やっぱり『スト2』は面白い! 「EVO Japan 2020」サイドトーナメントぶらり旅【金魚すくいも!?】

2020.1.29 井ノ川結希(いのかわゆう)
2020年1月24日(金)〜26日(日)の3日間かけて開催されたEVO Japan 2020。特に初日、二日目のサイドトーナメントの盛り上がりは、去年を大きく上回り、さまざまな人がごった返すほどの人気!

王道の格闘ゲームから、「えっ、これも大会になるの?」というタイトルまで、実にさまざまなタイトルのサイドトーナメントが行われていた。

今回は、筆者がぶらりとまわったサイドトーナメントのレポートをお届けしよう。

ストリートファイターII' TURBO


1992年12月にアーケードで稼働していたタイトルで、2018年10月25日発売の『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』に収録されているタイトルだ。今回は、銚子ゲーマーズコミュニティが運営するサイドトーナメントとして『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』内の、『ストリートファイターII' TURBO』(以下、『ターボ』)で大会が行われていた。


会場にはところせましと選手があつまり、当時の現役プレイヤーであろう懐かしい立ち回りを見せる選手もチラホラ。フリー対戦会では筆者も対戦することができて、なんだか懐かしい気持ちに。

会場に現れたのは、昨年開催された「EVO 2019」のサイドトーナメント、『スーパーストリートファイターII X』において、決勝戦で「EVO 2018」の優勝者を破り、世界チャンピオンの座を勝ち取った株式会社スサノオ代表でもある、中野サガット選手。

1993年にはスーパーファミコン版『ストリートファイターII ターボ』チャンピオンシップ93in国技館で優勝経験もあることから、優勝をもぎ取る気持ちでエントリーしたようだ。

▲『ターボ』には思い入れがあるという、かいこうじ選手(写真右)は、打倒中野サガットの気持ちを込めて出場。惜しくも中野サガット選手に敗れてしまい念願果たせず……

▲ただならぬオーラを放っていたのがGalaxy B選手。「EVO 2018」において、『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』(通称『カプエス2』)で好成績を収めた強豪。トリッキーな動きで会場を沸かせていた

▲全宇宙の野菜を狙うインセクターを追ってO-831星雲から来たオヤサイ星人こと、リコちゃん(@Lico_Wood

少人数ながら、強豪が集まる大会となりギャラリーが集まる決勝戦。最終的には、国技館での大会を彷彿とさせる立ち回りを見せた中野サガット選手が優勝! 27年振りにサガットでの優勝を果たした。

▲いやはやお強い!

「最近は忙しいこともあり、練習はまったくできなかったのですが、大会開始前に少しさわったら感覚を取り戻したようです。昔取った杵柄ってやつでしょうか。あと、やっぱり今回も運が良かった部分が大いにあったと思います!」と中野サガット選手。やはり大会という環境に場慣れしている経験値が生かされた結果となった。

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そしてひとつ、うれしい出来事があった。ブースのすみっこで大会をのぞいている少年がいたのだが、彼は車イスで移動していたため、なかなかゲームのところまでたどりつけずいたのだ。『ターボ』を興味深く見ていたので、筆者が話を聞いてみると「小さい頃にやったことがある」とのこと。

フリー対戦会では、スーパーファミコン版の『ストリートファイターII ターボ』も稼働していたので、そちらの方に誘導すると、ほかのお客さんも協力して彼がプレイできるよう案内してくれたのだ。

▲スーパーファミコン版の『ターボ』でも、ちょっとした対戦会が開かれることに!

対戦を通じて笑顔になれる。会話が弾む。こんな優しい世界がうまれるのもサイドトーナメントの魅力ともいえる。

対戦会公式ページ:
http://kimurafarm.hp-tsukurumon.jp/2020/01/13/

ウルトラストリートファイター II


続いては、2017年5月26日に「Nintendo Switch」でリリースされた『ストリートファイター II』シリーズの完全新作タイトル、『ウルトラストリートファイターII』(以下、『ウル2』)。今回は初の世界大会ということで、多くの選手が参加していた。


試合中継は『ウル2』やさまざまなゲームの生配信をしている「ゲームガンバ」チャンネルにて配信。MCのFOOすけさんは、『ストリートファイター II』シリーズの大会実況の経験もあるベテランで、キャッチーなツッコミや、わかりやすい解説で人気のストリーマーだ。

注目はなんといっても、前日の『ストリートファイターII' TURBO』のサイドトーナメントにおいて見事優勝を果たした中野サガット選手。果たして二冠を手にすることができるのかー!

▲Fooすけさんと、中野サガット選手は海外の大会を共にするほどのなかよし。ふたりの実況も聞き応えがあるぞ

また、本大会では現役のガチ勢から、小学生〜高校生といった子どもたちも参加していて、世代を超えた対戦が繰り広げられていたのも面白かった。

▲小学生のお子さんも参加。ゲームパッドでのプレイで、上手にキャラクターを動かせていた。今後の成長に期待したい!

▲破天荒選手(写真右)は丁寧な立ち回りや堅実な攻めに定評がある実機のベテラン勢。今回はイベントということもあり、不慣れな『ウル2』の大会に参加してくれた。とは言え、やはりそこはベテラン勢。安定した立ち回りで相手をバッサバッサと倒していく様は圧巻

今回の大会は2本先取となっていて、負けた側は使用キャラを変更することができる。『ウル2』では極悪といわれている、殺意の波動に目覚めたリュウや、洗脳されたケンなど、凶悪なキャラを使うことも可能なのだ。

▲「中野サガットの心に穢れがたまっていく〜!」と会場を盛り上げるFooすけさんの実況。この流れがお約束となる場面もチラホラ(笑)

見どころといえば、中野サガット選手とこにたま選手の試合。実はこの組み合わせ、前日の『ターボ』のサイドトーナメントでも行われたカード。こにたま選手がリベンジできるかの勝負となっていた。

▲こにたま選手が一本先取して、リベンジなるか! というところまで持っていったのだが、そこは中野サガット選手。自他共に認める「持っている」パワーで、こにたま選手を圧倒!

決勝は、中野サガット選手とEBI選手。EBI選手といえば『ウルトラストリートファイター IV』において、全一レベルの腕前を持つ強豪。今回は、『ウル2』で壊れ性能といわれている、洗脳されたケンを一貫して使用し続けて決勝まで登りつめた。

▲EBI選手の飛び込みを冷静に天昇脚で迎撃していく中野サガット選手。ここで勢いをつけた中野サガット選手は、怒濤の攻めでEBI選手から勝利を勝ち取った

▲二冠達成でうれしさがこみ上げる中野サガット選手のインタビュー。発売当初に『ウル2』をやっていたので、洗脳されたケンの対策ができていたのが優勝できたポイントと語る

和気あいあいと盛り上がった『ウル2』初の世界大会。運営のみなさんの入念な準備によって、無事に閉幕。普段はオンラインでしかやりとりしていなかった選手同士の交流の場となっていたところもサイドトーナメントならではと言える。

果たして第2回世界大会はあるのか!?
来年にも期待したいところだ。

▲運営の皆さんと参加した選手らで記念撮影。みんなの笑顔が大会の楽しさを物語っている(提供:てつさん

配信アーカイブ:

スーパーストリートファイターII X


「ストリートファイター2」シリーズの中で根強い人気を誇っている『スーパーストリートファイターII X』(以下、『スパ2X』)のサイドトーナメント。こちらはアーケード筐体を使っての大会だ。

▲会場にはこの人だかり。いかに『スパ2X』の人気がすさまじいかがわかる

そして、ここにも登場したのが中野サガット選手。『ターボ』、『ウル2』ときて、この地獄ともいえる『スパ2X』で優勝すれば、もう誰にも文句は言わせない! そんな意気込みで会場へと現れた。

とはいえ、初戦の対戦相手はハジ選手。昨年行われた「ストリートファイターフェス 2019」のグランドファイナルで素晴らしい立ち回りを見せた強豪中の強豪だ。

▲残り1ドットからの怒濤の反撃で1ラウンド先取。2冠を制した自信が後押しして大胆な投げが炸裂

▲2ラウンド目はハジ選手を追い込みつつ、起き上がりのスーパーコンボを冷静に背中蹴りで反撃。そのまま2ラウンドを先取した

しかし、ここからがハジ選手の粘り強さ。1本目の負けをしっかりと吸収して中野サガット選手の攻めを封じていく。

▲攻めを持続させるためにも、スーパーコンボでハジ選手を端に追い込もうとしたが……

▲ジャックナイフで冷静に反撃。この一手からペースは一気にハジ選手へと傾いた

『スパ2X』のスーパーコンボは、発動後画面が一瞬止まるため、カウンターで反撃する際タイミングが取りづらい。しかしハジ選手は冷静に反撃。さらに飛び込みからのコンボで1ラウンドを取り返した。さらにペースを掴んだハジ選手は、そのまま2ラウンド目も奪取。これでお互い1対1と並んだ。

▲最後の一試合。春麗からサガットへとキャラ変更を考える中野サガット選手。心が動く瞬間だ

悩んだ結果、最後まで春麗を選んで最終ラウンド開始。もうここまでくるとハジ選手の勢いは止められない。

▲まだ0ドットで生き残っている状態でレバーを離してしまう中野サガット選手。これはまずい……気持ちが負けている

ところが2ラウンド目は逆に中野サガット選手がハジ選手を圧倒。これで両者1対1。次のラウンドを取った方が勝ち抜けだ。

▲そしてまたもやスーパーコンボを冷静にジャックナイフで返されてしまう……

そのままハジ選手が中野サガット選手を追い込み、見事勝利! 初戦から決勝さながらの激戦をみせてくれた。

中野サガット選手との戦いを終えたハジ選手に話を聞いてみると「中野さんは勝負の駆け引きを心得てて、攻めるところは攻める、ガードするところはガードするという緩急があって、とても戦いづらかった」と彼の強さを語ってくれた。

3タイトル制覇は叶わなかったがいい試合を見せてくれた中野サガット選手に心から大きな拍手を送りたい。

なお、本大会は永田正月さんのYouTubeチャンネルで視聴することができる。結果が気になる方はそちらを見てみよう。

大会アーカイブ:
https://www.youtube.com/watch?v=6Mtko7-9hos

まだまだあるぞ!
変わり種サイドトーナメント


ここから先はちょっと珍しい、変わり種のサイドトーナメントを紹介していこう!

あつまれ!金魚すくい~緊急SOS外来種から金魚をすくえ~



「EVO Japan」で金魚すくい? というインパクト大のトーナメント。格闘ゲームの祭典のなかに、なぜか屋台が迷い込んできた。そんな空気をかもし出す楽しいブースだ。

▲当日エントリーも受け付けていて、通りすがりの外国人プレイヤーが参加するなど、ほのぼのしたブースとなっていた

FANTASY STRIKE



もともとはカードゲームから派生した米Sirlin Games社の『FANTASY STRIKE』という格闘ゲームのブース。オリジナルのカードゲームが楽しめるほか、運営の方が制作したキャラクターのドールも展示されていた。

▲ルールはよくわからないがイラストがファンタジーで、どことなく楽しげなオーラを放っていた

▲1ボタンで必殺技が出せるシンプルな操作感に、何もしないだけで相手の投げに反撃する「YOMIカウンター」など、斬新なルールが気になるポイント。間合いの取り方が重要視される奥の深いゲームになりそうだ

キン肉マン マッスルタッグマッチ



昭和を彷彿とさせるブラウン管テレビにファミコンがズラリと並ぶブース。1985年発売のファミコンタイトル『キン肉マン マッスルタッグマッチ』のブースは、到着したころにはイベントが終わってしまっていたのか、誰もいなかった。

とは言え、これもれっきとした格闘ゲーム。ブロッケンJr.のコロッケみたいな飛び道具は大会でも使えるのだろうか……。

ポップンミュージック



もはや格闘ゲームではない! だがそれがいい!という雰囲気の『ポップンミュージック』コミュニティ、「ポップンレインボー」による大会ブース。プロジェクターに画面を投影しているため、遠くからでも大会の様子を楽しめるのがステキポイント♪

▲音ゲーでの大会はスコアで勝敗を決めるのだろうか。記念参加で楽しみたかった!


とまあ、とにかくさまざまなタイトルがサイドトーナメントで楽しむことができた。大会に出場しなくても、会場内をウロウロしているだけでも楽しい。もちろん、記念参加でいろいろなタイトルに挑戦してみるのも、ひとつの楽しみ方ともいえる。

昨年、福岡で開催された「EVO Japan 2019」のサイドトーナメント数を大きく上回った「EVO Japan 2020」。来年はいったいどれくらいの規模になるのか——すでに待ち遠しい気持ちでいっぱいだ。



EVO Japan 2020公式(サイドイベントページ):
https://www.evojapan.net/2020/side-tournament/

【今年もEVO Japanがやってくる!】EVO Japan 2020 サイドトーナメントまとめ:
https://esports-world.jp/column/3745

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