【新型コロナウイルス問題】長期間の外出自粛がゲームユーザーに与える影響は?【調査】

2020.5.2 eSports World編集部
株式会社ゲームエイジ総研が長期間の外出自粛が続く中、ゲーム産業およびゲームユーザーにどのような影響が生じるのかに着目し分析を進めた。

<以下、ニュースリリースより>

影響があったアプリ、なかったアプリの違い


2020年に入って表面化した新型コロナウイルス(COVID-19)の状況は、日を追うごとに深刻化し社会不安が増大。4月7日ついに政府から非常事態宣言が発令されるに至りました。弊社では、長期間の外出自粛が続く中、ゲーム産業及びゲームユーザーにどのような影響が生じるのかに着目し分析を進めることにしました。

株式会社ゲームエイジ総研(代表取締役社長:光井誠一)は、国内唯一の「ゲームビジネスに特化したマーケティングリサーチ&コンサルティングファーム」としてさまざまな分析を行っています。

当社では毎月、定期刊行レポートとして「Monthly Game Trend Ratings Plus(マンスリー・ゲーム・トレンド・レイティング・プラス)」を発刊、ゲーム専用機やスマートフォンアプリ、ソーシャルゲームユーザーの市場規模動向を分析するなど、7年以上に渡りレポートしております。

ゲーム市場全体は勿論のこと、プラットフォーム別のアクティブユーザー数や、ネットワークサービスでのゲームに関する情報取得などのデータも収集しておりゲーム市場を把握できる汎用性の高いレポートとなっています。

新型コロナウイルスに関連した動向(2020年3月8日現在)


2020年に入って表面化した新型コロナウイルス(COVID-19)の状況は、日を追うごとに深刻化し社会不安が増大。4月7日ついに政府から非常事態宣言が発令されるに至りました。弊社では、長期間の外出自粛が続く中、ゲーム産業及びゲームユーザーにどのような影響が生じるのかに着目し分析を進めることにしました。


以下は、当社のスマートフォンアプリログ集計システム【iGage(アイゲージ)】のデータを駆使して、主要アプリ別の実態を考察しました。(本レポートの集計期間、3月8日までのデータですのであらかじめご了承ください。)

『荒野行動』はアクティブユーザーが増加
『モンスト』のコラボにも影響なし


まず主要10アプリを選び、DAU(1日あたりのアクティブユーザー数)推移をまとめてみました【グラフ1】。変化をよりわかりやすく可視化するために、2020年2月1日(国内で新型コロナが指定感染病に指定された日)を100としたインデックスに変換してグラフ化したものです。

これを見ると、全10アプリ中100を割り込んで推移しているアプリが多い中、いくつかのアプリは100を超えて推移していることがわかります。

【グラフ1】 主要10アプリの、DAU(1日あたりのアクティブユーザー数)推移


その中で最も目立った動きを見せているのが『モンスターストライク(以下モンスト)』。2月14日にはインデックス値が140近くにまで達しています【グラフ2】。

実はこの日は『鬼滅の刃』とのコラボイベントが始まった日です。したがって、この上昇のほとんどは新型コロナウイルスの影響に関わらず、同コラボの効果によるものであることは間違いないと思われますが、それ以前にも多くの日が100を超えて推移していたところを見ると、少なくとも『モンスト』に対する影響は限定的であったと考えられます。

【グラフ2】『モンスターストライク』の推移

それ以外では、『パズル&ドラゴンズ』や『荒野行動』についても新型コロナウイルスの影響が限定的、もしくはユーザー増に作用した可能性が高いと考えられます。特に『荒野行動』【グラフ3】は2月29日(土)からDAUが急上昇していますが、この日に何か特別なイベントやキャンペーンが行われていたわけではありません。

『荒野行動』はそのユーザーの大半が10代の低年齢ユーザーで占められています。そこから推測するとその直前の2月27日(木)に発表された、政府による全国の小中高に対する休校措置要請がこのユーザー増に直接的に影響したと考えるのが最も蓋然性が高いと思われます。

【グラフ3】『荒野行動』の推移

外出/移動を伴う【位置ゲー】はマイナス影響が顕著に


一方、100を割り込んで推移しているアプリの中に『Pokémon GO』【グラフ4】と、『ドラゴンクエストウォーク(以下ドラクエウォーク)』が含まれています。

【グラフ4】『Pokémon GO』の推移

これらは位置情報を使った。いわゆる「位置ゲー」のトップコンテンツですが、当然ながら、一般的なアプリとは異なり、屋内よりも移動や外出といった屋外でのプレイにおいてそのゲーム性がいかんなく発揮されるゲームです。

そう考えると、新型コロナウイルスの蔓延を抑えるためのさまざまな措置によりユーザー全体の在宅率が高まったことが、これら2タイトルのアクティブユーザー数をシュリンクさせる作用が働いている可能性があるのではないでしょうか。

それ以外の『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』や『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)』『Fate/Grand Order』などは、新型コロナウイルスの影響を受けていると断定できるほどの大きな変化は確認できませんでした。

今回、2月1日から3月8日までの【iGage】による集計データをご紹介しましたが、弊社では今後も新型コロナウイルスによる、ゲームユーザーとゲーム産業に与える影響を分析し、適切なタイミングで情報公開させていただく所存です。

「Monthly Game Trend Ratings Plus(マンスリー・ゲーム・トレンド・レイティング・プラス)」は、このような市場の動向や昨今の話題のコンテンツ(第101号はPlayStation 4『龍が如く7 光と闇の行方』)について深堀りした調査や、主要アプリの動向、そして各プラットフォームごとの市場規模動向を分析するなどゲーム市場を把握できる汎用性の高いレポートとなっています。

本レポートの【完全版】は、以下のURLからダウンロードできますので、所定の項目を入力/登録の上ご利用ください。

https://www.gameage.jp/release/report/index_015.html
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