ経験していないし、身につけていないそういった行動で、相手を困惑させることができるんです。特に今日の決勝戦のおうすけ選手との試合では、そういう部分が多かったんじゃないかなとは思ってます。

仕掛ける順番やタイミングによって、1秒遅れるだけで勝率が30%から60%に上がったり、その逆もあったりします。

──そういった数値やデータで理解するというところは、もしかしたらまだ小学生の子たちには分からないかもしれませんね。

SAKI選手:そうですね、多分感覚的には勝率とかもわかっていると思うんですけど、そこまでは気にしていないと思います。それも、こちらから見ると勝率60パーセントだけど、あちらから見ても勝率60パーセントだと思わせられるような動き方があったりして。そこがやっぱり経験の差だと思うんですよね。

──では、そういうテクニックも彼らが身につけてきたら、

SAKI選手:もう大変ですね、1カ月で見つけちゃうかもしれません。いつ化けてもおかしくない、あるいはもう化けているような選手もすでにいます。

──ちなみに、おうすけ選手が決勝まで上がってきた時には、勝てる自信はありましたか?

SAKI選手:自分のプレーができたら大体勝てるだろう、自分次第だとは思ってはいました。おおすけ選手は勢いがあるプレーヤーなので、そこに飲まれないように気を付けました。

多分2セット目で0-4で負けていた場面とか、4本連取されたところは、流れを一気にもぎ取られたなと思いました。でもそれも、対戦前に一応ありうる展開だと予想はしていたので焦りとかはなく、冷静に立ち回れたかなと思います。

──今後の目標は?

SAKI選手:2月にセガの公式大会がありますので、そちらでも自分のプレーを出し切って優勝できたらうれしいです。

──最後に、応援してくれた方々へのメッセージをお願いします。

SAKI選手:いつも私のことを応援してくださってる皆さんには、本当に支えられているなと実感しています。これからもいい「ぷよぷよ」を見せ続けますので、よろしくお願いします。


まとめ


今大会は「ぷよぷよランキング対象大会」として公式大会のひとつにもなっており、多くのぷよぷよファンやプロも集結していた。SAKI選手も優勝コメントで語っていたとおり、プロであっても予選で敗退してしまうほど、実力のあるプレーヤーが増えており、そこにさらに運の要素も加わり、単に実力だけでは勝てない競技になっている。

全国都道府県対抗eスポーツ選手権でのよし選手(小学生の部)、ゆうき選手(オープン参加の部)という小学生のダブル優勝も記憶に新しい『ぷよぷよeスポーツ』の競技シーンは、急速に若手選手の活躍が目立つようになってきた。

とはいえ、東京eスポーツフェスタの『ぷよぷよeスポーツ』部門は、ともくん選手の2連覇、今回のSAKI選手の優勝と、プロがしっかり優勝を勝ち取っており、いわば選手層がさらに厚くなってきているととらえるべきだろう。

誰でもすぐにルールが理解できるにもかかわらず、極めようとすると何百、何千時間プレーしても勝てるかどうかわからないという、誰にでも可能性がある点が『ぷよぷよeスポーツ』というタイトルの面白さであり魅力でもある。全国のショッピングモールでの大会や、高齢者などを対象とした体験会、大会なども行われており、その裾野もどんどん広がりつつある。

今回は敗れてしまった若手プレーヤーたちが、老獪なベテラン勢をどのようにねじ伏せていくのか。そしてベテラン勢はこれからどのように戦っていくのか。今後の東京eスポーツフェスタ ぷよぷよeスポーツ部門の大会の見どころのひとつとして、今後も注目していきたい。


■東京eスポーツフェスタ 2026 『ぷよぷよeスポーツ』競技大会 アーカイブ


■関連リンク
東京eスポーツフェスタ公式:
https://tokyoesportsfesta.jp


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