【大会レポート】DFM、『LoL』夏の国際大会「MSI 2023」はプレイインステージ突破ならず

2023.5.6 宮下英之
英国・ロンドンで開催されている『リーグ・オブ・レジェンド』の国際大会「Mid-Season Invitational 2023」(MSI2023)にて、日本リーグ「LJL」代表として参戦したDetonatioN FocusMe(DFM)は、最初のトーナメントであるプレイインステージで敗退した。

「MSI2023」は各国・各地域ごとのSpring Split上位チームが集まり戦う、春の国際大会。2023年は予選にあたるプレイインステージがトーナメント方式となり、そこで勝ち上がったチームがリーグ方式のグループステージに進出するという流れだった。プレイインステージは全8チームで、ダブルエリミネーション方式のため、最低でも2回は試合ができる。すべての試合はBo3(2ゲーム先取)で行われる。

Day1 DetonatioN FocusMe vs PSG Talon


DFMの初戦は、大会初日を飾るDay1第1試合。PCS(香港・マカオ・台湾)のSpring Splitではレギュラーシーズンで15勝3敗の首位、プレイオフでも負けなしの最強を誇る香港のPSG Talonとの1戦だ。

ゲーム1、リフトヘラルド前の集団戦でSteal選手がファーストブラッドを獲得したものの、1-3トレードでリードを許す。全体的にレーン戦のテンポはPSG側に有利を許し、アウタータワー3本すべてを先に折られてしまった。トップ、ミッドのインナータワーを攻め立てるPSGに対して、Harp選手とtol2選手のCCチェイン、Yutapon選手のジンクスのラッシュなどで持ち直したものの、PSGのトップのAzhi選手、ジャングラーのJunJia選手のダッシュからのエンゲージで再三Aria選手、Yutapon選手の両キャリーが落とされ、敗北を喫した。

ゲーム2、DFMはブルーサイドを選択し、Yutapon選手のファーストブラッド、tol2選手とSteal選手の連携などで序盤に3-0、さらにドラゴンの集団戦でYutapon選手が3キルで有利を獲得する。さらに、Harp選手のアルティメットからYutapon選手がダメージを出すDFMの理想的なかたちになる。短いポーズから戻ってきたところで、バロン前の集団戦からPSGにバロン、ドラゴンバフを獲得されるものの、エルダードラゴン前の攻防ではAria選手のチャームなどでPSGを倒し切り、大きな有利を築く。

しかし、互いにほぼレベル18、アイテムがそろった状態からPSGの圧に押されたDFMは、スキルやサモナースペルもないところでエルダードラゴンを取られてしまい、そのままゲームエンドとなってしまった。


Day4 DetonatioN FocusMe vs LOUD


PSGに敗れたことでローワーブラケットに降りたDFMは、同じくG2 Esportsに敗退したLOUDとの対戦。この試合で負けたチームは「MSI2023」は終了となる。

LOUDはラテンアメリカ・ブラジルのチーム。CBLOL(ブラジルリーグ)のSpring Splitは、10チーム中レギュラーシーズン首位が12勝6敗で3チームが横並びに。リーグとして激戦を呈してきた中で、プレイオフで勝ち上がったのがLOUDだ。

ゲーム1は、PSG戦の反省を生かして、レーンをしっかり勝ち切りオブジェクトを狙う、「LJL」を彷彿とさせるDFMらしい試合展開を見せる。しかし、常に複数で攻め立てるLOUDの好戦的な戦いでたびたびチームは分断。タンクが前衛に立ち、フォーカスを合わせてDFMを切り崩す。終わってみれば13-4という大差で、24分での敗北となった。

あとがないDFMだが、ブルーサイドのゲーム2ではDFMが4-0と序盤をリード。集団戦でDFMが勝てばLOUDが取り返すというシーソーゲームの展開となるが、LOUD側が倒す数が増えていき、ゴールドで逆転。tol2選手、Harp選手が盾としての役割を果たし、Steal選手が視界を奪い、Yutapon選手のダメージとAria選手のフレキシブルな動きでLOUDを苦しめる場面もたびたび見られたが、タワーやオブジェクトをしっかり奪っていったLOUDに対して、ストレート負けを喫してしまった。

「Worlds」に向けた新たな挑戦の第1歩に


試合後のインタビューでYutapon選手は、言いづらい面もあるとしながら、「国際戦に限らず、普段の練習からうまくいってない部分があった」と、Spring Split後にも語っていたチーム構築の苦しさをにじませた。

【『LoL』DetonatioN FocusMe選手&コーチインタビュー】「正直Springは勝てないと思っていた」DFM完全勝利までの不安と葛藤
https://esports-world.jp/interview/28363

そもそも今大会は、プレイインステージがリーグ方式からトーナメント方式に変わったことにより、リーグ内全チームと対戦する機会がない。対戦相手の戦績によっては上位進出の可能性が残るリーグ方式と違い、トーナメント方式はその時強い者がそのまま勝ち上がる、チャンスが少なく甘えがまったく許されない対戦方式でもある。その意味では例年の「MSI」と比べて、仕上がった状態でなければ勝ち上がることは難しい大会になったとも言える。

ただ、DFMというチームは1年間を通じて、年末の「Worlds」に照準を合わせてチームを磨き上げ、連携を深めていく傾向がある。「LJL」で見せた圧倒的な強さは、結果的に「MSI」の舞台では発揮されはしなかったものの、決して「LJL」がほかのリージョンに対して劣っているわけではない。

持っている能力を発揮できないことと、実力がないこととはまったく違う。Sengoku GamingやFukuoka SoftBank HAWKS gamingといった好敵手が現れ、国際大会と同様のBo3方式になった「LJL」のSummer Splitでは、さらに成長を遂げた姿がきっと見られるはずだ。


tol2選手
https://twitter.com/tol_2_
Steal選手
https://twitter.com/DFM_steal
Aria選手
https://twitter.com/LoLAria00
Yutapon選手
https://twitter.com/yutapongo
Harp選手
https://twitter.com/JiYoong_Harp
DetonatioN FocusMe
http://team-detonation.net/team/focusme

LoL Esports
https://lolesports.com/
RiotGames Twitch
https://www.twitch.tv/riotgamesjp
afreecaTV
https://bj.afreecatv.com/ljl

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