【特集】深遠なるゲーミングデバイスの世界

【特集】深遠なるゲーミングデバイスの世界:アケコン編第1弾「HORI ファイティングエッジ刃 for PlayStation®4 / PC」を紐解く!【レビュー】 (2/2)


柔らかめのレバーは正確な入力を再現
ボタンは疲れにくい浅いストロークが快適!


三和製のパーツの手触りを残しつつ既存の不満点を解消するために開発されたと言われているHAYABUSAユニット。実際に操作してみた第一印象は「柔らかい操作感でありつつもしっかりとした入力が再現できる感触」というイメージだった。良くも悪くもあそびが少なく、自分の入力を正しく再現してくれるので、曖昧に必殺技を出そうとしても技が出ない。

それは格闘ゲームのトレーニングモードにある機能で、入力したキーが表示される「キーディスプレイ」を見ても顕著で、適当にレバーをグルグル回しただけでは斜め入力が抜けていることがあるのだ。

▲適当にレバーを回すと斜めの入力が抜けているのがキーディスプレイでも確認できる。

かとってこれでもかというくらい、ガッチガチにレバーを入力しなければならないのかというとそうでもない。これが不思議なところで、入力は軽めでも正しくコマンドが入力されていれば、ちゃんとレバーにその入力が伝わっているのだ。これは正確なコマンド入力を必要とされるゲームはもちろん、正しいコマンド入力を覚えたいプレイヤーにはありがたい。

言い方を変えればコマンド入力が正しくできていないと、HAYABUSAユニットを扱うのは少々難があるかもしれない。この辺は自分の操作感が試されるところだ。

▲そもそも斜め入力が苦手なプレイヤーは、薬指と小指でレバーのシャフトを挟む通称「ウメハラ持ち」を採用してみよう。斜め入力しやすい持ち方のひとつだ。

一方、ボタンの方はストロークが浅いためボタンの同時入力がしやすい印象を受けた。また天板とボタンの接触部分はなだらかな曲線になっているため、いわゆる「こすり連射」をしても爪に負荷がかかりにくい。


▲一般的なアーケードスティックのボタンとの比較。厚みの違いは一目瞭然。ショートストローク化することでボタンの戻りが早くなっているのだ。

またボタン表面はマット調仕上げになっているため、サラサラとした感触。手汗によりボタンの滑りが悪くなってしまう人にオススメしたい。

▲傷が目立ちにくいというのもポイント。このサラサラ感はかなり操作性をカバーしている。

半面ストロークが浅すぎてしっかり入力している感はないので、打感のあるボタンに慣れている人は違和感があるかもしれない。ボタンは「カチッ、カチッ」という入力を求めている人には不向きとも言える。

トレモのオトモに!
地味に便利なアサインモード


取扱説明書を見たとき「このアサインモードは正直あまりいらないかな」と思っていた。大会ではキーの改ざんとして使用はできないだろうし、複数のボタンの入力が記憶できるわけでもないし……。とは思っていたが、格闘ゲームのトレーニングモードで非常に役に立った。

ストリートファイターV アーケードエディション』を例にしてみよう。『ストリートファイターV アーケードエディション』のトレーニングモードには、状態を保存したり、保存した状態を再生したりとさまざまなショートカットがR3やL3、タッチパッドボタンに割り当てることができる。


これらのショートカットを入力する際、ボタンの側面や背面のボタンを入力しなければならないので、とっさに入力できないのがネックだった。

例えば『ストリートファイターV アーケードエディション』の通常プレイでは使用しない、L1、L2ボタンにR3やL3ボタンを割り当てれば、即座にショートカット操作にアクセスできるのだ。

一定の状況化でのコンボをくり返し練習したいときや、Vトリガーを使ったコンボを繰り返したいときなど、即座に保存した状態に戻したいときなどに重宝する。

大会では必須とも言える膝置きプレイの安定性は随一


「刃」には底面に滑り止めマットを採用しているため、膝置き時のプレイでもアーケードスティックをしっかりと膝の上でホールドした状態でプレイできる。


また滑り止めには天然ゴムを使用しているので、金属の冷たさを感じることもなく快適にプレイできるのもうれしいところだ。そもそも「刃」は重量もありサイズも大きめなので、膝置きプレイによる不安定さのストレスはまったくなかった。

その重量とサイズから持ち運びのしづらさは否めないが、慣れない環境でもいつも通りのプレイ環境が再現できるのは、大会出場プレイヤーにもうれしいポイントと言える。

底面から内部にアクセスすればレバーやボタンの交換も可能に


アーケードスティックはある意味消耗品でもあるので、レバーやボタンが劣化してしまうことも少なくない。「刃」は底面にある6つのネジを外すことで内部にアクセスが可能。三和製やセイミツ製のレバーやボタンなどに換装することも可能だ。

▲6つのネジのうち中央のひとつはWARNINGのシールで隠されている。このシールを剥がせば底面のすべてのネジを外すことができるが、同時に保証対象外になってしまうことは覚えておこう。

▲内部は基本的なアーケードスティックと同じ構造なので、レバーやボタンの換装に慣れている人なら難なく交換できる。

「刃」を1カ月間試用してみたが、HAYABUSAユニットは想像以上に快適な操作感で、天板の広さや重量感により安定したプレイが実現できた。なにより、この高級感あふれるデザインはテンションが上がりっぱなし!

「いやー、いいわー!」とか、「これよ、これっ!」と言わずにはおれない満足感だった。どのアーケードスティックを購入しようか悩んでいるプレイヤー、ハイエンドモデルのアーケードスティック購入を検討しているプレイヤーは、ぜひこの「刃」の操作感を体験してほしい。

【eSports World編集部の評価】

操作性:★★★★☆
機能性:★★★★★
デザイン性:★★★★★
価格:★★★★☆
携帯性:★★☆☆☆

総合評価:4

機能性、デザイン性は申し分なし! 操作性は正確なコマンドを伝達するHAYABUSAユニットの魅力ゆえにプレイヤースキルを求められる部分もあるので★4つ。ネックなのは携帯性だが、こちらは家のみの使用に決め打ちしているなら無問題。大会に持っていく際は大きめのトランクやリュックで運ぶということであれば回避できるレベルだ。

■ファームウェアアップデートのおしらせ

初期出荷の「刃」には、PlayStation 4本体起動後、本製品のPSボタンを押しても反応しない不具合があったが、これはファームウェアをアップデートすることで解消できる。製造ロット番号:71012で、こちらは底面にあるラベルで確認できる。アップデートはWindows PCから行えるので、対象のロットを所持している人は下記のサイトを参考にしてアップデートをしよう。

ファームウェアアップデート手順:https://hori.jp/topix/update/PS4-098/


■関連リンク
株式会社ホリ:https://hori.jp/
ファイティングエッジ刃 for PlayStation®4 / PC製品情報:https://hori.jp/products/p4/FE4/

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