【インタビュー】 アジア競技大会金メダリスト・ゆうき 「『ぷよぷよ』がもっと広まって、世界の強い選手と対戦したい」

2026.10.13 宮下英之
2026年9月19日(土)〜10月4日(日)に開催された「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」。アジア地域45の国と地域が参加する総合スポーツ大会で、eスポーツは前回大会に続き正式なメダル競技として採用された。

eスポーツ競技は9月23日(水・祝)〜10月2日(金)、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)を中心に11種目13タイトルで行われた。

その中で、日本のeスポーツ史に残る結果を残したのが、『ぷよぷよeスポーツ』日本代表のゆうき選手(栗原悠輝/東京ヴェルディeスポーツ)だ。

日本選手団最年少の11歳で大会に臨んだゆうき選手は、10の国と地域が参加したグループステージを4戦全勝で突破。決勝トーナメントでは準々決勝でシンガポール代表に5-0、準決勝でタイ代表に10-1、そして決勝では韓国代表のKANG Dongshin選手を10-2で破り、金メダルを獲得した。

決勝では第1ゲームを落としたものの、第2ゲームでいきなり15連鎖。その後も11連鎖、13連鎖と持ち味の大連鎖を決め、試合を圧倒した。11歳3カ月での金メダル獲得はアジア競技大会史上最年少。さらに、アジア競技大会のeスポーツ競技で日本に初めて金メダルをもたらした。

決勝戦での韓国代表との試合。

大会閉幕後に行われた囲み取材で、金メダルを手にした現在の心境や決勝でのプレー、HPSCでのトレーニング、そしてこれからの目標について聞いた。


「優勝したー!」——金メダル獲得の瞬間


──あらためて、アジア競技大会での優勝おめでとうございます。金メダルを取った瞬間はどんな気持ちでしたか?


ゆうき選手:うれしかったですし、すぐに実感が湧きました。取った瞬間に「優勝したー!」ってなりました。

──アジア大会を戦う前から「勝てる」という自信はありましたか?

ゆうき選手:正直、結構自信はありました。

──決勝では、相手に「全消し」を取られながら勝った場面もありました。あの状況でも焦りはなかったのでしょうか?

ゆうき選手:正直、全消しってそこまで強くないんですよね。だから、そこまで焦ることもなく、普通に対処できたかなと思います。



──プレー中、一番心がけていることは?

ゆうき選手:とにかく強い形を組むってことですね。

──最後のゲームでは、相手の12連鎖を受けるかなり難しい展開にも見えました。あの場面で焦りはありましたか?

ゆうき選手:全然していないです。


アジア大会前にはHPSC ESPORTS LABも活用


──大会前には、HPSC ESPORTS LABもかなり利用したのでしょうか?


ゆうき選手:はい。結構使わせてもらいました。環境がめちゃくちゃ良くてやりやすいので、本当にいいなって思っています。

──以前取材した際には「家の方が集中できるかも」と話していました。実際に何度か利用してみてどうでしたか?

ゆうき選手:さすがに家の方が集中できるかなと思います。いつもの環境なので、やっぱり集中しやすいです。でも、HPSC ESPORTS LABもめちゃくちゃ集中できる環境だと思います。

HPSCで練習するゆうき選手


金メダルを取っても「ほとんど変わらない」


アジア競技大会史上最年少となる金メダル獲得。テレビや新聞などでも大きく報じられたが、本人の日常は驚くほど変わっていないようだ。

──金メダルを取ってから、普段の生活に何か変化はありましたか?

ゆうき選手:ほとんどないです。

──学校でも「おめでとう」とたくさん言われたのでは?

ゆうき選手:おめでとうとはめっちゃ言われますけど、そこまで変わってはいないですね。

──金メダルも学校に持っていった?

ゆうき選手:はい。クラスで見せたくらいです。


──大会後も『ぷよぷよ』はプレーしましたか?

ゆうき選手:結構やっています。1日1時間か2時間くらい。

──大会前に「いい結果を残したら宝石が欲しい」と話していました。そのご褒美は?

ゆうき選手:まだです(笑)。

──実現しそうですか?

ゆうき選手:わかんないです(笑)。


金メダルの次は「もっと上を目指したい」


──これまでは「アジア大会で金メダル」という大きな目標がありました。達成した今、次の目標を教えてください。


ゆうき選手:『ぷよぷよ』では、今の自分の強さからもうちょっと強くなれると思うので、もっと上を目指して頑張りたいです。それ以外では、普段通り生活したいなと思います。

──「普段通りの生活」で、一番楽しいことは?

ゆうき選手:塾の算数の授業です。

──大人になったときの夢はありますか?

ゆうき選手:電車の運転手と、あと塾の算数の先生とか。

──『ぷよぷよ』ではないんですね?

ゆうき選手:はい(笑)。


「もっと強い選手が出てきてほしい」——11歳のアジア王者が思うeスポーツの未来


──今回の金メダルをきっかけに、eスポーツ界がこれからどうなってほしいと思いますか?

ゆうき選手:もっと広まってほしいですね。世界にももっと強い選手が出てきたら、いっぱい強い人と対戦するのは楽しいですし。eスポーツをやる人が増えたらいいなって思います。

──これをきっかけに『ぷよぷよ』を始める人もいると思います。初心者に、面白さや上達のコツを伝えるとしたら?

ゆうき選手:自分が『ぷよぷよ』を始めてから5年くらいなんですけど、逆に言えば、自分が5年でアジア大会で優勝できたということなので、いっぱいやれば誰でも強くなれるゲームだと思います。ぜひいっぱい練習して、強くなってもらいたいなって思います。

※ ※ ※

大会前、eSports Worldの取材で「アジア大会では何を見てほしい?」と聞いたとき、ゆうき選手は迷わず「大連鎖を見てほしいですね」と答えていた。その約2カ月後、アジア大会の決勝という大舞台で、第1ゲームを落とした直後に飛び出したのは15連鎖。

もちろん、11歳3カ月という若さでアジア競技大会史上最年少の金メダリストになったことだけでも十分にすごい。しかし、より印象に残ったのは、その「11歳」という数字以上に、試合中の落ち着きと、自分の強さを冷静に理解していることだ。

相手に全消しを取られても焦らず、「とにかく強い形を組む」。金メダルを獲得しても、生活は「ほとんど変わらない」。そして次に目指すものを聞けば、「もっと上を目指したい」と答える。

アジア王者になっても、ゆうき選手にとって『ぷよぷよ』はまだ道半ば。なによりアジアNo.1になっても「楽しい」と言えるほど、ゲームとしての『ぷよぷよ』が大好きな小学生だ。

世界にもっと強い選手が現れ、その選手たちとゆうき選手がどんな「大連鎖」をぶつけ合うのか。金メダルのその先にも、まだまだ熱く楽しい戦いを見せてくれるだろう。


栗原悠輝(ゆうき)選手|JOC TEAM JAPANプロフィール
https://www.joc.or.jp/athletes/kuriharayuki/index.html
東京ヴェルディeスポーツ ぷよぷよ部門 ゆうき選手加入のお知らせ
https://www.verdy.club/post/20260605
ゆうき選手 X(@kryu_puyo)
https://x.com/kryu_puyo

第20回アジア競技大会 eスポーツ競技|eSports World大会情報
https://esports-world.jp/tournament/61552
アジア競技大会 eスポーツ日本代表メダル獲得レポート|eSports World
https://esports-world.jp/report/66626

【インタビュー】アジア競技大会eスポーツ日本代表・ゆうき——『ぷよぷよ』最年少代表が体験したHPSCの科学的トレーニングとは
https://esports-world.jp/interview/64885

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