僕らはまだまだ戦える——背水の陣で巻き返しを狙う!【NORTHEPTION BlackWiz選手インタビュー】

今年2度目の世界一を決める『VALORANT』の国際大会「VCT Stage2 Masters Copenhagen 2022 」が2022年7月10日(日)からスタート。日本代表として出場した🇯🇵NORTHEPTION(以下、🇯🇵Nth)は、韓国の強豪🇰🇷DRX VS(以下、🇰🇷DRX)と戦い、0:2で敗退。早くも敗者復活戦という茨の道を進むこととなった。

今回はそんな辛い試合を戦い抜いた🇯🇵Nthのリーダー、BlackWiz(ぶらっくうぃず)選手にインタビュー。初めての国際大会を終えた感想をおうかがいした。

▲BlackWiz(ぶらっくうぃず)選手

メタにメタられた🇰🇷DRX戦での惨敗


——おつかれさまです。🇰🇷DRX強かったです……。まずは試合を終えた感想をお聞かせください。

BlackWiz選手(以下、BlackWiz):率直に強かったのひとことに尽きます。練習と本番では全然違うなぁと感じました。

——具体的にどういった部分に苦しめられましたか?

BlackWiz:🇰🇷DRXとは普段からスクリムをしてお互いを高め合っているのですが、スクリムで僕らがやっていたことを対策されて、本番ではその対策に合わせたエージェント構成で挑まれたところに苦しめられましたね。本当にメタにメタられた。

※メタ:相手の構成や流行に対して有利な戦略を意味する。メタられるというのは「対策される」という意味合いでも使われる

——なるほど。配信でのインタビューでも「スクリムとは全然違った」とお話されていましたが、どういったところがスクリムとは違ったのでしょうか?

BlackWiz:実際に試合をして感じたのですが、スクリムでは練習を試しているような感じがしていて、お試しのエージェント構成で練習しているというイメージでした。

「相手がこういう構成だったら、こういう構成にしよう」みたいな、大会用とスクリム用で構成も戦い方も違うんだなという感じがしました。

——逆に🇯🇵Nth側はスクリムと大会で特に変化をつけずに挑んだのでしょうか?

BlackWiz:そうですね。僕らはメンバーが替わったり、メタが変わって時間がない状態ということもあり、常に準備に追われている感覚だったので、なかなか新しい作戦を用意することができませんでした。

——確かにさいたまスーパーアリーナでのプレイオフから2週間ちょっとですもんね。そんな中、🇯🇵FENNELのmltdwn(めるとだうん)さんがレンタル移籍として🇯🇵Nthに加入したとのことですが、実際にどのようなアドバイスを受けていましたか?


BlackWiz:僕らは今までアナリストがいなかったので、対戦相手をガチガチに対策するということができませんでした。mltdwnさんが加入してくれたことで、過去の対戦成績や各チームの情報をかき集めたレポートを作成してくれるので、戦術面での幅が広がるんじゃないかと思っています。

ただ今回の🇰🇷DRX戦に関しては、その対策のさらに上を行く対策をされてしまったので、正直手も足も出ませんでした。結果は振るわなかったですが、とても参考になる資料を作っていただいているので、次からの試合に生かされるんじゃないかなと個人的に思っています。

——今までの🇯🇵Nthは「自分たちの作戦をいかにいつも通りに再現できるか」というところに注力していましたもんね。そういった部分に、「相手チームの対策」という新しい戦い方がしっかりと刺されば、よりいい結果が出せると信じています!

meteor選手の行動が完全に封じられたのが大きな敗因


——試合に関して振り返りをさせてください。特に気になったのが2マップ目のバインドでの戦いです。アタッカーサイドの🇰🇷DRXは、とにかく時間をかけて詰め待ちをしている印象でした。ディフェンダーサイドの🇯🇵Nthが前に詰めてくるのを狭いエリアで待っているシーンも印象的でしたが、実際に戦ってみてどのように感じていましたか?

▲相手のエコラウンドに対しては徹底的に待ちで対策する🇰🇷DRX。自分たちから攻めることはせずに相手が様子を見てきたところを突くといった徹底ぶりはお見事

BlackWiz:バインドに限らずなんですが、🇯🇵Nthはmeteor主体で、それに合わせて僕らが動くといった戦術が多いのですが、meteorがやりたいことをまったくやらせてくれないっていうのがめちゃめちゃ多かったです。

油断している敵に突っ込んでキルを取ったり、普段だったらここにいるであろうという場所にアビリティーを合わせて攻めていくんですが、今日は自分たちが突っ込みたい場所に敵はいない。自分たちがアビリティーを入れたさらに奥で待たれて、フリーな状態でキルをされてしまうとっいたシーンが多かったので、とってもやりづらかったですね。

——観戦目戦でも🇰🇷DRXに掌握されているように見えたので、選手目戦だとさらに辛かったのではないかと感じました。

BlackWiz:そうですね。僕らが普段やっていた作戦を完全に対策しているようで、次に何が起こるのかを完全に頭の中で理解しているようにも感じて、完全に手の中で踊らされているなという状態でした。

——今回は完全に作戦負けという感じなんですね。ということはそこまで引きずらない?

BlackWiz:はい。ちょっとネガティブにとらわれてしまうかもしれませんが、もともと🇰🇷DRX負けるというのは想定の範囲内でもありました。というのも、彼らは国際大会を何度も経験しているのに対し、僕らは初めての経験ということもあって、初戦で通じる相手ではないというのも感じていました。

さいたまスーパーアリーナでの🇯🇵ZETA戦のような感じですね。🇯🇵ZETAがオフライン慣れしているのに対し、僕らはオフライン慣れしていなかった。相手側に余裕がある状態での試合でもあるので、僕たちの本番は次からだと確信しています!

——今の言葉を聞けてよかったです!

BlackWiz:どちらかというと僕は国際大会に出られて楽しいという部分が勝っているので全然大丈夫です!

日本代表として出場して負けてしまったのは、日本として良くないニュースではありますが、僕個人としては日本を背負っているというよりも、いちプレイヤーとして国際大会の舞台に立てているということ自体が幸せなので、楽しい気分でMastersに挑めています。

——初めての国際大会はいかがですか?

BlackWiz:直前のさいたまスーパーアリーナでの大会がすごかったので、緊張とかはありませんね。ほかのメンバーも国際大会ということでテンション上がってプレイができているので、とてもいいんじゃないかなと感じています。

——よかったです。では、最後に次の試合の意気込みと、ファンに向けてのひとことをお願いします。

BlackWiz:ファンの皆さんいつも応援ありがとうございます。初戦は🇰🇷DRXに負けてしまいましたが、そのことはいったん忘れて、プレイオフまで進出してもう一度🇰🇷DRXにリベンジしたいと思っています。

僕らも気持ちを切り替えて次からの試合がんばりますので、変わらぬ応援をいただけるとうれしいです!

次の試合も #NthWIN でお願いします!

——ありがとうございました!

———

悔しくも前回の「VCT Stage1 Masters Copenhagen 2022 」の初戦と同じような流れになってしまった日本代表。しかし選手はそこまで落ち込んでいる様子はなく、むしろこの環境を楽しんでいる姿が多く見受けられた。配信でも、いつも通りの笑顔を見せるDerialy選手や、リラックスしながら会話をしている選手たちの姿を見ることができた。

▲左からmeteor(めてお)選手、BlackWiz(ぶらっくうぃず)選手、JoXJo(じょじょ)選手、Derialy(でりありー)選手、xnfri(ぜんふ)選手

本人は言葉にはしていないものの、日本代表としてのプレッシャーや重圧は少なからず感じているはずだ。しかし、🇯🇵Nthといえば逆境に強いチーム。この敗北をバネに、背水の陣を敷く勢いで戦い抜いてほしい。

次は7月13日(水)1時から敗者復活戦が予定されている。次回も変わらずハッシュタグ #NthWIN で応援していこう!

【番外編】希望がかなったmeteor選手の心境やいかに

——そういえば、さいたまスーパーアリーナでの合同記者会見で、「Mastersで戦ってみたいチーム」という質問に対し、meteor選手は🇰🇷DRXとおっしゃっていました。さっそく実現できたわけですが、meteor選手はどんな感じでしたか?

BlackWiz:本人は悔しそうでしたね。あの時は「🇰🇷DRXと戦ってみたい」と応えていましたが、おそらく「🇰🇷DRXと戦って勝ちたい」というのが本音だったのではないかと思っています。彼は韓国でずっと負け続けていたという過去があるので、ここでリベンジしたいという気持ちが強いんじゃないかな。

——なるほど。では、敗者復活戦でもし当たることがあったらリベンジしたいですね!

BlackWiz:そうですね。敗者復活戦というよりもプレイオフでリベンジしたいです!

——期待しています!

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【井ノ川結希(いのかわゆう)プロフィール】
ゲーム好きが高じて19歳でゲーム系の出版社に就職。その後、フリーランスでライター、編集、ディレクターなど多岐にわたり活動している。最近はまっているゲームは『VALORANT』。

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