【現地レポート】『スト6』のパブリックビューイングはひと味違う!——ファンの特色が色濃く出たGood 8 Squad主催のPVがNEUUで開催
- ガチゲーマーから親子連れまでさまざまなファンが集まったNEUU(にゅー)の会場
- FPS主体のチームに負けないくらいのファンを増やしていきたい——Good 8 Squadオーナーの思い
- 小田急沿線地域の活性化とeスポーツシーンの盛り上がりに貢献したい——NEUU担当者インタビュー
7月7日(金)に開幕した『ストリートファイター6』の国内プロリーグ「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2023」。今シーズンは出場チームが9チームになったり、2ステージ制になったり、タイトルが『ストリートファイター6』になったりと、いろいろ様変わりしています。
そんな中、今シーズンの要となりそうなのが、パブリックビューイングです。配信プラットフォームのZAIKOにてパブリックビューイング用のチケットを購入すれば、飲食店や商業施設などで簡単にSFLのパブリックビューイングを行うことができるようなりました。
開幕戦となる7月7日(金)には、Good 8 Squad(G8S)、広島 TEAM iXA、CYCLOPS athlete Gaming、忍ism Gamingの4チームがパブリックビューイングを行っています。
昨年まではコロナ禍により観客を入れての試合をほとんどできませんでしたが、今シーズンはパブリックビューイングという形で各チームとそのファンが交流しながら応援できる場を提供しています。
今回は、G8Sのパブリックビューイングにお邪魔してきました。G8Sが会場に選んだのは、新宿にあるNEUU。NEUUは、VRやARを使った映像視聴体験の提供やイベントの開催を行っている、小田急電鉄が運営するXR特化型複合施設です。
G8Sのパブリックビューイングは、1,100円(税込)のチケット制でしたが、現場での実況予定だったなない氏が不在となることで、急遽無料での観戦となりました。本来であれば、試合開始前になない氏とG8Sのオーナーによるトークショウなども予定されていましたが、それも中止となり、試合の観戦、応援、それにグッズ販売での展開です。
そういった事情もあり、パブリックビューイングの開始時間となっても、来場した客は2~3人程度で、パブリックビューイングの開催が危ぶまれるのでは?と思いましたが、試合開始直前となると一気に来場者が増え、最終的には40名ものファンが駆けつけました。
G8Sは3試合目の登場となり、1、2試合目はおとなしめの展開。もちろん『スト6』が好きな人たちが集まっているので、いいプレイが出たら沸くものの、『スト6』のファンは静かだなという印象です。
しかし、G8Sの出番となり、ガチくん選手や立川選手、ぷげら選手のスーパープレイが飛び出したり、ラウンドを取得したりすると打って変わって、大きな声が飛び交い、拍手喝采となります。やはりパブリックビューイングの会場にわざわざ来てまで応援するファンが大人しい訳がありません。推しのチームが登場するまでエネルギーを溜め込んでいたわけです。
試合が終わり、公式配信が終了したあとで、G8Sのメンバー全員がオンラインを通じて、パブリックビューイング会場と繋がり、大会の感想や対戦秘話などを話してくれました。これも現場ならではの良さだと言えます。
今回は残念ながら、なない氏とオーナーによる対談が実現しませんでしたが、代わりにオーナーとNEUUの担当者に話を聞く機会を得たので、今回のパブリックビューイングの成果と今後の活動について聞いてきました。
——今回、パブリックビューイングを開催するきっかけはなんだったんでしょうか。
G8Sオーナー:最初はカプコンさんからパブリックビューイングを開催して欲しいとのオファーがありました。昨年のSFLでキャラバンを行いましたが、それ以前よりチームとしてはファンミーティングはやりたかったんですよね。
G8Sのファンは熱量が高いと思っていたので、絶対にファンと選手が会える機会は必要だろうと。競技タイトルが『スト6』になり、カプコンさんからのオファーもあったので、絶好の機会だと思いました。コロナ禍前では多くのファンはプレイヤーでもありましたけど、今はプレイしていない人のファンも増えてきている印象です。
その人たちには余計にファンミが必要だと考えています。1st STAGEの突破が確定したら選手とファンを集めたファンミをやりたいと思っています。
——パブリックビューイングを開催するにあたり、どんなことをやろうと考えていましたか。
G8Sオーナー:先ほども話しましたが、選手とのふれあいはしていきたいですね。現場でしか味わえないことはしていきたい。ゲームをプレイしない人が増えてきているとは言いましたが、それでもプレイヤーが多いのも事実です。対戦会の規模とまではいきませんが、今回は2台の対戦台を用意し、ファン同士が交流できるようにしています。
あとは、グッズの先行販売もしています。グッズコーナーには昨年のユニフォームも展示しているんですよね。これは売り物ではないですが、実際に選手が着たユニフォームを観られるのもオフラインならではだと思います。
——SFLが始まりましたが、今年の手応えはいかがでしょうか。
G8Sオーナー:昨年のチャンピオンチームであり、いろいろプレッシャーなども感じていると思います。今年のユニフォームはG8Sのロゴに密かにチャンピオンを示す王冠が描かれているんです。今シーズンは競技タイトルが『スト6』に変わったので昨年までと状況は大きく変わっています。チームの選手は比較的スロースターターの選手が多く、これまで以上にキツい年になるのではないかと感じている。ただ、選手やスタッフ全員の意識は高く保てています。
——G8Sはコーチや監督の存在がほかのチームとの違いでもありますよね。
G8Sオーナー:先週、ちょっとした合宿をしてみたんです。いろいろ試せていい機会となったんですけど、やはりコーチの存在は大きいですね。技術的な話より、コーチが不在だと、チームのことは選手だけで話合わないとならない。コーチが間に入ることで、選手同士の意見の交換がスムーズに行くようになります。
——『スト6』になって、これまで以上に盛り上がりを見せ、さまざまなチームが『スト6』部門を建てていますが、そこはいかがでしょうか。
G8Sオーナー:REJECTさんやCrazy RaccoonさんはSFLに参加しているeスポーツチームと比べても大手のチームといえます。特にCrazy Raccoonさんはファンの数だと国内TOPともいえるぐらいのチームで、そして数あるeスポーツチームの中でも特に箱推しのファンが多い印象です。ほかだとZETA DIVISIONさんでしょうか。
今後はそれらのチームに負けないくらいにチームのブランディングをしていき、チームのファンを増やしていかなければならない。それはチームそのもののことだけでなく、リーグ自体のファンの拡大にも繋がると思っています。そのひとつとして安易に強い選手を入れていくのではなく、G8Sとして認識されるような選手を育てて、チームの顔となってほしいですね。
——ありがとうございます。
次はNEUUの担当者である小田急電鉄 まちづくり事業本部新宿プロジェクト推進部課長代理 宮内悠太氏と、小田急電鉄 経営企画本部デジタル変革推進部DXグループ調査役 水落大樹氏に話を聞きました。
——まずはNEUUについて教えてください。
宮内悠太氏(以下、宮内):最新技術をハブに、人と人がコミュケーションをする場を目指しています。施設のうりは「VR映画」で、国際映画祭の受賞作など国内外の作品を常時4~5作品視聴できるようになっています。VRに興味があってもVR機器を持っていない人はまだまだ多い印象ですので、NEUUに来ればいつでも誰でも最新の機材やコンテンツを楽しめる、といった場にしていければと思っていますね。
——G8Sのパブリックビューイングを開催する経緯はなんでしょうか。
水落大樹氏(以下、水落):もともとG8Sの選手とは、私的に交流があったんです。そこからG8Sが、ゲームを通じた地域連携イベントなども考えていきたいという話をうかがっていまして——。それならば、鉄道会社として沿線地域にさまざまなアセットやコネクションを持っている我々と何かできないかと感じ、そこから仕事としての対話が始まりました。
そして、今回のSFLのパブリックビューイングの話が具体的に出てきたので、NEUUの運営を担当している宮内に相談をしました。NEUUとしても新たな試みでしたが、既存とは違う層のお客さまにご来場いただけることのメリットも大きいと考え、まずはやってみよう、ということになりました。
——NEUUとしては場所貸しだけでなく、何かパブリックビューイングのための施策とかあるのでしょうか。
宮内:施設の訴求ポイントがVRやARといった技術の部分だけだと、お客さまへの認知の広がりがどうしても限定的になってしまうという課題感を持っていました。eスポーツのパブリックビューイングの開催は今回が初めてですが、集客力もあるしすごい熱量を持ったイベントだとあらためて感じましたね。ゆくゆくはVR機材がそろっていることなどを生かして、たとえばNEUUを起点にリアル会場とVR会場を繋いだイベントができたら面白いなと思っています。
また、今回は初めてということで飲食に関してはソフトドリンクとビールのみの提供でしたが、お仕事終わりで夕食を食べていないお客さまも多いように見受けられましたので、今後はお食事の提供なども検討できればと思います。当社グループにはレストラン業態もありますので、連携できる可能性も十分にありそうですし。デリバリーとの提携でNEUUに来た方とVR会場で見ている方たちが同じものを食べられるようになったら面白いかもしれませんね。
——今後はSFL以外でもパブリックビューイングを開催する予定はあるのでしょうか。
水落:今のところ具体的な計画はありませんが、個人的にはFPSなど対戦格闘ゲーム以外のジャンルでもやってみたいですね。もちろんジャンルを拡げるだけでなく、格ゲー自体ももっと掘り下げて拡げていきたいと思っています。あとは小田急電鉄の沿線でもこのような取り組みを増やして、沿線地域の活性化とeスポーツシーンの盛り上がりに貢献できればうれしいですね。
eスポーツに関心を寄せている沿線地域も多いと聞いているので。もしかしたら、いずれは複数の沿線地域を結んでリアルとオンラインを融合して行うイベントや、ほかの鉄道会社との対抗戦が開催される未来がくるかもしれません。
——鉄道会社は結構eスポーツに関わっていますよね。JR東日本、東京メトロ、京浜急行など。それらとの対抗戦は面白そうですね。
宮内:鉄道会社としては、人々に移動するための目的を持ってもらうことが最も重要なミッションだと思っています。そのためには能動的に移動するための楽しみが必要です。eスポーツにはその要素が十分にあります。
ゆくゆくはNEUUが沿線地域とeスポーツを結びつける聖地のひとつとして認識されるようにやっていきたいです。当面の目標としては、eスポーツのパブリックビューイングの定期開催やファンミーティングなどの交流イベントの開催ですね。
——ありがとうございました。
———
FENNELのチアパーティーの時もそうでしたが、チームが主催するパブリックビューイングは、そのチームの応援に特化するため、一体感と盛り上がりはかなりのものです。
以前のSFLは対戦チームをスタジオに呼んで対戦していましたが、今は昨年のリモート対戦が引き続き行われ、選手は自宅から参加しています。
パブリックビューイングも開催されているのであれば、選手がパブリックビューイングの場で対戦をするサテライト会場的に行うのもいいのではないでしょうか。昨年のSaishunkan SOL 熊本も再春館の社内にて選手が集まり、社員の応援のもと試合に臨んでいました。奇しくも、その試合をきっかけにSaishunkan SOL 熊本は右肩上がりに調子を上げ、準優勝の結果を残しています。目の前で声援を聞きながらプレイするのは選手にとっても励みになることは間違いないので、どのチームも試してみてはいかがでしょうか。
撮影:志田彩香
そんな中、今シーズンの要となりそうなのが、パブリックビューイングです。配信プラットフォームのZAIKOにてパブリックビューイング用のチケットを購入すれば、飲食店や商業施設などで簡単にSFLのパブリックビューイングを行うことができるようなりました。
開幕戦となる7月7日(金)には、Good 8 Squad(G8S)、広島 TEAM iXA、CYCLOPS athlete Gaming、忍ism Gamingの4チームがパブリックビューイングを行っています。
昨年まではコロナ禍により観客を入れての試合をほとんどできませんでしたが、今シーズンはパブリックビューイングという形で各チームとそのファンが交流しながら応援できる場を提供しています。
ガチゲーマーから親子連れまでさまざまなファンが集まったNEUU(にゅー)の会場
今回は、G8Sのパブリックビューイングにお邪魔してきました。G8Sが会場に選んだのは、新宿にあるNEUU。NEUUは、VRやARを使った映像視聴体験の提供やイベントの開催を行っている、小田急電鉄が運営するXR特化型複合施設です。
G8Sのパブリックビューイングは、1,100円(税込)のチケット制でしたが、現場での実況予定だったなない氏が不在となることで、急遽無料での観戦となりました。本来であれば、試合開始前になない氏とG8Sのオーナーによるトークショウなども予定されていましたが、それも中止となり、試合の観戦、応援、それにグッズ販売での展開です。
そういった事情もあり、パブリックビューイングの開始時間となっても、来場した客は2~3人程度で、パブリックビューイングの開催が危ぶまれるのでは?と思いましたが、試合開始直前となると一気に来場者が増え、最終的には40名ものファンが駆けつけました。
G8Sは3試合目の登場となり、1、2試合目はおとなしめの展開。もちろん『スト6』が好きな人たちが集まっているので、いいプレイが出たら沸くものの、『スト6』のファンは静かだなという印象です。
しかし、G8Sの出番となり、ガチくん選手や立川選手、ぷげら選手のスーパープレイが飛び出したり、ラウンドを取得したりすると打って変わって、大きな声が飛び交い、拍手喝采となります。やはりパブリックビューイングの会場にわざわざ来てまで応援するファンが大人しい訳がありません。推しのチームが登場するまでエネルギーを溜め込んでいたわけです。
試合が終わり、公式配信が終了したあとで、G8Sのメンバー全員がオンラインを通じて、パブリックビューイング会場と繋がり、大会の感想や対戦秘話などを話してくれました。これも現場ならではの良さだと言えます。
今回は残念ながら、なない氏とオーナーによる対談が実現しませんでしたが、代わりにオーナーとNEUUの担当者に話を聞く機会を得たので、今回のパブリックビューイングの成果と今後の活動について聞いてきました。
FPS主体のチームに負けないくらいのファンを増やしていきたい——Good 8 Squadオーナーの思い
——今回、パブリックビューイングを開催するきっかけはなんだったんでしょうか。
G8Sオーナー:最初はカプコンさんからパブリックビューイングを開催して欲しいとのオファーがありました。昨年のSFLでキャラバンを行いましたが、それ以前よりチームとしてはファンミーティングはやりたかったんですよね。
G8Sのファンは熱量が高いと思っていたので、絶対にファンと選手が会える機会は必要だろうと。競技タイトルが『スト6』になり、カプコンさんからのオファーもあったので、絶好の機会だと思いました。コロナ禍前では多くのファンはプレイヤーでもありましたけど、今はプレイしていない人のファンも増えてきている印象です。
その人たちには余計にファンミが必要だと考えています。1st STAGEの突破が確定したら選手とファンを集めたファンミをやりたいと思っています。
——パブリックビューイングを開催するにあたり、どんなことをやろうと考えていましたか。
G8Sオーナー:先ほども話しましたが、選手とのふれあいはしていきたいですね。現場でしか味わえないことはしていきたい。ゲームをプレイしない人が増えてきているとは言いましたが、それでもプレイヤーが多いのも事実です。対戦会の規模とまではいきませんが、今回は2台の対戦台を用意し、ファン同士が交流できるようにしています。
あとは、グッズの先行販売もしています。グッズコーナーには昨年のユニフォームも展示しているんですよね。これは売り物ではないですが、実際に選手が着たユニフォームを観られるのもオフラインならではだと思います。
——SFLが始まりましたが、今年の手応えはいかがでしょうか。
G8Sオーナー:昨年のチャンピオンチームであり、いろいろプレッシャーなども感じていると思います。今年のユニフォームはG8Sのロゴに密かにチャンピオンを示す王冠が描かれているんです。今シーズンは競技タイトルが『スト6』に変わったので昨年までと状況は大きく変わっています。チームの選手は比較的スロースターターの選手が多く、これまで以上にキツい年になるのではないかと感じている。ただ、選手やスタッフ全員の意識は高く保てています。
——G8Sはコーチや監督の存在がほかのチームとの違いでもありますよね。
G8Sオーナー:先週、ちょっとした合宿をしてみたんです。いろいろ試せていい機会となったんですけど、やはりコーチの存在は大きいですね。技術的な話より、コーチが不在だと、チームのことは選手だけで話合わないとならない。コーチが間に入ることで、選手同士の意見の交換がスムーズに行くようになります。
——『スト6』になって、これまで以上に盛り上がりを見せ、さまざまなチームが『スト6』部門を建てていますが、そこはいかがでしょうか。
G8Sオーナー:REJECTさんやCrazy RaccoonさんはSFLに参加しているeスポーツチームと比べても大手のチームといえます。特にCrazy Raccoonさんはファンの数だと国内TOPともいえるぐらいのチームで、そして数あるeスポーツチームの中でも特に箱推しのファンが多い印象です。ほかだとZETA DIVISIONさんでしょうか。
今後はそれらのチームに負けないくらいにチームのブランディングをしていき、チームのファンを増やしていかなければならない。それはチームそのもののことだけでなく、リーグ自体のファンの拡大にも繋がると思っています。そのひとつとして安易に強い選手を入れていくのではなく、G8Sとして認識されるような選手を育てて、チームの顔となってほしいですね。
——ありがとうございます。
小田急沿線地域の活性化とeスポーツシーンの盛り上がりに貢献したい——NEUU担当者インタビュー
次はNEUUの担当者である小田急電鉄 まちづくり事業本部新宿プロジェクト推進部課長代理 宮内悠太氏と、小田急電鉄 経営企画本部デジタル変革推進部DXグループ調査役 水落大樹氏に話を聞きました。
——まずはNEUUについて教えてください。
宮内悠太氏(以下、宮内):最新技術をハブに、人と人がコミュケーションをする場を目指しています。施設のうりは「VR映画」で、国際映画祭の受賞作など国内外の作品を常時4~5作品視聴できるようになっています。VRに興味があってもVR機器を持っていない人はまだまだ多い印象ですので、NEUUに来ればいつでも誰でも最新の機材やコンテンツを楽しめる、といった場にしていければと思っていますね。
——G8Sのパブリックビューイングを開催する経緯はなんでしょうか。
水落大樹氏(以下、水落):もともとG8Sの選手とは、私的に交流があったんです。そこからG8Sが、ゲームを通じた地域連携イベントなども考えていきたいという話をうかがっていまして——。それならば、鉄道会社として沿線地域にさまざまなアセットやコネクションを持っている我々と何かできないかと感じ、そこから仕事としての対話が始まりました。
そして、今回のSFLのパブリックビューイングの話が具体的に出てきたので、NEUUの運営を担当している宮内に相談をしました。NEUUとしても新たな試みでしたが、既存とは違う層のお客さまにご来場いただけることのメリットも大きいと考え、まずはやってみよう、ということになりました。
——NEUUとしては場所貸しだけでなく、何かパブリックビューイングのための施策とかあるのでしょうか。
宮内:施設の訴求ポイントがVRやARといった技術の部分だけだと、お客さまへの認知の広がりがどうしても限定的になってしまうという課題感を持っていました。eスポーツのパブリックビューイングの開催は今回が初めてですが、集客力もあるしすごい熱量を持ったイベントだとあらためて感じましたね。ゆくゆくはVR機材がそろっていることなどを生かして、たとえばNEUUを起点にリアル会場とVR会場を繋いだイベントができたら面白いなと思っています。
また、今回は初めてということで飲食に関してはソフトドリンクとビールのみの提供でしたが、お仕事終わりで夕食を食べていないお客さまも多いように見受けられましたので、今後はお食事の提供なども検討できればと思います。当社グループにはレストラン業態もありますので、連携できる可能性も十分にありそうですし。デリバリーとの提携でNEUUに来た方とVR会場で見ている方たちが同じものを食べられるようになったら面白いかもしれませんね。
——今後はSFL以外でもパブリックビューイングを開催する予定はあるのでしょうか。
水落:今のところ具体的な計画はありませんが、個人的にはFPSなど対戦格闘ゲーム以外のジャンルでもやってみたいですね。もちろんジャンルを拡げるだけでなく、格ゲー自体ももっと掘り下げて拡げていきたいと思っています。あとは小田急電鉄の沿線でもこのような取り組みを増やして、沿線地域の活性化とeスポーツシーンの盛り上がりに貢献できればうれしいですね。
eスポーツに関心を寄せている沿線地域も多いと聞いているので。もしかしたら、いずれは複数の沿線地域を結んでリアルとオンラインを融合して行うイベントや、ほかの鉄道会社との対抗戦が開催される未来がくるかもしれません。
——鉄道会社は結構eスポーツに関わっていますよね。JR東日本、東京メトロ、京浜急行など。それらとの対抗戦は面白そうですね。
宮内:鉄道会社としては、人々に移動するための目的を持ってもらうことが最も重要なミッションだと思っています。そのためには能動的に移動するための楽しみが必要です。eスポーツにはその要素が十分にあります。
ゆくゆくはNEUUが沿線地域とeスポーツを結びつける聖地のひとつとして認識されるようにやっていきたいです。当面の目標としては、eスポーツのパブリックビューイングの定期開催やファンミーティングなどの交流イベントの開催ですね。
——ありがとうございました。
———
FENNELのチアパーティーの時もそうでしたが、チームが主催するパブリックビューイングは、そのチームの応援に特化するため、一体感と盛り上がりはかなりのものです。
以前のSFLは対戦チームをスタジオに呼んで対戦していましたが、今は昨年のリモート対戦が引き続き行われ、選手は自宅から参加しています。
パブリックビューイングも開催されているのであれば、選手がパブリックビューイングの場で対戦をするサテライト会場的に行うのもいいのではないでしょうか。昨年のSaishunkan SOL 熊本も再春館の社内にて選手が集まり、社員の応援のもと試合に臨んでいました。奇しくも、その試合をきっかけにSaishunkan SOL 熊本は右肩上がりに調子を上げ、準優勝の結果を残しています。目の前で声援を聞きながらプレイするのは選手にとっても励みになることは間違いないので、どのチームも試してみてはいかがでしょうか。
撮影:志田彩香
【岡安学 プロフィール】
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)
Twitter:@digiyas
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)
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