「LJL 2020 Spring Split」Week 7 ハイライトレポートまとめ

2020.3.12 eSports World編集部
3月8日に開催された「LJL 2020 Spring Split」Week7のハイライトをお届けしよう。8試合のうち、特に編集部注目の試合には「オススメ」と明記している。

Sengoku Gaming vs Rascal Jester

SGはRJのセトピックに対して攻撃射程で有利を取れるナー、一方的なダメージトレードができるパンテオンをピックする。

試合開始早々にSGはRJのボット側のジャングルに集団でインベード、縦割りと呼ばれる序盤のボットサイドの有利を取ることでドラゴンを獲得しようとする戦略をとった。

目論見通りにSGはファーストドラゴンを試合時間5分であっさりと獲得するが、その間にRJのレク=サイがトップとミッドにガンクを刺し、どちらのレーンでもRJのレーナーに有利をもたらした。

SGがドラゴン1体と引き換えにしたRJの2レーンの力関係はその後も続き、結果的にRJはスノーボールに成功。2体目以降のドラゴンを4連続でRJが獲得しインファーナルソウル、バロンにまで繋げそのままRJが勝利した。


Burning Core vs Sengoku Gaming

BCはセナをピックするも、タム・ケンチよりもリー・シンを優先してピック、SGはアフェリオスとスレッシュを確保した上でタム・ケンチをバンする。BCはセナの相棒にシェンを選択したがこの組み合わせはBCが大きく不利に見えた。

試合が始まってみると、やはりBCのボットレーンが苦しい展開。タム・ケンチに比べるとシェンは遠距離から安全にミニオンを倒す手段に乏しく、タワー下まで追い詰められてはどんどんミニオンをロスト、さらにはタワープレートまで削られる。

SGがそのボットレーンにタワーダイブをしかけファーストブラッドを獲得。BCはカウンターで2キルを返すも相性差はどうにもならない。10分過ぎにはヘラルドを使用することなくボットタワーをSGが獲得することになった。

結果的にこのボットレーンの差が、27分のSGアフェリオス13レベルによるBCセナ11レベルのソロキルに繋がり、その後バロンを獲得したSGは危なげなく試合に勝利した。


Burning Core vs SoftBank HAWKS gaming 【オススメの試合】

BCもSHGもこの試合に敗れると7位以下が確定し、プレイオフ進出を逃す負けられない一番。BCはトップレーナーRayFarky選手が最も得意とするダリウスをラストピック、SHGはおそらく用意していたであろうカウンター、ルシアンをラストピックして応じた。

試合開始、まず目についたのは、ダリウスのサモナースペルがテレポートではなくゴーストであったこと。隙あらばカウンターのルシアンすらソロキルし、ゲームをキャリーしてやるという強い意志を感じさせる。

しかしデッドしてしまうとレーンにすぐに戻ることができないリスクもある。それを理解しているSHGはトップレーンに圧力をかける。SHGのジャーヴァンIVの2度のガンクをダリウスが命からがら耐えたのち、BCはボットレーンでタワーダイブを成功させ有利を得る。

SHGはトップサイドで有利を得ようとダリウスに対して3人かけてタワーダイブ敢行、しかしダリウスの好プレイとリー・シンのカバーによりダリウスひとりと引き換えにジャーヴァンIVとルシアンが倒されてしまう。

これらの有利を背景に、17分のドラゴン前集団戦に勝利したBCはミッドレーンにヘラルドを召喚し、ミッドのタワーを一気に3本破壊、ミッドインヒビターを剥き出しにする。BCはこの後クラウドソウルを得たのちミッドインヒビターを破壊し、バロンも獲得。

そしてエルダードラゴンをめぐる集団戦。SHGは一縷の望みをかけるがBCがエルダードラゴンを獲得、BCが4キルを獲得しネクサスに到達、ゲームエンドとなった。SHGは1試合を残してプレイオフに進めないことが確定した。


SoftBank HAWKS gaming vs Rascal Jester

SHGがピックしたエズリアルとユーミのボットレーンは、倒されることは少ないが対面を圧倒することもない組み合わせ。RJのヴァルスとノーチラスのボットレーンは、キャッチする能力は高いが捕まると逃げ出せない組み合わせ。序盤のジャングラーの介入度合いで優劣が決まるドラフト。

試合開始3分、RJのレク=サイがトップレーンにガンク、ヘイルブレードによるバースト力であっという間にSHGエイトロックスをキル。しかしその直後の試合時間4分、トップレーナーが互いにテレポートで戻ると、今度はSHGエイトロックスがRJレネクトンをソロキルする激しい戦闘が繰り返される。この後も、片方がアクションを起こせばもう片方も応じる展開となる。

均衡が崩れたのは24分、ミッドレーンでSHGのユーミとエイトロックスが同時にウルトを使用して仕掛けるが、RJヴァルスとシンドラがディスエンゲージに成功。この時、ヴァルスによるスネアがエイトロックスからエズリアルを経由して前のめりになっていたカシオペアを拘束、SHGはこのカシオペアをピックアップされ集団戦で敗走、RJは3キルとバロンに加えてクラウドソウルまでも獲得する。

この後、SHGは反撃を何度も試みるがRJは丁寧に跳ね返し、クラウドソウルで増加した移動速度で回避しキルが発生しない。

32分過ぎにはミッド、ボットの2レーンを押し上げた状態でRJレク=サイが単独でエルダードラゴンを開始。視界を掌握されているSHGは前に出ることができず、1分ほどかけてRJがエルダードラゴン獲得、SHG本陣での集団戦でエースを獲得しRJの勝利となった。


V3 Esports vs DetonatioN FocusMe 【オススメの試合】

V3はタム・ケンチをまずピック、セナと組み合わされるのを恐れたDFMがセナを取り上げるとV3はヴァルスをカウンターピックする。

11分、ミッドレーンへDFMがテレポートを2つ使用して仕掛ける。V3のミッドレーナーのルブランは回避に成功したが、DFMに視界を取られている川を通ってミッドに向かっていたV3のボットデュオがDFMに捕まった。この集団戦でDFMはエースを獲得する。

しかし、20分間際のドラゴン前でDFMオラフをキャッチ、駆けつけようとしたガリオのウルトを止めたことでV3が集団戦に勝利し3キル獲得。

さらには、25分にV3はヴァルスを落とされつつもエリス、ルブラン、タム・ケンチでDFMに的を絞らせずエースを獲得し集団戦に勝利。

しかし直後の27分、ジャングル内でDFMが先手を取り集団戦、2キル対4キルでDFMが優勢。ここまで激しいやりとりをした結果、30分時点ではゴールド差はほぼイーブンとなる。

31分、V3エリスが前に出てDFMの集中砲火を浴びるもゾーニャの砂時計、スキル、フラッシュを駆使して生存。その間にV3メンバーがダメージを出して集団戦で勝利、インファーナルソウルをV3が獲得した。

この有利を生かして、V3はバロンも獲得、この後タワーシージを仕掛けミッドとボットのインヒビタータワーを破壊するもV3はルブランが倒されてしまう。この人数差を逃すまいと、DFMはエルダードラゴン獲得に動き集団戦、V3は4キル、DFMは2キルそれぞれ発生させエルダードラゴンは中断される。

だがその間に復活したV3のルブランが、剥き出しのボットインヒビターまでテレポートしバックドア、ネクサスタワー1本まで破壊する。この後再びエルダードラゴンで戦闘が起こるかと思いきや、V3はタム・ケンチのスキルを使いDFM本陣を破壊しにかかる。エルダードラゴンはDFMが獲得したが、代償にV3はすべてレーンのインヒビターを破壊した。

スーパーミニオンと大量のミニオンがネクサス目がけて押し寄せると、DFMはエルダードラゴンを生かした集団戦が起こせない。V3はバロンを獲得、DFMのエルダードラゴンのバフが終了するのを遠まきにして待ち、試合時間44分、総攻撃をしかけDFMネクサスを破壊しV3が勝利した。


DetonatioN FocusMe vs AXIZ

DFMのセナピックに対して、AXZはエズリアルとユーミのペアで応じ、タム・ケンチをバンしない。エズリアルとユーミで遠距離攻撃をすればセナキャリーの戦略を封じられると判断したのか。DFMはヴァルスをピックし、タンクを配置しないという意味での純粋なサポートにセナの用途を定めた。

試合展開はDFMがそのアクションの速さで圧倒した。

ボットレーンにDFMのオラフが顔を出すと、その圧力でAXZのボットデュオはタワー下にもいられなくなり、試合時間わずか9分でボットアウタータワーを破壊する。

AXZはオラフのいないサイドで有利を取ろうと人数をかけて動き、実際にキルも取るのだが、そのたびにDFMはトレードにタワーなどのオブジェクトをあっさりと奪っていく。

19分にはミッドレーンにDFMがヘラルドを召喚しミッドのインヒビタータワーを破壊。ミッドインヒビターを単独で破壊しようとしていたシンドラをAXZがキルしている間に、ボットのインヒビタータワーを破壊。そしてミッドインヒビター、ボットインヒビターを試合時間20分で破壊する。

そして22分にはバロンバフもエレメンタルソウルもなしにトップインヒビターまでも破壊。そのままの勢いでネクサスを破壊し22分42秒で勝利した。


Crest Gaming Act vs AXIZ 【オススメの試合】

どちらのチームもこの時点で5勝、勝てばプレイオフ進出が確定することになる。

ドラフトはどちらも攻撃的かつスキルマッチアップ。逃げるためにスキルを使えば敵を倒せず、倒すためにスキルを使えばもはや逃げられず。そして敵のスキルを避けて自らのスキルは当てる。それができたチームが勝利する。

試合は序盤から激しいトレードの応酬。CGAはキル、AXZはオブジェクトを獲得していく。

18分、AXZがドレイクを獲得するも、CGAが集団戦で4キルを上げ勝利する。続く23分のドレイクをめぐる集団戦でもノーデッドだったが、AXZは大量のスキルを使用してしまい、CGAが有利な状況になる。

しかしこの後27分、CGAがバロンを攻略しているところをAXZリー・シンがスティール成功、状況は一転AXZ有利になる。タワー破壊を進めたAXZは視界有利を生かしてクラウドソウルを無傷で獲得成功。

その後バロンをめぐる集団戦、ミッドでの集団戦と、逆転・勝利を決める機会はそれぞれあるも、ギリギリのところで決まらず。

試合時間40分、集団戦でCGAのスキルをかいくぐりAXZリー・シンがCGA陣営を強引に突き崩す。ミス・フォーチュンの火力でトリプルキルを獲得。そのままミッドレーンをインヒビタータワーから貫き通してAXZ勝利となった。

AXZは悲願のプレイオフ進出確定となった。


Crest Gaming Act vs V3 Esports

最終試合。CGAが勝った場合は、CGAはプレイオフ進出確定、BCが敗退確定、V3とRJがタイブレーク3位決定戦。V3が勝った場合は、V3は3位確定、CGAとBCがプレイオフ進出をかけたタイブレーク6位決定戦が行われる。

CGAは、ここまで繰り返しピックしてきたカリスタに加えアカリで勝負。V3は、CGAがすでに見せたカリスタに組み合わせて強いエコーとノーチラスを取り上げる。

試合が動いたのは12分、ドラゴン前での集団戦でCGAがとった1キルに対し3キルを獲得してV3が優勢に。さらにボットレーンにヘラルドを召喚してファーストタワーを獲得、ゴールド差を大きくつける。

勢いそのままにスノーボールしていくV3に対し試合時間27分、装備を整えたCGAが集団戦で逆に3キルと1キルの交換で勝利する。

これが逆転のチャンスとバロンを目指すCGAをV3が妨害し、バロンを確実に確保するために重要なセジュアニがデッドするも、カリスタのバーストダメージでバロン獲得はCGA。

31分までバロンバフを活用したCGAの猛攻が続くも、ここに至るまでオブジェクトを取れていなかったCGAはインナータワーを1本も破壊できなかった。

33分ミッドでの集団戦、V3アフェリオスのウルトによる遠距離からのスネアがCGAカリスタをとらえ、これを逃さじとエコーとジェイスが襲いかかりキル。この集団戦でV3が勝利しミッドのインヒビターまで破壊する。

その後バロンを獲得したV3とCGAが再びミッドレーンで集団戦。V3エコーの突撃に対してスキルを使用したCGAだが、エコーはウルトで生存、スキルを消費させられた上に陣形を崩されたCGAは集団戦で敗走、ネクサス前でエースを取られ、V3の勝利となった。


Week7試合結果

× SG vs RJ ○
× BC vs SG ○
○ BC vs SHG ×
× SHG vs RJ ○
○ V3 vs DFM ×
○ DFM vs AXZ ×
× CGA vs AXZ ○
× CGA vs V3 ○

Week7終了時点戦績

1位 DFM 12-2
2位 SG 9-5
3位 V3 8-6
4位 RJ 7-7
5位 AXZ 6-8
6位タイ BC 5-9
6位タイ CGA 5-9
8位 SHG 4-10

上記の結果により、BC vs CGAのタイブレーク6位決定戦を、3月12日(木)の19:00から行うこととなった。

総評

今年から新たに参加したSHGが敗退。ゲーム内容は決して悪いとは言えず、Awakerコーチが敗退が決まった次の試合のインタビューで語った言葉を借りれば「チームになるのが遅かった」のであろう。

ゲーム中盤以降は、言葉でのコミュニケーション以上に以心伝心の呼吸の合わせが重要になる。これがどこよりもできているチームが1位のDFMである。

そして昨年から「LJL」に参戦したAXZが5位に確定、プレイオフ進出を決めた。昨年度は春夏どちらも成績が振るわずプレイオフに上がれないどころか最下位だったが、それを思うと彼らが喜び抱き合う理由もわかるだろう。

そしてプレイオフ進出の可否が決まる6位タイブレークは、Week7のわずか4日後に組まれることとなった。BCとCGAのどちらかがまだ闘える。どちらかの春の試合が終わる。下位の試合と侮ることはできない。見逃すことなかれ。


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