【大会レポート+インタビュー】ふ〜ど「1回戦から出ていたら、どうなっていたか分からなかった」——東京eスポーツフェスタ初採用の『スト6』大会はゲスト枠にプロ選手が登場!

東京eスポーツフェスタ 2026」が1月9日(金)〜11日(日)に、東京ビッグサイトにて開催された。パブリックDayとなる10日(土)には、『ストリートファイター6(スト6)』のeスポーツ大会「東京eスポーツフェスタ ストリートファイター6」が開催された。

「ストリートファイター」シリーズが「東京eスポーツフェスタ」の競技タイトルに選ばれたのは今年が初。小学生以上であれば誰でも参加できるというオープン大会となっているため、多くのエントリーがあり会場では午前中から予選が繰り広げられていた。

東京eスポーツフェスタとは

東京都や関連団体で構成される実行委員会が主催する「東京eスポーツフェスタ」は、eスポーツの普及と関連産業の振興を目的に開催されているeスポーツイベントだ。2020年から開催されていて、今年開催される「東京eスポーツフェスタ2026」は7回目となる。

東京eスポーツフェスタ ストリートファイター6とは

『ストリートファイター6』を用いた競技大会。128名の参加者が東京ビッグサイトに集結し、会場予選からステージ決勝までを1日で駆け抜ける、ライブ感溢れるトーナメント。

最大の見どころは、過酷な会場予選を勝ち抜いた精鋭6名が、運営から招待された2名の「ゲストプレーヤー(プロ)」と激突する決勝トーナメントだ。アマチュアにとっては、プロを倒して「東京都知事杯」を掴み取る下克上の舞台となっている。

憧れの称号をかけたステージ決勝!
予選を勝ち抜いたアマチュア勢がプロに挑む


先述したとおり、「東京eスポーツフェスタ ストリートファイター6」はプロもアマも参加できるオープンな大会になっているが、『ストリートファイター6』で活躍しているプロ選手は非常に多い。最終的に決定した128名がどのような形で選定されたのかは定かではないが、カプコン公式大会のようなプロが多数出場する大会というよりは、比較的アマチュアが多く出場していた印象だ。

▲予選はステージとは別のエリアで粛々と行われていた

【主な大会レギュレーション】

募集人数:128名(応募多数の場合は抽選)
参加資格:2025年4月2日時点で小学生以上のプレーヤー
大会形式:会場予選:Bo3(2本先取)トーナメント
ステージ決勝:Bo5(3本先取)トーナメント
決勝進出枠:会場予選上位6名 + 運営招待ゲストプレーヤー2名
使用機材:PlayStation 5(コントローラーは各自持参)
再試合規定:誤操作や機材トラブルでの中断は原則ラウンド喪失となる

レギュレーションのとおり、会場予選上位6名と運営招待ゲストプレーヤー2名の合計8名が決勝トーナメントを行い、さらにその中の上位4名がステージ上で決勝戦を行うという流れになっていた。

なお、運営招待ゲストプレーヤーは、Good 8 Squad所属のガチくん選手と、REJECT所属のふ〜ど選手。注目は13歳の若手プレーヤーせいち選手に、ダルシム使いの反作用ボム2選手のアマチュア2名だ。

▲決勝戦に勝ち上がったのは、左からせいち選手、ガチくん選手、反作用ボム2選手、ふ〜ど選手

準決勝第1試合は、反作用ボム2選手のダルシム vs ふ〜ど選手のエドの対決。手足が伸びるダルシム相手に、ふ〜ど選手のエドがどのような対策で挑むのかが見どころだ。

▲相手の攻撃をタイミング良くガードすることで有利な状況が作れるジャストパリィで、相手の攻撃から反撃に転じるふ〜ど選手。ふ〜ど選手は、このジャストパリィを巧みに使って反作用ボム2選手の出鼻をくじいていた

近づかれたくないため、伸びる手足でけん制を仕掛けたいダルシムに対し、そのけん制技をジャストパリィからの反撃で一気に距離を詰めるという対策に終始苦しめられた反作用ボム2選手。気がつけば3:0のストレート勝利でふ〜ど選手が決勝戦に駒を進めた。

準決勝第2試合は、せいち選手のエレナ vs ガチくん選手のラシードの対決。お互い接近戦でのラッシュの押し付け合いとなる対戦カードは、両者の攻めのバリエーションが勝利のカギとなる。

▲相手を画面端に追い込み怒濤の攻めを繰り出しつつも、しっかりと相手の反撃をガードしてから再び攻めに転じるなど、若手らしい大胆かつ冷静な立ち回りを見せるせいち選手。ガチくん選手から1本取る場面も

せいち選手に1本取られたあとはガチくん選手の軌道修正が光る。せいち選手のクセを読み取り、戦い方を修正。負けた試合でしっかりと情報を得ているのはさすがだ。試合はガチくん選手が主導権を握り、3:1で決勝進出を決めた。

▲竜巻がじわじわ押し寄せて相手にプレッシャーをかける「イウサール」という必殺技で、相手の動きを封じつつ攻めを展開するガチくん選手。この連携にせいち選手はなすすべなしか

招待ゲスト選手同士によるカードとなった決勝戦は、公式大会さながらの顔合わせだ。互いに一歩も譲らない攻防が続く中、勝敗を分けたのは ふ〜ど選手の反応速度と、試合全体を見すえた展開力だった。瞬時に状況を見極め、最適な連携を選択する判断力が、終盤にかけて明確な差となって表れていく。

▲相手の攻撃を見てから技を切り替えて反撃する、通称「見てから反応」が冴え渡るふ〜ど選手

ガチくん選手が使用するラシードは、非常にスピーディーな行動で相手をかく乱することを得意とするキャラクターだ。しかし、そうした展開にも動じないふ〜ど選手が3:0で見事勝利を収めた。

▲試合後のインタビューでは、「勝因はワール(相手の飛び道具)の対処が良かったこと。運の要素もあるけど、それを使って(相手を)崩せたのが良かった」と語ったふ〜ど選手

優勝選手インタビュー


最後に、見事東京都知事杯をゲットしたふ〜ど選手がインタビューに応じてくれたので、その様子をお届けしよう。

▲東京都知事杯を掲げるふ〜ど選手

——優勝した感想をお聞かせください。

ふ〜ど:
「東京都知事杯」という、公的な権威ある賞を懸けて戦えたことを、まずは純粋に「かっこいいな」と感じています。僕たちプロがこうした公的な舞台に呼んでいただけることは、まさにゲーマーの社会的地位が向上している証拠かなと思いましたね。

ただ優勝してうれしいかと言われると、(招待枠で)ベスト8から参戦しているので、ほかの選手(予選から出場している選手)もいる手前、どこまで喜んでいいのか複雑な心境ではありますね。

——招待枠とはいえ、普段戦わない選手との対戦はいかがでしたか?

ふ〜ど:それこそベスト8で戦ったぼんじゅさんとの対戦は負けそうになりましたね。まず1セット目を取られて、2セット目はドット勝負(残り体力わずか同士の戦い)で勝てたんですけど、3本目もフルセットでお互い攻撃を喰らったら負けるみたいな状況だったんでヤバかったです(笑)。

——まだまだ新しい強豪が出てくるぞって感じですね。

ふ〜ど:
ちゃんと1回戦から出ていたら、どうなっていたか分からないっていうレベル感ですよ。

——今年は、ここから公式大会の決勝戦なども控えています。意気込みをお聞かせください。

ふ〜ど:ここからチーム戦である「ストリートファイターリーグ」のグランドファイナル、個人戦の世界大会である「カプコンカップ 12」と、『ストリートファイター6』の大きな大会がふたつ連続で続きます。出場するからには優勝して、この業界を盛り上げていければと思っています!

まとめ


「東京eスポーツフェスタ」初採用となった『スト6』の大会だが、その異質なレギュレーションに疑問を持たざるを得なかった。そもそも、なぜゲスト枠が必要だったのか、そしてそのゲスト枠のプロ選手が、なぜ決勝トーナメントからのシード枠になっていたのかという点だ。

▲予選を勝ち抜いた先に待ち構えているのは最前線で活躍しているプロ選手2名だ(出典:東京eスポーツフェスタ2026 ストリートファイター大会参加マニュアル

この決勝トーナメントの1回戦はステージ外で行われるが、実力差を考慮すればプロ2名が勝ち上がり、結果として一般枠(予選通過者)がステージに立てる人数が極端に絞られてしまう。実際、ゲストとして出場し優勝したふ〜ど選手も、インタビューで「(この賞を)自分がもらっていいものなのか」と複雑な心境を吐露していたのが印象的だった。

東京都知事杯という栄誉ある賞が、シード権を持つプロに贈られる形は、オープン大会としての公平性の観点から疑問が残る。もしプロが参加するのであれば、他の選手と同様に予選からその圧倒的な実力を証明する形の方が、周囲の納得感も強かったのではないだろうか。

ゲスト枠として呼ぶのであれば、都知事杯を勝ち取った覇者への「最終試練」として対戦する枠を設けるか、あるいは完全に独立したエキシビションマッチにする方が、選手・観客、そして招待されたプロ選手自身も、より純粋に競技を楽しめたのではないかと感じた。

とはいえ、ふ〜ど選手の盤石な試合運びは相変わらず。 どのような条件下であっても、求められた役割以上のパフォーマンスを発揮し、最高の結果を出す。そのプロ意識の高さと勝負強さがあったからこそ、選手自身も胸を張って東京都知事杯を掲げられる環境を作ってあげたいと感じた。

そんなふ〜ど選手。次は「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」の頂点を決めるグランドファイナル、そして世界中の猛者が集う個人戦の最高峰「カプコンカップ12」に出場する。ゲーマーの地位向上のために戦い続ける彼の背中を、これからも全力で応援していきたい。


■東京eスポーツフェスタ ストリートファイター6 アーカイブ



■関連リンク
東京eスポーツフェスタ公式:
https://tokyoesportsfesta.jp

東京eスポーツフェスタ ストリートファイター6 大会マニュアル:
https://tokyoesportsfesta.jp/wp-content/uploads/2025/12/sf6_participant_manual2026_v1.pdf


撮影:いのかわゆう
編集:いのかわゆう


【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『Bloodborne』。

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